「君は、ヒーローになれる」
俺の親友が涙を流しながら、その人物の前に蹲った。
オールマイト。No.1ヒーロー。平和の象徴。付け加えるなら、出久の憧憬。これまでずっと無個性を馬鹿にされて否定されて、さっきも痛い失敗をしたアイツがそんな人からのお墨付きを貰って泣かない筈がない。
その光景を見て、俺は────
「いやなんとも派手にやっちゃってまぁ」
出久の受験が終わって次の日。0ポイントロボとかいう巨大ロボをぶっ壊すために右腕と両足をぶっ壊した馬鹿を拝みに緑谷宅に遊びに来ていた。LINEで聞いた時は何言ってんだコイツと思っていたが、茫然としている出久の右腕を見ると包帯がグルグル巻きで、痛々しい様子だった。
本人から聞いた理由を要約すると、「女の子が倒れてたから」と。マジかお前。
「まぁお前のことだから体が考えるより先に動き出したとかアレだろうけどさ、もう少しなんとかならんかったん?」
「う…」
どうやら本人にも自覚はあるようで、気まずい表情をした。自分で言うのはアレだけど、応援してくれた友達の期待を裏切ったともとれるし、そうなるのも分かる。
「まぁ俺は個性のスペシャリストでもなけりゃ医者でも武術家でもねぇから個性のコントロールとか体の使い方とか教えれんけどさ、ちょっと『オールマイト』に拘りすぎじゃねぇ?」
「…え?それってどういうこと?」
「まぁそこは自分で考えな、じゃなきゃ発展はないし。…それよりこれからだよこれから。どうすんの?」
「……。」
案の定黙る。…うーん流石にこれはデリカシーに欠けたか、誰でも直ぐ切り替えれる訳じゃないことは理解はしていてもつい言葉に出しちまう。反省。
「ところで出久。合否ってのは、筆記と模擬戦闘みたいなやつで決まるんだよな?」
「あ、うん。そうだよ。筆記は想像通りで、実技試験は得点が割り振られた仮想ヴィランを倒してポイントを競うんだ」
「ふーん…」
…ヴィランの制圧ねぇ。そりゃできたら助かるけど、必ずしもヒーローに必要ってわけじゃない。なんとなく他に採点基準がある気がするけど…。まぁ確証はないし揺らいだら困る、このまま伏せておくか。
「…おし!んじゃあ怪我が治ったぐらいにまた遊び来るわ。そん時ラーメンでも食いに行こうぜ、奢るからさ」
「…うん、ありがとう。また学校で」
『受かった!!僕雄英受かったよ!!!』
「…そうか。はは、うん、そりゃあ…良かった」
出久の方から電話がかかってくるのは久しぶりで、何事かと思ったが、只事ではなかった。こりゃあアイツの家は暫くは赤飯かな。
「…うん、よし。じゃあ都合良い日焼肉行くか!貯めてた金で美味いとこいくぞ!そして拒否権はねぇ!」
『偶に強引だよなぁ…うん、分かった。あぁ、それと』
「ん?なんだよ。言っとくけどバチクソ高いところは無理だからな、そこだけは─────」
『ありがとう』
「─────馬ッ鹿お前、親友だろ」
うわ、言ってみると結構クサいなこれ。二度と言わねぇ。
『あはは、うん、そりゃそうだ…あ、じゃあ今度の週末さ─────』
アイツはトップヒーローになる。俺の目は遠い未来なんざ見通せないし見る気もないけど、これだけは胸を張って言える。
そして。俺はアイツを支えてやりたい。親友として、大ファンとして。
俺は高野空。緑谷出久の、サイドキックを目指す男だ。
一応キャラ設定。
高野 空
出久の親友という設定。そういえばそんなやついないなーと思ったから勝手に作ってみた。
性格は結構クール。楽しければ笑うし、癇に障ればイラつくが、基本的に主観と客観を使い分けながら物事を見ている。それ故か特定の何かにあまり熱中できなかった。出久に憧れた(ファンになった)のは無個性だと馬鹿にされながらも夢を諦めなかったため。
個性は未来視。といってもサー・ナイトアイのように遠い未来を視ることが出来るわけではなく、視れるのは5秒先まで。格闘戦においては強力だが、範囲的な攻撃や遠距離攻撃などには対応できないため、かなり不便。因みに個性の影響で脳が発達したため数字にかなり強い。
こんな感じで。頑張って続けたいです!
誤字・脱字・感想あれば是非〜