Kroneなヤツらのソード・ワールド   作:霧子のエビの天ぷら

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 夏の暑さが終わりをつげ、そろそろ秋が顔を出すころだろうかというころ。今日も空調は朝から全力で稼働し、会議室を快適な温度に保つ。


第2章 “英雄の遺産”
Lesson4-1 開かずの扉、その先へ。


プロデューサー(以下、P):おはよう諸君。朝早くからすまないな。早速で申し訳ないがルールミスが1つ見つかった。そこまで致命的なものでもないから今処理しよう。

 

城ヶ崎美嘉(以下、ミカ):あれ、ルールミスなんてあったっけ?

 

P:あった。前回セッション、前々回のセッションともに複数部位のやつが出てきただろ? あいつらを倒した時の戦利品判定なんだが、部位数ごとに判定できるって書いてあったんだ。ルールブック428ページ……ちっちゃい記述だから見落としてた。戦利品判定を頼む。そのころはまだ誰も修正を得てなかったから2d6そのままでの判定にはなるが。

 

 

 追加の戦利品として黒の宝玉4個を手に入れた。

 

 

一ノ瀬志希(以下、志希):うーん、出目悪い?

 

宮本フレデリカ(以下、フレデリカ):いやこんなものでしょ? 1200G、どうしよっかなぁ。

 

塩見周子(以下、周子):魔晶石に変えたらええんとちゃう? 前線組はともかく、【キュア・ハート】を1発撃てるか撃てないかの差は大きいでしょ。

 

速水奏(以下、カナデ):そうするのがいいでしょうね。残りの200Gは魔香草にでも変えちゃいましょう。

 

P(GM):すまんな……今後はこういうことはないように気を付ける。それじゃあ早速だがキャラ紹介をしてもらえるか?

 

 

志希:はいはーい、ついにきましたLv7の世界、天才大魔法使いはついに世界の深淵たる叡智をも手中に収めたのだーわっはっは。これで世界のすべてはシキちゃんのものだー。

 

フレデリカ:すごーい、まるでラスボスみたい。

 

シキ:ふふん、フレちゃんなら仲間になるのなら世界の半分をやろう。

 

フレデリカ:わーい、なるなるー♪

 

GM:……なるほど、深智魔法か。

 

志希:まーそっちはおまけだけどね。能力値成長は知力、技能はソーサラーLv7、セージLv6、アルケミストLv1、コンジャラーLv1にしてより幅広く支援できるようになったよ。言語習得はドレイク語の会話と魔人語の会話。戦闘特技はバイオレントキャストを新しく取ってみて、賦術はクリティカルレイ。道具類の更新は、アルケミーキットを買って専用化、さらに叡智の腕輪を購入して知力+2.これで知力ボーナス4のMP44になったよ。それ以外には魔晶石5点分を追加で買って、マテルアルカードはA級とB級の金を5枚ずつ。よくよく見たらいつ買ったか忘れたけど魔晶石3点分が2個入ってたからそれなりにMPには余裕が出たかな?

 

GM:魔法拡大は取らなかったのか?

 

志希:いやーそっちにしようかとも思ったんだけどねぇ。やっぱりソーサラーの本領は攻撃魔法だし、あっちは最終手段ってことで。それに、賦術もあるからそれなりな支援はできるからさ。

 

GM:その活躍に期待していよう。次はフレデリカ頼む。

 

 

フレデリカ:はいはーい。新曲ももらえて、ニューヨークにも行けて、元気いっぱいのフレちゃんでーす。そんなアタシの持ちキャラのリリィちゃんはついに司祭さんになったのだよ……できることは実のところあんまり変わってないんだけどねー。技能としてはプリースト技能がLv7になって、アルケミスト技能をLv6にして、ソーサラー技能を新しく取得したよ~。フレーバー的にはこっちがシキちゃんにアルケミスト技能を教えて、そのお返しにこっちがソーサラー技能を教えてもらったって感じ。

 

GM:仲睦まじくて何よりだな。それで、戦闘特技は?

 

フレデリカ:迷ったけど《魔法拡大/すべて》を取ってみたよ。これで時間拡大、距離拡大、数拡大を組み合わせて撃てるようになるんだー。

 

GM:なるほど、かなり支援が安定してくるだろうな。変転もあるし、【ラック】もあるし、ほぼ失敗はないだろう。賦術は何を取ったんだ?

