巨人殖装。 深町晶が創り出した、ガイバーの戦闘用武装形態だ。 それは文字通り、纏ったものに巨人の躰と強大な力を与える。
もとから強力だった重力制御球は三つに増加し、基本出力は最低でも元のガイバーの三倍。 しかし、そこは巨人の名を冠する武装、戦力の増加はたったの三倍では収まらない。
伸縮自在の高周波ソード。
個数を倍に増やしたソニック・バスター。
重力操作に方向性を持たせる衝角。
機並みの加速を与えるプラズマ・ジェット。
そして、それらのエネルギーを支え、3つの重力球のエネルギーを数十倍にまで増幅する全身に配置されたエネルギー・アンプ。
パワー、スピード、頑強さに攻撃能力の多彩化。 すべての力が普通の殖装状態からおよそ比較にならないほどの戦闘能力を与える。
そう、恐ろしいまでに。
手に入れてしまえば、誰にも止められない力を奴はついに身に纏ったのだ。
「さぁ、とどめと行こうか」
「あ、あいつ……」
黒い巨人殖装――ギガンティック・ダークとなった巻島顎人が燃え盛る街を歩いていく。
その姿は悪魔か、魔王か。 およそ正義の味方ではないそれが相対するのも、やはりまっとうな存在ではないのだ。 ゆえにこの戦いは正気じゃない、だからもう、天羽奏にどうにかすることなどできはしない。
「キシャアアアアアアアア!!」
「ほう、まだやるか」
雄たけびとともに再構成された奴の躰。 アプトムの力か、獣神将か、それとも聖遺物の力なのか……そんな悪あがきを鼻で笑ったギガンティック・ダークは右手にエネルギーを収束していく。
「はぁッ!!」
「ギっ!?」
奴の頭部を横から殴りぬけ、吹き飛ぼうとした奴の腕をつかんで一気に引き寄せる。 そのまま自身の胸元まで来た奴の頭部を、もう一度殴り飛ばす。
「どうした、どうした!?」
「グギィィィイ!!!?」
唸り声とともに飛び散る鮮血。 あの深町が手こずった相手がこうも圧倒されるのは奏を戦慄させた。
あの巻島が纏ったギガンティックは深町のそれとそんなに違いがあるのか……? 一瞬の疑念は、彼女自身が即座に否定する。
「……所詮は借り物の力、ショウ以上にその力を引き出すことなんてできないはずだ」
「グラヴィティ・ナックル!!」
「――――ッ!!?」
「なんなんだアイツは……どうしてあんなに」
特大の衝撃音が鳴ると、奴の体が大きく吹き飛んで土ぼこりを上げた。 視界が悪くなり、奏には奴の姿がどうなったのかわからない。 しかし、ギガンティック・ダークのセンサーにはそんな些細な煙など無いも同然だ。
高速振動を付加された牙が、煙を突き抜け飛来するのがよく見えていた。
巨獣人からの奇襲を、しかし事も無げにギガンティック・ダークは防いで見せた。
「ほう?」
右腕のエネルギー・アンプが輝いている。 そこからラウンドシールドのように形成された空間のゆがみが、高周波の牙をはじいたのだ。
「ショウもやってたけど、あんな予備動作もなく……」
「ジャアアアア!!」
「次はミサイルか? レーザーか……まぁ、このギガンティック・ダークに通用するとは思えんが、やれるのならやってみろ!」
ここにきて遂に巨獣人を挑発さえして見せる。 普通ならば慢心のそれも巻島顎人という人間が行えば、敵を威圧する攻撃になる。 言葉はわからずとも、ギガンティック・ダークの威容をその目に焼き付けてしまえば、巨獣人が一歩後退する。
「……ふん、詰まらん奴だ」
「ギィィ……キシャアアアア!!」
「あいつ! 翼を広げた!?」
遂に逃げる算段を立てた巨獣人。 この間の巨人には通用したものがすべて駄目になった……このままでは闇の巨人には勝てないと踏んだのだろう。
