TRPGプレイヤーはヒーローになりて   作:世桜

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なんか続いた。

なんか、もうあれですね。
『龍本』『リヤナ』『忍上』『九頭龍』『幻之』の日々を一話ずつだしてアンケート取ったほうがいいかもしれませんねこれ。
まぁ、続けばですが。


TRPGプレイヤーは雄英生になりて

皆さんこんにちは、リヤナスフィールです。今私はグラウンドにて身体測定の準備をしています。

元々ここの生徒である私は入学式に出る必要もありませんから。担任である相澤先生への点数稼ぎも込めて、私はこんなことをしているのです。

……あ、体操服に着替えた新1年生の皆さんが来たみたいですね。彼らが新1年生なら私は何になるのでしょうか。旧1年生ですかね?

 

「お疲れ様です、相澤先生」

 

「あぁ、そっちも準備お疲れ」

 

そんなアホなことを考えていたら新1年生の前にいた相澤先生が声をかけてきた。

寝袋を抱えてる事を見るに、計測は私に丸投げするつもりなのかなぁ……。

 

「後よろしく。やり方は去年ので分かってるだろ?」

 

ほら、予想通りです。

 

「はい。いつもの通りで?」

 

「あぁ」

 

相澤先生は私に計測器全般を渡すと、寝袋に入ってしまった。頭と手は出ており、すぐ横に記録用紙があるのを見るに全部投げる事はしないようではある。

 

「計測を任されましたリヤナスフィール・フォン・アインツベルンです。……えーと」

 

チラリと計測器と共に渡された名簿を見る。爆豪勝己という名前の横に『入試1位』との走り書きがされていた。

 

「爆豪君。中学までのボール投げはどうやってた?」

 

「フツーに投げてた」

 

「じゃあ個性を使って投げて。そこの円から出なければなんでも好きにやっていいよ。思っいきりお願いね」

 

「んじゃあ」

 

手渡したボールの重さを確かめるよう、手の中で転がしながら円の中へと入った爆豪君。

円の端っこに立ち、助走をつけながら思っきり投げた。

 

「死ネ!!」

 

……そのセリフはどうなのかにゃー?

そんなことを考えながら、私は爆豪君の出した記録を彼らに見せる。

 

「己が個性の限界点を知り可能性を導き出す。これがヒーローへの第一歩だよ」

 

記録『801.4m』。圧倒的なその記録は彼らを湧かせた。

……原作よりも距離が上がってる。私たち(イレギュラー)のせい、かな。

彼らのうち、誰かが放った言葉を聞き、相澤先生が寝袋を着たまま起き上がった。

 

面白そう(・・・・)、か。これからの生活、そんな思いで過ごす気なのか?」

 

あ、これはアレが来ますね。

 

「よし、総合結果が最下位のものは見込み無しと判断し除籍処分としよう」

 

やっぱり。

これは去年、私が文字通り新1年生の時にやられた。その結果、1組ヒーロー科に私だけが残った。

雄英体育祭の後、本来ならば普通科の生徒などが編入してくるのだが、誰も相澤先生のお眼鏡に叶うものがいなかったのか私は1人のままだった。

二学期中はまだ学校に行っていたのだが、三学期が始まると同時に私は学校に行くことをやめた。その結果、出席日数が足らずに単位を落とした。

 

「んじゃあまずは50m走から始めよう。アインツベルン、あとはよろしく」

 

「はい、分かりました。相澤先生」

 

そこから全員が本気の計測が始まった。ほとんど原作通りでしたけど、違う所と言えば爆豪君が緑谷君への無個性文句を言わなかった事ですね。それにしても距離が原作よりも近いような……?

┌(┌^o^)┐ハァイ

お呼びでないから帰って。

┌(┌^o^)┐仕方あるまい。

|)彡 サラダバ-

二次元は歓迎だけど三次元でしかも学友物はちょっと……。

 

「全ての種目が終わったから結果を発表するよ。全員一気に出すからね」

 

そう言って相澤先生から受け取った記録用紙を元に算出した結果を映し出す。

原作より記録が高くなっていた緑谷君だったけど最下位は変わらなかった。

 

「あ、ちなみに除籍は嘘な」

 

「「「「え……?」」」」

 

相澤先生の思い出したように言い放った言葉にみんなは固まる。

 

「みんなの実力を引き出す合理的嘘。相澤先生は去年もやってたよ」

 

