IS インフィニット・ストラトス ~世界を変える一人の傭兵~ 作:八神刹那
突如現れた赤いISにより、学年別タッグトーナメントは中止になった。この乱入者、アリー・アル・サーシェスの存在はすでに各国の上層部は知っていた。
「一夏がISの適正があると知ってからあのISが暗躍していた?」
IS学園の地下で千冬の話を聞いたウルフは眉をしかめた。
「ああ。表沙汰にはできないが複数の国、合計4機のISが強奪されている。そのうちの4機はあの赤いISによって強奪されたらしい」
「‥‥‥あんなESは知らないぞ」
ウルフは記憶の糸を辿るが自分がいた未来においてあんな機体は知らない。
「どう考える?」
「可能性として一番高いのはクラス代表戦に乱入してきた連中の新型。もしくはオレのように未来から来た何者か。だが‥‥‥」
ウルフが言葉に詰まる。
「だが、なんだ?」
「あの赤いIS。アルケーはこの世界のモノじゃない」
「どういう意味だ?」
千冬が顔をしかめる。
ウルフはサーシェスの言動を思い出していた。
「紅い粒子。GN粒子。あれは未来にはない。それを考えているともう1つの可能性が出てくる」
「もう1つの可能性?」
「完全な平行世界から来たリアクター。しかも、かなり強い」
「それがお前の考える可能性か。わかった。このことは黙っておくが戦闘データは後日提出してもらう」
「了解」
ウルフは地下から食堂へ向かうことにした。
食堂。
ウルフが食堂に到着するとクラスの女子が絶望の表情をしていた。
「‥‥‥どうしたんだ?これ」
ウルフがシャルルに聞くと
「一夏絡みでなんかあったらしいよ」
「原因はあのバカか」
ウルフが一夏を見ると一夏は箒と何かを話していたが箒が突然、一夏の鳩尾に正券突き。かなりいたい。
「そういうことだろうと思ったわ!」
箒が怒りながら帰っていく。
「あいつ、本当にバカなのか?」
「いや、鈍感なだけだと思うけど」
そんな会話をしていると
「織斑くん!デュノアくん!良いお知らせです!」
真耶がやってくる。
「大浴場が使えますよ!」
真耶の話を聞いた一夏が大喜びする。一夏はまだ、シャルルが女の子という事実を知らない。そんな、シャルルは困った顔をしてウルフを見ている。
(このバカのことだ。シャルルを誘うな)
「一夏。オレはシャルルと少し話がしたいから先に楽しんでこい」
それだけ言うとウルフはシャルルを連れて良の屋上へ。屋上つくとウルフは手すりによりかかり、夜空を見上げる。
「ウルフ。ありがとう」
「別にオレが好きでやってることだ礼を言われることはない。それより、どうすんだ?」
「わからないよ。そんなこと。国に戻ってもどうすることもできないんだから」
性別を偽って入学したことがバレればシャルルは少なくとも監獄行きかもしれない。自分のこれからに迷っているシャルルにウルフは
「オレが聞いてんのはシャルル・デュノアじゃなくて、シャルロット・デュノアがどうすんのかを聞いてんだ」
「え?」
「確かにお前はオレや一夏のデータを盗むために来たんだろ?でも、それはシャルルという存在の仕事だ。本当のお前、シャルロットはどうしたいんだ?」
「本当の僕‥‥‥」
「そうだ。大切なのはな自分の頭《ここ》じゃなくて、心《ここ》で動くことだ」
ウルフが自分の胸を指す。
「自分の心」
「そう。オレの師匠の受け売りだけどな。それで、どうしたいんだ?」
「僕は‥‥‥。僕はここにいたい!まだ、みんなと一緒にここにいたい!」
それを聞いたウルフは微笑んだ。
「なら、ここにいればいい。心配すんな。たかが一企業がオレとこの学園をどうこうするなんてできなねぇよ」
ウルフが自信満々に言う。
「さて、部屋に戻るか」
ウルフが伸びをすると
「あの、えっと‥‥‥」
シャルルがもじもじしている。
「オレのことはどう呼んでも良いぞ。それと、オレがラピッドスイッチの本当の戦い方を教えてやる」
それだけ言うとウルフは屋上から立ち去った。1人残されたシャルルは
「ありがとう。ウルフ」
翌日。シャルルが自信の本当の性別を証したことでとんでもない騒ぎがあったのは、IS学園の黒歴史となってしまったらしい。