ハイスクールD×D〜イルと愉快な仲間たち〜   作:イルちゃんかわゆす!

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プロローグ

僕の名前はイル。立花・G・イル。又はイル・グレモリー。グレモリー一族の末っ子。

 

……と言っても、僕はこの家に拾われた人間だけどね。あぁ、あと僕には秘密がある。それは、僕は俗に言う所の『転生者』ってやつだ。よくある神様転生で事故ったり、神様のミスで死んだのでそのお詫びに『転生』と強力な『特典』をもらい強くてニューゲーム!――って言うパターンのやつじゃなくて、普通に生きて普通に死んだだけの普通の人間さ。

 

まあ、普通に生きては嘘になるかな。だって僕の前世は生まれた時からの病弱持ちだったから病院から出たことがなかったんだよね。それに結局20年も生きられなかったし。最後は治療不能の病で呆気なく死亡さ……ごめんね、前世のお父さんにお母さん。最後まで親孝行が出来なくて…。

 

 

とと、話を戻すね。僕がなぜこんな事を話すのか。それは、今世の僕の成り立ちにあるんだ。

 

僕は死ぬ間際、来世はちゃんと親孝行がしたい。そう願ったんだ。そしたら、たぶん神様なのかな? 意識が途切れる直前に『その願い聞き受けた』なんて声が聞こえたと思ったらここにいたんだ。……と、言っても、この前世の記憶を思い出したのは、今世の家族が事故で死んじゃったショックで思い出したんだけどね。

 

あの時の僕はとりあえず、なにもやる気が起きなかった。だって目の前でお父さんとお母さんが僕を守るようにして血まみれで倒れていたから。大好きだった、パパとママが死んじゃったから……僕はただただ、呆然とするしかなかった。

 

お父さんとお母さんのお葬式が終わり、まだ幼かった僕は親戚の家に引き取られた。でも、ショックで何も気力がなかった僕は気味悪がれて親戚の家を転々としていたら、最後はキャンプと称して森の中に置いて行かれた。つまり捨てられちゃったんだ。

 

でも僕はそれもどうでもよかった。だって、もう何もかもどうでもよかったから……。

 

そんな僕はただひたすら森の中をさ迷っていた。特に何をするでもなく、歩いていた。

 

そしたら、気づいた時には森が奇妙な植物が生えている場所に来ていた。ふとした拍子に空を見上げると、青い空が紫色のした奇妙な空になっていた。僕がボーッと空を見上げいると近くの茂みからガサガサと音がした、僕はそこヘ顔を向けると茂みの中から兎が出てきた。それも、角の生えた兎が。僕はその兎を見ていると今度はガサガサ……なんていう音なんか比べ物にならないほどの大きな音が森に響く。その兎は慌てるように、何かから逃げるかのように走り去る。同じように鳥や獣達が僕の横を走り去っていく。そんな中でも僕はただ突っ立っていただけだった。

 

バキバキと木をへし折るような音が大きくなってくる。どうやら獣達はその音の原因から逃げているような。音が近づいて来るにつれ大きくなってくる。どんどんと音が近づいてき―――。

 

『GUYAAAAAAA!!!!!』

 

僕の目の前に巨大な獣が現れた。獅子にドラゴンのような爬虫類型の翼と尻尾が蛇、獅子の顔には3本の大きな角が生えた、体長が二十メートルを超えるであろう巨大な獣……いや、モンスターがいた。

 

その化け物の目は血走っており、お腹が空いているのかグルグルと音を出しながら口から涎を垂らしていた。地面に落ちた涎はシュゥゥと音を鳴らしながら地面を溶かしていく。どうやらこのヨダレは強力な酸性持ちのようだ。

 

目の前に今にも喰ってかからんとしている化け物がいるというのにそんな事しるかと言う様に、僕は冷静にその化け物を分析していた。分析と言っても、ただ見た感じの事を考えている程度なので、分析とは言いずらいけどね。でも、今思うけどあの時の僕は死ぬかもしれない……いや、絶対に死んでしまう状況だったのにも関わらず、僕はいたって冷静だった事に驚きだよね。いまなら同じ状況に陥ったら泣き叫ぶか気絶する自信があるよ。

 

――まあ、そんな考えすら思い浮かばないほど、僕の心は死んでいたんだけどね。

 