補足を一応いれてあげましょう。まぁ、その合理的嘘に入れたのは私だけなんですけどね。

 

「へぇー。……ん?去年を知ってるってことはリヤナスフィールさんは先生なんですか?」

 

髪の毛がトゲトゲしい赤髪の子がそう問いかけてきた。

 

「違うよ、切島君。私は去年入学して進級できなかったただのバカだよ」

 

「……は?」

 

「質問は後で聞いてあげる爆豪君」

 

新1年生全員の前に立ち、私は

 

「改めて、2回目の1年生をやっておりますリヤナスフィール・フォン・アインツベルンです。みんな、よろしくね?」

 

驚愕の声がグラウンドに響いた。男子では緑谷君と峰田君、女子では耳郎ちゃんが驚いていた。峰田君と耳郎ちゃんは私の胸を見て、でしたが。

まぁ、私の胸、と言うよりは身体自体が作り物ですけど。キャスターことパラPには頭が上がりません。

ちなみに、私は低身長の巨乳です。理由ですか?私になる前の『俺』がロリ巨乳好きだからだよ!!

みんなが落ち着いたのを見て、相澤先生は口を開いた。

 

「はい、静かになるまで1分もかかりました。……仕方の無いことだとは思うがな。全員教室に戻っとけ。そこでガイダンスを行う」

 

仕方の無いことなんですか……。

 

「アインツベルンが」

 

え、ちょ、ま

 

「なんで私なんですか?」

 

「コイツらが騒いだ原因だからだよ。あと―――」

 

相澤先生はそう言って私から計測器を回収しながら続けた。

 

「―――先生、少し戻るのに時間かかりそうだから全員で友好関係でも深めておけ」

 

言い終わり、計測器を全て回収すると先生はゆっくりと校舎に向かって歩き始めた。

 

「えっと……とりあえず、私たちも教室に戻ろうか?」

 

そんなことしか言えなかった。まさか相澤先生が友好関係を深めるとか言うなんて……。

 

 

 

〇●〇●

 

 

 

ガイダンスという名の自己紹介が終わり、みんなが帰宅する中(もちろんガイダンスもしました)、私は相澤先生に呼び出されました。

 

「なんで呼ばれたのか、分かるなアインツベルン」

 

「……はい」

 

「言ってみろ」

 

「リーダーさんの暴走を抑えるため、ですよね」

 

「あぁ」

 

「あのさあのさ!私に関節キメながらガチトーンで話しないでくr痛い痛い痛い痛い!!!!」

 

そうです、リーダーさんは『なりきっていない』とよく暴走するのです。やりたい事がやれなくてフラストレーションが溜まるのは分かるのですが……。

 

「流石に今回私悪くなくない!ただオールマイトが敬語で話しかけてきただけじゃん!?」

 

「アインツベルン少女、龍本さんの言った通りだ。今回彼女は何も悪くない。悪いのは私だ」

 

「いえ、それではなく入学式に行ったアホな演出の事です」

 

入学式に出ていたミッドナイト先生の言葉から察するに、イージーエフェクトをふんだんに使った何かしらをやらかしたのでしょう。

 

「あ……」

 

「リーダーさん、覚悟はよろしいですか?」

 

「や、優しく……やってね?」

 

「却下!!」

 

ゴギィッ!という人体から出てはいけない音が休憩室に響いた。

 

「アフッ……」

 

そのまま、リーダーさんは気絶しました。オーヴァードですし、この位では死にません。死んでるなら忍上さんに何度も殺されてることになります。

 

「相澤先生、リーダーさんはこの後仕事はありますか?」

 

「いや、特にない。今日はそのまま連れ帰ってくれ」

 

「分かりました。相澤先生、オールマイト先生、さようなら」

 

リーダーさんを背中に背負って休憩室から出る。

ちなみに、先程殺ったのは腕なので背負うのに苦労はしません。これでも鍛えてますから、リーダーさん位は余裕ですよ。

 

「あ、リヤナちゃん」

 

校舎の外に出ると、葉隠ちゃんがいました。

 

「葉隠ちゃん、まだ帰ってないの?」

 

「うん、ちょっと校舎を見て回ってたの。……あれ?その背負ってる人だれ?」

 

「先生」

 

「えっ?」

 

「ちょっと関節キメて折ったら気絶しちゃったの」

 

「えっ……」

 

「また明日ね」

 

「えっ、あ、うん。バイバイ」

 

別れの挨拶をしてその場から離れる。

それにしても、葉隠ちゃん随分と挙動不審だったなぁ。どうしたんだろ。なにか信じられないものでも見たのかな?