また、力を蓄えようとたくらんだのであろう。
燃え盛る街に向かって奴は即座に飛び去って行く。
「―――――――――逃がすと思っているのか?」
あまりにも冷淡な声だった。 氷のように冷たく、しかし触れ続ければ傷を負うような、そんな声。
信じられないほどの音を聞いた奏は、思わず闇の巨人に駆け寄った。
彼は、両手を腰の前に置き重力を捻じ曲げているのだ。
「さぁ、今度こそ終わりにしてやろう」
「お、お前……!!」
「どうやら先ほどまで深町が盛大にやっていたようでな。 ……残念なことにギガ・スマッシャーの試射ができそうにない」
「あ、当たり前だろ!? あっちにゃ焼けているとは言え街があるんだぞ!?」
「……ふっ、冗談だ」
この男ならやれるのなら本気でギガスマッシャーを放ちそうなものだ。 奏が悪寒にさいなまれる中、ギガンティック・ダークが本日2度目の最大チャージを行う。
だが、このままで終わる巨獣人ではない。
奴の周囲、燃え盛る街の炎が忽然と消える。 いいや、それだけではない、先ほどまで浴びていたであろう、炎の高熱さえも感じないのだ。 むしろ、肌寒く感じるのだ。
「こ、これ……!?」
「なんだ? 敵の増援か……温度を操る獣神将?」
「いや、これは――――」
奏が初めてこの世界に降り立った時のことを思い出す。 あれは、成層圏まで飛び上がり太陽光の熱さえも吸収して見せた、一人の復習鬼の最終兵器―――
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――ッ!!!!」
「まずい!? ブラスター・テンペストだ!!」
「なに?」
「なんでもいい! 巻島! さっさとそれを撃て!! 早く!! 」
周囲の温度どころか、町中の炎を熱エネルギーに変換した攻撃だ。 いくら巨人殖装でも、いいやまともに食らえばこの街ごと自分たちは消えるだろう。
だがそこまでの危機に陥っても、ギガンティック・ダークの動きに一切の焦りはなかった。
「射線軸、確定」
空間を捻じ曲げることで発生する強烈な衝撃を、エネルギー・アンプで増幅した3か所の重力制御球から作られる力場で超圧縮していく。
一瞬、巻島の脳裏にデュアル・コントロール・メタルからの警告が流れるがすべて無視。 巨人殖装かかる負荷を一切気にせず行われるフル・チャージは、あの臆病者には成しえない蒸気を逸した攻撃力を巻島に与える。
「これが、貴様への手向けだ……穿て!! プレッシャーカノン! ギガ・マキシマム!!」
空間を曲げるほどの衝撃波が、音もなく射出される。 熱を、光を、その先の命まで奪う必殺の砲撃は、ブラスターテンペストの爆音も熱量も、すべて消し去って空の彼方へと飛翔する。
遅れてやってくる大爆発に、町の空は夕方のように赤く染まるのだ。
その赤い空に一筋の影。 どうやら奴はすんでのところで巻き添えを免れたらしいが……
「……ちっ、どうやらここで終わりのようだな。 今は逃がしてやろう」
そういって闇の巨人の躰が分解する。 中から現れるのは、黒い殖装隊ガイバーⅢ。 ギガンティックとの多段殖装により、その装甲をリフレッシュされた彼は、先ほどと打って変わって満ち足りた様子で焼けた空を見上げる。
「あの巨獣人がこんなにもたやすく………これが、神の力」
「こいつ……」
その姿がどこまでも禍々しくて、天羽奏は、今回の深町少年の決断にある種の不安を抱えることとなる。
もう一方の、巨獣人。 その身体のどこかにアプトム細胞を操る器官があるとにらんだ彼らは、何としてもそれを粉砕するべく攻撃を仕掛け続けていた。 だが、あのギガンティックと同等の力を持つ巨獣人相手に、ただのガイバーでは太刀打ちできるはずもなく……
