Fate/Apocrypha Lost   作:紫 カナメ
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第二章 白の守るための刃と黒の壊すための刃
第一節 冷たい鉄の心


ブリジェント_ホテル。

 

「随分と派手にやりあったそうじゃないか、神父」

 

「貴女こそ、森に爆弾を仕掛けるなんて仲間を巻き込むかもしれないのに、本当…酷い方だ」

 

ブリジェント教会、ルーラー、ラーヴォルバ城塞襲撃から二日後…竜胆と和泉はとあるホテルの一室で情報交換していた。

 

「銀のサーヴァントの真名はほぼわかった。中でも銀のランサー、アルトリア・ペンドラゴンは厄介だ」

 

「アルトリア…成る程、アーサー王ですか。しかもランサーとは、聖剣エクスカリバーではなく聖槍ロンゴミニアドと来ましたか」

 

「こっちのランサーと銅のセイバーやランサーがいればなんとかなるだろ。特に銅のセイバーは奴と顔見知りだからな」

 

「…こちらも鉄のサーヴァントの真名を掴めました。鉄のアーチャー、アシュヴァッターマン。鉄のランサー、ブリュンヒルデ。鉄のバーサーカー、ランスロット。そして…鉄のアサシン、『ブラッディ・メアリー』」

 

「ブラッディ・メアリー…血塗れメアリー、アメリカの都市伝説のひとつか」

 

「血塗れメアリーの情報は確保した鉄のバーサーカーのマスター、ロディニオ神父を尋問して得た情報です。見た目は金髪に青い瞳の少女で、悪夢を操る能力を持っているようです」

 

「成る程。」

 

「それと、ウェールズに潜伏していた方からの情報によると、鉄のキャスターはケルト神話の影の国の女王、『スカサハ』の可能性が出てきたという。」

 

「今回は前回のと比べて神霊が多いな…」

 

「前回はアキレウス、ケイローン、アタランテ、セミラミス、ジークフリート、アストルフォ、フランケンシュタインなど、様々なサーヴァントが召喚されましたが、今回は違う。ブリュンヒルデ、ランスロット、アーサー王、アシュヴァッターマン、クリュサオル、ブラッディ・メアリー、真田幸村、数多くのサーヴァントが召喚されている。被害も前回よりも多くなるでしょう」

 

「だろうな。実際ウェールズのとある街で千人以上が惨殺される事件があった。おそらくブラッディ・メアリーの仕業だろうな」

 

「そうですね」

 

「……さて、今度は何をすれば良いんだ?」

 

「はい。では竜胆さん達には…鉄のアサシン、ブラッディ・メアリーを始末してもらいたい」

 

「…悪霊退治か、了解した」

 

竜胆は立ち上り、掛けていたコートを手に取って部屋を後にした。

 

「……もう良いですよ、クリュサオル」

 

と、和泉が呟くと金のアサシン、クリュサオルが現れた。

 

「…あいつ、変な臭いがした。なんか…鉄臭かった」

 

「彼女は銃器を扱っていますからね。狙撃銃やマシンガン、ショットガンなど様々な銃器や爆弾、毒物など使って魔術師を殺していましたから」

 

「…邪魔なら殺しておくけど?」

 

「いえ、今は(・・)殺らなくて良いです。しばらく泳がせておきましょう」

 

『てめぇも清々しい顔をしといてとんだ外道だな、坊主』

 

と、窓際に一騎のサーヴァントが現れた。

ボロボロの黒い外套を着た首に灰色のマフラーを巻いたボロい布に包まれた槍を持った男だった。外套のフードとマフラーで顔は見えないが、声からして40代ぐらいだろう。

 

「おや、貴方が此処に来るなんて珍しいですね。ランサー、あの長い髭剃ったんですか?」

 

「あれはルーンでてめぇらのイメージ通りに化けていただけだよ。なんかめんどくさくなったからもうやんねぇよ」

 

「髭が無いと若く見えますね。現役だった頃みたいですね」

 

「ばーか、俺はまだ現役だよ。飲み込まれて死んでサーヴァントになった今でもな」

 

「…ところで、用件は何でしょうか?」

 

「話は全部聞かせてもらった。あいつ…ブリュンヒルデが鉄の陣営に居るって本当か?」

 

「はい、本当ですよ。やはり自分の娘(・・・・)だから心配なんですね、」

 

「…シグルドの馬鹿の所為で狂っちまったらしいが、それでもあいつは俺の娘だ」

 

「…子供思いの優しい父親ですね。では鉄のランサーは貴方に任せます。ランサー……いや、北欧神話の主神、戦争と死を司る神__『オーディン』。」

 

「…あぁ、任せろ。子供の責任は親の責任だ」

 

 








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