STRIKEWITCHES 01 RELOADED   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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見切り発車で第一章と同時並行でこちらもぼちぼちやっていきます。


第二章 BRAVEWITCHES DEGENERATION
叙勲


「いきなり夢に押し掛けて済まない。だが近い将来君の力が世界に必要になる。取引をしよう。私は君の力を覚醒させ、その使い方や勉学を教える。そして君が望むものを私が用意できるなら何でも用意しよう。その代わり、“悪”に容赦のない苛烈・獰猛なウィッチになって欲しい。君の持つ力で人が行える限り徹底的で冷徹無慈悲な“正義”を掲げて戦場を駆けて欲しい。その生き様で以て次の世代に“正義の道標”を示して欲しい。君にしかできない事だ。応じてくれるかい?」

 

―――――――――――――――――――――――――

 

「俺ではあの男を救えない。かつても、ブライト・ノアとなった今もだ。アイツの計画を助けるのが精一杯。俺の力量じゃアイツの闇を祓い、飢えを満たす愛を与える事は不可能だ。だからアイツが前世からファンだった彼女達に賭ける。俺が賭けられるもの全てを賭して今回の人生を使ってアイツに救いを与える。我が友〇〇、いや、ラウ・ル・クルーゼに救済あらんことを。」

 

―――――――――――――――――――――――――

 

私は今皇居の明治宮殿正殿の閉じられた入口前に雁淵孝美大尉と共に立っている。しかも珍しく海軍の通常礼装でだ。ちなみに明治宮殿とは、皇居内の明治天皇以降の皇室の中心的施設である。私の前世日本で行われていた大日本帝国憲法発布式もここで行われた。今世でもここで扶桑皇国憲法が発布されている。そのような偉大な場所一体で何が行われるのか?時間軸は1ヵ月前、扶桑本国に帰還した直後ににさかのぼる。

 

 

 

「皇国元帥への昇進にございますか?」

 

「そうじゃ。」

 

「失礼ながら、陛下は私の現在の階級と年齢をお忘れでございますか?」

 

「忘れるはずがなかろう。」

 

では何故・・・

 

「今年で妾が即位してもう5年・・・欧州で戦が始まってもう6年じゃ。自身も多忙を極め、あまつさえ戦で右の腕を失おうとも妾の為民の為にあらゆる手を使って尽くしてくれたお主に対しての褒美じゃ。それに軍規では指を3本失えば退役せねばならぬはずじゃ。増してお主は腕一本を失っておる。本来なら退役は免れぬ。じゃが元帥になれば・・・。」

 

なるほど。元帥は終身現役。退役しなくて済む・・・とおっしゃりたい訳ですな。

 

「お主は今は亡き東郷以来初の扶桑の“最高戦力”になりおおせた者じゃ。それに今退役させると欧州が黙っていまい。その上永野や畑、寺内ら元帥達からの強い推薦もある。妾も功も能力も文句無しにお主は皇国元帥に相応しいと考えておる。」

 

推薦があったのか。しかし・・・

 

「永野さんの場合自分に来る書類を私に回して楽したいだけなのでは?」

 

「・・・永野じゃからの。否定できぬな。」

 

何気に陛下からの評価が低い永野さん。考えてみればよく元帥になれたよなあの人。

 

「史上最年少の元帥の誕生じゃ。昇進式は一ヶ月後に明治宮殿正殿で行う。ついでに欧州で圧倒的武勲をあげて帰還したお主が以前言っておった雁淵には、妾が褒美に直接アカツキを与えるからの。異論は認めぬぞ。良いな?」

 

「・・・はっ。承知致しました。陛下の御心のままに。」

 

 

 

 

 

 

明治宮殿正殿の扉が開く

 

「海軍大将、クルーゼ伯殿。海軍大尉、雁淵殿。」

 

「「はっ!」」

 

いやすげーな。皇室の皆様、軍政財界トップ達、華族の豪華な顔ぶれの視線が私と雁淵君に突き刺さる。そして玉座にお座りになっている陛下の御前に雁淵君と一緒に跪く。

 

「クルーゼ伯、此度の遠征における武勲、誠に見事であった。」

 

「はっ。ありがとうございます。これもひとえに、陛下の御威光の賜物にございます。」

 

「うむ。」 侍従から書状と元帥杖を受け取る

 

「此度の欧州大戦における怪異討伐の功績により、汝海軍大将クルーゼ伯を皇国元帥に任じ、また皇国全軍の指揮権を朕の名代として振るう事を命じ、重ねて、侯爵に叙するものである。昭和5年10月15日、裕仁。」

 

立ち上がり、書状と元帥杖を賜る

 

「海軍大尉、雁淵孝美。」

 

「はっ。」

 

「此度の欧州大戦、リバウにおける怪異討伐の功績により、汝に金鵄勲章功三級を授け、重ねて、朕の重装戦闘脚『アカツキ』を与えるものである。昭和5年10月15日、裕仁。」

 

「・・・。」 金鵄勲章と待機状態のアカツキを下賜される

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご苦労だったね雁淵君。」

 

「はっ。」

 

「君が陛下から下賜されたMS『ORB-01 アカツキ』は特殊なMSだ。第502統合戦闘航空団に参加する前に我がクルーゼ・エレクトロニクス佐世保分工場〈ロンデニオン〉に向かい、調整と運用方法を学んでくれたまえ。明日を含め一週間の学習期間を設けるから頭に詰め込んで欲しい。その次の一週間を休暇とする。ご家族に会ってきたまえ。その後、佐世保鎮守府脇のクルーゼ・エレクトロニクス所有の飛行場に待機させてある機体でペテルブルグの502基地に直行するように。よろしいかね?」

 

「了解しました。」

 

「後一つ言っておく。」

 

「?」

 

「佐世保にもう君の妹さんはいない。私が特殊任務に就かせた。だが落胆しないで欲しい。直ぐに会える。」

 

「??・・・了解しました。直ちに佐世保に飛びます。失礼します。」ガチャン 扉が閉まる

 

「・・・さて、ひかりちゃんをマグマを出す海軍元帥のごとく苛烈な別人にしてしまった私を雁淵君はどう思うかな。」

 

「恨むか、或いは憎むか・・・はたまたそれらの感情を通り越して私を殺すか。」

 

「人の感情を完全に予測する事はできない。90年近く生きててもそうだ。いやぁ 人間って、理不尽で・・・とても面白いね。そうは思わんかね親友?」

 

私はそんな独り言を今アフリカ方面で戦っているブライト・ノアの皮を被った親友に向かって呟いた。

 

 

 

 

次回 BRAVEWITCHES DEGENERATION 『炎の勇者』

 

少女は そして伝説となる

 

 

 

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