Fate/EXTELLA Liner 無銘と新王と万華鏡の魔法少女 作:ノラネコ軍団
「……やっぱり苦戦してる」
白野は校舎の階段を駆け足で降り、校庭にでた。
ライダーとアーチャーの戦いは白野が見たところ苦戦と言う状態だ。
ルビーが見立てた通り、アーチャーはいつもの体格でないためか間合いが測れていない。
これまでアーチャーの戦いを見てきた白野からすればそれは一目瞭然だった。
「ちょっとアンタ!」
そんな白野の下にズカズカと駆け寄ってくる赤い影。
白野はその声、顔をよく覚えている。
幾度となく自分を助けてくれた少女、
リアリストを気取りながらもお人よしなのがぬぐえなくて、そして
――――最後には彼女が殺してしまった聖杯戦争の参加者だった。
「―――遠坂?」
「何故私のことを――――アンタ、何者?」
遠坂は警戒心をあらわに白野に相対する。
腰は落とされ、手には宝石が握られていた。
『彼女は違う』
白野はおぼろげにそう思った。彼女は白野の知る遠坂リンではない。
よく似た人物、よく似た性格なのだろうが。彼女は白野を知らない。
それはきっと、よく似た別の人生を送ってきた別人なのだろう、と。
「その、それはまた今度説明するとして―――まずは目の前のアレを考えた方がいいと思う」
「その前に私の質問に答えなさい。あなた、目的はなに?」
「………」
なおも凛は警戒を解かない。当然だろう、何か答えなくてはならないのは事実だ。
「さっきも言った通り。義によって助太刀いたす、という感じと言うか」
「ふざけないで!」
「はい、ごめんなさい!いやでもそれが一番近いと思う。わたしの目的は……一番近いのは人探し」
「人探し?」
「うん、それで偶然通りがかった」
会話をする間にもアーチャーは苦境に追い込まれていく。
いつも通り。自分たちに楽勝はありえない、と理解していた。
しかしそれは岸波白野が状況を判断し、頭をフル回転させて全力で戦ってきたからこそ。
今からでも自分が戦闘を判断しなければ、いかにアーチャーと言えども持たないだろう。
自身の変化に適応できていないのだからなおさらだ。
「今はそれで納得してほしい。ただ、あなたたちに敵対する意図はない」
「……」
遠坂ぐぬぬ、と言いながらこめかみを抑え、一呼吸した。
「分かった。今はそれで納得してあげる」
渋々と言った風だが、ひとまず手に取った宝石を納める。
「ありがとう。……アーチャー!」
凛がそう言ってくれたということは自分がこの場で戦うことを認めてくれたからだ、と白野は理解した。
まずはアーチャーの体制を整えなければならない。
ケータイを開き、コードキャストを展開する。
『mp_heal(32)』
度重なる投影によってアーチャーの魔力はどんどん目減りしていっている。
まずは逆転のためにも、彼の魔力を回復させるのが先決だ。
「助かる、マスター!」
アーチャーの返事を聞きつつ、逆転の目を探る。
まず、現状のアーチャーで接近戦を仕掛けさせるのは苦戦の元となる。
となれば、初手と同じく、アーチャーには遠距離からの狙撃に徹してもらうのが最適解だ。
しかし――――
ちら、と横目であの魔法少女を見る。
アーチャーが遠距離戦に徹するということは、敵との位置取りも何も分からずにぽけーっとしている彼女を危険にさらすということになる。それでは意味がなかった。
「そこのピンクの魔女っ子ちゃん!」
「ほえ?私?」
「そう、めっちゃかわいいそこのあなた!」
手元のステッキはあははー、と大爆笑しながら『熱烈なラブコールですよー』と茶々を入れる。
白野はこの際、それを無視することにした。
タマモに通じるものがある。あれはいちいち相手にしていてはキリがないタイプだ。
「それでその、何用でしょうか…?」
「アーチャーは結構ピンチになってる。体格差もあってライダーと戦うにはやや不利」
「はぁ」
「かといってあなたに近距離戦をさせるわけにもいかない」
「うう……役立たずですみません…」
「だから、アーチャーを後方から援護してほしい。タイミングは私が指示するから。
――――遠坂、それで大丈夫?」
「……まぁあの子がこの場でライダー相手に有効打を与えられそうだし―――それで構わないわ」
というか英霊相手に善戦できるあの子何者よ!あとで教えなさいよ!と怒る遠坂に苦笑と共に礼を言う。
おぜん立ては整った。ここから、いつもの逆転劇だ。
いわばいつもの通りだ。
コードキャストによる支援、その中には援護射撃で相手の行動を封じ、こちらのサーヴァントに有利な状況を作り出すことも含まれる。
「今―――!」
「はい、ザビ子さん!」
ステッキを振るう。放たれる砲撃。
同時に遠坂が「ぶほっ」と蒸せた。何がおかしいというのか、と非難の目を浴びせる。
「いや、笑うでしょザビ子……ザビ子って!どう考えても笑うわよ!」
「へっ。なんで?その、フランシスコ・ザビ子さんなんでしょ?」
『ザビ、とは言ってましたけどザビ子とは言ってませんでしたよ。あと十中八九偽名ですね。あるいは一時のテンションに身を任せて言っちまったアレでしょう』
「失礼な。わたしはことあるごとによく言ってる」
『訂正します。この人、イリヤさんに負けず劣らずのおもしろおかしい方ですね!』
「私はそこまで面白おかしくないよ!」
その会話を聞きながらアーチャーは目の前の敵に剣を打ち込んだ。
苦境は変わらないが、彼女のサポートのお陰で幾分か戦いは楽になっている。
