2章も大分後半に差し掛かってきました!出来れば今月までには終わらせたいところですが仕事が・・・・・・・(言い訳
あの惨劇が明けて現在仮眠室にフィアと二人でいる(あれ?もしかしてまだ続くの?)仮眠室は2段ベッドが縦に左右二つ並んで置いてあり、その間に丸テーブルと椅子に二脚、隅には小さなテレビと冷蔵庫と簡素な部屋だった。ちなみに交代で氷室と山下さんはシャワーを浴びに行っている。
俺とフィアは冷蔵庫にあったミネラルウォーターを拝借して丸テーブルを挟んで座っているのだが・・・・・フィアは荒い息を吐きながら自前のカメラを連写している。フィアは備え置きのTシャツと半ズボンを着ているのだが、俺はフィアが謎の技術(技能)で作成したフリル付きワンピース(白)を着ている。おそらく備え置きのTシャツを加工して作ったのだろうが作るの早すぎない?無駄にフリルまで付いてるし。サイズもぴったしで着心地もいい。変態に技術を与えた結果がこれだよ!!それと下着は洗濯中で付けてない。まぁ、俺の場合、下はトランクスで上は家にあった包帯巻いていただけなのだが、それを見たフィアがいつか見た氷室と同じ「お前正気か?」みたいな顔をしていた。そういえばフィアに俺が男だってことを伝え忘れていたな。ちょうどいい機会だし伝えておくか。
「なぁ、ちょっといいか?」
「そのちびちび飲む姿も可愛い・・・はぁはぁ」
「おーい、聞いてるかー?」
「髪の毛乾いたら色々いじくってもいいなぁ・・・はぁはぁ」
だめだ。完全にトリップしてやがる。だが埒があかないのでこのまま進める。
「言ってなかったことがあるんだが、俺は男なんだ。参加する際に女のキャラクターシートしかなかったからであって、肉体は女だが、精神は男なんだ」
「はい?知ってますが?・・・・はぁはぁ」
「・・・ホワイ?」
「駅で合流した際に月島さんから「まだ来ていない奴・・・九十九響って名前なんだが、そいつリアルの方では男だけど参加するときに女のキャラシで応募しちまってな。女の体になってから色々とあるだろうから、面倒みてやってくれ。中身が男だが肉体は女だから俺たちじゃフォローできない所があるだろうし・・・・」とおっしゃってましたので」
「その無駄に再現率高い声真似しなくていいから・・・それにしてもあいつがねぇ~?」
「あら?いいご友人じゃないですか」
「いい友人ねぇ・・・」
ボス戦で置いていくし、夕飯ちょくちょくたかりに来るし、対戦ゲームで容赦ないし・・・良くて悪友?みたいなかんじだな。俺の周りにいなかったタイプだから新鮮に感じるけどな。
「健吾さんは息子?いえ、娘として接しているところがありますが、月島さんは響ちゃんを男性として接してはいますが完全に男性と見ておらずといったところですかね?その証拠に響ちゃんをシャワーに誘わず、むしろ私に任せてきましたから。」
「俺としてはどちらでもよかったんだがな。いやむしろ肉食獣(変態)と一緒に入るよりあっちの方がマシだな」
「あら?それは失礼。私は以前は男だったと言われても男性の時だった姿を見たわけではないのでいまいちピンときませんので普通なら響ちゃんを女性としか思いませんよ?ただ女性として扱われる事が不快に思われるのでしたらその時は言ってください。・・・・・・自重したしますので」
「絶対にしない・・と言わないあたりが怖いんだが?まぁ、女の体になったと言ってもたった一年だけだ。ぶっちゃけそこまで気にしてない。誰かが言った言葉で「そうゆう事ならそうゆう事でいいんだ」ってな。ここで俺はどう喚いても暴れても起きてしまったことを無かったことにできない。それならむしろ貴重な体験出来てラッキー程度に思っておくさ」
「それでしたら是非我が家に!今でしか出来ない事(着せ替え)をいたしましょう!」
「あ、それは結構です」(真顔)
その後、何度も迫って来るが跳ね除けることはできたが、せめて下着はきちんとつけないとやばい事を説明されたので今度からつけることにした。なぜかフィアが自称新世界の神の顔芸をしていたがなぜだろうか?その後もフィアの写真撮影会(無許可)は続き、氷室達が戻ってくる頃には髪までいじくりまわされていた。
翌朝、習慣で7時頃に起きた俺はまだ眠っている3人を起こさないように仮眠室を出る。3時間程度しか寝てないが社畜時代の名残で短い睡眠でも平気な体になってしまった・・・いや、これが何日も続くと支障をきたすが一日程度、どうってことない。特にやることがないのでこの基地を散策することにした。行ってない部屋はエレベーター側から見て手前の左右二部屋。まずは左の部屋から見ていく。