 

フレデリカ:いろいろといいものあったからもう少し伸ばしたいけど、今回は【エンサイクロペディア】と【イニシアティブブースト】。防護点が高くなってきてるから、【アーマーラスト】とか【リーンフォース】とか【ビビットリキッド】とか欲しいものたくさんあって迷っちゃうなぁ。

 

GM:今後の成長方針も、今回のセッションで見えてくればいいな。魔晶石も6個ほど買い足してるみたいだし、前回みたいなことにはならんだろ。よし、次は美嘉、頼む。

 

 

美嘉:はーい。経験点が若干足りなくてやりたいことができなかったよ。技能としてはフェンサー技能がLv8になってスカウト技能がLv6まで上がった。技能としては《必殺攻撃Ⅰ》を新しく習得して、1回の主動作で1回は思いっきり回すことができるようになったよ。とはいえ回避に入るペナルティが軽いとは言えないから困りものだけど。実はこの中で一番変化がないのってあたしだったりするのかな……。

 

GM:かもしれないな。周子はたぶんたんまり消耗品買うだろうし。ところでやりたかったことって何なんだ?

 

美嘉:《マルチアクション》欲しかったんだ。コンジャラー技能取って自分である程度のバフをかけつつ殴るってすれば、少しは後衛の負担減るんじゃないかなって。

 

GM:ただでさえ出目がいいほうではないのにさらに振るのか。

 

美嘉:ここまで来たらもうロマン目指すしかないでしょ? いまさら1回振る回数が増えたところで大した影響はないし。できれば今回のセッションもどうでもいいところでファンブルして経験点稼いでおきたいな。

 

GM:今のところ毎セッションでファンブル出してる本卓のファンブル女王の活躍に期待しようじゃないか。次はメイン盾周子。

 

 

周子:ほいほーい。《瑠璃色のチューリップ》の頼れる盾、シューコちゃんですよーっと。とにかく冒険者レベルを上げることに専念して、結果ファイターLv8、レンジャーLv5まで上がったよ。エンハンサー技能も取ろうかなって思ったけどMPがきついし今回は見送り。戦闘特技は《頑強》を取って、自動習得の《タフネス》と合わせてHPは30点ほど高くなって79まで伸びたんよー。これでそれなりに殴られても大丈夫かな?

 

GM:そこまで高くなればこっちが殴り倒すのが大変になりそうだな。所持品のほうはどうだ?

 

周子:アイテムは、鎧をブリガンディに更新したんと魔香草を合計で17本、救命草を合計で10本買ったっていうぐらいかな。そこまで大きな変化はないよ、まだこれだっていう装飾品にも会えてないし。

 

GM:それはおいおい、だな。なんだったら今つけてるものを専用化してもいいんだぞ?

 

周子:それなんかもったいなくない? 今後ルールブックが増えることも視野に入れるとさ。

 

GM:それもそうか。よし、最後は奏、よろしく。

 

 

奏:はいはい、前回なんだかたくさんの因縁を付けられてしまったカナデよ。成長方針はミカと同じで、シューターLv8にしてスカウトをLv6まで上げたわ。残り経験点は550点、宣言特技の関係上《マルチアクション》を取るわけにもいかないからね……。そしたら使った手番では《狙撃》が宣言できなくなっちゃうわ。その代わりにとったのは《武器習熟A/ボウ》よ。これでダメージが1点上がるから《狙撃》込みで2点の上昇、もっとダメージ稼がないとね。

 

GM:それで、アイテムは何買ったんだ? 武器習熟Aを取ったってことは、いろいろ買いなおしたんだろ?

 

奏:まあね。まず矢筒はすべてえびらに更新。武器はノーマルボウからラップドボウに更新。威力11上昇して射程が10m伸びたわ。武器を装備するために新しく怪力の腕輪を購入。これで何とか装備できるっていうレベルね。それ以外には矢を96本まで買い足して、銀の矢を20本、それと徹甲矢を48本買ったわ。

 

GM:徹甲矢とはまた珍しいものを。

 

奏:そんなこと言ったらそもそも弓使ってる人自体が少ないんじゃない? 威力を5下げることでC値を-1してくれるいいものだから、少し多めに買ってしまったわね。通常時は矢を24本、徹甲矢を24本それぞれ装備しているってことで。

 

GM:……ところで、なんで魔晶石買ってるんだ? カナデは魔法を使うわけじゃないだろうに。

 

奏:あぁ、それ? あとでフレデリカのキャラか志希のキャラに渡そうかと思ってたんだけど……二人はどう?

