「爪牙だ」
遂に始まりました。
「思いつきで書いただけだろうが」
(´・ω・`)
「ま、こんな駄作者だが、適当に応援してやってくれ」
~親サイド~
『居たぞ!』
もう俺達の居場所を嗅ぎつけたか。
「くっ、見つかったか。」
「爪牙、貴方は逃げなさい!」
「嫌だ!母さんたちと居るんだ!」
「爪牙、こんな時にわがままを言わないで!」
「嫌だ嫌だ!おいらは一緒に「言う事を聞かねぇか!」!?」
「俺たちだって逃げてぇんだ。でもそれよりもお前の無事を心配してるんだよ!頼むから先に逃げていろ。後から行くから、な?」
「………分かった。でも、絶対に追いかけてきてよね?絶対だよ!?」
「がっははは!俺を誰だと思って言ってやがる。この゛神速の白狼゛に不可能なことは頭を使うこと以外にない!どんなに離れてようと、5分で追いついてやるよ!」
「父さんの言う通りよ。さぁ、早く行きなさい」
そう言うと、息子は期待した目で先に行った。だが息子よ、すまんな。俺は一つ、うそをついてしまった。確かに俺は神速だ。だがな、今のこの状況で逃げおおせるなんざ考えれるほど甘くはない。
……つまりだ、俺たちがまた三人で楽しく生きることはないんだ。
「さ、息子は行った。時間稼ぎといくか、揚羽」
「そうですね。久しぶりに腕が鳴るわ。この気持ちは、貴方を退治しに行った時以来だわ」
「あん時はひやっとしたぜ。まさか人間に退治されかけるとは思わなかったからな」
「何言ってるんですか。いけたと思ったら返り討ちにあって、そしてどストレートに告白された身にもなってください」
「反省はしている。だが後悔はしていない!」
「まぁ、了承した私も私なんですけどね」
「がっはは!……さて、敵さんが来たようだぜ」
そう言った瞬間、茂みから総数百人ほどの光線銃を持った兵士たち出てきた。
「随分と長い惚気話だったな。穢れし者の癖に」
と兵士の中から威圧感のある声がし、兵士はその声を聞いた途端左右に分かれ道を開けた。その開けた道からきたのは、恰幅の良いまさに貴族といった姿をした男だった。その眼は、明らかにこちらを侮蔑している。
「生憎、妖怪でも恋はするんでね。」
「ふん!妖怪如きが恋だと?笑わせる」
「で、用件は何だ?まさか世間話をしに来たわけではないよな」
「無論である。何故、この高貴なるこの八意家現頭首であるワシがわざわざ貴様らに会いに来なくてはならんのだ。本来なら、ワシ自らが出ることはないが、今回は特別に来てやったのだ。ありがたく思うが良い」
「御宅はいい。用件は?」
「別荘を建てようと思ってな、この山に。だが貴様らのような奴等は邪魔にしかならん。だから、駆除しているのだよ。理解できたかね?」
「俺たちを虫けらのように扱いやがって!」
「虫は飼うことができる。だが貴様らは飼うことはできん。虫以下の存在だな、文字通り」
「さっきから聞いていれば、その暴虐武人の発言!許せま『ピキュン』………せ」
「おぉ、耳が腐る。それ以上しゃべるな。屑めが」
「揚羽ぁぁああ!!」
「妖怪を退治しに行ってそのまま妖怪に嫁入り。人間の面汚しが…意見反論する権利はない」
「貴様ぁ!よくも揚羽を!」
「おぉ、怖い怖い。私をどうする積もりかね?あぁ、言っておくが私に手を出さない方が良い。私にもしものことがあれば、その人間の面汚しの家族があの世行きだ」
「グッ…」
「そいつの家族が助かる方法は、貴様が死ぬ以外ない」
「………良いだろう。好きにしろ」
「それでは……やれ」
キュン!ザクッ!ビシュ!ドサッ!
~三人称サイド~
「ふん、清々したわ!では、あの屑の一族を皆殺しにしろ」
「え?助けないのですか?」
「屑との約束など守る必要はない。適当な大罪を着させて処刑せよ」
くっくっく、これで依姫様に功績を立てれる。
「私以外の人間など、取るに足らぬ!妖怪など、居るだけ無駄だ!ハハハハハハハ」
しかしその人間は気付かなかった。茂みの中にいる小さな影に。
「人間め……許さない。許すものか!人間は嘘を当たり前のように突く。おいらは…………いや、俺は、人間を信じない。俺はまだ弱い。だがいつか、貴様らを喰らってやる!」
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あれから数百年後。時代が進み、科学が発達した今日にて、妖怪や神は御伽の世界…忘れられていった。だが、ある一人の大妖怪――八雲紫はその能力『境界を操る程度の能力』である一つの世界を作った。そこは、『人間と妖怪が共存する世界』『忘れられたものが集まる楽園』。その世界の名は………幻想郷。その幻想郷に、またひとり、新たな妖怪がやってきた。
「ここが幻想郷。ふ、いいところだ。」
その妖怪の名は″白狼爪牙″。世にも珍しい白毛のニホンオオカミ、しかも日本産の狼男である。
「ここが俺の野望の始めの場所か。八意はいないだろうな。あいつらは月に行ったからな」