STRIKEWITCHES 01 RELOADED   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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解説



扶桑皇国海軍 人事及び命令

1944年10月16日 ラウ・ル・クルーゼ皇国元帥兼海軍次官兼軍令部次長兼第七艦隊司令長官(以後“クルーゼ元帥”と略す)、前軍令部総長永野修身元帥の引退に伴い、軍令部総長に就任。

同年10月17日 新軍令部総長クルーゼ元帥、大海令第一号を発令。山本聯合艦隊司令長官及び小沢遣欧艦隊司令長官に命令。

「一つ、聯合艦隊司令長官は扶桑海方面艦隊を強化、怪異の侵入を許さぬ防空のための艦隊を編成すべし。」

「二つ、遣欧艦隊司令長官はアフリカ方面の怪異の巣に対し攻勢をかける所要の作戦準備を実施すべし。」





精神世界ネットワーク

アンジェラ・サラス・ララサーバル主導でニュータイプ達の間で建てられたニュータイプ同士精神世界で交信できるネットワーク。クルーゼの預かり知らぬネットワークである。このネットワークの議題は「クルーゼの悲惨な思想をどう変え、我々がクルーゼを救うにはどうすべきか」である。


有賀幸子

扶桑皇国海軍中佐(→第七艦隊所属の大佐)。元ネタの人は戦艦『大和』の最後の艦長。新造機動戦艦「出雲(ミネルバ)」の艦長に任じられた。502(と502と関係を持つカールスラント・スオムス・オラーシャ軍)の指揮を取るクルーゼに艦長キャリアの先輩として、横須賀に一旦戻っている山口多聞少将に代わり助言・補助している。第七艦隊の航海参謀も兼務。




カーリン・ツァイツラー

カールスラント陸軍大将。カールスラント陸軍参謀総長。同じ兵站で苦労する者としてシンパシーを感じた彼女自身がクルーゼを誘って一緒に飲んで以来、深い交友関係を持つようになった。他の各国将帥達同様、現在東部戦線で戦っている娘に対し、クルーゼに婿入りしてもらおうとあれこれ画策しているが上手くいってない。




エーリカ・フォン・マンシュタイン

カールスラント陸軍元帥。502と連携しているカールスラント陸軍とスオムス陸軍の混成特殊軍集団“ペテルブルグ軍集団”の司令官を勤め、副司令官のマンネルヘイム元帥と共にオラーシャの解放に努めている。



ヴァルトルート・クルピンスキー

カールスラント空軍大尉。乗機はRX-78GP03 ガンダム試作3号機。原作では中尉であったが、本作ではクルーゼと取引をし、福島産扶桑酒を月一本と軍退役後のクルーゼ酒造幹部への就職斡旋と引き換えに真面目に仕事をさせられるようになり必然的にラル、サーシャに続く502のNo.3に就任している。だが結局原作程ではないにしてもサボってサーシャに書類の半分は押し付けている。地球連邦軍創設後、利子付きでしっぺ返しが来るとは知らずに・・・




ZGMF-X88S ガイアガンダム

アウロラ・E・ユーティライネン専用機。各種スラスターが強化してある。オリジナルと異なり空中・水中でもある程度の機動が可能。カラーリングは雪国での迷彩も兼ねた運用を想定し真っ白である。



その他

ラウ・ル・クルーゼの異名にカールスラントの“前進元帥”ブリュッヒャーにちなみ“官僚元帥”の名が増えた。クルーゼ自身が『魔女の世界』紙の記者エルネスタ・ニールマンに対し「私は酒場を探せばどこにでもいる『前線の一雄』か海軍省に籠る『官僚』のどちらかでしかない。私にロンメル元帥のごとき将としての華やかさを求めないでくれ。」と発言した事による。事実、前線にいる将官らしい事を一切やっていない事から、一部ではやはり皮肉られている。“防御職人”モーデル元帥や“おばあちゃん”ルントシュテット元帥等の古いタイプの軍人達からも『男が前線に来るな。これは女の仕事だ。』などと批判されている。だが彼の軍政手腕はその点を補ってあまりあるとして、好意的にこの渾名でクルーゼを呼ぶ者も少なからず存在する。





