IS インフィニット・ストラトス ~世界を変える一人の傭兵~   作:八神刹那

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第三話 平和

編入試験から2日後。ウルフは千冬と真耶とともにショッピングモールレゾナンスへやってきていた。

理由は

 

「ウルフさん!なんて格好してるんですか!?」

 

今朝、ウルフの部屋を訪れた真耶がウルフの服装を見ていった。

その時のウルフの格好は男物のパンツにTシャツという女の子にしてはあまりにもひどすぎる服装であり、なおかつ、ウルフがこの時代に来てなにもないということが判明してしまったため、買い物に来たのだ。

 

「さて、まずはなにからだ?」

 

千冬が聞く。

 

「それより、オレ、金ない」

 

そう、ウルフはこの時代に来てまだ、数日しかいない。金などあるわけない。と思いきや、

 

「それなら心配するな。ここにカードある。お前のな」

 

そう言ってウルフにクレジットカードを渡す千冬。理由を聞こうとしたがなんとなく理由を聞くととんでないことを言われる思ったウルフは思いとどまり口を開かなかった。

 

「では、行きますか」

 

真耶に腕を引っ張られ、買い物を開始した。

 

 

 

「はあー」

 

ベンチに座りながらウルフは目の前に映る自分が知らない世界を眺めていたいた。買ったものは携帯電話と携帯用音楽プレーヤーとウルフが今身につけているヘッドホン。ちなみに今、ウルフが着ているのはIS学園の制服。真耶はスカートにしろといったがウルフが断固拒否したため、ズボンをはいている。

 

「買い物ってこんなに大変なんだ」

 

ウルフはため息をつく。今、千冬と真耶は女性だけで買い物に言っている。ウルフは自由行動と言うことで本を買ったり、CDを買ったりしていたがする事がなくなり、こうしてベンチで休息をしているのだ。

ウルフの目の前を家族連れやカップル、学生の集団が通り過ぎていく。

 

「平和。か・・・」

 

自分がいた世界とは真逆の世界。確かに篠ノ之束が作り上げたISのせいでこの時代は混乱しているがウルフのいた世界のように毎日のように人が死ぬ世界ではない。

 

「・・・あの人とオレが目指した世界なのかな?」

 

ウルフがあの時代で戦っていた理由は自分の師匠より単純な理由だったかもしれない。自分に託されたアニマの器で世界を救いたい。

勝手なヒーローのような願望。あの時代で自分は多くの人の命を散らした。この世界にそれと同じことをしようとしている連中がいる。同じアニマの器に選ばれた者。絶対的な力を持つ者達。

 

「同じリアクターのオレがなんとかするしかないか」

 

ウルフがそう言うと

 

キィィーーーン!

 

待機状態であるアニマの器が反応。いや、共振した。

 

「共振!?」

 

ウルフが立ち上がり、辺りを見渡す。

 

「っ!?」

 

目の前の大通りにいる存在に、目を疑った。

 

「ケビン・ウィニコット・・・!」

 

ウルフの視線の先には赤い外套に身にまとっている男。

 

その瞬間、辺りの風景が一変した。

 

「これは!」

 

ショッピングモールが瓦礫と化した風景が目の前に広がっている。

 

「テスタメント・・・!器を使っての幻術か」

 

「君だったのか黒朱の弧狼《ベオウルフ》のリアクター」

 

「・・・・・・」

 

ウルフは何も言わず赤い外套の男ケビンを睨む。すると、

 

「今回は君に邪魔されない」

 

ケビンが消えた。

 

「アースさん!」

 

突然声が聞こえ、我に返るウルフ。後ろを見ると真耶と千冬がいる。辺りは瓦礫ではない。

 

「どうした?怖い顔して」

 

「いや、なんでもない。次のかいものか?」

 

ウルフが聞くと真耶がウルフの腕を掴んだ。

 

「へ?」

 

「次はウルフさんの下着を買いに行きます!」

 

宣言する真耶にウルフは

 

「ちょ、ちょっと待て!オレ男だぞ!」

 

「今は女の子ですよ!ですから買わなきゃダメです!」

 

と女性専門下着店に連行されていくウルフ。それからしばらくの間、ウルフの悲鳴が聞こえていた。

 

 

 

 

帰り道。

 

「この世界はまだ、平和なんですね」

 

ウルフが電車の中で言った。

 

「未来はどうなったんだ?」

 

「ISとそれに追従する兵器によるゼロサムゲーム。終わることのないロンド。そんな感じでした。だから、変えたいんです。そんな未来を」

 

そう言うウルフの目はあまりにも悲しい瞳だった。それと同時に千冬は彼、今は彼女の決意を感じていた。

 

 

 

 

 

某国企業アジト。

「やっぱり黒朱の弧狼。ウルフ・アースだったよ」

 

アジトに帰還したケビンが集まっている幹部に言った。

 

「なるほど、イエオーシュアが頼むわけだ。あの狼なら我々に対抗できるな」

 

黒い外套のエーリッヒが言う。

 

「どうする?まだ、攻めるには早すぎるが誰がいく?」

 

ケビンが聞く。

 

「別働隊で動いているバージルとサーシェスに頼めばいい。彼らなら大丈夫だ」

 

ユーリエフが言う。

 

「それよりレビの調整は?」

 

「もうすぐ終わる。では、スコールの所に行ってくる。いろいろとは聞きたいと言われたしねぇ」

 

と言って部屋を後にするユーリエフ。

 

「俺のダンも調整するか」

 

それに続くように幹部が行動を開始する。それは誰も知らない破滅へのカウントダウンのはじまりなのかもしれない。

 

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