気にしても仕方ないため、リーダーさんを背負ったまま事務所まで帰り、ベッドにリーダーさんを放り投げてから夕食の用意を始めた。

リーダーさん、『なりきってる』時はカッコイイんだけどなぁ。

そんな思いも『なりきっていない』リーダーさんを見れば消えてしまいます。それくらいリーダーさんはキャラ崩壊が激しいのです。

 

「うっわぁ、おっそろしい……」

 

リーダーさんの様子を見たであろうアヴェンジャーがそう呟きながらキッチンへ入ってきた。

 

「何?」

 

少しだけ威圧感を含めてそう言うと、彼は慌てて

 

「いや、なんか手伝える事無いかなってよ」

 

そう言った。

 

「ならお皿出して。おっきめの奴。リーダーさんの分もね」

 

「『アレ』で飯食えるまで回復すんの?」

 

「大丈夫。ご飯の匂いがしたらやってくるから」

 

「……犬かよ、リーダー」

 

その後、匂いを嗅ぎつけたリーダーさんがリビングに飛び出して、アヴェンジャーと衝突事故を起こしたりしましたが、完全な余談でしょう。

 

 

 

〇●〇●

 

 

 

翌日です。

眠ったまま起きないリーダーさんを昨日のように背負いながら学校へ向かっています。

ロリ巨乳制服少女がスーツ少女を背負っている姿が珍しいのか、写真を撮られたっぽいです。学校に着いたらクラスメイトに質問攻めされました。

まぁ、そんなこんなで午後です。午前は先生方による普通の授業でした。リーダーさんは日本史を教えるそうです。まぁ、あの人は日本史というより、人類史のが得意だと思いますが。なんせこの世界における『都築京香』の立場ですから。

午後はオールマイトによるヒーロー基礎学らしいですが、私は事務所の方である程度は叩き込まれているのですよね……。しかも基礎学ならまだ授業に出てた頃ですし。

 

「わーたーしーがー!!」

 

チャイムがなると同時に廊下から声が聞こえる。

どうやらオールマイトが来たようです。

 

「普通にドアから来た!!!」

 

「「「「オールマイトキタァァァァ!!」」」」

 

「オマケで私も来たァ!!」

 

「「「「誰!?」」」」

 

「フンッ!!」

 

「アボバッ!?」

 

「「「「リヤナが吹っ飛ばした!?」」」」

 

まったく、リーダーさんが紛れ込みましたね。昨日あんなにボコしたのに反省の色がありません。忍上さんに報告案件でしょうか?

ちなみに私の席は一番後ろ。出席番号は21番で八百万ちゃんの後ろ。正直黒板が見えない。リーダーさんは前のドアから出てきましたので直線距離でも遠い。しかしその程度の距離はセイバーに教えてもらった『なんちゃって縮地』と強化魔術で無いに等しい。

 

「あー……。アインツベルン少女、彼女は今回私のサポートとして連れてきたんだ」

 

「それは失礼しました、オールマイト先生」

 

「わ、私には謝らないの……?」

 

「日々の生活に照らし合わせろ」

 

「アッハイ」

 

「じゃ、じゃあ授業を始めよう!今回はこれ、戦闘訓練!!」

 

私がリーダーさんから離れ、席に着くとオールマイトがほんの少しだけ声をふるわせながら手に持っていたフリップを見せてきた。そこには大きく『戦闘訓練!』と書かれていた。

 

「申請したヒーローコスチュームがロッカーの中にあります。今回はそれに着替えての訓練です。リヤナは去年申請したモノがあると思うのでそれを着て下さい」

 

「……ちゃんと出来るんだね」

 

「まぁ、流石に教師ですから。ふざける場とそうでない場は判断できますよ。コスチュームは持ちましたか?では、案内しますので着いてきてください」

 

リーダーさんを先頭に、私たち1-Aは教室を後にし、グラウンド・βへと向かった。

そんなこんなで私たちはみな、コスチュームに着替えてグラウンド・βに集合していた。ちなみに、私のコスチュームは『天の衣』のカラーリングに黒を加えたものとなっている。

いやまぁ、『黒桜』でも良かったんですけどね?嘘だとしてもアインツベルンを名乗ってる以上、この服装しかないと思いまして……。あ、胸当てはちゃんとしてます。そこまで変態ではないです。

