問題児たちと黒い影が異世界から来るそうですよ? 作:風前の灯
さて、今回は挨拶も程々に早速本編に行きたいと思います。それでは、どうぞ!!
瓏牙の"仕事"が終わり、問題児たちの歓迎会も終わった深夜1時、瓏牙は適当に選んだ私室で自分で淹れた紅茶を飲みながらくつろいでいた。
「………クソッ…超不味い…茶葉の量ミスったか?」
『というか、これってホントに紅茶?』
「知らねえよ…この部屋に置いてたから勝手に拝借しただけだ」
『拝借っていうのは返さないと駄目なんだよ?……返せるの?』
「無理だな」
『開き直った…逆に清々しいね…』
「無理なモノは無理と諦めるのが一番だ」
『まあ、良いけどね…怒られても知らないよ?とりあえず、土地の蘇生は"フォレス・ガロ"とのギフトゲームが終わってから始めるから…それまでは僕は就寝しとこうかな』
「………早く永眠しろ…」
『永眠したら死んじゃうじゃん…それじゃ、おやすみ~』
「………やっと一人か…」
そう言うと、瓏牙は私室を出て外へと歩きだした。
「片方が寝ないと意志疎通が寸断されないとか……どれだけ面倒くさい体なんだよ…クソが…」
瓏牙が悪態をつきながら建物内を歩いていると、離れた所に動く灯りを見つけた。
(………灯り?見回りか…少し暇潰しでもするか…)
余談だが、瓏牙は元々視力は良い方なのだが、暗闇に入ると一段と視力が増すのである。これは、元の世界での"裏"の仕事をしているときに身につけた力だが、今回は仕事ではなく悪戯に使うようである。
(なんだ…黒ウサギか…まあ良い…とりあえず、驚かすか)
まず手始めに、瓏牙は自らの存在を闇と同化させ、気配を消すことにより、発見される危険性を無くした。そしてゆっくりと黒ウサギに近づいていった。
「うう…夜の館は少し怖いです…」
(少し震えてやがる…これは脅かしたら泣きわめくんじゃねぇか?)
ゆっくりと黒ウサギの前に回り込んだ瓏牙は、一気に気配を闇から切り離し、いきなり黒ウサギの前に現れた。
「………幽………霊?」
しかし、ボソッと言葉を発した黒ウサギは言い終わるとその場に倒れてしまった。
「誰が幽霊だ………というか…黒ウサギ…悲鳴も上げねえと思ったら気絶してやがる…面倒くせぇ…」
その場で小刻みに震えながら気絶している黒ウサギを抱えながら、瓏牙は先程通った道を引き返す事となった。
「面倒くせぇ…」
自業自得である。
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「ううん……あれ…此処は…どこでしょうか…」
黒ウサギが目覚めた場所は何処かの部屋だった。
「気がついたか…」
「瓏牙さん?」
「あー…すまねぇな…ちょっと脅かしただけなんだが…まさか気絶するとは思わなくてよ…」
「え…まさか…あの幽霊って……」
「………俺だ…」
「……………瓏牙さんが運んでくれたんですか?」
「ああ…あのまま気絶されてても邪魔だしな…」
「…なら、特別に許してあげます…但し!!もうしないでくださいよ?」
「了解…だが、気絶するとはな…惶牙を思い出したな…」
「もう…気絶したのは置いといてくださいよ……あれ…?瓏牙さん…今、"こうが"って言いませんでした?」
「……………言ってねぇ」
「絶対言いましたよ!!誰ですか、"こうが"さんって!!」
「………チッ」
「舌打ちしてもダメです!!早く説明してください!!」
「………ハァ…わかったよ…説明すれば良いんだろ…」
「はい、お願いします」
「……"惶牙"ってのは…"天霧瓏牙"の本当の名前だ」
「本当の…名前?」
「俺に寄生する前の…俺の親友だった頃の…"金巻 惶牙(かなまき こうが)"っていう本当の名前だ」
「金巻…惶牙さん…ですか…」
「惶牙は俺の唯一の友達で、親友だった……だが、ある日…惶牙は闇の世界で生きる俺の数少ない接点と目され………裏社会の秘密結社に襲撃され…死んだ…」
「な……」
「元々戦闘向きじゃない力を持ってた惶牙は、ほとんど抵抗出来ずに死んだ……そのあと、惶牙が死んだ場所に行ってみると、一つの魂が残ってたんだ…」
「もしかして…その魂って…」
「つまりはそういうことだ…"天霧瓏牙"は"金巻惶牙"の魂を存在として実体化させた物って事だ」
「……魂の…実体化…」
「まあ、俺もよくわからんがな…そんな感じだろ…さて、もう説明は終わりだ………早く自分の部屋に帰れ…」
「あ、はい……お話、ありがとうございます。お休みなさい」
そう言うと、黒ウサギは自室に帰っていった。
「チッ…変なこと思い出したな………そろそろ寝るか…」
瓏牙の部屋の灯りが消えたのは、夜中の3時を回った時だった。
…はい、第7話でした。天霧瓏牙の正体なんですが、まだまだ謎ですね~…ギフトとかもまだ先で出てきます。そこまで長くはないと思うので…あと2、3話ぐらいかな?
批評・感想等も待ってます!!