この場を借りて一つひかりちゃんについて誤解なきよう一言解説しときます。ひかりちゃんは『ニュータイプ最弱』ですが火力・飛行技術・頭脳は他のニュータイプに勝らずとも劣りません(というよりマグマのどこが火力が低いと言えるのか)。ジオン・ズム・ダイクンの「誤解なくわかり合える人」から他のニュータイプに比べて最も遠いだけです。つまり他のニュータイプ達に比べて他人と心を通わせたり戦闘時に使えるニュータイプ能力が低いだけです。もっとも、常人・ナチュラル・オールドタイプ(クルーゼも含む)よりかは高いですが。故にニュータイプ達が独自で作った精神世界ネットワークに唯一入ってないニュータイプとなっています。



ヴィープリへ行こう

「今ノ皇国ノ体制ハ、謂ワバ明治維新ノ三傑以下志アル者達ニヨッテ為サレタ異国ニ負ケヌ富国強兵ノ為・・・即チ革新ノ為ノ一時的策ナリ。繰リ返ス。アクマデ一時的ナリ。皇国ヲ、世界ヲ巡ル時代ハ、状況ハ、最早当時ノ状況ト今デハ言フマデモナク同ジニ非ズ。現体制ガ時代ニソグワヌ事コレ明ラカナリ。我ラハ、変化セネバナラヌ。先人達ヲ否定スル訳デハナイ。変エル必要ノナイ物マデ無理ニハ変エヌ。ソシテ先人達モ我ラニ理解ヲ示シテクダサルダロウト私ハ確信シテイル。何故ナラ、コノ“昭和維新”モマタ、“明治維新”ト同ジ革新ノ為ダカラデアル。諸君、新時代ト新体制ヲ歓喜ト希望ヲ以テ迎エヨウ。我ラト後ニ続ク者達ニ祝福アラン事ヲ。」

 

戦後 扶桑皇国議会 衆議院及び貴族院での「新体制創立の詔」に関するラウ・ル・クルーゼ内閣総理大臣の補足演説

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

ヴィープリ・・・ブレパンの漫画で出ていたオラーシャとスオムスの国境地帯にあるスオムスのヴィープリ州州都である。人口は4万いるか否か。世界遺産級の建物が多く建ち並ぶ古い町である。漫画曰くカジノと物産がそこそこあるらしい・・・がいかんせん情報が足りない。アデスから情報を貰うという手があるが、今は無理である。全演算を宇宙開発と衛星軌道上に展開しているソーラ・システムⅡの管理に回しているからだ。仕方ないからロスマン教官とラル君から情報を集めよう。

 

 

 

 

トントントン 扉を叩く

 

「入れ・・・あぁ、これは。」 執務机から立って一礼する

 

「良いよラル君。そのままサボっていたまえ。」

 

「はっ。ありがとうございます。」

 

「ラル君、ロスマン教官。今度ひかりちゃんを連れてヴィープリに行こうと思っているのだが・・・どこか良い所は無いかね?」

「そうですね・・・市庁舎の近くに大規模な市場が・・・あっ!」

 

「ロスマン教官?」

 

「クルーゼ元帥、サトゥルヌス祭の為の各種物資が現在我が基地が備蓄している量では到底足りませんので、市場でついでに買い出ししてきていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

 

「だが先生。不足分を買ってきてもらうにしてもトラック一台や二台分の不足ではない。いくらなんでも無謀だ。」

 

「問題ないよラル君。トラックで駄目なら戦艦を使えば良い。」

 

「!?・・・しかし、買い出しなどに使用してよろしいのですか?元帥が扶桑のカイザー(天皇)に叱責されても私は責任を負いきれませんが?」

 

「扶桑皇国陸海軍全軍の総帥だよ私は?君の国のゲーリング国家元帥のようなポストに私はいる。多少の融通は利くし、余程の失態をしでかさない限り、陛下が私に何か言ってくる事は無いから安心したまえラル君。」

 

「了解しました。先生、買い出し物のリストを作って元帥にお渡ししてくれ。」

 

「わかったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦艦 相模(ゼネラル・レビル)艦橋

 

ひかりちゃんとヴィープリに行こうとしたら、菅野君もついてきた。なんでもブライトに誕生日プレゼントを贈りたいそうで、品物の調達をヴィープリでやりたかったみたいなので乗艦を許可した。

 

「ではポポワ君、何もないとは思うが上空警戒は任せたよ。」

 

「了解した。ナージャ・ポポワ、シルヴァ・バレト 出る!」 ヒューン ガシャン

 