 

「始めようか有精卵ども!!」

 

「戦闘訓練の時間だ!!」

 

2人による授業開始の号令後、オールマイトから説明を受けてみんな『は』クジを引いてチーム決めをしました。

 

「……で、なんで私はクジ引けないのですか?」

 

「アインツベルン少女は『去年』という経験があるからね。もしかしたら君のワンサイドゲームになる可能性があると龍本先生から注意を受けたのさ」

 

……まぁ、納得です。確かに爆豪君と轟君がチームワーク発揮して来ない限りは負けることも無いと思いますし。

 

「その分の埋め合わせはあるから。今はゆっくり友達の勇姿でも見ててよ」

 

リーダーさんに言われ、その場に座り込んでモニターを見る。そこには屋内にて準備を進めるヴィランサイドの爆豪君、飯田君チームと屋外にて作戦会議をするヒーローサイドの緑谷君、麗日ちゃんが映っていた。

爆豪君と緑谷君の関係が原作よりも良いみたいだから、原作のような暴走はしないのだろうか?

そんなことを考えながら、私は意識をモニターへと移していった。

 




《オマケ:もしリヤナがfgoに参戦したら……》

【真名】リヤナスフィール・フォン・アインツベルン
【レア】☆0
【コスト】4
【Attack】2525(4545)
【HP】1919(3939)
【クラス】キャスター
【筋力】E 
【耐久】E 
【敏捷】C
【魔力】A+
【宝具】EX
【幸運】C
【スキル1】高速詠唱C(8-6)
……自身のNPをチャージ(30~50%)+自身のNPの値に応じて攻撃をアップする状態を付与(1ターン※)
※100%からアップ状態が適用され、100%で10%、あとは50%毎に5%ずつ伸びる。300%で30%
【スキル2】魔力変換(攻)(7-5)
……自身のNPを20%減少(リスク)+自身の攻撃、クリティカル威力、全カードの性能アップ(Lv、3ターン、10~30%)+宝具封印時、さらに攻撃アップ(3ターン、30%固定)
【スキル3】魔力変換(防)(8-6)
……自身のNPを30%減少(リクス)+自身の防御、弱体耐性、強化解除耐性をアップ(Lv、3ターン、30~50%)+即死無効状態、弱体無効状態、無敵、ガッツを付与(各1回。ガッツのみ5ターン、1000~3000)+宝具封印時、ダメージカット状態を付与(1ターン、30%)
【クラス別スキル】
・狂化EX
……『リヤナスフィール』であり続けるという、一種の強迫観念より生まれたスキル。思考すら元の自分とは違うことに、『彼』は気づかない。
……自身のBuster性能アップ(15%)
・小聖杯
……アヴェンジャー『アンリ・マユ』の持つ黒き聖杯をその身に埋め込み、自身を無理矢理小聖杯とした。呪いにより飲み込まれるか、『彼』の意識が呪いを飲み込むのか、それは誰にもわからない。
……サーヴァントが戦闘不能になる度に自身のNPを20%増加。
・偽りの名
……TRPG勢全てが持つ共通のクラス別スキル。効果はそれぞれ違うが、全てがデメリットであるということに変わりはない。
……自身のNP獲得量、スター発生率をダウン(20%)+毎ターン自身のNPを5%減少
【宝具】黒き聖杯よ、呪え(ソング・オブ・グレイル)
……発動までに戦闘不能になったサーヴァントの数に応じて自身に体力最大値、攻撃アップ(永続。強化解除不能)+宝具封印(永続。弱体無効・弱体解除不可)
※一体で体力2000、攻撃バフ20%から始まり、一体で追加で落ちる毎に体力2000、攻撃バフが20%増加(最大5体まで。つまりは体力の上限は1万、攻撃バフの上限は100%)
【概要】ヒーロー事務所『TRPG』に所属するリヤナが英霊として、藤丸立香の召喚に応じた姿。霊基再臨を繰り返しても攻撃、HPが共に2020しか上がらず、使いにくい。
また、クラス別スキル『偽りの名』により第2、第3スキルが使いにくく、クリティカルも起こしにくい。
カード編成がバーサーカーのそれだが、気にしてはいけない。

【コマンドカード】
・Buster: 3(3ヒット)
・ Arts: 1(1ヒット)
・ Quick:1(3ヒット)
・EXTRA:-(4ヒット)

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