「せいやぁぁ!!」
「はあああ!!」
「シャアアアア!!」
限定解除を果たしたガングニールの二振りが、ガイバーを背にして大健闘を果たしている。 マリアの黒槍が奴を切り裂き、その亀裂を起点に響の拳が打ち砕く。
奴はすでに何度だって倒している。 しかし、倒すたびによみがえってくるのだ。
「うぉおおおおおお!!」
響の拳が一層強く輝くと、奴に向かって極星が突き刺さる。
マリアの槍が一直線に伸びれば、奴の胴体が2つに裂ける。
勝てる、勝てている。 だが……
「…………ギヒ」
「あいつ、また……」
決定打となりうる攻撃が、奴に届かない。
「……ぐっ!?」
「ヒビキ! ……こちらも時間制限が」
点滅するようにシンフォギアの色彩がくすんでいく。 あの神々しいまでの輝きが失われようというのだ。
それは、ギガンティック頼みの限定解除で無理をした代償ではあるものの――
「グォオオオオオオオオ!!」
「ま、また……!!」
「奴だ。 あいつの咆哮がギアに届くたびに、私たちの唄が途切れるように……ちからが消えていく」
「奴相手にシンフォギアじゃ分が悪すぎる……やはり巨人殖装じゃないと」
巨獣人の爪が伸びる。 当然のように高速振動で威力を上げているそれがガイバーⅠに押し迫る。
「高周波ソードならガイバーにだって――――」
肘から飛び出るソードが奴の爪を受け止める。 高周波同士の激突で周囲に深い音波が飛び交い、装者たちが思わず顔をしかめ、瓦礫の窓が全壊した。
それでも、まだガイバーは両断されずに生き残っていた。 だが……
「な、なんてパワーだ!?」
「グゥゥウ……キシャアアアアアアアア!!」
「こ、こいつ!!」
あの巨人殖装と渡り合うことができる巨獣人相手では、いくらガイバーでも膂力が圧倒的に足りていない。
重力制御球で体重差を誤魔化し、吹き飛ばされるという事態は防いでいるものの、その代わりにガイバーの足元が徐々にだが崩れていく。 このまま競り合えばどうなるかなんて火を見るよりも明らかだった。
「深町さん!?」
「ショウ!! ……アギト、何をやっているの……!」
「うぉぉぉおおお!」
「ジャアアアアアアアア!!」
「こ、このっ―――――!!」
押される、押しつぶされる。
ついに奴の爪が高周波ソードを押し返し、その両刃がガイバーの首に押し付けられる。 高速振動で分子間の結合が緩まされ、あっけなく裂け目を作ると鮮血が噴き出す。
「がッ!!? ……っ」
「ふ、深町さん!!? ………このッ!!」
その姿に力なく走り出した響が叫び声をあげる。
「ヒビキ!? 無茶よ!!」
「それでも……あの人だけは」
巨獣人に向かって、フォニックゲインの輝きを槍のごとくうち貫く。 しかし、その光は奴が叫びをあげると霧散し、届くこともかなわなかった。
どうにでもできる、大した脅威となりえないシンフォギア。 そう判断されたのか、それとも巨人殖装を恐れてか。 目の前のガイバーを即座に惨殺せんと、巨獣人は弱り切ったシンフォギアに目もくれずに、詰みに入ったガイバーへ最後の一押しを慣行する。
その瞬間、心の輝きを歌うその声がどす黒いものへと変わっていく。
「やめろ……やめろ!! …………そのヒトヲ……コロサセナイッッ!!」
目が赤く光り、纏うシンフォギアが闇色に染まれば、彼女の心があっけなく塗りつぶさっれて行く。
何かを守るためではない。
ただ、ガイバーⅠ=深町晶を守護せんと、彼女のガングニールが装者の意思を、ポテンシャルを、負担を無視して力だけを振りかざす。
暗く、黒く、底が見えない闇の輝きが彼女を覆いつくすと、響のガングニールがやがて獣へと変じていく。