「では姉ユーティライネン君も地上での相模(ゼネラル・レビル)警備任務に就いてくれ。」

 

「任された。アウロラ機、ガイアガンダム 出るぞ!」 ヒューン ガシャン

 

「いやあ・・・でけえし、暖かいし、飯も美味い。最高だな。流石は我が第七艦隊の旗艦だぜ。」

 

「どうだね菅野君?相模(ゼネラル・レビル)副長の椅子の座り心地は?」

 

いつもならそこには山口さん(か滅多にないがたまにアンジェラ)が座ってるが、第七艦隊第四戦隊が整備の為に横須賀に一旦戻っているため、戦隊司令官たる山口さんも一緒に戻った。なので久々に私が艦長らしいことを今してるのである。いやぁ出雲(ミネルバ)の艦長に有賀さんを引っ張ってきて正解だった。嫌な顔一つせず私を補助してくれる。感謝しかない。

 

「いや案外悪くねえな。武勲立てて早く出世して自分の艦が欲しいぜ。そうすりゃブライトもオレを認めてくれるだろうしな。」

 

「・・・まるでブライトの奴が君を認めてないような言い草だね。」

 

「?・・・長官ブライトとそんなに親しいのか?あんたいっつも相手を呼ぶ時ほぼ君付けだけどよ。だが親しい奴は呼び捨てにしてる。」

 

「奴と私は親友だよ。」

 

「なら教えてくれ!アイツが好きそうなモンをよぉ。」グイグイ迫る

 

「わかった!わかったから菅野君、離れてくれ。ひかりちゃんがどす黒いオーラ出してるから!」

 

ヤバい。ひかりちゃんの瞳からハイライトが失せてるぜ。このままひかりちゃん重ヤンデレ√突入なんてまっぴら御免だ。アンジェラに殺される。

 

「あぁ、すまねえ・・・でブライトが好きなモンって結局なんなんだ?」

 

「基本何でも贈られれば喜ぶ単純な男だ。だが奴は以前私にこう言っていた。『素直な菅野を見てみたい。』とね。それを見せてあげれば喜ぶのではないかなブライトも?」

 

「・・・あの野郎今のオレの性格が偽物だと見破ってやがったか。中々鋭いな。流石はオレが見込んだだけのことはある。」

 

「・・・。」

 

災難だな我が親友。菅野君に惚れ込まれるとは・・・。まあ良いか。愛が重そうな原作キャラに自分以外が絡まれるのを見ている様はなんだか面白そうだから煽っておくか。これも愉悦。正に他人の不幸は蜜の味!ブライト、頑張れよ(笑顔で合掌)

 

「菅野君。ブライトは鮭と梅酒が特に好きだから覚えておくと良い。贈られたなら絶対喜ぶよ。」

 

「おぉ!ありがとな長官。でもよぉ、ヴィープリに梅酒なんて売ってねぇぜ?それに鮭なんて例え売っててもあっちに届くまでに腐っちまう・・・。」

 

「ならひとまず鮭を入手してきたまえ。対策を講じよう。」

 

「?・・・あぁ。わかった。ひとまず買ってくるわ。」

 

菅野君には鮭とばを作ってもらおう。あれなら保存がきく。ブライトの分のついでに私とひかりちゃんの酒のつまみ用に。パシる為の小遣い位は出してあげよう。

 

「菅野君、君の鮭代は第七艦隊の経費で出すから安心したまえ。」金を渡す

 

ひとまず50000スオムス・マルッカで良いかな?

「いやいやそんな要らねえから。いくら長官だからって男に金出させたら面子が立たねえよ。つうか明らかに私的なもんに第七艦隊から金出して大丈夫なのかよ?」

 

「安心したまえ。前にも言ったが第七艦隊は全て私のお金で動くいわば私の私兵部隊・・・無論陛下から御許しを頂いての活動だがね。陛下が何か仰らない限りは私が法なのだから心配は無用だよ。重ねて命じるよ菅野君。そのお金を受領したまえ。」

 

「うわあすげぇ暴論・・・だが財布が痛まねぇのはありがたい。じゃ遠慮なく。」スオムス・マルッカを懐に仕舞う

 

「ひかりちゃん。」

 

「はい!何でしょうか?」

 

「市場に行くから車の用意を。」

 

「わかりました。」 艦橋から走って出ていく

 

「・・・」コンソールをいじり備蓄物資の種類・量を確認する

 

