IS インフィニット・ストラトス ~世界を変える一人の傭兵~   作:八神刹那

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第六話 黒朱の弧狼《ベオウルフ》 対 青い涙《ブルー・ティアーズ》

一週間後。IS学園の第三アリーナのピットでは先ほど届いたばかりの一夏のIS白式をISスーツ姿のウルフはマジマジと見ていた。

 

(これが白式。オレの時代にあった同型機“雪霞狼”のプロトタイプ・・・)

 

白式を見たウルフは同じ部隊にいたバカ正直で真面目な一人の少女のことを思い出していた。

 

「どうしたアース?」

 

その光景を不思議に思った千冬が声をかける。

 

「いや。なんでもない。それより、来たぞ。遅刻組が」

 

ウルフが入り口に視線をやると一夏と篠之乃箒が遅れてピットに入ってくる。

 

「遅い!アース、織斑さっさと準備をしろ」

 

千冬の言葉に反応した一夏が白式に触るとウルフが

 

「さて、オレは教える気がなかったから教えなかったが、何か得られたか?」

 

聞く。クラス代表戦のことで一夏はウルフに訓練を頼んだがウルフは面倒くさいという理由と彼の幼なじみが教えるといった理由から教えなかった。

 

「多分大丈夫だ」

 

なぜか自信満々に言う一夏にウルフは

 

「そうか。じゃあ、時間はある程度稼いでやる。行こうかアシェル」

 

自身の専用機アシェルはペンダントの待機状態から展開する。展開されたアシェルを見た一夏が

 

「それがウルフのISか。なんか格好いいな!でも、武装がないみたいだけど」

 

「ああ。それなら心配するな。モード“バーレイオリジン”」

 

ウルフの声に合わせ、武装が展開される。

基本的な武装は先日の編入試験の時と変わらず、右手にアサルトライフルEAGLE。左腕には突撃盾シールドバンカーが装備されているがマウントされたバスターソードがなく変わりに左手に鎌の武器が握られている。

 

「それも基本的な武装か?」

 

千冬が尋ねる。

 

「ええ。とりあえず、遊んできますから」

 

ウルフはそう言ってカタパルトにつく。

 

『リニアボルトボルテージ上昇!射出タイミングをウルフ・アースに譲渡します!』

 

オペレーター代わりの真耶を声にウルフは身を屈め、射出体制に入る。

 

「了解!ウルフ・アース!アシェル!出撃する!」

 

それと当時にカタパルトからアシェルが空へ飛ぶ。アリーナにはすでにセシリアが専用機ブルー・ティアーズを纏い待っていた。

 

「よく逃げませんでしたね」

 

変わらない上からの物言いにウルフは

 

「負けない戦いに逃げるほどバカじゃない。それにたまには戦い《遊び》を楽しむのとのも良い思ってな」

 

ウルフの挑発にセシリアはスターライトMK3の安全装置を解除する。

 

「そう。では、お別れですわね!」

 

そして、いきなりトリガーを引いた。青い閃光がウルフに襲いかかるがウルフはそれを軽く上昇しかわす。そこにセシリアは

 

「さあ、踊りなさい!わたくしセシリア・オルコットとブルー・ティアーズが奏でる円舞曲で!」

 

BT兵器ブルー・ティアーズを展開し雨のようにレーザーを放つ。が、4方向の同時的な射撃にもかかわらずウルフには当たらない。むしろ、

 

「そんな曲では踊りたくないな。オレ、ロックとかの方が好きだし」

 

軽口を叩き、アクロバティックな動きでセシリアを翻弄する。

セシリアが隙をついてスターライトMK3で狙い撃つがウルフはそれを予期していたと言わんばかりに軽々と回避する。

 

「ほいっ!」

 

ウルフがアクロバティックな動きからEAGLEを放ち、ダメージを与えていく。が、手を抜いているのかシールドへのダメージは少ないが的確に命中させる。

 

試合開始から5分。セシリアに焦りの色が見え始めた。

 

「・・・・・・!」

 

攻撃は圧倒的に自分が有利。なのに掠りもしない。それどころか逆に自分がダメージを受けている。まるで、遊ばれているかのように

 