「バォオオオオオオオオオオオオッッ!!」
「――――ッ!?」
唄が、シンフォギアが、響の心が暴走する。 黒い衝動に呑み込まれた彼女は大地に這いつくばると雄たけびを上げ、巨獣人に向かって大地を叩いた。
思わずマリアが後ずさる。
見たことがないものへの畏怖でも、圧倒的力からの威圧でもない。
あの立花響という少女が、人間性を捨ててしまったことに恐怖したのだ。
「ひ、ヒビキ……!」
「いけない……立花さん……!」
響の拳が奴の腕を砕く。
高周波ソードだろうが問答無用で貫通し、そのまま細胞ごと闇色のフォニックゲインで焼き尽くす。
獣の爪から解放されたガイバーは膝から崩れ落ち、こぼれ出る体液を必死に抑えて何とか回復に専念する。
人間でいう大動脈を切られはしたが、見た目ほど深い傷ではないし、何より強殖装甲システムが殖装者をそうやすやすと死なすわけがない。 だから、深町は此処で立ち上がり、恐怖に竦むマリアの肩を叩き、そっとコントロール・メタルを輝かせる。
「ショウ…! 貴方、そんな体で」
「ガイバーはそんなにやわじゃない。 それよりもまずは立花さんだ……あのままにしては駄目だ」
あの限定解除の状態で、さらに感情を暴走させたことによる能力のさらなる限界突破。 それは巨獣人を叩きのめすことは確かにできるだろう。 しかし……
「ウォオオオオオオオオオオ!!」
「キシャアア?!」
「バォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
「ジャアアアア!!?」
巨獣人の腹を叩き、背が折れて顎が落ちてきたところに黒いガントレットが突き刺さる。 爪のような鋭さで奴をつかむと、そのまま足で反動をつけてジャンプ、顎を引きちぎる。
「―――――――!?」
「ハァァアアア……」
巨獣人を圧倒し始めた響だが、深町のガイバーで見れば、どちらが危険なのかは一目瞭然だ。 響の体内を徐々にだが広がり始める聖遺物の細胞。 バイタルを整え始めていく巨獣人。 奴の額のクリスタルが輝くと、全身の細胞が励起した。
粉砕された腕が再構成され始める。 獣ながらに異変を感じ取った響だが、その身体はすでに鉛のように重く、吐く息は蒸気機関のように熱い。
その姿に腕の再構成を終えた巨獣人の手のひらには、極小のワームホールが形成されていた。
「ジャアアアアアア!!」
「させるか!」
「――――!?」
目には目を、同じように力場を形成したガイバーの手のひらが奴を押しとどめる。
「いけない! このままじゃさっきと同じように……ショウ!!」
「わかってはいるけど……このぉ!! マリアさん! 今のうちに立花さんを!」
「わかったわ」
即座に響を抱え後退するマリア。 若干の抵抗はあったものの、同じガングニールだからか、それとも深町のコントロール・メタルの輝きのせいか、ぐったりとおとなしくなる響は、そのままガングニールの色を元に戻していく。
地面に横たえるとそのまま深町の方へと駆け寄る。
槍を再構成、そのまま大上段から振り下ろすと、奴の腕に傷をつける。
「――浅い」
「いや、これで隙ができた」
両腕の空いたガイバーは即座に手を胸部装甲にかける。 その様子を一目見たマリアは奴に向かって槍を突き刺す。 石突にケリを入れ、槍を深々と突き刺し、そのまま彼女は翼を広げ飛翔する。
その下を駆け抜けるガイバー。 近づけまいと奴の高周波ソードが振り上げられるが、スライディングで躱した彼は巨獣人の真下から胸の太陽を照らし出す。
「原子の塵に………………駄目だ」
「キシャアアア!!」
「ショウ!?」