「・・・ワインは貯蔵がまだあるか・・・ラムが足りない。買っておかないとね。樽2つあれば足りるだろう・・・菅野君、今晩の夕飯とサトゥルヌス祭では何を食べたいかね?」

 

「サルミアッキ以外なら何でも良いぜ長官?」

 

「・・・何でも良いが一番困る。」

 

「そうだな・・・納豆を使ったやつが食いたい。ニパのアホのせいで502の飯で納豆が出禁になっちまったからよ。」

 

「わかった。検討しよう。」

 

よ~し。今日の夕飯は菅野君専用に納豆とカレー粉をぶち込んだお好み焼を用意しよう。前世、大学生時代やってみたがクソ不味かった記憶がある。いくら混ぜてもカレー粉は偏るし納豆は匂いと微妙な食感がして食う気をなくす。これを食べたら菅野君、一体どんな顔をするかな?

クククッ・・・喜べ菅野君。君の望みはようやく叶う(麻婆大好き外道神父風に)。

 

「菅野君、念のため鮭は二匹買ってきてくれ。明日のロンド・ベルと502の朝食に一匹使う。」

 

「わかった。任せろ。」

 

そして来週のサトゥルヌスでは菅野君ら扶桑組には納豆卵かけご飯でも出してあげよう。無論ただの納豆卵かけご飯ではない。最高級卵『輝』と最高級納豆『鶴の子』の組み合わせである。こいつらだけでも一個と一パックで合計三十銭(1000円近い)と凶悪である。これを聞いた扶桑組の人達は、どんな顔をするかな? 更に米もいつもと違う二円(6000円近い)/kgの新潟の代物である。完全に金にもの言わせた飯だが、私の懐は全く痛くない。これらは全て財閥組からの贈り物だからである。ひかりちゃん喜んでくれるかな・・・

 

 

 

 

 

 

ヴィープリ 市庁舎前の市場

 

「ではひかりちゃん、行こうか?」

 

「はい♪」

 

ひかりちゃんが私の唯一の腕(左腕)に抱き付く。バランスが崩れそうだがまあ良い。むしろウェルカムだ。ひかりちゃんの芳佳と同世代とはとても思えない雁淵君と大差ないであろう胸が我が腕に・・・ゲフンゲフン。これ以上は言っちゃアカン。バレようものなら(胸の事でキレた)芳佳と(ストレスが溜まった)アンジェラにミンチよりひでぇやされる。

 

「ひかりちゃん、君は“正義の体現者”。そのイメージを崩さない為にも人前ではこのような行動は控えてくれたまえ。」

 

「あ すみません。気をつけます。」離れる

 

「というより正直驚いたよ。私は外面だけで良いと言ったのに君のお姉さんのあの様子だとご家族にも君は“徹底的な正義”を貫いているようだが・・・それを続けると人生息苦しくなるから私はあまりお薦めしないよ?現にアンジェラも自分に辟易としてる節がある。」

 

「大丈夫です!というよりこれ位で根を上げちゃったらクルーゼさんとの“取引”に違反しちゃいますし、私の根性はそんな柔じゃないですから!!」 少しむくれる

 

「・・・。」むくれたひかりちゃんかわいい。ヤバい。結婚したい。あ もう結婚してるも同然か。

 

「?・・・クルーゼさんどうしたんですか?」

 

「いや。なんでもない。ひかりちゃん、ロスマン教官からもらった買い物リストを出してくれ。」

 

「はい。」

 

肉類ばっかじゃん。さてはラル君とポクルイーシキン君、高い物ばかり私(第七艦隊の予算)に押し付けたな・・・

 

「私は生肉を買ってこよう。ひかりちゃんは加工食品とその他の類いを頼む。」

 

「わかりました。任せて下さい!」駆け出して行く

 

さて、後でポクルイーシキン君とラル君には書類仕事で地獄を見てもらうとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第502統合戦闘航空団司令部 団司令私室

 

502の幹部達(ラル、サーシャ、ロスマン、クルピン)とヨハンナがコーヒーを楽しんでいた。

 

 

 

「・・・考えてみると、お前のコーヒーを飲むのも随分久しぶりだな。」

 

「ん~そうねェ~。数えてみれば、グュンディー(ラルの渾名)、ロスマン先生、ヴァルトにコーヒー淹れるの2年ぶりなのよねェ~これが。」

 

「そういえばいつも隣にいた奴はどこに行ったんだ?」

 