この扉に鍵はかかっておらず、中に入るとそこは一言で表すなら食堂だった。長机と長椅子が並べられ、奥のほうにカウンターがあり、その向こう側がキッチンとなっている。ただ、キッチンを見るにしばらくの間使われた形跡がない。唯一大型冷蔵庫だけが稼働しており、中にはコンビニなどで見かけるレンジで温めれば出来上がる惣菜類や飲み物だらけであった。申し訳程度に食材もあるが傷んでいたり賞味期限が切れた物もある。食堂をある程度見て回り、次は食堂の向かい側の部屋に向かう。
こちらの扉には鍵がかかっておりドアノブを押しても引いても開かなかった。幸い一番奥の部屋と違い指紋認証ではなく一般的な鍵で開閉できるみたいなのでこの子(ピッキングツール)の出番だ。
《ロール鍵開け51→98 ファンブル》
鍵開けを始めて10分ごろにダイスが振られたかと思うとまさかのファンブル・・・やばいと思い鍵穴からピッキングツールを引き抜こうした時、何かに引っかかりポッキリと折れてしまった。更に折れてしまった部分が鍵穴内部に取り残されてしまい引っこ抜けない。
・・・・・・・・俺は何もしてない。偶然鍵穴に金属の棒が刺さっていたのを見つけただけ・・・・そうしよう。
これで入れる部屋はすべて見てしまい、やることが無くなった俺は再び食堂へ向かい冷蔵庫の整理と若干埃の積もったキッチンを掃除することにした。こう・・・やることがないと部屋の模様替えや掃除したくならない?
掃除を始めて2時間後、キッチンだけではなく食堂の机や床などにも手を付けてしまった。(部屋の隅に掃除用ロッカーがあったので拝借した)お腹もすいてきたので今は残された僅かな材料で朝食を作っている。足りないものは惣菜やレトルト物で補う。ちなみに献立は白飯(米だけは無駄にあった)焼き魚(惣菜を焼いただけ)だし巻き卵(俺はめんつゆ派ではなく砂糖派です)味噌汁(賞味期限ぎりぎりの豆腐と乾燥わかめ)である。・・・・碌なもんがねぇな(結論)
朝食を作っていると匂いにつられてきたのか食堂にフィア、山下さん、氷室と続いて目にクマが出来上がっている古鷹さんに増山さんが集まってきた。作っている最中に俺の第六感が「多めに作っときなさい」と忠告を聞いていて良かった。出来上がった料理?を食器に盛り、お盆で運んでいく。全員寝不足なのか半分夢の中にいるみたいで長椅子に座ったまま動こうとしないからすべて俺が運ぶ羽目となった。古鷹さんや増山さんはいいとして残りの三人は少しは手伝ってほしいですねぇ?
全員に朝食がいきわたったころに全員の意識が覚醒し、きょとんとしていたので俺がさっさと食べろと声をかけると一斉に食べ始めた。食べ始めると古鷹さんと増山さんが「うめぇ、うめぇ」と泣きながら食べる姿にドン引きし、フィアの上品に食べてる姿にそういえばこいつお嬢様だったなと思い返し、山下さんは嫁に連絡するの忘れていたと頭を抱えて、氷室に至ってはだし巻き卵はめんつゆ派なんだよなぁとほざいてきやがったので軽く言い争いがおこったが割愛しよう。
全員が完食して、食器を洗い場に貯めてあった水に漬けておくように指示し、一息終えたところで本題に入ることにした。
「結局話し合いの結果はどうなったんだ?」
「その件なんだが・・・結果から言うと、何もできない」
「それはこのまま野放しにするということですか?」
「私たちも昨晩上層部とコンタクトを取ったのだが上はこの件は無かったことにすると突っぱねられたんだ。理由を聞こうとしてものらりくらりと躱されて話にならない。考えたくないがこの一件に上も噛んでいると考えたほうがよさそうだ。そのおかげで人員補充もままならない」
その言葉を聞いてこのシナリオを知っている俺たちは思った。明らかに蛇人間の支配下に置かれてますね、本当にありがとうございますと。
「この基地には他の隊員はいないんですか!?流石にこれだけってことは・・・・」
「残念ながらこれだけだ。残りは情報収集・処理がメインの非戦闘員だけなんだ。戦えるのは俺と一応ここの司令官の敬一郎だけだ」
山下さんが一縷の希望に賭けてみるが返答は芳しくなかった。
「現状を確認するに、こちらは支援を受けられず戦力はここにいる俺たちだけであちら側はグールの大群に蛇みたいな人間と攻撃の利かない液状の化け物、おまけにバックには国の上層部がいるって訳だ・・・・泣けてくるな」