 

話が脱線してたね。僕の目の前に出てきた化け物は僕をしばらく見たあと、その巨体にあった大きな口を開け飛びかかって来たんだ。目の前といっても距離はあったよ? 目指できるほど大きな身体をしていたしね。でも、その化け物は見た目によらず身体能力が高かったのかそれとも巨体故なのかわからないけど、一瞬でその距離を無くしたんだ。瞬きするその一瞬で化け物は僕の手の届く距離にいた。僕はその時思ったさ『ああ、やっと死ねる』って。……そう、僕はその時初めて気がついたんだ。僕が無意識に死にたがっていたことに。たぶん、僕自身の本能が自分で命を絶つのは怖かったんだと思う。だって、前世でも死ぬ時は怖かったから。だから無意識に自分から死のうとは考えてなかったんだと思うんだ。何も考えずに歩いていたのも、きっと死に場所を、自分を殺してくれる誰かを、探していたんだと思う。正直な話、僕は当時の事をあまり覚えていないんだ。鮮明に覚えてるとしたら両親が死ぬ間際までの間の事かな?

 

そして、僕の目の前に大きな口と牙が、僕を喰らおうとしたその時――――

 

 

赤黒い光が目の前を横切った。

 

 

何を言っているのかわからないと思う。だって僕だってわからないのだから。ただ気がついたら目の前に何もいなくて、ふと横をみると、何かが吹っ飛んだ跡があったくらいだから。

 

僕が急な出来事に混乱してたとき、彼女が現れたんだ。燃える様な綺麗な赤い髪の少女が。僕は、その光景に眼を奪われた。ただただ、言葉が出なかった。すると、ズズーンと音と共にまた奴が現れた。どうやら飛んできたみたいだった。僕がそっちに眼を向けると同時に彼女は僕を守るよう前にでたんだ。僕は何故彼女が目の前に立つのかわからず彼女を見ていた。すると、彼女が僕の視線に気がついたのか後ろをみてそして――微笑んだんだ。その顔はまるで小さい子を見守る母親のような笑みだった。

 

すると、その怪物の目の前にまた違う人物が空から落ちてきた。僕の目の前にいる彼女と同じ赤髪の青年と、銀髪のメイドさんだった。その人たちはその化け物に対峙し、戦っていた。最初は化け物も奮闘してたけれど、その二人が強すぎたのか呆気なくやられ、最後には肉片すら残されず赤髪の青年に消滅させられた。

 

その人達が化け物を倒したと同時に、僕の意識が暗転した。意識が遠のく際に彼女が僕を読んでいる気がした。

 

 

どれぐらい経ったのだろうか……僕は眼を覚ました。眼を覚ました時に最初に思った事は身体が重たいという事だった。体中が鉛の様に重たい症状。僕はこれを前世でよく知っていた。何も食べず飲まず、何ヶ月も病院のベットの上で点滴だけで寝ていた時の感覚だ。たしか、あの時も何らかの原因で意識を無くして、一年近く眠ってたんだったっけ? あの時はまた歩けるようになるまで随分と苦労したなぁ。その時の感覚と同じだ。

 

しばらくしていると、コンコンという音がするとガチャりと扉が開いた。そこに居たのは青い髪に肩にかかる長さの美人なメイドさんで、僕を見たあと少し驚いた顔をしたと思えばまた無表情に戻り、すぐさま扉を閉めて何処かへ行ってしまった。不思議に思いつつ、なぜここに眠っていたのか考えていると、またガチャりと扉が開く。眼を向けると、そこに居たのはあの時の三人だった。

 

赤髪の少女と青年、そして銀髪メイドさん。それだけじゃなく、二人と同じ赤髪の男性と、髪色は似てないけど少女と顔が似ているお姉さんらしき女性がいた。

 

彼らの自己紹介のあと、まず僕が何故ここにいるのか説明された。どうやら僕はあの後気絶してここへ運ばれたのはいいのだが、あれから一年と六ヶ月も寝ていたらしい。理由は強度の精神疲労と肉体的疲労、僕はかなりやせ細っていたらしい。いまは魔法で回復させ、しばし入院させてからこちらへ移転してきたとか……。やはりと思いつつ、思っていた以上に寝ていたことに驚いた僕がいたが、それもどうでも良くなった。助けてくれたことには感謝するが、やはり死ぬつもりだった僕からしたらいい迷惑だ。どうせ死ぬなら苦しまず一瞬で死にたかった。

