ヘラクレスが現代日本倫理をインストールしたようです   作:飴玉鉛

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0.7 神託は下った

 

 

 

 

 どうしたの? たかいたかいしてくれるの?

 

 とと様……? 火、どうするの……?

 

 うわぁ?! とっ、とと様ぁ、やめて! やめてぇ!

 

 とと様、とと様! かか様を離して!

 

 ぅ、ぁ……()ぅ……ど、どうなさったのですか! どうしてこんな!?

 

 やめて! その子を離して! ぁ……あなた、旦那様じゃない……?

 

 うわぁ! 熱い、熱いィィイ!

 

 ぁあぁああああああ!

 

 デイコオン! ……お、お前ぇ! とと様を返せぇ! 誰だよ、お前!

 

 旦那様! 帰ってきて、帰ってきてください、そんな奴に負けないで!

 

 ああぁぎぃぁあああ………。

 

 あ、ああ……。

 

 旦那、様……。

 

 ……。

 

 ……旦那様。わたしは貴方を、

 

 愛しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 兄さん。

 

 ――声がした。

 

 兄さん。

 

 ――声が、したのだ。

 

 体皮を焼く熱気に、脳漿まで沸騰しているようで。冒涜的な火炎の舌に、剥き出しの神経を嘗められているかのようだった。

 深酒をして、酩酊した夜の宴を思い起こされるような、頭の重い最低の心地。

 頭の中に掛かっていた靄を、死に物狂いで掻き分ける。底のない泥沼に肩まで浸かってしまったような……悪い夢の中にいたような気分だ。

 

「兄さんっ!」

「ぐ……!」

 

 頭に走る疼痛に呻き声を上げる。生半可な苦痛になど、小揺るぎもしないはずが、この痛みには耐え難い不快感があった。

 目の前に掛けられた垂れ幕が除かれたように感じる。アルケイデスはふらつく脚でなんとか踏ん張ろうとして、自身を支えるようにして腰にしがみつくイピクレスとイオラオスに気づいた。

 

「どう、した……? 何をしている……?」

「! 正気に戻ったんだ、兄さん!」

 

 ――いや、支えているのではない。

 その非力な腕と体で、アルケイデスを拘束しようと必死になっているのだ。

 しかし生憎と、どれだけ力んだところで、普通の人間でしかないイピクレスとイオラオスではアルケイデスをどうこうできるはずもなかった。

 恐る恐る離れる二人を尻目に、アルケイデスはまだはっきりとしない意識を起こすために頭を振った。

 

 そして今更のように――館が紅蓮の炎に呑まれているのに気がついて驚愕した。

 

「なっ――なんだ、これは!?」

 

 泡を食って動転するなどアルケイデスらしくもない。しかしそれも無理のない話である。なぜならアルケイデスの主観では、やって来たイピクレスとその子供達を歓迎するために、組み立てた櫓に火を点けて魔猪を丸焼きにしようとしていた所だったのだ。

 それが突然気を失ったかと思えば、十年来の住み慣れた我が家が燃え盛っていたのである。これで動揺するなというのが酷なことであるのは誰から見ても明らかであろう。

 

「な、にが……イピクレス、これは一体何事だ!? なぜ私の館が燃えている!」

 

 動転するまま妹に詰問すると、イピクレスは炎に照らされた顔を顰めた。悲しげに、遣る瀬ないように。その表情の意味するところを理解できないでいると、イオラオスが泣きながら叫んだ。

 

「伯父上が燃やしたんだよ!」

「……あ?」

「突然狂気に侵された伯父上が、自分で館に火を点けたんだ!」

 

 十代も半ばであろう少年の叫びは悲嘆に塗れたものだった。

 私が火を……? 唖然とするアルケイデスは、自身が狂気に陥った事実を受け止められなかった。同時に漠然と理解する。……この二年間、満足に眠れぬ日々が続いていたのは……朧げにしか覚えていないが、あの『声』のためで。狂気はその『声』の主が齎したのだと、明晰な頭脳が直感させてしまっていた。

