天華百剣ー異ー   作:五月奏人

1 / 1
序章《交わり始める世界》

――今から数百年前、飛鳥時代。巫剣と呼ばれる存在が生まれた。その存在は、剣という存在でありながら、少女の姿を持っていた。

 彼女らの役目は、住民達に危害を加えていた、禍憑と呼ばれる存在を、倒すことであった。禍憑を倒せる唯一の存在であった彼女らは、御華見衆と呼ばれる、巫剣と巫剣使いを中心として組織された、特殊機関に属していた。そこから、各支部に配属されて、禍憑達を祓っていた。

 中でも、上野支部のめいじ館では、様々な巫剣が多く配属され、巫剣使い達の功績によって、禍憑による被害は、消え去りゆくのであった――

 

「という小説を昨日見つけたんだ。どう?」

 夕日を背後から浴びる中、高校の制服を着た黒髪の少女が、隣を歩く、眼鏡をかけた少女に、話の感想を聞いていた。

「刀を擬人化した話かな?」

 興味を持ったのか、少し前のめりになりながら、黒髪の少女に聞いた。

「うん。ざっくりと読んでみたけど、そんな感じの話だったよ」

 右手に持っていた、その小説の表紙を見ていた。

「どこの店にあった?」

 再び、眼鏡の少女が聞いて来た。

「んー、いつものあの店だよ。土曜日に行ったら、新刊でーすって感じで置いてたんだ」

 左手を口元に当て、空を見上げ、思い出しながら、答えた。

 それを聞いた眼鏡の少女は、立ち止まって何かを悩み始めた。黒髪の少女も、それを見て立ち止まると、首を傾げた。すると、眼鏡の少女はスマホを手に取り、時間を確認すると、黒髪の少女に言った。

「じゃあ、このままその店に寄ってくね。ちょっと気になるし」

 そう言うと、黒髪の少女の顔は、満面の笑みになっていた。

「面白さは保証するよ!」

 左手で親指を立てると、その腕を勢いよく伸ばした。

 それを見て「はいはい。」と言うと、眼鏡の少女は、手を振った。

「じゃあここでね。また明日」

「また明日!」

 二人は、その場で別れた。

 黒髪の少女は、少し歩くと、立ち止まって、夕陽に照らされる、山を見ていた。

「うーん。今日もいい一日だったなぁ」

 どことなく、嬉しそうな表情をしていた。

「にしても……」

 視線が左に向くと、そこには大きな柱のような物が立っていた。

「土曜の朝、外見たらいきなりあんなもんがあったんだもんなぁ……」

 土曜日の朝、突如として現れた、謎の柱。

 その正体も発生した原因も、不明のままである。調査が行われ続けているが、未だに解析不能であるとのこと。

「それに、なんで金色なんだろう。意味あるのかな」

 その柱は、何故か金色で創り上げられていた。

「ま、いっか。特に今のところ、被害はなさそうだし。さてと、帰って続きを読まなくては」

 軽く流すと、彼女は、そのまま帰宅するのであった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。