 

まず、自分たちが人間ではなく悪魔である事、僕を襲ったあの怪物はとある魔物の生体を研究する施設でたまたま出来た人造生命体で俗に言うキメラと言う魔物なのだそうだ。その魔物は自信が生まれた施設を壊滅させて逃げ出したので、たまたまその近くに家族旅行で来ていたグレモリーのこの家族はその討伐の為に赤髪の青年、サーゼクス・ルシファーと彼の女王のグレイフィア・ルキフグス、そして妹のリアス・グレモリーと一緒に探していたところその化け物に食われそうになっていた所へ遭遇し、サーゼクス・ルシファーさんが魔力でぶっ飛ばし、グレイフィア・ルキフグスさんが僕に結界を貼り、リアス・グレモリーさんが僕を守る為に前に出たそうだ。後は僕の知っている通りに魔物を倒した後に、そのまま僕が倒れたので緊急で病院へ行き治療して今に至るらしい。正直な話、その時の僕はもう死なせて欲しい、ほっといて欲しい、そんな思いでいっぱいだったためあまり聞いていなかった。その後は、何故僕が彼処にいたのか聞いて来たが僕は無視をした。ただただ、無言で彼を見ていた。サーゼクス・ルシファーさんは僕の眼をしばらく見ていたが、残念そうに顔を背けたあと、『いまはまだ喋りたくないようだね。また来るよ。喋りたくなるまで僕は待つさ。いまはゆっくりと休んでいていいよ』と行ってきた。そう言い立ち去るサーゼクス・ルシファー。続くように、お姉さんと思っていたサーゼクス・ルシファーさんとリアス・グレモリーさんのお母さんに、お父さんも似たような事を言い扉から出ていった。最後にこちらをずっと見ていたリアス・グレモリーさんもメイドのグレイフィア・ルキフグスさんに連れられ出ていった。部屋に一人になった僕は、今度はいつ捨てられるのだろうか……なんて事を考えながら、いつ死ねる時が来るのか、ここら辺なら楽に死ねるのか、そんな事を考えながらその日がすぎて行った。

 

 

…………あれから何日が経ったのだろうか。ほぼ毎日の様に僕の部屋に誰かがやってくる。サーゼクス・ルシファーさんだったり、その母親のヴェネラナ・グレモリーさんだったり、あまり来ないけど父親のジオティクス・グレモリーさんだったり、彼ら彼女らはほぼ毎日貸ささず僕の様子を見に来ていた。その中でも必ずと言っていいほど毎日来ているのが、リアス・グレモリーだ。彼女は誰かとだったり一人だったり、来ない日がない程に毎日来ていて、僕が無反応なのにも関わらず、僕に喋りかけてくる。今日はこんな事があったみたいな他愛ない話や、お母様やグレイフィアに怒られた等の愚痴、昔はこんな事があったの等の思い出話や絵本等の物語の話など……彼女は時間があれば何度もこの部屋に来ては勝手に喋り、勝手に楽しみ、そして勝手に約束をして出ていく。そんな日が続いていた。……正直に言うと、最初は鬱陶しいとさえ思った。なぜなら1人で勝手に盛り上がり聞いてもないことをベラベラを話していたから、グイグイとまとわりつくから鬱陶しいと思っていた。でも同時に――嬉しいとさえ思っていた。

 

だって、僕の周りにいたのはいつも僕を腫れ物のように扱う人ばかりだった。両親が死んでからというものそれはさらに酷くなり、そもそも僕を養子にしたのだって世間体を気にした結果だった。

なんせ、僕が来た家はいつも僕をいない者として扱っていたから。僕を家族として受け入れた家も、結局僕が普通じゃないとわかると直ぐに違う人に渡す。結果、最後に流れ着いた家の人は僕が来るなり、僕が家に来た記念でキャンプしようと言って僕を森に捨てたのだから。

そんな人たちしかいなかったからこそ、そんな人達しか触れなかったからこそ僕は彼女が来るのを楽しみにしていたんだと思う。

 

