人理を修復する双子の話。   作:お月見桜

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(ここ最近リボーンにハマったんだけどどーしよ)


その力、迷いにつき

「arrrrrrrrrrr!」

 

「...っ!」

 

「威圧感ハンパないな...!」

 

ただの咆哮にして、それは大地を揺らす。

 

「「嫌な予感がする。」」

 

セイバーとみかんが同時に言う。

 

「貴様も見えたか。みかん。」

 

「貴女が私を担いでた時に。メイデンの中に」

 

「あぁ。いたな。」

 

「貴女たち、敵の前に無駄話?随分と余裕ね。」

 

「あぁ。余裕だ。」

 

「ちょっと何言ってるのか分からないが、少なくともこっち来るぞ!」

 

「相手の獲物すら見分けが付かないとは。あれはただの丸太だぞ?」

 

飛ぶように走る相手の武器を上手く防ぎ、蹴りで手を弾く。

 

「ほら、よく見てみろ。」

 

「あっ!ほ、本当です!禍々しい武器が、丸太に!」

 

「手にした物を武器に変えるなんていう伝承をもつものは数が少ないだろう?」

 

「ち、ちょっと待て!そ、その伝説であってるなら彼は...!」

 

「そうだ。それであってる。魔術師。」

 

「?すいません。よくわかりません!あとこんな喋ってる暇はなさそうです!」

 

落とした丸太を拾いセイバーに襲いかかろうとする。

 

「無駄だ!」

 

真っ向から立ち向かい、鍔迫り合いになるセイバーとバーサーカー。こうなってしまったら、両者の武器の質と腕力(魔力)が物を言う。

 

「...セイバー。...バカ兄貴。カーミラを引っ込ませて。」

 

「は!?なんで!?」

 

「...いえ、私は確かに引いた方が良さそうね。任せたわ。」

 

そして霊体化になるカーミラ。

 

「ど、どーしてですか!?」

 

「マシュ、これは貴女がやらないといけない。」

 

「えっ?」

 

「答えは貴女が見つけなさい。ほらバカ兄貴。行くよ。」

 

「あー!全く分からん!あとで教えろ!マシュ!行くぞ!」

 

「あ、はい!」

 

「セイバー!」

 

「あぁ。」

 

バーサーカーの攻撃は空を切り、その兜の中から目をぎらつかせる。

 

「っ、マシュ・キリエライト行きます!」

 

「あぁ!行くぞ!」

 

「さて、どうでるか...!」

 

「セイバー!マシュを支援しつつ、貴女もやりたいように。」

 

「あぁ。分かった。」

 

魔力をもらいつつ、バーサーカーに向かう。

 

とうとう話が終わったかと襲いかかる二人を相手にするバーサーカー。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

下手な盾は時に面倒な事を引き起こす。だが、当然ながらそれはやらせて貰えなさそうだ。

 

「arrrrrrrrrrr!」

 

「チッ、分かってる。」

 

こいつが、これが邪魔だ。

 

「セイバーさん!」

 

「行くぞ盾女。こいつを倒せば、お前も少しは変わるのじゃないか?」

 

「は、はい?」

 

何を言ってるのだろうか。わからないが、とりあえず斬りかかる。

 

「貴様の太刀筋は知ってる!」

 

だがこちらも同じだ。相手の太刀筋は何故か知っている。体が覚えている。

 

攻撃は喰らわないが攻撃を与えられない。盾を潰そうとするがそれをさせない。

 

「arrrrrrrrrrsrrrrrrrrrrr」

 

「せいや!」

 

「!?」

 

横から斬り付けられ攻撃を食らう。

 

「ここだ!」

 

そこから更に連撃を喰らう。

 

「これで、ふっとベェ!」

 

上空から盾を構えて潰されそうになる。が、これを紙一重で後ろに避ける。

 

「いや、貴様は避けてない。そこに行ったのだ。自分でな。」

 

後ろから斬られ、鎧の装甲ごと吹っ飛ぶ。

 

「ここだ!」

 

今度は盾で押され、刃で切られる。

 

「セイバーさん!私、なんでか知りませんけどこの人の動きが読めます!」

 

「!...そうか。なら行くぞ、盾女。」

 

「はい!」

 

マシュの盾に足をかけ、そこから一気に飛ぶ。

 

それを見て飛ばされたバーサーカーも飛ぶ。宝具を打とうとしている。

 

「マスター!宝具だ!」

 

「ーん!」

 

「マスター!こちらも宝具を!」

 

「あぁ分かった!」

 

「宝具展開!顕現せよ、ロード・カルデアス!」

 

「『約束された勝利の剣』!」

 

「『arrrrrrrrrrrsarrrrrrrrrrr』」

 

その宝具の中で、バーサーカーにアルトリアがバーサーカーにしか聞こえない声で囁く。

 

「...眠れ。ランスロット卿。貴殿の強さは分かった。大丈夫だ。お前の娘は死なせはしない。」

 

「『arrrrsarrr』...」

 

「あぁ。分かるさ。あれはまだ弱い。だからこそ、強く、貴殿を越すくらいには仕立て上げてやるさ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お、終わりました!こちらの勝ちです!」

 

「うむ!やったな!」

 

「しかし...なんでしょう?」

 

「ん?」

 

「勝ったのに...胸が空いてます。相手は、手加減していたような...」

 

「まさか!相手はバーサーカーだ!こちらを殺そうとしてたはずさ!」

 

「ドクター...」

 

「今日はもう疲れてるんだ。明日からにしよう。聖杯の在り処は分かったんだし。」

 

「えっ?そ、それはどこに!?」

 

「ワイバーンから反応があったことから、きっとジャンヌ・ダルクが持っていると予想するよ。」

 

「そ、それは早めに言うべき案件では。」

 

「だって無理だろ!あんなとこで聖杯反応なんてあってもこっちは呆然だぞ!何せ彼女はフランスを愛し、その為に動いたジャンヌだぞ!」

 

「そ、それはそうですが...」

 

「その話は後だ!今は兎に角休もう!」




※いうならまだオルレアンです。

オルタニキは引きません。

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