 その勘が、先程から五月蝿いほど警告を……否、既に起こってしまった現実の出来事を報せる。アルケイデスはハッとした。ここには自分とイオラオス、イピクレスしかいないことの不自然さに、ようやっと気がついたのである。

 

「ッ――! メガラ! テリマコス、クレオンティアデス! デイコオン! 返事をしろ! 何処にいる!?」

 

 アルケイデスは焦燥に駆られ、顔を真っ青にして吠え立てた。

 返事がない。なぜ? なぜだ? 館が轟々と燃えている。まさか中に? 衝動的に駆け回り、辺りを探し回った。愛する妻と、子供達を探して。

 しかしその姿を見つけることはできなかった。アルケイデスは錯乱寸前の様相で、イピクレスに駆け寄るとその肩を両手で掴んで問いただした。

 

「イピクレス、私の妻は!? 子供達はどこだ!?」

「っ……」

「……」

「どうした? なぜ二人共黙っている! よもや二人して私を謀る気か? それともまさか、あの館の中か!? 狂気に呑まれたと、私が火を放ったと言ったな。私は何をしてしまった?!」

 

 狂気。そんなものに呑まれるほど、アルケイデスは脆弱な精神をしていない。神性による肉体的苦痛への強さに等しく、あるいはそれ以上の精神力を彼は備えていた。

 例え万の人間の魂を燃料にした、膨大な呪詛の海に漬かることになろうとも、アルケイデスはその自我を損なうことはない。単体で人間数万人分の魂の総量に比するアルケイデスが、生半可な狂気如きに身を任せることなど有り得ないことだ。

 

 だが、その有り得ないことが起こっているのを、アルケイデスは認めざるを得なかった。

 

 メガラや子供達は、悪戯で館に火を点けたりはしない。アルケイデスが探し回っているのに、隠れ続けるわけがない。イピクレスやイオラオスにしたってそうだ。

 そして、アルケイデスは事の直前までの記憶がなかった。ならば本当に狂気がアルケイデスを襲ったのだろう。

 

 考えられる原因は三つ。アルケイデスの内包する神の血が、アルケイデスを狂わせる代物であった可能性。もしくはアルケイデス個人の資質として、突如狂人と化す二重人格者である可能性もある。それか、アルケイデスは何者かの奇襲を受けて昏倒し、その間に館に火を点けられ、あまつさえ妻子を誘拐していったのか。

 この二つは現実的ではない。アルケイデスが突然狂い出すような人間なら、とっくの昔にそれに似た体験をしていないのはおかしい。アルケイデスを奇襲で打ち倒せるような者はいない。これは自負であるが、事実でもある。彼の危機察知能力は天性のもの、不意打たれた程度で倒されはしない。では、最後の可能性はなんだ。

 

 ――神の権能だ。

 

 それならば、アルケイデスを狂わせることも叶うかもしれない。いや――不意にアルケイデスに閃きが齎される。

 この二年、ろくに眠れなかったのは? まさか、二年前から延々と、しつこく狂わせようとしていたのか? なら……。

 

(仮に私が権能による狂気の吹き込みに堪えられたとしても、二年も続けられれば抵抗も虚しい)

 

 その考えが正しい気がしてならない。あの夢は、こうなることを暗示していたのではないか。抵抗が無為となったのは、自分に神に狙われる覚えがないから、無意識に抵抗が弱くなっていたからではないか。

 もしそうだとすると、己は憎まれている。何者かは知らない、だがなんの所以があってか神がアルケイデスを憎悪しているとしか思えない。憎んでいなければ、二年も狂わせようとはしてこないだろう。

 

「ッ――イピクレス、イオラオス! 私の妻子は――いや、お前たち二人だけか? イピクレス、お前は子供を連れてきていたのではないのか?」

 