そこからまた数ヶ月。僕が意識を覚ましてから約一年がたった今日。僕はついに決意する事にした。目覚めた際に言えなかった理由を。

 

今日も欠かさず僕の部屋に来たリアス・グレモリー。今日はメイド件リアス・グレモリーの義姉であるグレイフィア・ルキフグス、そして夫で魔王のサーゼクス・ルシファーさんの三人が来た。日課の一人で喋りかけてき、時折サーゼクス・ルシファーさんからも喋りかけてくる会話がしばらく続き、とうとう喋り終わったのか席を立ち、『また明日』と言いながら立ち去ろうとした時、僕は初めて『待って』と喋りかけた。僕が初めて口を開いたことに驚いたのか、三人がビックリした表情で僕を見るのに少しおかしいなと思いつつ、僕は一年前何故、あんな場所にいたのが喋りたいと言った。すると、サーゼクス・ルシファーさんが『今日、時間を開けるからその時にみんなに教えて欲しい』といわれ、僕は頷きその時を待つ。

 

その時、僕は少し、いやかなり怖かった。元々あの人達は人間ではなく悪魔だと言うことは聞いていた。それに関しては別に気にしていない。それはこの一年間で悪魔も人間と変わりない事はよくわかったから。そんな事に恐怖を抱いているんじゃなく、また、僕が今まで見た人達みたいに僕を気味悪がるんじゃないかと思い怖かったのだ。この人たちなら信じてもいいかも…あの人達みたいに僕を見てくれるかな…と思った。でも、もし捨てられたら今度こそ僕は―――

 

そんな負の感情が僕の中に渦巻いているとコンコンと音と共に、『入るよ』とサーゼクス・ルシファーさんの声が聞こえてきた。ドキリッとしながら彼が入って来る時を待つ。しばらくしてガチャりと音を立てたドアが開くと、そこには僕が初めて目覚めた際にいた人達が勢揃いしていた。

 

部屋に入って来た人たちは思い思いの席に座り僕の方をじっと見てきた。僕は少し震えつつ、決意しポツリ ポツリと喋った。僕は独り身だという事、家族がいたが事故で死んだこと、親戚は世間体を気にして僕を引き取りいない者として扱った事、親戚の家々を転々としたが最後には捨てられた事、死のうと思い彷徨っていたらいつの間にかあの森の中にいた事、最後にはあの化け物が現れ食われ掛けやっと死ねると安心した事、そして助けられ、世話になったのにも関わらずあなた達が信じられずに無視をしていた事、喋りかけてくるのにすら鬱陶しいと思っていた事………僕は今までの事を正直に話した。ポツリポツリと喋るに連れて僕の身体は震えていた。やっぱり、この人たちに嫌われるのがわかっているのにそれが怖かったから。嫌われるような事をしてきたのに捨てられたくない嫌われたくない。そんな矛盾する想いがあり、どうしようもなく怖くて後悔して震えていた。最後まで喋る頃には僕は泣いていた。僕はただひたすら謝り続けた。『意識があったのに無視し続けてごめんなさい』と『憎悪の視線を向けてごめんなさい』とただただ謝り続けていた。僕はただ涙を流し下を向くしかなかった。目の前にいる人達の顔を見ることが出来なかった…。

 

 

そんな謝り続けいた僕を誰かが抱きしめて来た。その拍子に僕の意識が浮上し……

 

 

『大丈夫。大丈夫だよ。もう、大丈夫だから泣かないで』そんな声が聞こえてきた。

 

安心するような、そんな優しい声が僕の耳を通って聞こえてくる。同時に頭を撫でられる感覚と、抱きしめられる感覚が僕の心を優しく包んでくる。

 

ふと顔を上げると、そこに居たのは……リアス・グレモリーだった。そう、僕を抱きしめているのはリアス・グレモリーなのだ。彼女は僕をまるで子供をあやす様に撫で抱きしめてくる。そんな彼女に安心してしまったのか、それとも泣きすぎて疲れがあったのかはわからないが、僕の意識はだんだんと暗く落ちていった。

 

 

 