不発の粒子砲。 そのまま巨獣人に蹴り飛ばされ地面を転がるガイバー。 マリアが駆け込み体ごと当たって抱き留める形になる。
「どうしたのショウ!」
「ダメだ。 もしもスマッシャーで奴を消し飛ばしてしまったら…アプトムは二度と帰って来られなくなる」
「……そう、ね」
仲間を案じた行動は、あの巻島顎人ならば甘いと切り捨てられていただろう。 でも、マリアには深町を否定することはできなかった。
「そのアプトムというのは私にはわからない。 でも、調と切歌を守ってくれた人を見殺しにはできないものね」
「すみません……」
「いいのよ」
だがチャンスをフイにしたのは変わりない。 いまだ目覚めぬ響を背に、何とか体制を整えようとする彼らだが、巨獣人の咆哮が彼らを震わせる。
マリアのガングニールが光をなくし、ガイバーの横で膝をつく。 限界時間だ、マリアの限定解除が解かれてしまう。
「グゥゥゥ……」
「ギアが重い…これ以上は」
「万事休すか」
遂に今までやられた傷を復元し終えた巨獣人。 腹部の外殻が割れると、そこから紅蓮の輝きがのぞき込む。 同時、一瞬で下がる周囲の温度に、ガイバーのセンサーから残酷な解析結果が送られてくる。
「ブラスター・テンペスト……」
「如何にもって名前ね……」
それがなんなのかは聞く必要はないだろう。 どうあってもアレを浴びればシンフォギアごと溶解させられ、この世とおさらばできてしまうのだから。
アレを防げるのは、もう……
「みんなを……守るんだ……」
胸部装甲に手を這わせる。 そうだ、アレを防ぐには同等の威力をぶつけて相殺するしかない。
だが……果たしてただのガイバーで巨獣人に対抗しきることができるのだろうか。
可能性は高くない。 だけど、ここでやらなくてはみんなが死ぬ。
「俺がみんなを……守るんだ」
「キシャアアアアアアアア!!」
「このッ!! やらせるか!!」
周囲はすでに氷点下。 そんな凍える世界で放たれる灼熱の業火を前に、ガイバーは胸部装甲を展開、太陽を露出させる。
圧倒的な出力の差。 地獄の業火に対して、この太陽の輝きは熱量が圧倒的に足りなさすぎる。 それでも……彼はここであきらめるわけにはいかないのだ。
その後ろで、倒れ伏している少女を救うために。
「ちくしょおおおおおおおおおお!!」
業火が放たれる。
同時、解き放たれようとしたスマッシャーは……しかし。
「……そのまま隠れていろ」
「――――!?」
無機質な声によって、発射を阻止される。 いいや、スマッシャーを放つ必要がなくなったのだ。
「こ、これは…!」
周囲の空間が歪み、巨獣人から放たれたブラスターテンペストが彼らを避けるように防がれた。 バリアーだ、気が付いた深町は目の前にいるであろう人物を見上げた……そこには黒い影が―――――
否、白き外骨格を持つ重力使いが立ちふさがっていた。
「…………あ、貴方は」
「無事のようだな」
「そんな……貴方は、でも――」
「ショウ?」
マリアにはわからないだろう。 その白い怪人が、深町晶にどれほどの影響を与えたかなど。
「無茶をするのは相変わらずのようだな」
「あ、あぁ……」
己の未熟をかばうように命を散らした青年を、その背中を、深町晶はひと時も忘れたことはなかった。
残り少ない己の時間を、炎のごとく燃やした男の名を、深町はそっとつぶやいた……
「村上……さん……!」
「様子見にとどめるつもりだったが、我が姫君の異常事態だ、手を貸そう深町君」
「あ、はい!!」
その男、その白き魔人の名は村上征樹……またの名を―――――
「異邦の怪物よ、今だけはクロノス十二神将、最新の獣神将……イマカラム・ミラービリスが相手になろう」
元裏切りの実験体が、殖装者の隣に再び並び立つ。