 はたと気づく。イピクレスはイオラオスの兄弟たちも連れてきていたはずだった。まだ幼い、テリマコス達と同年代の。

 なのになぜ二人だけなのか。……押し寄せる嫌な予感を。絶望的な結末への直感を打ち払いながら問い掛ける。イピクレスとイオラオスは悲しげに目を伏せた。それは母のそれで、兄のそれだ。 

 しかし安堵した。その悲しみようは軽く、最悪の事態を齎すものではないと感じたからである。

 

 だが、思い違いをしてはならない。

 

 如何にアルケイデスと幼少の頃からの付き合いがあるとはいえ、イピクレス達の倫理観は周囲のそれと似通っている。アルケイデスからの影響で、多少は周りからすると異色に見えているが、それだけなのだ。

 すなわち、彼らの価値観で(・・・・・・・)命は軽い(・・・・)のだ。それは己の子、兄弟たちに対しても例外ではない。

 身内は死ねば悲しい。殺されれば怒り、報復するだろう。だがどうしようもなかったり、報復が終われば悲しみも怒りも長続きしないのだ。何故なら人間の命は軽いものだから。神という絶対者、恐ろしい獣達や、怪物の跋扈する大地で――その精神性がなければ、心が壊れやすくなってしまうためである。

 

 故に、アルケイデスには理解できない。イピクレスは悲しみながらも、起こった事実をそういうもの(・・・・・・)として受け入れていた。

 

「殺されたよ」

「何……?」

「殺されたんだ。狂った兄さんに」

「…………」

 

 まるで、遠い昔の出来事を語るような口ぶりに、アルケイデスは数拍もの間、思考が停止した。何を言っているのか分からなかったのだ。そんなにも平然と言えてしまう理由が。

 イピクレスは言う。この世界の基準で言えば、大袈裟に見える悲しみ様で。どうしようもない災害に直面したかのように。

 

「わたしの子供達は、イオラオス以外みんな、兄さんに殺された。まだ……小さかったのに……」

「な、にを……殺した……? 私が……?」

 

 そしてイオラオスもまた、嘆き悲しみながらも……アルケイデスの受け入れられないことを、唐突に……あまりにも突然に、無造作に告げるのだ。

 

「みんな、殺されたんだ。おれの兄弟は。……メガラさんも、テリマコスも、クレオンティアデスも、デイコオンも。みんな」

 

 

 

「――――――ぁ?」

 

 

 

 誰も彼もが、誤解していた。

 アルケイデスは豪勇無双の大英雄で、その精神もまた誰よりも強いのだと。

 いや、それは誤解ではない。事実である。アルケイデスほどに強い者など、人間の内には存在しない。その精神力もまた同様だ。

 だからそれは誤解ではない。勘違いですらない。深い付き合いの、双子の妹であるイピクレスですら――アルケイデスという男を『理解しきれていなかった』だけのことなのである。

 

 アルケイデスなら家族の死も受け止め、その上で超然としているだろう――なんて。

 

 それは、余りにも。

 アルケイデスという男の情の深さを、情の濃さを、情の密度を低く見積もり過ぎていた。

 

「   」

 

 頭が真っ白になった。

 気がつくこともなく、アルケイデスは駆け出していた。そしてようやく気がついた頃には、燃えていた館をものの数十秒で跡形もなく吹き飛ばし、中から無数の亡骸を運び出して、地面に横たわらせていた。

 

「   」

 

 何も考えられないまま、男は亡骸を見る。

 

 小さな亡骸が、七体。黒焦げて、生前の面影は微塵もない。

 数を数えた。数を思い出した。イピクレスの子供は、五人。イオラオスがいることを見るに、四人が死に。……三人の死体が、誰のもの、なのか。

 妹の子供を殺してしまったことすら、罪深いことに意識の外。そして、成人女性の、焼死体が一体。

 

「  ぁ う  」

 