あれからどれほど経ったのだろうか。僕は眼を覚ました。僕は普段と違う頭の感触に不思議に思いながら上を見上げる。するとそこには、僕を見て優しく微笑んでくるリアス・グレモリーがいた。彼女は僕の頭を撫でながら『あら、起きた?』とクスッと笑ってきた。僕は頭を上げながら周りを見渡すと、意識が落ちる前と変わらぬ景色で椅子に座っていたのだった。あれから二十分ほど僕は寝ていたようで、そのあいだずっと彼らは僕が起きるまでわざわざ待っていたのだ。それに申し訳なく思った僕はまたごめんなさいと頭を下げるが、目の前の人達は誰一人として気にしていないと笑いながら頭を撫でてきた。普段はクールで無表情なグレイフィア・ルキフグスさんも柔らかい表情で微笑んでいたのにも驚いた。

 

しばらくして、サーゼクス・ルシファーさんがある提案をしてきた。『僕達の養子にならないか』と。……正直に言うと嬉しかった。でも、同時に何故?とも思った。こんな得体のしれない輩を養子なんて言うものにするのかと

 

僕はその事を聞くと、サーゼクス・ルシファーさんは僕の事を既に調べていたそうだ。僕の出生、どこに住んでいたのか、どんな家計なのか、何故あんな場所にいたのかetc.――そして、今回僕の話した事と調べた事を一致し危険も特になく、何よりも、自分が君と家族になりたいから。そんな、たったそんな理由で彼は僕に養子縁組の話を持ちかけてきたのだ。悩みに悩んだ僕は迷惑になるまいと断ろうとしたが、ヴェネラナ・グレモリーさんがガバッとリアス・グレモリーと一緒に抱きついてきた。僕も新しい家族だと、今日から僕はリアス・グレモリーの弟だと言ってきた。だから、そんな迷惑だなんて気にしなくていいと言ってきたのだ。

そこまで言われてしまっては、僕は断れるはずもなく、結局折れてしまいでも内心はすごく嬉しくて、養子縁組を受け取るのだった。

 

でも、両親の名も残したいので、人間界と冥界とで名前を少し変えることとなったのだった。

 

 

 

 

 

……あれから早数年。時が立つのは早く感じる。初めて家族と言われたあの日から僕の日常は劇的に変わった。今までの常識が覆るようなことばかりで怖いこともあったが、それ以上に楽しかった。僕を産んで育ててくれた今は亡き今世の両親、そして、こんな僕を家族と呼んでくれるサーゼクスお義兄さまとグレイフィアお義姉さま夫婦、お義父さまにお義母さま、そしてリアスお義姉さま。ほんとうに感謝しかありません。転生してくれた神様には本当に感謝しています。僕にチャンスを与えてくださりありがとうございます!

 

そんな僕は毎日、日記を書いている。こんな日常的な事も書くが主な理由はどうやら僕が『前世』で見たこの世界の原作、つまり『ハイスクールD×D』とは違うようだ。覚えていることは少ないが、それでも、覚えている中では、まずテロリストにいるはずの猫魈姉妹の黒歌が僕と一緒にいること。いまは僕の専属メイドとして働いていること、次にリアスお義姉様の騎士だった木場祐斗は男だったはずなのに、ここでは木場優奈という名前で、女の子だという事。姫島朱乃のお母さんが死んでおらず、いまは堕天使領で匿われて朱乃さんは父と母に逃がされリアス姉さまに出会い眷属となった事、家族中は悪くはないが、朱乃さんが父親から距離を置いていること。それ以外にもあるし、僕が知らないだけでもしかしたらもっとあるかもしれない。でもこれでひとつ言えることは、ぼくの『前世』の記憶は当てにならないかもしれないと言うことだった。……でも、ないよりかはマシなので僕はこうして日記に書き写すことにする。その方がもしもの時に対処が出来るからだ。

 

あと、僕の『転生特典』なるものが発覚した。あれは、僕が初めてこのグレモリー一家の一員となった三日目の朝。気がつくと、枕元に手紙が置いてあった。目覚めた僕は不思議に思いながら、誰かが置いたのかな?なんて思い封を開けると、中に入っていた手紙の内容がその僕を転生させた神様? だったからだ。

 

