STRIKEWITCHES 01 RELOADED   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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限界

「・・・そうですかリヒトホーフェン元帥。NJG3のレント大佐から異動届が・・・では承認の上で直ちにペテルブルグに向かうよう通達をお願いします。MSですか?いつも通り私の自費で用意しますのでご安心を。はい。では失礼します。」 ガチャン 電話を切る

 

トントントン

 

「入りたまえ。」

 

「失礼します。」ガチャン

 

「セイラ・B・マクガイア少佐、只今着任しました。」 敬礼

 

「ご苦労。」答礼

 

来ましたよマクガイア君の妹さんが。マクガイア君が俺ガイルの雪ノ下陽乃そっくりな時点で妹さんが雪ノ下雪乃そっくりであろうとは予想はしていたが・・・本当にそっくりだな!なんなら胸m

 

「閣下、今何か余計な事をお考えになっていませんでしたか?」

 

怖っ!ニュータイプじゃないのになんで私の思考を読めるのかな・・・

 

「姉をある程度以上知った後に私を知った人の思考は大体同じですので。」

 

「・・・すまなかった。本当に申し訳ない。」

 

「いえ。もう慣れましたので。」

 

ここまでの会話、妹マクガイア君は顔の表情が一切変わってない。無表情過ぎて草。

 

「ではマクガイア君、ノイエ・カールスラントに栄転したメルダース大佐に代わり君を臨時で第500特殊遊撃統合戦闘航空団“ロンド・ベル”戦闘隊長に任命する。頑張ってくれたまえ。」

 

「はっ。お任せ下さい。」

 

序列上、本来ならルーデル君に臨時戦闘隊長を任せるべきだっただろう。だが、先日の戦闘で右腕が折れてしまったため、しょうがなく妹マクガイア君に任せたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃ、早速お前の新技見せてもらうぜ。」

 

「わかりました菅野さん。」

 

菅野さんに言われ、両腕をマグマに変える

 

ジュー ポコポコポコ

 

「流星火山・・・てやっ。」 チュンチュンチュンチュンチュンチュン

 

502基地周辺の池を標的に広域殲滅技“流星火山”を菅野さんに披露している。私の固有魔法は行使するにしても攻撃を受け流すにしても体力を著しく消費する。だがこの技を使えば、“大噴火”より低い体力消費で広域殲滅が可能なのだ。単純な打撃力もさることながら・・・

 

「おうおうスゲえな。どんどん氷が溶けてくぜ。」

 

そう。凍った川や海で“流星火山”を使えば、その上にいる奴らを一掃できる。奴らは水が嫌いだ。叩き落としてしまえば、放っておいても撃滅できる。しかもマグマで熱せられ沸騰した水だ。ネウロイ共はおろかほとんどの生物が生き延びられまい。

 

「相変わらずスゲえ固有魔法だな。」

 

「ですけど“扶桑皇国最高戦力”の皆さんと比べるとスピードが劣ります。それを補う為の私のMS・・・それが新鋭機インパルスです。」

 

「へえ。道理で模擬戦の時お前のMSにオレの機体が追い付けなかった訳だ。」

 

「そういえば菅野さん。」

 

「どうした?」

 

「1400からロスマン先生とクルーゼさんの模擬戦が始まるらしいですよ。今日の朝礼で言ってました。菅野さんが丁度居眠りしてた時に。」

 

「そうなのか?」

 

「その時私クルーゼさんから、菅野さんに伝言を預かってます。」

 

「伝言?命令じゃなくてか?」

 

「『私の飛び方を一言で評して欲しい。』だそうです。以前お姉ちゃんの飛び方を『優雅』と評した時と同じような感じで評価してあげて下さい。」

 

「孝美の時みたいに・・・ねえ。まあ長官の飛び方は参考になるだろうから見学してみるか。長官の伝説は知ってても長官が飛んでる姿をオレは見たことないからな。」

 

「じゃあ行きましょう菅野さん。」

 

「おう。」

 

 

 

 

 

 

 

「ではこれよりラウ・ル・クルーゼ元帥とエディータ・ロスマン曹長の模擬戦を始める。地上審判は私がやる。航空審判は下原とクルピンスキーだ。下原、クルピンスキー、配置に就いたか?」

 

「こちら下原、配置に就きました。」

 

「ボクもOK!」

 

「よし。ルールは簡単。ペイント弾か演習出力ビームを相手に先に当てた方の勝ちとする。」

 

「了解です。」

 

「了解した。」

 

「では双方向かい合って・・・すれ違ったら模擬戦開始だ・・・始め!」

 

 

 

 

 

 

 