 ふらふらと、死体を検める。異様な雰囲気に、イピクレス達は絶句して、見守るしかない。

 

 小さな、亡骸。並べたのは、三体。

 見間違えるはずがない。黒焦げても、父なのだから。見間違えるはずが、ない。

 そして、此の世で最も愛して、最も強く守ろうと誓った女を――見間違えるなど。

 

 ふらふら、

 

   ふらふら。

 

 ふらふらと、男は鎮火した館に向かう。

 雨が降っていた。豪雨である。しかし気にもせず、気にすることもままならず、瓦礫の山を漁り亡者のように何かを探した。

 見つけたのは、小さな人形。置いていたところが良かったのか、たまたま難を逃れて燃え尽きてはいない人形。そして、同じ場所に、不格好な青銅の剣が二本、あった。

 

「  ぉ 、  ぁ  」

 

 それらを、小さな焼死体に添える。そして大人の焼死体の手を掴んだ。

 がくりと膝が落ちる。全身が震えていた。涙が――流れ。

 男は。夫は。父は。

 

 叫んだ。

 

「ぉぉおおおおお! おおぉぉぉぁぁああああああ――ッッッ!!」

 

 恥も何もない。あらん限りの力を振り絞って、絶叫する。喉が裂けて血を吐いても、流れる涙に血が混じり、やがて血涙を流しながらも。男はひたすらに吼え続け、慟哭する。

 その内面を慮れる者など存在しない。その怒りや悲しみ、喪失感に悶え苦しむ男の苦しみを、万分の一程度も斟酌できるものではない。

 

 

 

アッ、ハハハハハ!大の男が、仮にも英雄とも呼ばれる男が、妻子を亡くした程度で壊れよったわ!

 

 

 

 男は胸を掻き毟り、地に伏せて地面を叩き、惨めに泣き叫び続けた。

 どれほどそうしていただろうか。何時間も降り続けた雨が止んだ頃、男はもはや叫ぶことすらままならなくなっていた。

 地面に伏せたきり、震えるだけ。未だに声にならぬ声で、血を吐きながら、血を流しながら呻いている。イピクレスも、イオラオスも、それを呆然と――ずっと見続けていた。助け起こし慰めることすらできないで。

 男の絶叫で天地は震えた。叩いた地面は地底まで陥没し、地割れを起こし、地震が起こった。その震撼を、災害跡地の如き様相を呈した地の真ん中で、男は震えている。震えて、いた。

 

「………」

 

 男は体を起こした。そして、黙った。

 空を見上げ、ゆっくり立ち上がると、幽鬼のような足取りで何かを探す。

 持ち出したのは、自分の剣だった。名工の鍛えた大剣。それを持ったまま、妻子の骸の前に向かうと、男は何事かを呟くとおもむろに刃を首に添えた。

 

「!? 兄さん! いけない!」

「伯父上!!」

 

 慌てて二人が止めに入るも、男はびくともしなかった。

 力尽きているはずなのに、この期に及んで男の膂力は人外のそれである。

 男は二人の存在など意識の内にもないのか、静かに剣を引く――

 

 ――その時である。突如として雷光が迸った。

 

「っ……」

 

 雷光はアルケイデスに飛来し、その剣だけを溶解させた。

 突然のことにイピクレスとイオラオスは仰天して後ずさる。

 アルケイデスは澱んだ目で下手人に問い掛けた。

 

「何、者、だ」

 

 しわがれた声は、死に瀕した老人のようだった。

 誰何に応え、姿を現したのは……天より暗雲を裂き、降臨した一柱の神である。

 

 逞しく、大きな体。腹が出ているが、それすら筋肉を詰めたもの。太い腕と、体。白い髪と豊かに蓄えられた髭が相俟って、さながら獅子の鬣のようだ。

 万物を超越した威厳がある。高き空に佇む雷神は残念そうにぼやいた。

 