神様?の内容によると、前世の肉体を元に特典として、『真なる赤龍神帝グレートレッドや無限の龍神オーフィスを超える強大な魔力』『魔王、聖女、龍神の因子』『新たな神滅具(ロンギヌス)と普通の神器(セイクリッド・ギア)の亜種の二つの神器(セイクリッド・ギア)』『その魔力を操る才能』『精霊を使役し召喚出来る才能』の五つの特典をくれたそうだ。でもその代わり、前世でも身体が弱かったけれど、因子のおかげで多少身体が丈夫になったとはいえ、元が元だし、さらに膨大な魔力により破壊と再生を繰り返して病弱度が前世より増しているそうだ。そのため自分の容姿は前世のまんまと言うことになる。それを見た時、ガックリ項垂れた僕は悪くないと思うんだ。

 

僕の前世の容姿は、世界でも有名なモデルだった母親譲りの容姿と貧弱な身体のため、よく女の子と間違われていたし、病院内にある学校みたいな場所では、同じ病院仲間の子達から女の子扱いされ遊ばれていた記憶がある。

 

その為か、いまはお義母さまやお義姉さまに着せ替え人形にされ遊ばれてしまっている。最初は嫌がったんだが2人が最近疲れて癒しが欲しいと言うので、僕なんかでストレスが取れ疲れが癒され役に立つなら恥ずかしくても好きなようにされている方がいいと判断して好きにさせている。決して諦めて思考を放棄した訳では無い。

 

あと、病弱度が増してしまったのか、僕の体力は雀の涙ほど……そのためここに来て初めて家族になれた最初の頃は歩くのさえ苦労して、コケたり壁にぶつかったり、急に倒れたりと、とても周りに迷惑を掛けていた。いまは一般的な体力はあれど、激しい運動どころか魔法の補助なしでは軽い運動ですらあまりダメで、基本は車椅子生活だ。普通に歩けるが長時間は歩けないので、と言うより歩いていたら何故かコケたりして怪我をするので車椅子生活を余儀なくされている。

それに昔は、よく熱を出して両親を心配させていた。その熱の原因が、手紙の内容にあった『膨大な魔力による身体の破壊と再生』と言うものであり、それ故に身体の自然治癒が追いつかず、高熱を出していたのだ。いまは魔王の一人のアジュカ・ベルゼブブ様に補助具を作って貰って、足の太ももに着いている輪っかの様な物が、その僕の体内の魔力を抑えるための魔道具なのだ。

現ベルゼブブで、出身はアスタロト家。最初あった時は怪しげな雰囲気の美青年で、サーゼクスお義兄様の後ろに隠れてしまった。サーゼクスお義兄様とは同期の親友でありライバルらしい。本気の戦闘能力は真の姿のサーゼクスお義兄様と互角であり、つまりは上位十番以内を狙えるレベルだという事。……でも、サーゼクスお義兄様の真の姿なるものは見た事がないのでよく分からなかった。

他には、悪魔にしては珍しい創造力を持ち、技術部門の最高顧問で、いまの悪魔世界でよく使われている『悪魔の駒』そのシステムやさまざまなシステムの開発者。

人間社会でもケータイ一つで参加できるゲームの運営を行っているらしい。

 

そんな人に、僕は身体を詳しく調べて貰ったところ、例の因子『魔王、聖女、龍』の三つの因子が僕の中に存在することが発覚したのだった。『龍神』ではなく『龍』の因子だという事に少し疑問を覚えつつ、『ま、いっか』程度の考えに至った僕でした。その因子が原因で体内の魔力が異常に高く、破壊と再生を繰り返して身体が弱くなり、高熱を出しやすくなっていると結論づけた。

 

それを聞いたサーゼクスお義兄様がアジュカ・ベルゼブブ様にどうにか出来ないかとお願いし作られたのがこの魔道具だっというわけだ。伸縮魔法が込められており、足にちょうどよくフィットし、違和感なく全身のどこでも装着出来るのがいい。肌触りもよく重くもないので付けている感覚がないのだ。ただ、やはり見た目は鉄の輪なので首に付けると首輪にしか見えず恥ずかしい。なので見えずらくするため片方ずつ太腿に付けているのだ。

 

この魔道具以来、身体が楽になったことをここに記す。魔道具バンザイ!

