結城友奈は勇者であるの世界に転生したらまさかの敵ポジションだった!?   作:中野’sソックス

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ようやく出来た………出来たぞー!
てな訳で中野‘sソックスです。ようやく出来ましたので上げていきます。
第〜……な、七だよな?漆ノ儀、始まります!


漆ノ儀〜せいしん〜

安芸先生「ごめんなさい、お忙しい中……」

そう言って目の前に居る男性、青木吾郎に御礼を言った安芸先生。

吾郎「大丈夫ですよ先生。用事が終わって家に帰る所だったので」

と返す吾郎。

吾郎「しっかし、まさか車が無いとは……」

安芸先生「えぇ、まさか他の職員が借りていて公用車が一つも無いなんて……もう少し増やしときなさいよ大赦……

吾郎「ハハハ……とりあえず向かいましょうか、先生?」

安芸先生「……ハッ!え、ええ行きましょう。よろしくお願いします」

と二人は車に乗り込む。そして車を勇者達が待つ公園へと走らせる。そして向かう車の中は、

安芸先生「………」

吾郎「………」

沈黙で包まれていた。暫く車を走らせ信号が赤で止まった時、沈黙を破り吾郎が口を開いた。

吾郎「先生」

安芸先生「はい」

吾郎「彼女……琴晴は学校ではどうなんでしょうか?」

安芸先生「琴晴さんですか?」

吾郎「えぇ、学校の話などは琴晴自身から聞いてはいるのですが。それに友人関係も心配は余りしてはいないのですが……」

安芸先生「それでも拭いきれない何かがある……という事でしょうか?」

吾郎「そうなりますね。いかんせん神経質な物で……」

と頭を掻く吾郎。

安芸先生「……愛しているのですね、あの子を」

と微笑を浮かべる先生。

吾郎「……ッ!そ、そうなりますね……」

と顔を赤らめる吾郎。

安芸先生「?」

と何故吾郎が顔を赤らめたのかが分からない安芸先生は、疑問を浮かべた顔をした。

吾郎「そ、それで彼女は先生から見てどのような感じなのですかね?」

と話を戻す吾郎。

安芸先生「彼女は……私から見てもとても良い子です。友人達との関係も良好ですし、勉学や運動の面に関しても特に悪い所は見受ける事はないですね」

吾郎「そう……ですか」

とホッとした吾郎。

吾郎「それなら、安心です。……そろそろ着きますね」

安芸先生「あっ、本当ですね。すみません送って貰って……」

吾郎「良いんですよこれぐらい……ってあれは?」

と二人の目には金髪の制服を着た子が辺りを見渡していたのが目に入った。

安芸先生「あれは……乃木さん?」

吾郎「確かその子って……」

安芸先生「あの子の近くに止めてもらっても……」

吾郎「分かりました」

そうして彼女の近くに車を止め、安芸先生が園子の元へと走る。

安芸先生「乃木さん!」

園子「あっ!先生!」

安芸先生「何があったの!?」

園子「はるは……琴晴ちゃんが!」

吾郎「!……琴晴が?」

園子「あいつらを追い払った後いきなり倒れて……ぞごがらめをざまざなぐっで………」

と最後の方は涙声になりながら話す園子、

安芸先生「……彼女は?」

園子「あぞごに……」

と琴晴達がいる方向に指を差す、

安芸先生「よく一人で頑張ったわ」

と園子を抱きしめる先生、

園子「ぜんぜい……!」

安芸先生「……私は鷲尾さん達を連れてくる。その間……青木さん!」

吾郎「………」

安芸先生「吾郎さん!!」

吾郎「……ッ!先生」

安芸先生「乃木さんを頼んでもいいでしょうか」

吾郎「!分かり……ました」

安芸先生「すみません……後はお願いします」

そう言って園子を吾郎に任せて琴晴達の元へ向かう安芸先生。

 

 

 

 

 

安芸先生「何処……何処に!……居た!」

と安芸先生が見つけた先には、倒れている琴晴と琴晴を介抱している須美と銀の姿が。

須美「青木さん!起きて青木さん!」

銀「何でだよッ……何で起きないんだよ!」

安芸先生「二人共!」

須美 銀「「先生!」」

やってくる先生に近づく二人。

安芸先生「二人は大丈夫?」

須美「私達は大丈夫ですけれど……青木さんが……」

銀「琴晴がお役目を終わらせた後に突然倒れて、それから起きなくて……」

とこちらも耐えてはいるが今にでも泣き出しそうな二人

安芸先生「一体何が起きてるの……?とりあえず近くの病院まで琴晴さんを運びます。鷲尾さん、三ノ輪さんついてきて」

その言葉に頷く二人。そして先生は琴晴を抱えて車へと向かう。

 

 

 

 

 

 

吾郎「……!先生」

と公園の方から先生と抱き抱えられてる琴晴、それに二人の小学生が走ってきた。

安芸先生「吾郎さん、車で急ぎ近くの病院まで行けますか?」

吾郎「も、勿論です」

そう言い吾郎は車に乗り込む

安芸先生「急いで貴方達も乗って」

園子 銀 須美「「……はい」」

そう言い急いで乗り込む3人。それを見つつ琴晴と一緒に助手席に乗る先生。

吾郎「ここから近い病院は?」

安芸先生「……ここですね」

そう言って手持ちのスマホを見せる安芸先生、

吾郎「……ここなら道も知ってるので、琴晴の事を見ていて貰ってもいいですか」

安芸先生「……分かりました」

そう言って車を病院へと走らせる。

吾郎(……ッ!)