「聞けば聞くほど不利な状況ですが、どうにかしませんと被害は増えていく一方ですわよ?」
「俺もこのまま泣き寝入りする気など毛頭ない!死んでいった部下たちの為にも一矢報いるつもりだ!」
「私も源太と同意見です。それでどうにかならないかと情報を探ってみたんです。それで見つけたのがこれです」
増山さんはそう言って束になった書類を長机の上に広げる。
「上層部の動きを探ってみた結果、毎週木曜日にある場所に必ず通っていることが分かった。その場所はここだ。通常【白蛇の家】と呼ばれている新道系の新興宗教団体だ。政財界から大物芸能人まで通っているらしく普通に考えたら新参者の宗教団体ではありえない。教主は【いきがみさま】と呼ばれる女性で圧倒的な知識と経験、そして類稀な奇跡の力をもっているらしい。ここに通っている人たちは人が変わったのように【いきがみさま】を信仰するようになって多額の寄付金、援助を行い始める。それに夜中に不審なトラックが出入りする情報も入っていて、最近巷で事件になっている失踪者の件も一枚かんでいる気がする。」
「つまりここが敵の本拠地であり黒幕がいるって事だ」
机に並べられた書類を見るに間違いはないだろうがよくここまでの情報を一晩でやってのけたものだ。流石は特殊部隊の司令官ってとこか。
「本来なら正規の手段も用いて捜査するとこなんだが、さっき言った通り上層部が敵に回っている以上それは無理だ。それなら独断で潜入し、証拠等を回収する必要が出てくる・・・・・そこで君たちに相談がある」
「大体の予想が付くが一応聞いておこうか」
「奇遇ですね。私も予想できましたわ」
「僕もだね」
「俺たち(探索者)にとっては常套手段のあれだな」
「察しの通り、シールドで現在潜入を行えるのが源太だけだ。だが、一人では正直不可能だろう。そこで君達も同行、補佐してほしい。かなり危険な頼みな上に本来なら関係のない君達を巻き込むのは自衛官として失格だがあえてお願いする。どうか我々を助けてはくれないだろうか」
椅子から立ち上がり深くお辞儀する増山さんと古鷹さん。俺達はお互いに顔を見合わせて確認を取る。ここで逃げ出してしまったらこの町は悲惨な目にあうだろう。ここは俺達がいた世界ではないが、この世界にいる人たちは意思のないNPCではなくそれぞれしっかり意思を持って生きている。この世界に来てしまった者としてなりより探索者として逃げると言う選択肢はない。それなら返事は決まったものだ。
「潜入は探偵(探索者)の本業。大船に乗ったつもりで任せろー・・バリバリ」
「その大船、泥とマジックテープで出来てね?俺としては異存はないが報酬はきっちり貰うからな」
「財政界にまで手を伸ばしてるのでしたら私も他人事ではありませんね。それに私の友人の行方の手がかりもそこにありそうですし、お任せください」
「僕が付いて行って何か出来るか分かりませんが、嫁の安全の為にも頑張ります」
失踪者・・・依頼・・・ハッ!?久美ちゃん探さないと!?・・・多分白蛇の家にハイエースされていると思うが無事でいるといいなぁ・・・・
全員承諾すると二人は顔を上げて感謝の言葉を送ってきた。侵入するとしたらやはり夜がいいので今夜までに侵入ルートを探しておくのでそれまでゆっくりしていてほしいと言うと増山さんは奥の部屋へ向かい、山下さんはその手伝いとして着いて行った。氷室は古鷹さんに銃の扱いに慣れていると言われ、装備を準備するためにここより地下にある武器庫に向かうべくエレベーターに乗って消えていった。残された食堂に残されたのはフィアと俺・・・デジャヴ?猛獣に捕まる前ににげなければ!
「それじゃ、俺は洗い物があるからこれで・・・・」
「髪型を変えて撮りたかったのですが・・・いえ、逆に考えるのです、その間に新しい服を作ればいいじゃないか・・と。早速生地を取りに行かないと」
速足でシャワー室に向かうフィア・・・やめたげて!これ以上据え置きを使っちゃうと無くなるから!それともう着替えはいらないから!洗った服はもう乾燥しているから!と俺の思いも虚しくフィアは食堂から出ていく。変態を止めるすべを持たない俺は一人食堂で洗い物を片付けて昼飯の準備を始めるのだった・・・・・
昼飯に余った食材でチャーハン作ったら増山さんにここで働かないかと打診された・・・・いや、あんたら簡単な料理くらい自分で作れよ。
君たちはファンブルを出さないと落ち着かないのかな?KP(作者)困っちゃうな?(激おこ