 

 

それ以来も、過保護が続きいまや僕は高校二年生。もちろんリアス姉さまのいるあの駒王学園だ。学校に通うのすら一苦労だったが、前世も含め初めての学校という存在にテンションが上がり、リアスお姉さまや朱乃姉さま、優奈姉さまに黒歌姉さま、白音にも暖かい目で見られたのは恥ずかしかったです。

最後に、たぶんだが、二年生になったのでそろそろ原作が開始すると思う。今後が同展開になるか分からない。でも、リアス姉さまやグレモリー眷属のみんな、それに、サーゼクスお義兄様やお義父さま、お義母さま達に恩返しが出来るように立花イル改め、立花・グレモリー・イル、頑張ります!

 

 

 

 

 

「――と、さて。今日の日記はこんなものかな」

 

 

ん〜!と背を伸ばす僕。凝り固まった筋肉をほぐすため軽く腕や首を回す。

 

「あ、もうこんな時間。もうそろそろ支度しないと遅刻しちゃうかも」

 

僕は日記を鍵付きのタンスにしまい、ベットから動こうとすると……

 

コンコンコン

 

「はーい」

 

『イル、私よ。入っていいかしら』

 

どうやらリアス姉さまが来たようだ。

 

「うん。大丈夫だよ。入って」

 

『そう、なら失礼するわよ』

 

ガチャりと扉が開く。

 

「おはようイル」

 

「おはよう、リアス姉さま」

 

リアス姉さまが優しそうな笑みを浮かべ入ってきた。

 

「それでリアス姉さま。何かようですか?」

 

「ええ、朝食が出来たから呼びに来たわ」

 

「わざわざですか? ありがとうございます。いまから支度しますね」

 

僕は慌ててベットから降りようとすると、姉さまが僕の身体を止めてきた。

 

「あ、あの、リアス姉さま?」

 

「イル、あなたは身体が弱いのだから大人しくしなさい。私がリビングまで運ぶわ」

 

「え、ちょっ! リアス姉さま!?」

 

有無を言わず、僕を抱き上げるリアス姉さま。しかもその抱き方が横抱き。俗に言う『お姫様抱っこ』と言うやつだった。

 

「あ、あの姉さま」

 

「大人しくしなさい。ああ、もう。また軽くなってるじゃない。ちゃんと食べてるの? まったく、少食にも程があるわ。しっかり食べないと成長しないわよ? まあ、いまのちっちゃいイルも充分可愛いからこのままでいて欲しいと思うお姉ちゃんもいるのだけど」

 

とても上機嫌そうにルンルンと歩くリアス姉さま。どうやら僕の声は聞こえていないようだ。まあ、特に恥ずかしい以外の害はないのでいっか。

 

「今日の朝食はなんでしょうか姉さま」

 

「今日は黒歌お手製の手造りクロワッサンとサラダとスクラブルエッグね。黒歌も白音も待っているから早く行くわよ」

 

どうやら、今日は黒歌と白音もここでご飯を食べるようだ。

 

「はい。楽しみです。リアス姉さま、早く行きましょう」

 

「ええ、そうね」

 

僕とリアス姉さまはお互いに笑い合う。僕はこんななんともない日常が続けばいいなと思いながらも、今日一日が始まるのだった。




プロフィール

立花イル(立花・G(グレモリー)・イル)

容姿:イル(ラストピリオド)。見た目はそのまま、精神だけじゃなく身体の性別も男にし、足の太もものギザギザ模様を無くし、その部分に鉄の輪っかを付けた見た目。
姉であった宙に浮かぶ黒マントとイルのもう2つの両腕は神器(セイクリッド・ギア)として設定し再現。ちなみにマントは意思持ち神滅具(ロンギヌス)タイプ。腕の方は龍の手(トゥワイス•クリティカル)の亜種で両腕タイプ。両方とも禁手化(バランス・ブレイク)可能。

身長:142cm

体重:血にまみれて見えない

好きな事:読書、家族との団欒、黒歌と白音のブラッシング、ゲーム

嫌いな事:足の多い虫全般、家族や親しい人達から無視をされること、激しい運動、むちゃくちゃ熱苦しい人、エロい人。

最近の悩み:体力付けようと運動しようと動くが、その度に黒歌やリアス姉さまが全力で止めてくること。何をするにも何かしら補助や手伝ってきて、周りがむちゃくちゃ過保護なこと。さすがにトイレやお風呂は一人で入れるので入って来ようとしないで!と言ったが、トイレは入口前に必ずいるし、お風呂は何度言っても一緒に入る事になってしまっている。
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