このすば×メダロット   作:あるい椋

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「水、空気、食料、友達、そして恋人……。どうしても必要なモノはなりふりかまわず自分の手で奪い取ります。格好悪くたって笑われたって、窒息するよりマシです」



エピローグ ゆんゆん、グレる

「いやああああ! こんなの私のブレザーメイツちゃんじゃなーい!」

「うるせーぞ、我慢しろ!」

 

 アクアが泣き叫ぶ声が、決して狭くはない屋敷の中でも大きく木霊する。

 

「だいたい、お前がサキュバスのお姉さん達を困らせるからいけないんだろうが」

「だって! だって!」

 

 なんでもアクアは【夢】の中で出会ったブレザーメイツが忘れられなかったらしく、サキュバスが運営する喫茶店に通いつめては【夢】を見ることをお願いするようになったらしい。

 サキュバス達も最初は笑って受け入れていたらしいが、精気を吸うこともできない女性が店に通いつめてくるなど営業妨害もいいところであり、何日か経過してさすがに限度を越えたとカズマに引き取りをお願いしてきたのだ。

 サキュバスの訴えを聞いて激怒したカズマだったが、アクアがサキュバスの店に通いつめていた理由を聞くと、一転、ばつが悪そうな顔をした。メダロットを【夢】に見るという話のきっかけはカズマだったからだろう。

 しかしサキュバスからの訴えも無下にはできない。

 そこでカズマはアクアに【夢】の代案となるものを提案した。それは、世界のあちこちに点在する魔道技術大国ノイズの遺産を使って現実にブレザーメイツを再現することだった。

 何しろかの国の技術者は高性能な美少女型ゴーレムまで作り上げていたのだ。その手の設備や技術を駆使すれば不可能ではないだろう。

 そして数々の冒険を経て完成したのが――。

 

「嫌よぉおお! ツインテールを軸にして回転蹴りしてくるブレザーメイツなんて! あの純粋無垢なブレザーメイツちゃんを返して! 返してよ!」

 

 どうも素体としたのは――いや、素体にできたのは、いつぞやのSMプレイ用に作り上げられたゴーレムだけだったらしく、しかも性格などソフトウェアの分野は≪鍛冶≫スキル持ちのカズマでもお手上げだったようだ。

 結果、SMプレイ用の性格設定のまま、ガワだけがブレザーメイツとなったメダロットもどきが誕生して、アクアが泣き叫んだという経緯だった。あれはあれで可愛いと思うのだが……。

 

「へぇ、そんな話だったの」

「そうなんですよ。ゆんゆん」

 

 屋敷に遊びにきたゆんゆんに、私は経緯を説明した。

 それぞれゲームガールをピコピコ動かしながら、対戦用のチームを組んでいる最中だ。

 

「んー。でも、メダロットが現実にいたらかぁ……。ねぇ、めぐみん。私のパートナーのメダロットって、どんなのがいいと思う?」

「そうですね……こんなのはどうですか?」

 

 そう言って私は自分がいじっていたゲームガールをゆんゆんに見せてみた。

 画面に映っていたのは――。

 

【挿絵表示】

 

「CAB型スワロウテイル……? ええと、このメダロットと私と、どう関係が?」

「はい。このメダロットはですね……ああ、このテキストを見てください」

「へぇ、なになに?」

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水商売のおねえさんがモチーフのメダロット。

 

夜の帳(とばり)が降りるとき

気の抜けたジャージ姿から

ネオン街の蝶へと

華麗にメタモルフォーゼ。

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「そっかぁ……普段は地味なのに、メダチェンジすると綺羅びやかになる、水商売のおねえさん型メダロットかぁ……」

 

「……あれ? 怒らないんですか?」

「怒らないわよ。私も地味な姿から脱皮して綺羅びやかになってほしいっていう、めぐみんなりの気遣いなのよね?」

「え、ええ……」

 

 いや、そういう意図も確かにあったが……からかいの意を多分に含んでいたのも事実。そしていつも私とじゃれ合っているゆんゆんが、それに気づかないはずもないのだが……。

 

「それに、私に水商売のおねえさんがお似合いだって言うんなら……それらしいことをしてもいいわよねぇ……」

「!?」

 

 いつもとは違う妙にねっとりとした口調でそう呟いたゆんゆんは、いまだ騒いでいるカズマとアクアの方に視線を向け……なぜかくすりと笑った。

 

「ゆ、ゆんゆん!? どうしてカズマにそんな色っぽい視線を向けているんですか!?」

「やだなぁめぐみん、辺りを見回したら、カズマさんがちょろっと視界に入っただけじゃない。偶然よ、偶然」

「それならどうして今、胸元をいつもより開けたんですか! なんでスカートをもう一回折ったんですか!? ちょ、ちょっと、こっちを見て話してください!」

「うーん、ほら。私、水商売のおねえさんだから、それらしい格好してもいいかなぁって。あ、そういえばめぐみん、結局まだカズマさんと一線越えてないのよね?」

「なんでそれを今聞いたんですか!? あ、謝りますから! 今日のところは私の負けでいいですから、やめてください! あの男なんだかんだ言って女の子から誘われたらホイホイついていきそうで――!」

 

 

■おわり■

 

 




【ゆんゆんの小ネタ】
様々な可能性を秘めたゆんゆんを私は応援しています。


【挿絵表示】

コミケ94お疲れ様でした。
おかげさまで会場頒布分は完売しました。
新人サキュバスと成り上がりの男も近いうちに更新します。
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