しばらく書いてなかったら上手いこと書けない…孤独パレットよりは人気ないな。ちなみにこのシリーズは3人称視点でお届けします。
1.見つかった Our Purpose
劣悪な環境だった。1人の幼き子供の心を絶望に染め上げるには。父親は莫大な借金を抱え、母親は世間から裏切られる…そんな出来事が、もはや日常的になっていた。ある日、2人のストレスがピークに達したのだろう。その幼き子供は、考えられないほどの虐待をくらい、最終的には、道端に放り捨てられた。ある夜の出来事だった。朝日が街を照らす。その光の先にはーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「スタンダップ、ブライトネス・ヴァンガード!」
「スタンドアップ、ザ・ヴァンガード!」
2人の子供がカードゲームをしている。そして、それを興味ありげに2人に群がる大勢の子供達。
「アルフレッド・アーリーにライド!イマジナリーギフト、フォース!そして、カウンターブラスト、ソウルからブラスター・ブレードをスペリオルコール!」
「「「「おおぉ!」」」」
中央の重ねられたカードから1枚のカードを取り、隣に置く。周りの子供達はカッコいいヒーローでも見たように目を輝かせ、場面をジッと見つめている。
「ゲット!クリティカルトリガー!効果は全てヴァンガードに!」
「血兎ー!楽しみにしてたライブ、始まるよー!」
隣の部屋から人を呼ぶ女の人の声がする。どうやらこのカードゲームをやってる子のどちらかを呼んでいるらしい。証拠に、さっきから子供達を沸かしている長身の方が立ち上がる。
「悪い美樹矢、始まるみたいだからちょっと行ってくる。1分半くらいだから、待ってな!」
「あの兄貴、俺も見させてもらっていいですか?」
もう1人の細身が長身に尋ねる。長身が血兎、細身が美樹矢という名前みたいだ。血兎は山奥に降る雪のような綺麗な笑みで返事をする。
「おう、もちろん!多分お前も惚れるぞ〜」
「え、兄貴がそう言うんだったら、相当なんですね。楽しみです!」
広げていたカードを集め、ケースに入れる。そして、隣の部屋に駆けて行った。引き戸を開けて目の前にある大型テレビには、5人の女性達が演奏をしている姿が映っている。
『もいちど星にひかれ 生まれるために』
テレビ越しでも分かる、凄まじい音圧。4人の演奏と1人の歌声が部屋中に響き渡る。曲の最後まで引き戸を閉じる事なく、2人はそこに立ち尽くし、演奏を聴いていた。
「……どうだ、美樹矢?俺が惚れたバンドは」
「…はい…その、もう、凄いとしか…言い様がない…です」
語彙力が無くなるほど、彼女達の演奏は2人に響いていた。将来の夢なんてなかった彼らにとってそれは、これから先、大きな影響を与えるとも知らずにーー
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それから2ヶ月後ーー
「遂に明日ですね、兄貴…」
「あぁ、まさか遊びでやってた事がこんな事に繋がるなんてな」
血兎と美樹矢は『家』の屋根に登って、光り輝く星を眺めていた。2人共、手には500mlのコーラを持っている。
「でも、メンバーも揃って良かったです。ガキの頃からの付き合いの奴らばっかりですし」
「だな。あいつらもやりたがってたとは言え、俺達のグループに巻き込んじまったみたいなモンだし」
その時、屋根にかかった梯子から3人の男が登ってくる。
「なーに言ってんだ、今更。乗った船は最後まで降りないのが親友だろ?」
「なんかそれ、おかしくないか?」
「まあソミーっぽくてええやん、気に入ったわ」
「な!?お前ら、何でここに?」
3人は血兎達の隣に座り、寝転がる。その内の秀才っぽい見た目をしている男が、
「千鈴さんに聞いたんだ、2人なら多分屋根にいるって」
「ったく、姉さんの奴…つか、お前ら家出て来ていいのか?夜中の11時だぞ、今」
「ま、多少はね?」
3人の中でも1番のお調子者の見た目をする者が、獣の様な顔になって言う。多少じゃ済まされんだろ、と血兎は思いながら夜空を見上げ呆れる。しかし、血兎の心は嬉しさで溢れていた。人を信じる事が苦手な自分達にとって、心から信頼を寄せられる人達の、言葉にしない優しさを感じていたから。
「俺達だって、やりたくてやってんだ。お前らが負い目感じる事はない」
「爽吉…ヘッ、サンキュな。よっしゃ、んじゃ、明日に備えていっちょ合わせますか!」
5人が空に手を伸ばし、人差し指を立てる。息を揃えて声を放つ。
「「「「「We are “BLOOD SINS”!」」」」」
3人称視点って難しすぎん?圧倒的に1人称視点より台詞と情景描写の差が大きい。まぁ決めた事だからね、仕方ないね。5人の詳細はまた記しますー。