「ナージャの事ォ~?あの子ならラウさんの護衛よォ~。」

 

「そうか。」

 

「それでェ~、サーシャちゃ~ん。私のコーヒーはどうかしらァ~?」

 

「美味しいです。香りも私好みで・・・光栄です。かの“扶桑皇国最高戦力 黒獣”直々に淹れて頂けるなんて。」

 

「ん~気に入ってくれて嬉しいわ~。」

 

「かつてはこれをJG52メンバーは毎日飲めたんだよ?凄くないサーシャ君?」

 

「そうですね。とても羨ましいですクルピンスキーさん。」

 

「そういえばヨハンナ?」

 

「どうしたのォ~ヴァルト?」

 

「クルーゼ元帥から聞いてると思うけど、そろそろ“例の品”を・・・。」

 

「これねェ~。」 扶桑酒を出す

 

「何ですこれ?」

 

「扶桑酒だよ~。ありがとうヨハンナ!」 早速開け始める

 

「伯爵、何昼間から飲もうとしてるの!やめなさい!」

 

「まあ今日は問題ないだろうから止めなくて良いぞ先生。」

 

「「乾杯!」」 ヨハンナも一緒になって飲み始める

 

「ハァ。」 ヨハンナとクルピンに呆れる

 

トントントン

 

「入れ。」

 

「オッス。」

 

「ペデルセン少佐。」

 

「酒の匂いがしたから来てみれば・・・真っ昼間から酒盛りかよ?ラル司令、止めなくて良いのか?」

 

「問題ないだろう。大規模空襲はこの前撃破したばかりだし、何かあれば哨戒中のニパが報せてくれる。」

 

「君が撃破したみたいな言い方だが、やったのは俺の艦隊だってこと忘れないでくれよ?」

 

「無論だ。」

 

「ヨハンナ。俺にもコーヒーくれ。」

 

「ん~良いわよォ~。」

 

「こんなほのぼのとした日がずっと続くと良いんですけどね・・・。」

 

「「「全くだ(ねェ~)(ね)」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ヨハンナちゃんがクルピンスキー君に酒を渡したか。今夜は酒盛りだな。」

 

勘でわかった。そしてこちらは物資の調達が終わった。後はひかりちゃんと菅野君が帰ってくるのを待つだけだ。しかしラムの樽重かったな。コーディネイターの身体が無ければどうなっていたか・・・

 

「クルーゼさーん!」

 

お ひかりちゃんが帰ってきた。

 

「長官、うっす。帰ったぜ。」

 

「ひかりちゃん、菅野君。今買ってきた物を相模(ゼネラル・レビル)の冷蔵庫に入れてきたまえ。その後はちょっと私の博打に付き合ってくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブレパンの漫画で菅野君、クルピンスキー君、カタヤイネン君のトリオが負けて無一文にされた描写があったカジノに来た。あ 案の定菅野君苦い顔をしている。だが菅野君、安心したまえ仇は取るよ。

 

 

「菅野君、ひかりちゃん。4000スオムス・マルッカずつ私に貸してくれ。」

 

「は?長官、ここまで来て博打かよ!?嫌だぜオレは。どうせ負ける。」

 

「安心したまえ。例え負けても私が後で補償する。ひとまず私にお金を貸したという事実が必要なのだ。頼む。」

 

「・・・わかったよ。だがオレが貸すんだ。負けんじゃねえぞ!」

 

「ひかりちゃんも。」

 

「わかりました。」

 

「勝利の栄光を君達に。」 敬礼

 

 

さて、カジノ側に目をつけられないようにしつつ稼ぐ・・・スロットマシンしかないよなそりゃ。要はスーパーコーディネイターの反射速度で777を連発すれば良い話だ。さて・・・

 

 

 

3時間後

 

「これだけあれば大丈夫だろう。」

 

最終的には全てのスロットマシンから、運営に目をつけられないよう少しずつ搾り取った。七千万スオムス・マルッカ稼いだ。さあ、菅野君とひかりちゃんに分配だ。

 

「ね?菅野君、勝っただろう?」

 

「・・・たった一万スオムス・マルッカが700倍に・・・。」

 

「すごいですクルーゼさん!」

 

「では分配の時間だ。」

 

資本金一万スオムス・マルッカの内、菅野君とひかりちゃんが4000ずつ、私が2000出したので、稼いだお金は2:2:1で分配される。つまり、菅野君とひかりちゃんには2800万スオムス・マルッカ、私には1400万スオムス・マルッカが分配される。

