IS インフィニット・ストラトス ~世界を変える一人の傭兵~   作:八神刹那

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第十一話 ES

セシリアと謎のISの間に一筋のビームが割って入った。

 

「黒朱の弧狼。ウルフ・アース・・・!」

 

女性が空からEAGLEのスナイパーライフルを放ったウルフを睨む。

 

「U-TIC機関軍副司令官ペレグリー・ディオアーツ。嘆きの乙女。イカサルか」

 

ウルフがアシェルのバーレイオリジンを展開しながら言う。その銃口はまだ、イカサルを捕らえている。

 

「一夏、セシリア。退け。奴の狙いはオレだ」

 

ウルフが言う。白式のシールドエネルギーはすでにゼロに近い。それを考慮したのか素直に3人はピットに引き上げる。それを確認したウルフはバーレイサイズを構える。

 

「お前がいるってことはマーグリスもいるってことか」

 

「ああ。だが、ここで貴様を倒し、13番目の鍵である弧狼の器をもらい受ける!」

 

イカサルが飛び出した。その手にはビームジャベリンが

 

「やらねぇ!」

 

ウルフがバーレイサイズで斬撃を防ぐ。そして、鎌の遠心力の動きでイカサルのはいご遠心力を取り、EAGLEを向ける。が、

 

「甘い!」

 

ペレグリーがファンネルの銃口だけをウルフに向け、放つ。それをウルフはバーレイサイズを放し、背面で瞬時加速を行い回避する。

 

「さすがだな。なら、接近戦だ!」

 

ウルフがEAGLEを捨て、両手にバスターソードを展開する。

 

「何!?」

 

ペレグリーが驚く中、ウルフは瞬時加速を巧みに使い、イカサルの周囲を飛ぶようにしてダメージを与えていく。

 

「くっ・・・!なら、ファンネル!」

 

ペレグリーをウルフから距離を取りながらファンネルを展開する。

 

「お得意の中距離戦か!」

 

ファンネルから雨のごとくレーザーが発射される。にもかかわらず、ウルフはそれらを回避し、カウンターを決める。

 

「だが、接近すれば意味はない!」

 

6つのファンネルのうち、3つを叩き落とす。

 

「くっ・・・!」

 

ペレグリーの顔に焦りの顔を見せる。

 

「ゲームオーバーだ」

 

ウルフがバスターソードを振りかぶり、ペレグリーに切りかかる。

 

その瞬間、

 

チャクラムがウルフの目の前を通り過ぎる。

 

「!?」

 

ウルフが急速回避を行い、後ろへ下がるとアシェルとイカサルの間に一機のESが割り込んだ。

 

「・・・・・・」

 

その後操縦者は無言のままウルフを睨んでいる。

 

「ガド。マーグリス・・・!」

 

ウルフが唸るような声を出した。

 

「ペレグリー。退け。ここは俺がやる!」

 

その男、マーグリスが握っている実体剣を振りかぶり、突っ込んでくる。

 

「ちっ!」

 

ウルフはとっさにそれを二本のバスターソードで防ぐが

 

「その程度の武器で、何ができる!」

 

実体剣により、バターのようにバスターソードが切り裂かれてしまう。

 

「わかっているはずだ。アニマの器と同調した武器は同じく同調した武器でないと対抗できないことぐらい」

 

「・・・そんなことぐらいわかってるよ!こっちだって準備ってもんがある!コール“デュランダル”!」

 

ウルフの手に一振りの剣が召喚される。一夏との戦闘の最後に出した聖剣。

 

「デュランダルか・・・。行くぞ!」

 

マーグリスが襲いかかる。ウルフは斬撃をデュランダルで防ぐ。その瞬間、マーグリスの刀とデュランダルから溢れるエネルギーかわ衝撃波となりアリーナを覆っているシールドを振動させる。

 

「ぬあ!」

 

マーグリスが刀を振り切り、ウルフを押し返す。

 

「こなくそ!」

 

ウルフはすぐさま態勢を立て直し、マーグリスに切りかかる。再び、とんでもない衝撃波が巻き起こる中、

 

銃声が二人の中に割ってはいる。

 

ウルフがすぐに距離を取り、銃声の場所を見ると複数のISがアサルトライフルを構えている。教師部隊だ。

 

「・・・無粋な奴らだ」

 

マーグリスはウルフを一瞥するとすぐさま撤退を開始する。ESの反応がなくなったことを確認したウルフはデュランダルをクローズし、大きく息を吐いた。

 

 

 

この襲撃事件のせいでクラス対抗戦は中止になった。

 

 

 

その日の夜。ウルフは千冬に呼び出され、学園内の特別な部屋に呼び出された。

 

「なんですか?用って」

 

「言わなくてわかっているだろう。昼間の2機のISについてのことだ」

 

千冬が怖い目でウルフを見る。

 

「・・・・・・正確にはあれはISじゃなくてESって言うですよ」

 

ウルフがアシェルのデータと昼間に交戦したイカサルとガドのデータを画面に表示する。

 

「お前の機体もESと言っていたな。ESとはなんなんだ?」

 

「ISが致命的な欠陥機だってことはわかりますよね?」

 

「ああ。女性にしか扱えないなど諸々ある」

 

「ESはその欠陥を限りなく取り除いた機体なんです」

 

ウルフの言葉に千冬が驚愕する。

 

「・・・ISの完成形というべき機体なのか?」

 

「そういうわけではない。ESにも欠陥は存在する。量産ができないっていうことがね」

 

「量産ができない。どういうことだ?」

 

「ESのエネルギー源はISと異なるエネルギー機関。アニマの器と呼ばれるもの。この機関にも不明な点があってわからないことばかりなんだが、わかっていることは器は全部で13個しかないってこと。後のことはデータを渡すので見てください」

 

と言ってウルフはアシェルのデータをコピーし、千冬に渡す。

 

「・・・・奴らはいったいなんだ?」

 

「さあ?世界各地に争いを振りまいた組織としか知らない。後、奴らは世界を変えるとか抜かしていたけどな」

 

ウルフはそれだけ言うと部屋から出て行った。

 

 

 

自室に戻ったウルフはベットに寝転がり、昼間に現れた2機のESを思い出す。

 

「・・・・・・12のカギに13番目の王、そして、ハルファスの目覚め・・・・・・。わからないことが多すぎるな」

 

ウルフは電気を閉じ、眠りについた。

 

 

 

 

 

??????

 

「やはり、弧狼は今までのやつとは格が違うな。どうする?」

 

マーグリスがケビンに聞く。

 

「・・・・まだ、僕たちが動くわけにはいかない。だったらあの男にませましょう。器を奪ったあの傭兵に」

 

ケビンはうっすらと笑みを浮かべ、画面を出す。画面には赤々と燃え上がる中東の町が映し出される。

 

その中央には一機のESの姿が

 

「異世界のリアクター、アリー・アル・サーシェスに」

 

新たな悪意が始まろうとしていた。

 

 

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