襲い掛かったテラフォーマーの手がアドルフ班長の頭に触れようとした所に、電気らしきパチッとした音と光を感じた瞬間、テラフォーマーが痙攣し、全身から煙を焚きながら倒れていった。
「つ、つえぇ…」
皆の先頭に立っていた青年は呟いた。
わかる、瞬殺だもんな。
その後、俺達は無事に格納エリアに辿り着く事が出来たが、先程の青年、アカリ君やマルコス君らに話しを聞いたところによると、他のエリアにもテラフォーマーが現れたらしく、何人か殺されたらしい。
「火星に着かないでこのカンジ…」
「あぁ、これは面倒な事になりそうだな」
イザベラと話し合っていると、慶次がこちらに気付き近づいて来た。
「カルロス!無事だったのか!」
「ああ!なにがなんだか訳わかんねぇよ」
慶次にも聞いてみたが、慶次はチラッとテラフォーマーの姿を見ただけで直ぐに逃げて来たらしい。すると怒号のような号令が掛かった。
「全隊ィ!気を付け!!!! まずは深呼吸…ハイ吐いてー吐いて全部吐いてー。はい吐ききったら3秒停止!……オッケィー、呼吸が整っただろ?」
あれは…シルヴェスター・アシモフ。
「えー色々と言いたい事はあると思うが…この通りだ」
テラフォーマーの顔を両手で持ち上げ、全員に見せ付けた。ざわつく乗組員にそのまま静聴するように大声で号令をかけ始めると、小町艦長から作戦の説明が入った。
「これより緊急プランδに則り、6機の高速脱出機による火星への着陸を開始する。そして、これより6機の高速脱出機に乗り込み、班毎に分かれて本艦を離脱する!
日米合同第1班班長
日米合同第2班班長 ミッシェル
ロシア・北欧第三班班長 アシモフ
中国・アジア第四班班長
ドイツ・南米第五班班長 アドルフ
ヨーロッパ・アフリカ第六班班長 ジョセフ
同時に迎撃されるのを防ぐため、6方向に射出されるが、着陸後は無線で連絡を取り合い本艦墜落地点へ集合すること。いいな!」
「「「「はい!」」」」
「…いくぞ!」
脱出機の準備の間に各乗組員らはそれぞれ不安の声を漏らしていた。また別の乗組員は互いの成功、生き残りを祈りながら握手、拳を交わすものがいた。
俺も慶次と拳を交わし、互いの生き残りを祈った。両者無言のままだったが、言わずとも伝わる。それがボクサーだ。
振り返り、高速脱出機に向かうとほとんどの乗組員が座っていた。
「あれ、エヴァは?」
見渡すとエヴァの姿がないので、近くにいたワックに聞いてみると日米班の友人に挨拶に行っているそうだ。とりあえず一番前の左に座る事にし、エヴァが来るのを待つ。
「すみません、遅れて!」
遅れてやってきたエヴァは慌てながらも、通路を挟んで俺の右隣に座った。因みにその隣がイザベラだ。
全員が乗車したことを確認し、ヘルメットを被るようアドルフ班長から言われ、被ると。射出までのカウントダウンの音だろうか、機械音が鳴り響く。
徐々に目の前の射出口のゲートが開き始めた。そのゲートの外脇付近にはテラフォーマーがウジャウジャと群がっている。そして同じ音程だった機械音が一気に高音になるとゲート付近の奴らをミンチにしながら勢いよくアネックス1号から射出された。
「ッ!」
射出速度が速いので、身体に力を入れてしまう。
だが、最初を抜けてしまえば後は楽だ。
数分の間、火星の空を飛ぶと着陸態勢に入る。徐々に降下していき、ドラッグシュート(着陸時に出すパラシュート)を出すと、地面を滑走しながらも速度を落としていき、しばらくすると完全に止まった。
「成功だ。ヘルメットを取ってもいいぞ」
アドルフ班長が指示を出すと。皆取り始め、呼吸が出来るのを確認していた。
「とりあえず、奴らと遭遇せずに済みましたね」
「ああ、俺は着陸成功の報告をする。カルロスは皆と周囲を警戒しといてくれ」
「了解」
周囲を見渡すが、何処も岩、岩、岩山だらけ。だが、見渡しがいいので詮索などはしやすい。
特に奴らもいないことらしので、ここで一旦様子を見るそうだ。
「…来たな」
アドルフ班長がそう言い出すと、周囲からテラフォーマーが複数現れ始めた。
「イザベラ、わざわざサンプルになりに来たぞ」
「ん…本当だ」
「…イザベラとカルロスは薬と網を持って外へ出ろ。それ以外は車内で待機」
「ウッス!」
「了解!」
さてと、サンプル採取開始だ。
あぁ!やっぱり難しいぃ!次回戦闘入っちゃうぅ!
次回は少し遅れますがよろしくお願いします。
誤字脱字感想がありましたらよろしくお願いします。
喜びます。