探索者って明らかに超人だよね?   作:九十九猫221

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果たして九十九はこの先生き残れるのか!?


九十九「クトゥルフって仲間と協力するやつなんだがなぁ?」
女神?「お前の特徴見てみろよ」っ寄せ餌





余裕のダイスだ!音が違いますよ(白目)(腕死7日目)

《戦闘を開始します。ロール宣言をしますか?》

 

もちろん技能は使っていく。武器が警棒だから−10%掛かるから50%まで落ちるが、確率的に2回に一回は成功する筈だ。素手でも倒せる相手なのだからワンチャン一撃でいけるだろう。

 

《1R目 ロール宣言をどうぞ》

 

先制攻撃と言いたいところだが、まずは相手の情報を抜き取ることから始めよう。本来なら山下さんに任せる予定だったが仕方ない。

 

《ロール目星60→40 成功》

 

目星を成功させると頭の中に情報が入ってくる。

 

Str13 con18 siz18 int18 pow15 dex11

耐久24 san0 ダメージボーナス1d4

武器 ハサミ 40% 1d6+1d4

装甲 貫通系の武器は最低値のダメージとなる

 

エェ〜なぁにこれぇ。いや、普通に強いんですが?想像の斜め上すぐるんですが?というか40%って高くね?俺の耐久残り9だからワンチャン即死なんですが?一撃で倒されるの俺なんですが?というか耐久24とかなにかのバグ?

 

目星から得られた情報に愕然とする。

 

「これ絶対一人で相手にするやつじゃねーだろ!」

 

いくら叫ぼうとも現実と時間は無慈悲に過ぎていき、相手が動き出す。

 

《ロールハサミ40→37 成功》

 

アイエエエエエエ!?成功!?ナンデ!?

脇腹から生えていた関節肢の先にある大きなハサミがまっすぐ伸びてくる。

 

「か、回避いいいいいい!!!!!」

 

《ロール回避50→16 成功》

 

反射に近い形で身を屈めると、頭上ではシャキンとハサミが閉じられた音がする。もし何もしていなければマミる自分を想像し血の気が引いていく。

 

いつもは画面の向こう側での出来事、それも空想上ともなれば「あ〜、ダメージ食らっちまった」などで済む話だが、ここでは痛みも恐怖も本物で自分はその当事者だ。剣道で多少の痛みは慣れている、だが、これは命のやり取りだ。殺すか殺されるか。シンプルな二択。つい1週間前まで平和な世界に生きていた俺にはとてもだが耐えられるものではない。

 

頭上のハサミから急いで距離を取り警棒を構え直す。先ほどと違い、呼吸が落ち着かなく、視界がブレて見える。冷や汗は止まらなく上に腕がブルブルと震えている。

 

いま頭の中にあるのは死にたくないという生物がもつ最も原始的な思考だが、この部屋からの脱出は無理、敵は俺を殺しに来るという八方塞がり。

 

ならば、どうすれば生きれる?この答えを何回も考える。

何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も…………そしてたどり着いた答えが死ぬ原因が無くなればいいというものだった。

 

死ぬ原因はなんだ?

目の前の生物だよ。

この生き物がいなくなるにはどうすればいい?

殺せばいいと思うよ。

どうすれば死ぬ?

その手に持っているもので殴り殺そう

殺せるのか?

殺さないと殺されるよ

あぁ、そうだな

えぇ、そうね

 

「……殺す」

 

この言葉を呟いたのは誰だろうか?殺意以外の一切の感情を削ぎ落とした言葉を誰かが呟く。だが、そんなことはどうでもいい。さっきまでの体の異常がなんだったか、今は体も思考もベストコンディションだ。

 

《2R目 ロール宣言をどうぞ》

 

俺は迷わず日本刀を選ぶ

 

《ロール日本刀50→14 成功》

《ロール回避22→73 失敗》

 

一気に距離を縮め、構えた警棒を相手の脳天めがけて鋭く振り下ろす。ミ=ゴもどきは避けようと足掻くが俺の振り下ろす方が早い。

 

《ダメージ1d6+1d4→5 耐久19》

 

動いたせいで脳天には当たらなかったが右肩に警棒が鈍い音を立てて当たる。甲殻にヒビが入り、そこから真っ赤な血が溢れ出して来る。

 

「なんだ、ミ=ゴの血は赤いのか。いや、人間がベースだからか?まぁどうでもいいか。血を流すなら殺せる。そのまま無様に死んでくれ」

「コトリ、やめるんだ。さぁ、いっしょになろう」

「喚くな、化け物。人間の言葉を喋るな」

「いっしょにいっしょにいっしょにいっしょに」

 

《ロールハサミ40→17 成功》

 

同じ言葉を繰り返しながらも再びハサミで命を刈り取りに来る。一撃でも食らえば後がない俺にとっては相手の技能成功は喜ばしくない。というか40%成功しすぎじゃないのか?

 

先ほどと同じ様に首を狙った攻撃をしゃがんで回避するが、学習したのか、もう一つのハサミでしゃがんでいるところを狙われた。

 

《ロール回避50→51 失敗》

《ダメージ1d6+1d4→6 耐久残り3》

 

俺のダイスの結果が出た。やぁ、妖怪《イチタリナイ》出てきて早々だが帰ってくれ。フ○ック!

