BLEACH 2   作:桂ヒナギク

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第1話:訪問客

 空座(からくら)町。

 人々が寝静まった深夜。

 死覇装(しはくしょう)という黒い袴のようなものを纏った、端正な顔立ちをした赤毛の女性の死神が、電柱の上に立っていた。

 彼女の名は、阿散井(あばらい) 苺花(いちか)阿散井(あばらい) 恋次(れんじ)朽木(くちき) ルキアという死神夫婦の娘だ。

「ふ!」

 苺花はクロサキ医院に向かって、一直線に飛び立つ。

 コトン、とクロサキ医院の前に着地する苺花。

 苺花はチャイムを鳴らした。

「急患か?」

 黒崎(くろさき) 一護(いちご)が扉を開けて出てくる。

「苺花じゃねえか。一人で何しに来た? ていうか大きくなったな。こっちでは高校生くらいか」

「一勇に会いに来て」

 黒崎(くろさき) 一勇(かずい)。一護と井上(いのうえ) 織姫(おりひめ)の息子だ。

「一勇ならもう寝てるぞ。明日にしろよ」

「じゃあ一晩お願い」

「はあ!?」

「だって旅館、お金かかるじゃん? それに私、現世のお金持ってないし?」

「しょうがねえな。ほら、入れよ」

 苺花は一護に促されて家に上がる。

「ソファで悪いな。使ってくれ」

 苺花はソファに横たわった。

 直ぐに眠りに就く苺花。

 そして、翌朝になり、苺花は目を覚ます。

「起きたか」

「一護さん、寝てないの?」

「少し寝たよ。一勇を起こしてくる」

 一護は二階へと上がり、一勇の部屋に入った。

「起きろ、一勇!」

 一護は、オレンジ短髪の少年、一勇の体を揺さぶる。

「なに、お父さん?」

「苺花が来てる」

「苺花が?」

 一勇はベッドから出ると、用を足して苺花の元へ。

 久しぶりに苺花を見た一勇は、その美貌に見とれてしまった。

 一勇の胸の鼓動が速くなった。

「ひ、久しぶりだね!」

「久しぶりね、一勇。もう十年になるのかな」

「こっちにはどうして?」

「うん? ああ、現世への滞在許可が出たから来ちゃった」

「そうなんだ」

「しばらく厄介になるから、よろしくね」

「え、うちで暮らすの?」

「ダメ?」

「お父さんがなんていうか……」

「うーん……、私から言ってみるよ」

「ちょっと待てえ!」

 一護がやって来た。

「面倒見るなんてできねえぞ」

「でも行くあてないし」

「下駄帽子のとこ行けばいいだろ」

「下駄帽子?……ああ、浦原のおじさんね」

「ダメなのか?」

「一回、行ったんだけど、金取ろうとしたから」

 強欲商人め、と内心突っ込む一護である。

「わかったよ。置いてやるよ」

「ありがとう、一護さん」

 嬉しそうな顔をする苺花。

 一方の一勇は。

(苺花が一つ屋根の下で一緒にだなんて。恋の始まりか?)

 などと妄想をしていた。

 


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