 

フレデリカ:んー……アタシはもうすでに6個持ってるしいいかな。戦闘中は拡大数を使って打つことが多そうだし、MP消費の激しい志希ちゃんに渡すのでいいと思うよ。

 

志希:あ、それじゃあもらっとく~。

 

GM:……これもしかしたら今回かなりぬるいかもなぁ。さて、紹介も終わったところだし、そろそろ始めるとしようか、第4セッション。

 

LiPPS:よろしくお願いしまーす。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 《曙の黒槍亭》。駆け出しの冒険者からそれなりに経験を積んだ冒険者まで幅広く見るその店は、いつものと変わらぬ賑わいを見せていた。ただ一つのテーブルを除いては。

 

 

カナデ・バルティック=ウィンダー(以下、カナデ):……だから、何度も言ってるじゃない。私はあの人の娘で、それ以上話すことはないって。

 

ミカ・キャストルテイン・フルーレ(以下、ミカ):ダウト、まだ何か隠してるでしょ? そうじゃないと、カナデが冒険に出た理由が説明できないよ。

 

シキ=アーキテクス(以下、シキ):まぁまぁ、いいじゃん別に今はなさなくても……。

 

ミカ:そうはいってもねぇ……そっちはまだいいかもしれないけどこっちとしては後ろから撃たれないか不安で不安でしょうがないんだけど?

 

カナデ:……でしょうね。信用できない味方に背中を預けるほど、あなたは愚かではない。でも、いや、だからこそ……今はまだ話せない。もし私があなたを背中から撃つようなことがあれば……私の首を刎ねてもいいわ。

 

ミカ:……ッ! ふざけんな!

 

カナデ:なによ、痛いじゃない。

 

ミカ:ふざけんなって言ってんの! 今度また同じこと言ったら、今度はビンタじゃ済まさないんだからね!

 

ローヘリオン(GM):……その辺にしておけ。冒険者なんだ、話せないことの一つや二つ誰にでもあるもんだ。

 

ミカ:でもっ!

 

ローヘリオン:いつか話してくれるって言ったんだ、今はそれで矛を収めろ。それより、お前らに手紙だぞ。……シューコ、仕事切り上げてこっち来い、依頼だ。

 

シューコ・ソルティウス(以下、シューコ):また珍しいこともあるもんやね。あたしたち指名?

 

ローヘリオン:ああ。差出人はアスカだ。覚えてるだろ、この前遺跡の情報くれたあいつだよ。

 

リリィ・フレディ(以下、リリィ):アスカちゃん? てことは、見つかったのかな、例の件。

 

シキ:かもしれないね。読んでみよーぺりぺり。

 

 

Mission4 開かずの扉、その先へ。

依頼主:《狩人》アスカ・リフェンディクス

依頼目標:アルカ遺跡の調査

調査している最中に奇妙な遺跡を見つけた。アルカ村という村の近くにある自然洞窟……その中にある遺跡だ。村長の話では前に冒険者たちが来たときはその扉は閉ざされていたらしいが、ボクが確認したときにはその扉はすでに開いていた。中を少し探ってみたが、どうやらこの遺跡は何かを祀っているようなんだ。ひょっとしたら、君たちが前に見せてくれたあの金属……あれが何かのカギになっているのかもしれない。詳しくは遺跡ギルド《常夜の赤烏》まで来てくれ。

 

 

シキ:……だってさー。どうする?

 

カナデ:どうするもこうするも、行かないわけにはいかないでしょ?

 

シューコ:アルカ村ってことは、あれか。あたしたちが最初に行ったときしまってた扉。

 

リリィ:あー、あそこね。あのクリア後の2週目特典に解放されそうな扉ね。いいんじゃない?

 

ミカ:……はぁ。ローヘリオンさん、この《常夜の赤烏》ってどこにあるの?

 

ローヘリオン:東裏通りのスラム付近だな。ここからならスラム街を突っ切らなくても大丈夫だ。おすすめはしないがスラムを突っ切ることもできなくはないがな。

 

シューコ:それじゃあ安全策で行こ。あたしたちならちょっとやそっとは大丈夫やろうけど、下手なトラブルは起こさへん方がええしな。

 

カナデ:決まりね。それじゃあ店主さん、行ってきます。

 

ローヘリオン:おう、行ってらっしゃい。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

アスカ:やぁ。こんなところまで来てもらってすまないね。ところで、何かあったのかい? なんだか険悪な雰囲気を感じるが。

 

ミカ:……フン。

 

カナデ:……何も?