『死のうとするでない、戯けめ』

 

 名乗りはしなかった。しかしその偉容、威光、見誤るわけがない。イピクレスが愕然と呟く。

 

「ゼウス、様……」

 

 雷神、主神、天空神。呼び名は数あれど、その姿と力は誰もが伝え聞いていた。

 自然と平伏する妹とその子供を背に、男は苛立ちを隠しもしない。

 なにゆえに死なせないのか。なにゆえに現れたのか。己の最愛の妻子を殺めてしまった罪を償おうとしたのに。狂気如きに負けた己を殺そうとしたのに。

 それを阻んだ神が、呪わしい。

 

『自死は赦さぬ。それは、英雄のそれではないぞ』

「それが、どうした」

『ふむ?』

「そんな呼び名になど、興味はない。私は……妻と子を殺めた。妹の、子も。その償いを、しようとしただけだ」

『そうか』

 

 神は訝しげだったが、一定の理解には至ったのか頷いた。

 この神が己の父なのかと曖昧に感じるものがある。しかしどうでもよかった。なんとなれば己を殴打し続けて死ねばよいだけのことで、妻子の苦しみを考えれば剣で楽に死のうとするのは軽率だったと思う。

 

 神は言った。神は神の尺度でしか物事を見ない。故に、やはりアルケイデスの心境を真に理解することはなかった。

 理解していれば、こんなことを言うはずがなかったのだから。

 

『では償えばよかろう』

「……?」

『アルケイデスよ、そなたに死なれると儂が困る。いや、死んでもよいが自死を選ぶ軟弱な者を使いたくはない』

「何を、言っている……?」

『故に償いの機会を与えよう。ティーリュンスの神殿へ行け、そこで神託を受けるが良い。それに従えば償いとなろう』

 

 なるわけがなかった。

 他者から示されたものに、なんの価値があるというのだ。

 

 神は、言う。言ってはならないことを。神にとっては問題のないことを。

 

『償いが終われば、そなたに狂気を吹き込んだ者が誰か教えよう。なんとなれば罰を与える権利もな』

「――」

 

 それは。

 

 その、甘言は。

 

 罪と悪、結末の行方を己にのみ向けていた男へ、明確な復讐(・・)という意識を与える言葉だった。

 

 神、神、神……己に妻子を殺させ、妹の子供を殺させたのは神……神が(・・)憎い(・・)。憎くて、憎い。

 己を使い、ある意味で直接、妻子を殺した神を罰する……?

 そんな発想はなかった。神なんてどうでもよかったからだ。だがその発想を得て、アルケイデスの空虚な瞳に光が灯る。

 

 その光が、危険な火花を散らしているのに――やはり神だからこそ、察しない。

 

 オリンポスの神々は不死である。絶対的超越者である。それでどうして、わざわざ察しようとするのか。半神とはいえ、人を。

 

『確かに伝えたぞ。本来ならば儂が直接出向くことはない。此度はやり過ぎた馬鹿者を折檻しに参ったのみよ』

「………」

『やれやれ、アルケイデス。妻と子を喪い悲しむのは分かるが、余り囚われるでない。新しい妻と子を作ればよいではないか』

 

 まったく、難儀な奴よ。そう溢して去っていった神を、男の妹とその子供は平伏したままやり過ごす。故に誰も見ていない。ぴくりと反応した男の顔を。

 それは、どう言い繕っても誤魔化し切れぬ――

 

 嫌悪と、侮蔑であった。

 

 

 

 男は神の残した言葉を反芻していた。

 

 ティーリュンスの神殿。神託。償い。その後の権利。

 そして、神の言った『アルケイデスが死ねばゼウスが困る』という言葉。

 何に困る。何故困る。意味がわからない。神は絶対者だ。その神が困ることといえばなんだ。

 

 考え込むアルケイデスの心には、決して消し去れぬ暗い火が宿っていた。

 

 

 

 

 


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