聖杯戦争。
万能の願望器、「聖杯」を巡り行われる、七人のマスター、七騎のサーヴァントそれぞれの願い、欲望、思惑が交差する文字通り「命をかけた」儀式――。
かつて日本で起こり、そして終結した第五次聖杯戦争。
その後聖杯はある人物により解体され、この儀式が起こることは二度と無いとされていた。しかしそのシステムに目を付けたある人物によってオリジナルに極めて近い形式での聖杯戦争が再現されることになった。
そしてそれがここ日本のとある街でも行われていた。
地獄が、そこにはあった。
肌を焼くほどの高熱に、視界を滲ませる黒煙、そして様々な物が一切合切燃える不快な臭い。
「見ておらレますか我が主!!これガっ!!これが最高ノCOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOL!!」
そして、総てが燃やし尽くされていく中で地面に倒れ伏している少女の目の前に高笑いを上げている長身痩躯の男。
所々ノイズが走ったような不快な声の男に少女――
彼女にとって、目の前の奇妙な男よりも彼女を取り囲むように立ちはだかる炎の方が恐怖の対象であり、そして憎むべき対象であった。
熱い、痛い、届かない、足りない、私だけじゃ、これは消せない――。
形を持った死が迫り来る中、少女の脳裏をよぎった願い。
こんな所では死ねないと、死にたくないと足掻く、足掻き続ける。
救ってもらった命を、ここで途切れさせてはならないと。
誰か、誰か、誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か――。
霞む視界の中、少女は見えない何かに手を伸ばす。
私を救って――――!
本来ならば叶えられるはずもないその願いを、
その瞬間、一筋の光が差し込み、彼女を形作っていく。
「まさかあの聖女じゃなくてこの私が呼ばれるとは」
あり得ない筈の事象、奇跡とも呼べる偶然が彼女を
「ずいぶんとまぁ腐りきった聖杯戦争もあったものですね」
かつて贋作として生み出され、そして消えていった彼女のクラスは
「オオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!貴女は!!貴女ハァァァァァァァ!!!!!!」
炎の中から目映いほどの光と共に現れた彼女は旗を振りかざすと奇声を上げている男を吹き飛ばし、沈黙させると彼女――ジャンヌ・ダルク・オルタは少女の方に振り返り、告げた。
「さぁマスター、私達の