「なんで?って顔してるな」

 

ウルフが逆さに飛びながら言う。セシリアは一旦4機のブルー・ティアーズ戻す。

 

「何でか。理由は2つある。1つはお前が教科書通りの攻撃しかしないから。2つ目は同時思考、もしくは平行思想ができてないから。この2つはビットを操る者にとっては致命的なんだよ」 

 

さらにウルフは左手に握っている鎌バーレイサイズの刀身にビームを展開し続ける。

 

「お前はオレの隙をついて射撃をやってるようだがそれじゃあ当たらない。目線の動きでバレバレだし、ビット射撃はオレがわざと隙を作っている。回避するのは簡単だ」

 

ウルフの指摘にセシリアが

 

「黙りなさい!」

 

怒り、スターライトMK3を放つが回避される。

 

「ほら、当たらない」

 

連続して狙い撃つがウルフはそれを回避し、距離を詰めてくる。

 

「それと射撃時にビットが使えない。つまり、同時思考ができてないってのはビット射撃の最大の利点自分で潰している!」

 

スラスターをふかせ、セシリアに急接近する。それをセシリアは

 

「かかりましたわね!ブルー・ティアーズは6機ありましてよ!」

 

スカート状の突起が動き、そこからミサイルを発射した。

 

「知ってたよ」

 

ウルフはそれを避けることなくバーレイサイズで切り裂いた。

 

「ほいっ!」

 

鎌がセシリアを切り裂く。セシリアはとっさに後方へ回避し再び4機のブルー・ティアーズでの射撃を試みるがやはり、当たらない。

 

「だから、それじゃダメだって」

 

体を捻らせ回避し鎌を振り上げる。まるで死神のようだ。

その時、セシリアの本能がブルー・ティアーズを動かし、撃った。予想外のことにウルフは飛び避け、

 

「へぇ。やるじゃん!」

 

なぜかバーレイサイズを投げた。単調な攻撃にセシリアを避け、がら空きになったウルフに狙いを定める。

 

「お別れですわ!」

 

言い切り、トリガーを引こうとしたが

 

「打ち首になりたくなかったら首引っ込めろ」

 

ウルフの言葉と同時ハイパーセンサーが後方からの攻撃を知らせる。先ほど投げた鎌だ。

 

「きゃあ!」

 

とっさに首を引っ込めるセシリア。自分の首を躊躇なく狙い相手寒気を覚えながらもスターライトMK3でウルフはすでにとっておきの必殺技の態勢に入っていた。

 

「これで終わりだ。アサルト・コンバット・パターン ファイズ!」

 

まず、アサルトライフルEAGLEからグレネードが放たれ、セシリアの動きが止まる。そこにワイヤー付きのバンカーシールドで固定し、円の動きで追い込む。

 

「ターゲットを中央に固定!さらに火力を集中!」

 

そこにさらにグレネードでセシリアが止まったところで

 

「とっておきだ!」

 

瞬時加速で一気に間合いを詰め、バーレイサイズでシールドを切り裂いた。そこでブルー・ティアーズのシールド残量が

0になり

 

『勝者!ウルフ・アース!』

 

アナウンスがウルフの勝利を告げた。

 

「このわたくしがここまでボロボロに・・・」

 

「自信過剰も良いけどそれじゃたまにこうなる。強くなりたいならその高慢な態度を捨てることだ。3年も学べば強くなれる」

 

ウルフの言葉にセシリアはウルフを見上げる。

 

「オレの経験上、君みたいなタイプ努力次第で強くなれる」

 

「では、教えてくれますか!?」

 

「それは、また後でじゃあ、オレは休憩するから」

 

と言ってウルフはピットに戻っていく。

 

「ウルフ・アース・・・」

 

セシリアはその姿を顔を赤らめながら見ていた。






あれ?

なんか話が変な方向に。


武装紹介。
・バーレイサイズ:イメージはガンダムWのデスサイズヘルです。特に特殊な能力がないが傭兵らしいアクロバティックな戦術を可能にする。


次回は 対 一夏。

お楽しみに
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