やはり白野には戦闘指揮の才能がある、と改めて感じる。
「これでもう少し、真面目になってくれたらっ、な!」
回転と共に剣をこうさせた一撃。
先ほども感じたが、このライダーの攻撃はてんで幼稚だった。
あらゆる攻撃を力任せに打ち込むだけだ。
その点で言えばアーチャーの知るライダーも彼から見てそこまで駆け引きがうまい方では無かったが、幾分かは道理を弁えていた。
やってくる一撃を回避し、時に双剣で受け止める。
『ここで攻められればまずい』
という状況は何度かあった。だが、彼女はその場所に追撃を仕掛けない。
つまり彼女には知性と呼ばれるものは残っていないのだ。
「木偶の棒め――――おっと、これは彼女に聞かれれば逆鱗ものだろうが。そろそろ決めさせてもらうぞ!」
干将莫邪を投げつける。
その数は四つ。
先ほどと同じく回転し、襲い来るその斬撃を今度も鎖鎌で守ろうとし、しかしその防御は様を為さなかった。
鎖鎌は確かに干将と莫邪を捉えたが、それでも勢いは死なず、鎖鎌を持ち上げる。
干将莫邪は夫婦剣。
投影によって合計四つ、宙を舞う夫婦剣たちは、お互いを引き合う性質によって空中で鎖鎌を捉えたまま浮遊を続ける。まるでライダーは貼り付けにされたごとく、鎖に引っ張られる。
「トレース・オーバーエッジ」
アーチャーの詠唱と共に、手元にもう二振り、剣が用意された。
その技の名は鶴翼三連。アーチャーが編み出した干将莫邪の奥儀。
最後の二振りはその名の通り、空を舞う鶴の翼のように姿を変える。
干将莫邪の宝具としてのランクはC。
本来であればそう強力な宝具と言うわけではない。
だが、オーバーエッジ化してその威力は大きく上がっていた。
何より、この宝具には魔性に対して振るわれればその威力をさらに大きく上げる。
剣を持って隙だらけのライダーへと駆け、その勢いのままに切り抜ける。
ライダーは苦悶の声を挙げた。
すでに致命傷。だが彼女はまともな思考など残っていない。
せめてもう一撃、死ぬ間際に最後の悪あがきを――――
「もう一撃!」
「いっけーーーー!」
だが、そうはならなかった。
襲い来る光の奔流。
カレイドステッキから放たれた強力な魔力弾―――それも、最初よりも要領を得た―――が、ライダーの胸に直撃する。
その一撃が決着となった。霊核にダメージを受けた黒化英霊はもがき苦しみながら断末魔を上げ、やがて収束し、一枚のカードとなって地面にはらりと落ちていく。
「……勝った、の?」
イリヤは緊張を解いてへなへなと座り込む。それが勝利の合図となった。
「アーチャー!」
白野は名前を呼びながら駆け付けた。
すっかり小さくなってしまった彼は「ふむ」と言って手元をまじまじと見ている。
「ああ、マスター。いい援護だったぞ。それに比べて、オレは相当不甲斐ないところを見せてしまった。狙撃なら十全、などと言ってられないな。接近戦についても対策を考えねばな」
「ううん。お疲れさま。わたしももっといいフォローを考えるよ」
「ああ。お互い精進と行こうか」
白野とアーチャーは戦闘についての反省をお互い述べつつ、今後の戦いについて思いを馳せている。
そんな二人の前に凛が割り込んだ。
「和やかに会話をしているところ悪いんだけど。さっき約束した通り、もう少し詳しい話を聞かせなさい。あなたちに邪気が無いのはよく分かるわ。でm「おーっほっほっほっほ!」って、この馬鹿笑い、まさか―――――!」
凛の言葉に割り込んだ謎の笑い声。
声の元へと意識を向ければ、そこには金髪近眼のコーカソイド。
いかにもお嬢様、という服と髪型と高笑いを浮かべた女性が立っていた。
「まずは褒めて差し上げますわ。私より先手を取ってクラスカードを回収したこと、トオサカリンにしてはまずまず、というところかしら。でも――――我がエーデルフェルト家の二つ名はご存じかしら?」
「『地上で最も優美なハイエナ』でしょう……!」
「exactly!最高の褒め言葉ですわね。この通り、ライダーのクラスカードはいただきましたわ!」
彼女、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトは手にクラスカードを見せつけるように立つ。
そのまま先ほどと同じような高笑いを、さらに大声で続けた。
もはや笑いが止まらない、とでもいうように。
最後の一撃はサーヴァント以外が、みたいなのいいですよね。
覚えているのは無印extra初週ガウェイン戦、敵の残り体力三桁。
無限の剣製使用後なので投影精度はリセットされ、そもそも魔力が無いので
アイアスも使えない。マスターMPも赤原礼装連発で破邪刀一発が限度。
三手完勝+extraアタックすれば勝利はできる。
ただ、レオは六手目に『転輪する勝利の剣』を持ってきている。
体力的に六手を防ぐことは出来ないので、それ以前に仕留めるしかない。
残された手はガラディーンを破邪刀でスタンさせること。
ただ弾かれる可能性が高い。
戦闘で合計三手までは開示と勘で勝ったものの、extraアタックは出来ず、
イーブン二手でダメージは与えたが残りHP32に。
後一手、あと一手ダメージがあれば―――――
そんな時、最後の一手、コードキャスト破邪刀がガウェインを捕らえ、
最後の一押しとなったのでした。
最強の敵の止めが、戦闘力では劣るキャラの一撃とか少年漫画染みた
プレイングになってアドレナリンドバドバですよ。再現は絶対無理。