何もできなかった自分に心の中で腹を立てながら。

 

 

 

 

 

 

 

琴晴「………?」

琴晴が目を覚ますとそこは暗闇が広がっていた。

琴晴「ここは?」

そう問いを出すがそれに答える人はいない。だが良く目を凝らすと遠くの方に何人か、人が見える。

琴晴「人かな?話を聞きに……っ!?」

琴晴の足は、まるでそこに縫い付けられたかのようにピクリとも動かない。

琴晴「何で足が……!?」

すると周りが暗闇から見知った景色に変わっていく。

琴晴「樹海……?」

そう、樹海であった。そして遠くには先程倒したはずの天秤がいた。

琴晴「何で?あいつはさっき倒したはず!」

そうして目の前の人達と戦い始める。最初は頭数の多い人側の方が有利だったが、天秤が回転し始めると途端に劣勢になっていく。

琴晴「何で!何で足が動かないの!」

そう言いながら足を動かそうとする琴晴。そんなことをしていると遠くの方で鈍い音が聞こえた、と思ったら近くでモノが落ちた音がした。そして琴晴がその方向を見ると、

琴晴「……!あ…あ…あぁぁ!」

そこにあったのは人であった筈のモノだった。先程のバーテックスの攻撃で飛ばされてきたのだろう、腕や足はあらぬ方向に曲がっており使い物にならない事がわかる。身体も凹んでいたり骨が出ている部分もあった。服も天秤の回転に巻き込まれてビリビリに破かれている。こんな状態になりながらも息は少しあり、神の力もそうだが人間が如何に頑丈なのかがわかる。

琴晴「動け……ッ!動いて………ッ!!私の足!」

そして、彼女は呟く様に、そして願う様に言った。

 

 

『生きたかった……』

 

 

しかしその願いは届かず、彼女の身体から力が抜けて……死んだ。目の前で、呆気なく。そして今まで動かなかった足が動くようになる。そのまま膝を曲げ顔を下にすると、

琴晴「!……おえっ……」

と戻してしまった琴晴。人がいきなり死んでしまう所を見てしまえば、琴晴の様な反応になるのは必然であった。それが勇者だったとしてもだ。そして少し時間が経ち、ようやく頭が冷静になり落ち着いてきた時、