ハサミの片刃部分が俺の脇腹に突き刺さる。おびただしい量の血が流れていき、それに比例するかの様な激痛に襲われる。

 

「あっ……がぁあああああああ!!!!!!」

人生で体験したことのない痛みに叫ばずにはいられなかった。

 

《ショックロール65→50 成功》

 

痛みで意識が飛びそうになるもさらなる痛みで目が醒める。化け物がもう片方の刃を閉じようと動かすところを見て反射的に俺を貫いている刃を掴み、無理やり引っこ抜く。痛みでおかしくなりそうになるが、なんとか胴体と泣き別れせずに済んだ。

 

《3R目 ロール宣言をどうぞ》

 

畜生が。少しは休ませてくれよ。残り耐久は3。ワンパンでも食らえば自動気絶&脳缶エンドまっしぐら。全くいろんな意味で泣けて来るぜ。だがここ初期値の応急手当しても焼け石に水。なら取るべき行動は……攻撃あるのみ!

 

 

 

 

 

 

 

 

《ロール日本刀50→97 ファンブル》

 

デデドン!という音が聞こえた。

 

化け物に振りかざした警棒が部屋の彼方へフライアウェイしていった。…………言い訳させてもらうと血を失い過ぎたせいで力が入らなかったのと持ち手部分が血で濡れて滑ったのだ。取りに行こうもその隙に背中をブサリと殺られてしまうだろうし、こぶしなどで殺そうにもかなり厳しいだろう。あぁ、クソ。ここまでか。

 

「さあ、いっしょになろう」

 

迫り来るハサミをぼんやりと見ながらそう思っていると

 

「きちんと行動順は守ろうな?」

 

化け物の背後に諸悪の根源(氷室)が火炎瓶に火をつけた状態で立っていた。

 

「流石にこの距離なら投擲技能使わなくても当てられるぜ」

 

手にした火炎瓶を化け物の背中に叩きつけるかの様に投げる。パリンという音と共に中のアルコールがこぼれ落ち、瞬く間に炎が燃え広がる。

 

《燃焼ダメージ1d4→3 耐久16》

 

化け物は堪らず暴れまわるが、一度火のついた早々に消えない。

 

「じゃま、を、するなああああああ!」

 

《ロールハサミ40→75 失敗》

 

氷室目掛けてハサミを振るうが全て空振りに終わる。おい、さっきまで俺に当てていたハサミ裁きはどうした!

 

「やばそうな声が聞こえたんで急いで戻ってみてみれば………大丈夫か?」

「(ヤブ)医者なら見てわかるだろう?正直立ってるのが奇跡みたいなもんだよ。それよりもまだあいつの耐久値残ってるぞ。油断するなよ」

「それなら大丈夫だ。あいつに次のRは来ない」

 

それはどうゆうことだと聞く前に異変は起きた。炎に焼かれ、暴れ回っていた化け物が急に動きを止めたかと思うと、痙攣し始めた。さらに全身から血が溢れ出しその場に倒れこんだ。

 

「メインコンピュータと一体化していたこいつにウイルスはよく効くだろ」

 

そういえばそうゆう手筈だったな。すっかり忘れてた。未だに痙攣しつつ、背中が燃えている化け物を見ていると山下さんも戻ってきた。

 

「よ、良かった。あのウイルスがうまくいったんだね!……って九十九君大丈夫かい!?」」

「なんとか生きてはいますけど正直しんどいです」

「早く氷室君に診てもらうといいよ。っと、これって九十九君の警棒だよね?いきなり飛んできてびっくりしたけど」

「あっ、すみません、ありがとうございます」

 

警棒を受け取り、怪我を診てもらおうとした時

 

「ああ、コト……リ。そこに…いる…のか?」

「呆れた生命力だな。こんな姿になってまで奥さんを想ってるなんてまさに愛は偉大なり、だな」

「僕も妻がいる身だからね。この人の気持ちがすごく分かるよ」

「え?山下さん既に勝ち組!?」

「ふふん、君達よりは長生きしてるからね。というか35歳で居なかったらもう孤独死まっしぐらだからね」

「もうすぐ30代の俺には耳が痛いですよ……っと、九十九、何か答えてやれよ。危険はない」

「ん?ああ、そうだな」

 

火もだいぶ弱まり近づいても問題は無さそうなのでゆっくりと近づいていく。

 

「コトリ…いるん…だろう?めが…みえないんだ。てを…にぎって…くれな…いか?」

 

ゆっくりとだが人間の右手を差し出して来る。化け物に落ちようと、今にも死にかけようと奥さんのことを大切にしている事は尊敬するよ。このまま差し出された手を握り、安堵しながら逝くんだろう。後ろの二人もそんな展開を想像しているだろうし、殺されかけた俺も一時期は憎かったが今はこの瀬良正馬という人物に最後くらい、いい夢を見させてあげようと手を差し出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「化け物風情が最後はいい夢見て終われると思ったの?」

 

グシャリと肉が潰れる音がした。それは差し出したと思っていた手が警棒を脳天目掛けて振り下ろした音だった。伸ばされた右手はビクンと一度跳ねるとそのまま地面に落ち、動かなくなった。

 

「「え?」」

 

後ろから驚きのことが聞こえる。自分でも目の前の出来事が信じられなく、唖然としているが、自分がとどめを刺した感触がまだ手に残っている。それに振り下ろす直前に言った言葉つい最近何処かで聞いたことあるような………

 

と、考えていると急に瞼が重くなり、体も立っていられなくなるほどの疲労感に襲われる。地面に打ち付けられた感触と遠くで誰かが叫ぶ声が聞こえているが眠気に勝てずそのまま意識を手放した。

 

 

 

 




強い言葉を並べてもダイスが良くなるとは限らない(戒め)
おのれダイス神!貴様のせいでシリアル感が出てきたぞ!
通常のやつなら覚醒→勝つ方程式が取れるがダイスが絡むととんでもない方向に言ってしまう(プロット?奴は邪神に殺されたよ)
さて、ラスボスも倒したし、後は全探索者のお楽しみ結末&報酬の時間ダァあああ!!
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