Fate/invisible hand   作:チャーリーズ

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前回の続きとなります



第4話 衛生要因と動機づけ要因

「うむ、契約成立だ

今後ともよろしく頼む、マスター」

 

「あぁ、こちらこそ頼りにしてるよ」

 

ひとまず契約は完了した

ホッと一息ついた

大学受験が終わった後の高校生のような気分だ

しかし忘れてはいけない

戦いはまだ始まったばかりだ

気を引き締めなければ

 

「…あ!」

 

そういえば確認したい事があった

 

「どうかしたかね?マスター?」

 

クルッと男は振り返る

 

「一つ確認したいんだけど…

アンタのクラスは?」

 

そう、マスターが最も考慮すべき確認事項

サーヴァントのクラスだ

セイバー、アーチャー、ランサーに

ライダー、キャスター、アサシン

そしてバーサーカー

最初の三つは名前の通り

名前通りの武器を得意とするクラスだ

後半の四つは、少し変わっていて

ライダーは馬や戦車などを乗りこなし

キャスターは魔術や策謀に優れており

アサシンは名前のごとく暗殺を得意とする

バーサーカーは…

まあ…大体の予想はつく

しかし気になったのは…

 

スーツ姿だからクラスが全然分からない事だ

外見から予想がつきそうなものかと思ったが

これと言って雰囲気を漂わせる訳でもない

体格的にキャスターかアサシン、

三騎士のクラスならアーチャーかな?

 

 

「おや?

教会の連中から言われなかったのか?」

 

 

「監督役として召喚されるのは

基本的にルーラーだ」

 

 

………

……………ハイ?

何だそのクラスは?聞いてないぞ?

 

と言うか監督役?

 

そんな俺の想定外もいざ知らず

ルーラーは続けた

 

「裁定者の名を持つクラス

俗に言うエクストラクラスっという奴だ

こうして私が召喚されるという事は

今回の聖杯戦争はかなりイレギュラーな事が起こりうるという事だろう

気を引き締めねばな」

 

……

 

もう一つ重要な事を確認する

 

 

「もう一つ聞きたいんだけど…

ルーラーって戦うの?」

 

「ふむ…場合によっては戦闘に参加する事もあるかもしれないが…

まあ、基本は傍観のみだ

第三者が首を突っ込んで良い案件ではない…

それがどうかしたのかね?」

 

…………最後にもう一つだけ確認する

 

「アンタの真名を教えてくれ…」

 

 

「おっと、これは失礼した

《プリンシバル》に名を名乗るのは基本中の基本であったな」

 

男は軽やかにそして優雅に頭を下げ

名を告げる

 

「我が名は ……ム……ス

“万人の幸福”を唱えた者だ」

 

あぁ、社会の教科書で見たことあるな

なるほど…そこそこの有名人だ

 

そして薄々勘付いてはいたが

どうやら俺の聖杯戦争は此処で終了のようだ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

事情の説明が終わり

俺は頭を抱えていた

隣で男もブツブツと悩んでいた

 

「マジ?監督役じゃないの?

え…聖杯欲しいの?マジか…」

 

「おい、お前のキャラ ブレブレじゃねえか」

 

さっきまでの落ち着いた雰囲気と

丁寧な物言いはどこへ行った?

いや、そんな事を言いたいんじゃない

 

「何で俺の所に来てんだよ…」

 

ここに至るまでのあの旅路は何だったんだ…

トリプルアクセルだの、

戦いの火蓋が切られるだの言っていた自分が恥ずかしくなってきた…

 

ルーラーはしばらく考えていたようだが

ポンっと手の平を叩くと

落ち着いた物言いで俺に話しかけて来た

 

「確実に言えることが一つある

聞く気はあるかね?」

 

 

「お前結局どっちのキャラなんだよ…

で…なんだよ、一応聞いてやるよ」

 

急にルーラーの顔が険しくなる

 

「サーヴァントが接近して来ている」

 

 

「……はぁ?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

宿泊地より約5キロ前

 

「はぁ、つまらねえったらありゃしねえ」

 

その男は槍を首元に抱えながら歩いていた

 

「なんでわざわざ夜襲を選ぶかねぇ

ウチのマスターは…」

 

男はどうやらマスターに不満を持っているらしい

 

「英霊なら英霊らしく正面切って戦いたいぜまったく」

 

チラッと前を見る

今夜のターゲットの場所をその目に捉えた

数ある住宅街を抜けてその先にある宿をその目に捉えた

 

男は片方の手に槍を持ち体勢を変えた

まるで獣のように走り出す構えだ

 

次の瞬間

 

踏み出した足場が崩れる

いや圧力により凹んだのだ

とてつもない脚力

その男は動体視力にとても優れているようだ

いやそれどころの話ではない

 

この動きは人間をやめている

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「嘘だろ…嘘だと言ってくれ」

 

まるで彼女に別れ話を切り出された時の様な言い草だった

どうするどうすれば助かる

命乞いでもするか

 

だが…そんな悩みはルーラーの言葉によって

打ち消された

 

「ふむ、仕方ない戦闘は得意ではないが…」

 

 

 

「迎え撃つとしよう」

 

 




タイトルの衛星要因と動機づけ要因とは
経済学者ハーズバーグの唱えた理論です
当時の働く人にとって重要な事は作業場や給与、雇用の安定など
環境的なモノばかりに目を向けられていました(衛生要因)
しかし、ハーズバーグはこれらの要因は決して満足するモノではない
つまり欲求として満たされる事は決してないと唱え
いわゆる やり甲斐 や 達成感 名誉など
人が仕事をする上でやる気を起こさせる事も重要であると唱えました
(動機づけ要因)
これらはマズローの欲求段階説と合わせて見る事をオススメします
(マズローの欲求段階説については後ほど)
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