「よぉ」

琴晴「誰!?」

と何処からか声が聞こえた。それと同時に樹海から元の暗闇に戻る。そして声の主に対して警戒をする琴晴。

「別に警戒はしなくてもいい。何もするつもりはないからな」

と琴晴に警戒を解く様に言う。しかし、

琴晴「それで警戒を解くと思う?」

と言った。

「まぁ、そりゃそうだ。自分だって同じ立場なら警戒するしな。ならそのまま聞け」

琴晴「話を聞く前に……ここは何処?」

「ここか?ここは……まぁ俺が作った精神世界みたいなものだ。そこにお前さんの……精神を持ってきた感じだ」

琴晴「精神世界……?」

「そういうことだ。今お前さんの体は気絶して……多分ビョウイン?って所にいるんじゃないか?」

琴晴「……さっきのは」

「さっきのか?さっきのは……俺が作り出した幻影ってところか……といっても過去の時代で本当にあったことだがな」

琴晴「ならお前はバーテックスって事か?」

「ん〜、違うかもしれないし違わないかもしれないな。まぁでも、いつか嫌でもわかる様になるさ。それよりもだ」

とはぐらかしつつ話を進める謎の声

「さっきのを見てお前さんはどう思った?青木琴晴さんよ?」

と琴晴に問いかける。

琴晴「……何で足が動かないのかと正直、自己嫌悪になってる」

「幻影なのにか?あれはあくまでも映像……偽物だ。助けても意味はないぞ?」

と嘲笑した笑いを出す謎の声

琴晴「だとしてもだ」

「ほぉう……どうしてそう思った?」

琴晴「自分は……勇者だから。手の届く限り、助けたい」

「勇者……勇者か……。ハッハハハ!」

と突然笑い出す謎の声。

琴晴「何がおかしい!」

そう怒りを込めて言葉を返す琴晴。

「滑稽だから笑ったんだよ……ハハハ!」

琴晴「……何だって?」

「ハハハ……お前は確かに勇者なのだろうな。」

「誰かを守るために自分の身体を傷つけながら戦っていく。それも無条件で、何の対価も無しで。自分もそんな勇者と同じだと思っているのだろう?」

琴晴「えぇ、そうよ」

「いいや、違うね」

と言い切る謎の声。

琴晴「な!?」

「お前は、まだ勇者ではない」

琴晴「何を……言って?」

「なんと言えばいいのか………まぁ簡単に言えば、過去も含め勇者に選ばれた者達には持っているものを、お前は持っていない。という感じだな」

琴晴「どういう……」

「まぁ、少しは考えてみろ……答えばかり出すのは楽しくないだろう?」

琴晴「………ッ!」

琴晴は声のする方を睨む、かつて大赦の神官に向けてしたように。

「おお、怖い怖い。女子がそんな顔しちゃダメだろう?……っと時間切れか。」

と飄々としながら謎の声は言った。

琴晴「時間切れ……?どういうことだ!」

「落ち着け。この精神世界を保つにも制限時間があるってことだ」

琴晴「制限時間……」

「まぁ、最初だったからな。不完全な所があって短いんだよ」

「そんな訳でじゃあな、また近いうちに会えるだろ」

琴晴「近いうちって……その前にお前は一体!」

と名を問おうとしたが、その前に琴晴の目の前が突然真っ白になった。

 

 

 

 

琴晴が目を覚ますと白い天井が最初に目に入る。

琴晴(………今のは、夢?)

そうして身体を起こすと右から外の景色が見える。そして左を見るとドアがあり、ドアの向こう側では看護師であろう人達が忙しそうに働いている姿が目に入る。

琴晴「……病院?」

琴晴は病院のベッドの上にいた。

琴晴「何でこんな所に……」

そしてここに至るまでの記憶を思い出す。バーテックスを倒し、今回のお役目も無事に終わらせる事ができ安堵していると、突然頭の中で声が響き、頭痛が襲ってきた。そして気絶し謎の声と出会い、目が覚めたら病院のベッドの上にいた。

琴晴「こんなものかな……」

そうして近くにあった自分のカバンからノートと筆記用具を出し、記憶をノートに書き記した。

琴晴「勇者……か」

そう口にする。

琴晴「私に足りなくて他の皆が持っているもの………」

先程、謎の声に言われた事が胸に突っかかっている琴晴。筆記用具を置き考えるが、幾ら考えても分からない。気がつけば一時間たっていた。

琴晴「……駄目だ、さっぱり分からない」

そして寝っ転がる琴晴。そして真っ白な天井を見ていると、

⁇「琴晴?」

琴晴「……おじさん」

ドアの方から声が聞こえ身体を起こす。そこにはおじさんこと……青木吾郎が居た。

吾郎「目ぇ、覚ましたんか」

琴晴「今さっきね……」

吾郎「そっか……」

と荷物を置きベッドの近くにある椅子に座る吾郎。

吾郎「皆、心配してたで」

琴晴「……ごめん」

吾郎「儂よりか友人達に謝ってこい、彼女ら泣くほど心配してたで」

琴晴「……うん」

吾郎「………」

琴晴「………私が倒れてからどのくらい時間が経ってるの?おじさん」

吾郎「琴晴が倒れてから……3日ぐらいやな」

琴晴「3日……」

吾郎「とりあえず今は休んどれ、まだまだ本調子じゃないじゃろ?先生には儂から伝えとく」

琴晴「……ありがとう、でも少しだけ起きてる」

吾郎「……儂はこれから仕事に行かなければいかん、早く寝るんやぞ」

琴晴「うん……いってらっしゃい」

そう言って吾郎を送り出す琴晴。

吾郎「………ごめんな

琴晴「………?今、何か言った?」

吾郎「いや、何も言ってないで……行ってくるわ」

そう言い病室から出る吾郎。

 

 

 

この後、次の日に安芸先生、須美、銀、そのっちが学校帰りにお見舞いに来てくれた。須美達3人が泣き出してしまった時は驚いてしまった。その後に詳しい話を先生から聞き謎の声の事を話した。がそういった事例は今までないらしく、大赦の方で議題に上げてみるらしい。その後に先生からクラスの子達からのお見舞いの手紙や千羽鶴を渡された。クラスの人達の思い思いの言葉が手紙に綴られていて、皆に迷惑をかけてしまったなと思う琴晴であった。

 

 

 

 

 




主「ということで漆ノ儀でした」

主「えー、また遅れてしまい申し訳ありません」

主「テスト、就職試験、洪水やらなんやらで遅れてしまいました……」

主「本当に申し訳ない」

主「とりあえず……今回はお仕置きは……」

琴晴「アルヨー」

主「デスヨネー」

琴晴「まぁ、嘘だけど」

主「ゑ?」

琴晴「次遅れたときにまとめてやってあげるからね?」

主「なるほどね、ならガンガン書けばお仕置きは……」

琴晴「どうせ出来ないでしょ」

主「グハァ……い、痛い所を突くじゃあないか……」

琴晴「なら、たまには頑張りなさい?」

主「Yes,ma‘am」

琴晴「ふざけてないで書け」

主「了解、なら後書きを終わらせるか」

主「そんな訳で更新の遅い主と」

琴晴「青木琴晴でした!またね〜!」

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