IS インフィニット・ストラトス ~世界を変える一人の傭兵~ 作:八神刹那
「邪魔をするな!」
アリーナでラウラがウルフに食って掛かるが彼女は動じない。
「戦闘不能の奴に手ぇ出すなよ。死人が出るぞ」
「ふん。雑魚がいるのが悪いんだ」
それを聞いたウルフはため息をつき
「そっか。一夏、シャルル!2人のガード頼む!」
セシリアと鈴のそばにいる2人に指示すると
「ウルフ!?」
シャルルが驚きの声を上げるが
「ちょっとばかり、遊んでやる!ライフルビット展開!」
ビットに指示を飛ばし、ラウラに襲い掛かる。
「この程度の攻撃!」
ラウラが宙を忙しなく飛び回るビットを打ち落とそうとするが
「よそ見か!余裕だな!」
「なに!?」
ビームピストルを二丁持ったウルフに距離を詰められる。陽動だったのだ。ビットを展開し、相手の視覚を奪うと同時にビットに意識を集中させる。そして、一気に距離を詰める。
「オレの十八番なんだよ!」
2丁のビームピストルが火を噴く。さらにそこにビットの集中砲火。避けるのは難しい。だが、ラウラはそれを後方に急速回避することによってダメージを最低限で抑える。
「貴様!」
今までの奴とは格が違う。それは理解できる。だが、ラウラは違和感を覚える。ウルフの機体の近くにはまだ、使われていないホルスタービットが展開されている。使っているのは6つだけ。
「さて、気分はプラネット・ダンスだ!」
今度は縦横無尽にビットを飛ばし、ラウラの視覚から攻撃する。
「なめるな!」
ラウラはすぐさまAICを展開し、それを防ぐ。が、
「視線がお留守だ」
上空からウルフがビームピストルを乱射しながら飛び始める。圧倒的に不利だ。ラウラはウルフに距離感を奪われてしまっている。本来モードサバーニャの戦法は多角的射撃による広域空間制圧なのだが、今回はビットを使い距離感を鈍らせ、自分の距離で戦うという戦法を用いている。
「なら!これなら!」
ダメージを食らうことを恐れずにラウラはプラズマ手刀を展開し、接近戦に持ち込む。
「おっと!」
ウルフは手刀をビームピストルで防ぐが防御を想定したものではないすぐに破壊されてしまう。
「チイ!」
後方に飛びすぐさま膝に装備されているビームサーベルを展開、切りあいに持ち込む。何度かぶつかり合った時。
何者かがラウラの手刀を近接用ブレードで防いだ。
「全く手を焼かせるな」
「教官!?」
そう、千冬だ。しかも、彼女はISをまとわずに近接ブレードを振っている。
「人間じゃねぇな」
ウルフはすぐに武装を解除し、アシェルを初期の状態に戻す。
「学年別トーナメントまでの私闘は禁止する!」
千冬の声がアリーナに響き渡った。
「まあ、この程度のケガですんだのは幸運だったな」
保健室のベッドで寝ているセシリアと鈴に向けてウルフがいった。そこに
「いったい何があったんだ?」
一夏が聞く。
「だいたい予想はつく」
ウルフがため息をつく。おそらく、一夏のことを悪く言われたのだろう。この2人の沸点はかなり低い。それに、
「あのラウラってやつはちょっと危険だな」
ウルフが率直な感想を述べる。
「どういう意味?」
シャルルが聞くと
「力こそすべて。だって考えだからな。そういう奴は一回叩き潰した方がいい。それは一夏に任せるけど」
ウルフがそう答えた。
「ああ!」
それに対して一夏は力強く答えた。
その数十分後。学年別トーナメントがタッグマッチで行われることとなり、ちょっとしたそうどうがおきたのは言うまでもない。