ロスマン教官がまず様子見とばかりにバズーカを射ってくる。恐らく中身は散弾だろう。散布角から退避、こちらも。MA-M21KF ビーム・ライフルで反撃する。だがまあそこはカールスラントのあまたのエースMSパイロットを育てた“教官”。私の正確な射撃を体を捻らせて回避、更にスラスターを吹かして距離400まで接近してくる。そこで肩部3連装ミサイル・ポッドから6発全弾発射される。中央2発のみビーム・ライフルで起爆前に破壊し、散弾の雨に切れ目を入れてそこに突入、散弾を全弾回避、すかさず私はドラグーンを射出、ロスマン教官を攻撃させる。ロスマン教官はオールレンジ攻撃を避けながら量子変換で呼び出したビーム・ライフルを私に乱射しつつ接近してくる。なるほど、ドラグーンの操作に集中させないようにしつつ接近しビーム・サーベルで仕留めようって魂胆か。良いだろう。乗ってあげようロスマン教官!私もシュペール・ラケルタ ビーム・サーベルを抜いて対処する。無論アンビデクストラス・ハルバードにしての本気である。相手はナチュラル最強の一人。慢心はありえない。

 

「はぁっ!」 ビーム・サーベルを振り下ろす

 

「・・・」 アンビデクストラス・ハルバードで受け止める

 

そこですかさずゼロ距離からカリドゥス複相ビーム砲を発射するが教官はシールドで防御、そのまま私にタックルしてくる。だが私もそれはわかっている。アンビデクストラス・ハルバードをシュペール・ラケルタに戻して袈裟斬りにし、ロスマン教官のスタークジェガン寒冷地仕様の首に突き付ける。

 

「お見事。」

 

「流石ですロスマン教官。ナチュラルでここまでやれる猛者は、そういない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・なんつうか圧倒的だったな。」

 

「そうですね。私はクルーゼさんの肝いりでここに来た第一世代ニュータイプですけど、結局固有魔法に頼りっぱなしなところがありますから、あそこまでまだ強くはありません。私達ニュータイプが目指すべきはあの人を超える事です。いずれは至って見せますが・・・で菅野さん、評価の方は・・・。」

 

「圧倒的だった。先生ですらあのザマじゃあオレなんか足元にも及ばねえだろうな。だが・・・孝美の飛び方みたいに憧れは抱けねえ。失礼極まりねえ事を承知の上で言わせてもらうなら、無駄を一切省いた面白みの無い飛び方・・・一言で言うなら『合理的』だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァハァハァハァッ。」

 

不味いな。やはり体の限界が近い。この程度の空戦機動で体中が悲鳴をあげている。口からわずかだが血も出てる。内臓がやられたな。無理もない。私の肉体年齢は流石に魂の年齢(87)を超えてはいないが、某超有名空戦ゲーム7の爺エース以上に老化しているのは明らかだ。

 

「長官!」

 

下原君が駆け付けて来てくれた。

 

「下原君、そこの酸素吸入器を私に・・・。」

 

「どうぞ!」

 

ああ。生き返る・・・助かった。

 

「下原君、すまないが雁淵君を呼んできてくれないかね?」

 

「はい。」

 

 

 

 

 

「御用でしょうか?」敬礼

 

「ああ。雁淵君に今の私の苦しんでいる姿で溜飲を下げてもらおうと思ってね。」

 

「?」

 

「君も知ってるとは思うが、最近引退された永野さんに代わり私は軍令部総長も兼務し始めた。本来なら宮藤博士以外の他の“扶桑皇国最高戦力”に任せて後方勤務をしなければならん。戦力的にも問題は無い。最近になって新最高戦力に“白獣”が加わったからね。それに坂本君や“紅星”醇子さんから聞いているだろうが、私は固有魔法を新規で発動すればするほど老化する。現に今の肉体年齢は70代だ。そんな体で空戦機動をやるとどうなるか・・・わからん君でもあるまい。」

 

「・・・。」

 

「だがそれでも私は前線に立ち続けなければならん。君への償いの為に。」

 

「!?」

 

「君が私に憎悪の感情を向けるのは無理からぬ事だ。純粋無垢でひたむきで優しかった自らが愛する妹が目の前の自分より年下のキザな金髪によって冷酷・苛烈の権化にされてしまったのだから。」

 

「・・・。」

 