 

「・・・長官。」

 

「何だね菅野君?」

 

「確かにオレとひかりは長官に投資したけどよ、長官が稼いだのに報酬がそれだけじゃどうも納得できねえ。オレ達から人件費と称して少し徴収してくんねえか?」

 

「そういう訳にはいかない。出資者たる君達にはそれ相応の配当を受け取る権利がある。それに君達には私が博打をしていた事を外部に漏洩しないようにお願いする意味もある。」

 

「バレちゃいけねえのかよ?」

 

「うん。バレようものなら参謀長(アンジェラ)に何されるかわかったものではないのだよ。」

 

アンジェラ博打大嫌いだからな。バレたら何されるか・・・以前我が国のリベリオン大使館で駐在武官やってた時にベガスのカジノで一儲けしてアンジェラに言ってみたら「博打は害悪、今度やったら・・・わかってるな?」とめっちゃ凄みのある笑顔で言ってきたからな。怖いわ。ヤンデレ拗らせて監禁でもされるんじゃないかとチビりそうになったわ。

 

「まあそういう訳だから頼むよ二人とも。」

 

「了解だ(です)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロンド・ベルと502の諸君、夕食の時間だよ。」

 

「ご飯!ご飯!」

 

「お?この匂い・・・お好み焼か?」

 

「長官、本当によろしかったので?」

 

「下原君、私は料理が大好きだからね。軍令部総長も兼任し始めてただでさえ楽しみの無い私から料理を奪わないでくれたまえ。」

 

「わかりました。」

 

「美味そうな匂いがしてきたぜ。」

 

「ペデルセン君、君の部下も呼んできてくれ。作りすぎたから君の部下達にも食べてもらおう。」

 

「了解です。」 部下を呼びに行く

 

「これが扶桑の『お好み焼』ですか・・・。」

 

「そうだよラル君。食べ方は下原君からレクチャーを受けてくれ。私は菅野君専用のお好み焼を焼かねばならないからね。」

 

「え?オレ専用?」

 

「菅野君の為に納豆を使った試作のお好み焼だ。しばらく待っていたまえ。」

 

 

 

 

「「「いただきます。」」」

 

「おぉ~美味え。」

 

「おお!?明太子が効いてて良いねこれ。」

 

「チーズ味も美味しいよニパ君。一口どうだい?」

 

「ありがとう伯爵。」

 

「ウゲー不味ッ!!何だこりゃ!?」

 

「どうした菅野?」

 

「・・・。」黙ってペデルセンの口にブチ込む

 

「・・・ウッ。」 バタン ぶっ倒れる

 

「「「ペデルセン少佐が死んだ!?」」」

 

「この人でなし!」

 

誰だ今Fateのネタ口走った奴は。

 

「あ~気持ち悪い。」

 

「やはり駄目だったか。」

 

「長官、不味いぞこれ!」

 

「菅野君、私は君が納豆を食べたいと言うからお好み焼に納豆を混ぜてついでにカレー粉も投入して出してみたのだよ・・・菅野君、君の望みはようやく叶った。喜びたまえ。」

 

「馬鹿野郎、不味けりゃ意味ねえよ!」

 

「カンノ、文句は駄目だよ?元帥がせっかく作ってくれたんだから全部ちゃんと食べないと。」

 

「・・・マジかよぉ・・・死ぬ・・・死んじまう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では諸君、先に休ませてもらうよ。後菅野君の処理も任せたよ。」

 

「「「お疲れ様です。」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひかりちゃん、どうだったかな今日は?楽しかったかね?」

 

「はい!外国で初めての買い出しでしたから色々なものを見て楽しめました。」

 

「なら良かった。連れてきた甲斐があったよ。」

 

 

 

 

 

 

休みは終わった。さて。本格的に作戦の準備を開始しなければな。ひかりちゃんの力とクルピンスキー君のガンダム試作3号機に期待させてもらおうか。私の肉体的限界も近いからあの覚醒魔法も使う事になるだろう・・・そんな事を考えながら私はひかりちゃんに抱き枕にされつつ意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回 BRAVEWITCHES DEGENERATION 「限界」 少女は そして神話となる




かなり時間かけたくせに茶番になりませんでしたね。読者の皆さん本当にごめんなさい!

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