「皇国の為だの世界の為だの言い訳はいくらでも立つが、結局は全て私の為だ。私の身勝手なのだよ。ウィッチは人類を護る為に戦う、それが使命である・・・という常識が各々ウィッチの中には無意識下に存在するのは事実だ。しかし、私だけは違う。私は人類の為になど戦ってはいない。自らの大それた野望実現の為に戦っている。現にその過程として扶桑皇国全軍総帥に今就いている。扶桑政財界への強力な影響力もその一部だし、我が第七艦隊とて、陛下から密かに認可を受けているとはいえ、つまるところは私の私兵部隊だよ。」

 

「・・・。」

 

「何かを得るにはそれ相応の対価が必要だ。そして私は君からの激しい憎悪を対価に諸刃の剣だが強力な固有魔法を扱えるひかりちゃんという強大な戦力を手に入れた。そして私は君に償う為に私の持てるポテンシャル全てを以て間もなく発動する“フレイヤー”作戦に臨む。私の固有魔法は知っているね雁淵君?」

 

「はい。坂本中佐からお聞きしています。」

 

「私が持つ力の中には、当然君の覚醒魔法の上位互換も存在する。パワーも持続時間も君の倍以上。ニュータイプ以外にこれを止められる者はいまい。だが当然そこまで強力なら反動も君がリバウ戦の直後受けた反動よりひどい目にあう事は明白だ。それを以て君への償いとしたい。これが私がやれる限界だ。どうかそれで我慢してもらいたい。」

 

「ですが、私はリバウ戦の後、長期間戦線から離脱せざるを得ない状況になりました!もし長官が受けた反動が長官の想定・身体的限界を超えていたら・・・長官は死んでしまう可能性も・・・。そんな事になったら扶桑は貴重な“最高戦力”を失う事に・・・。」

 

「構わんよ。」

 

「!?」

 

「私の命程安い物はない。国家機密につき詳しくは言えないが、そもそも私は人として生まれてきた存在ではないのだから。それに最悪私が死んでも私の野望は達成されるし、他の“扶桑皇国最高戦力”が私の代わりに上手くやってくれるさ。手はずは全て整っているよ。後顧の憂いは全く無い。安心したまえ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局のところ、私はひかりちゃんという強大な戦力を育て、此方側に取り込む以上、どうしても雁淵君とは対立せざるを得なかった。だから最初は下手に出て様子を見、今回の“フレイヤー”作戦で雁淵君の覚醒魔法の上位互換を使いミンチになる事で雁淵君に

『自分のせいでこうなった』

と罪悪感を持たせ、それにつけこんで主導権を握り、心身共に此方側に取り込む・・・というのが私のシナリオだ。勿論これだけの為にわざわざミンチになるのではない。神様から与えられた知識いわく

『雁淵君の覚醒魔法の反動のメカニズムは、莫大な魔法力の運用と暴走に体組織が耐えきれなくなり、細胞単位で崩壊を引き起こし、新しい細胞をゼロから再生成しだすからあんな悲惨な事態になる』

らしいので私の体を若返らせる事に使えると判断したのだ。確実ではないから少々賭けの要素があるが。今の肉体では私の力はヒスパニア怪異事件の時(全盛期)の30%程度しか発揮できない。爺だから無理からぬ事だが。ちなみに言い訳になるが、芳佳とネウロイの巣“グリプス”を攻略した時にあんなにあっさり負けかけたのも原因が老化によるキレの喪失があったりする。

 

 

 

 

 

 

 

扶桑皇国海軍 第七艦隊 旗艦 相模(ゼネラル・レビル)艦長室 ベッド

 

 

 

 

「ひかりちゃん。」

 

「なんですかクルーゼさん?」

 

「今回の“フレイヤー”作戦は君が要だ。上手くやってくれよ。」

 

「はい。頑張ります!」

 

「そしてもう一つ頼む。」

 

「?」

 

「私を導いてくれ。」

 

そう私が言うと、ひかりちゃんは私を抱き締めとびきりの笑顔でこう言う。

 

「任せて下さい!」

 

 

 

 

あぁ。今日は久しぶりに良く眠れそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

次回 BRAVEWITCHES DEGENERATION 『ストーンヘンジ』 少女は そして神話となる




解説

新扶桑皇国最高戦力 “白獣”

宮藤芳佳が帰国と同時に昇進、功四級金鵄勲章と“扶桑皇国最高戦力”の称号を陛下から得ました。イメージはザフト制服を改造した第七艦隊の制服(赤服)で襟に少尉階級章、One Piece の海軍本部大将用コート(手首は無地) 腰に銃のホルスター(中身はS&W M500 8.75インチモデル)を想像してみて下さい。






次回、ついにあの兵器が登場します。作者もエスコン7でお世話になりました(4はやってない)。さあ、オリ主は一体これで何をするつもりなのでしょうか?(すっとぼけ)
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