 

シキ:今朝からずっとこんな感じ。

 

リリィ:笑顔じゃなきゃ運が逃げちゃうよって言ってるんだけどねぇ。

 

シューコ:それで、例の遺跡見つかったん?

 

アスカ:あぁ。とはいえ確証はないが……あの遺跡を最初に発見したのは何でも君たちだそうじゃないか。まあ細かい話は中で。ここじゃ誰かが聞いてるとも限らないしね。

 

ミカ:そういうこともあるんだ?

 

アスカ:まあね。ウチだけじゃないよ? 遺跡ギルド、というか盗賊ギルドは敵が多いんだ。それこそ異国のギャングから地域の沸点の低い青二才どもまでより取り見取り。アリー、蛇を借りるよ。

 

アリー:ん? あぁ、その子たちがかい。ちょうど奥の部屋が空いてるからそこを使ってくれ。何かお茶請けでも持っていこうか?

 

アスカ:いや、いいよ。

 

シキ:……さっきのは?

 

アスカ:うん? アリーのことか。彼女はここのギルドマスターだよ。スラムで生きていた僕を拾ってくれたのも彼女でね……ま、ここにいるやつはだいたいアリーが拾ってきたやつばかりだよ。昔話はその辺にして、本題に入ろう。さ、中に入ってくれ。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

カナデ:それで、あの遺跡の扉が開いていたんですって?

 

アスカ:ああ。村長にも確認してきたが、いつ開いたかは不明とのことだ。少なくとも3週間前には閉ざされていたとのことだが。

 

ミカ:それで、中を調べてほしいと?

 

アスカ:話が早くて助かるよ。あの中は外の扉は神紀文明時代の模倣品だが中身は魔動機文明時代のそれとよく似ている。何のためにそんな手間のかかる真似をしているんだか……まあそんなことはどうでもいいんだ。ボクの依頼は中を漁ってくること。それ以外は前回と同じだ。

 

カナデ:情報料ナシ、獲得したアイテムはこちらに自由、と。

 

アスカ:その通りだ、前回はボクからの好意のつもりだったが、今回は君たちが最初に見つけていたらしいからな。こういった遺跡の類は最初に見つけた人が探索するのがルールなんだ。不文律、ともいうが。

 

シューコ:それで、報酬はいくらほど?

 

アスカ:1人当たり8000G。これでどうだろう? 前金が必要なら報酬から天引きしていくらか出すが。

 

シキ:……いや、たぶん要らないかな。それで、1つ質問いい?

 

アスカ:かまわないよ。

 

シキ:何かを祀っているようだって依頼文書に書いてあったけど、なんでそう思ったの?

 

アスカ:……紋章だよ。

 

リリィ:紋章? ロト? 6桁当たって6億円?

 

アスカ:そんなに夢のある話じゃないよ。何かの祭壇跡地が遺跡になっているパターンはよくある。それと同じ特徴が見つかったのさ。

 

シキ:ふーん……。それじゃあさっさと行こ。アルカ村なら歩けば2日だし、馬借りてもいいけど。

 

ミカ:うーん……なんとなくだけど歩きたくはないかな。御者代はあたしが出すから、先にライダーギルド行ってるね。

 

シューコ:そういうことならあたしも行くよ。コネがあるってわけじゃないけど、気にはなるし。

 

シキ:あ、うん。いってらっしゃーい。

 

シューコ:東門で待っててな。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 御者の操縦で荷車と馬車を駆ること数時間。《瑠璃色のチューリップ》のメンバーはおよそ1月ぶりのアルカ村への来訪である。あの時とは比べ物にならないほどに強くなった彼女たちは、再び自然洞窟へと足を運ぶ。

 

 

カナデ:懐かしいわね。随分前のことのように感じるけど、まだ1か月だというのだから驚きよ。

 

ミカ:ほんとにね。あの頃は自分のことだけで手いっぱいだったけど、少しは周りを見る余裕が出てきたよ。

 

シューコ:御者さんには村の入り口で待機してもらってるから、終わったらそっちまで移動な。担いで行けるんは1人までやから、頑張ってな。

 

リリィ:そういうシューコちゃんが一番危険なんだけどなぁ……今日もいいことありますように、【ラック】!

 

 

【ラック】リリィ→リリィ (2,4)+11→17 成功

 

 

シューコ:いまさらやけど、【ラック】の分の魔晶石買っておいたらよかったな。MP回復しようか?

 

リリィ:3点だけだしいいよ、しなくて。それより、先に早く行こ。松明は手が空いてるあたしが持つのでいいかな?

 

カナデ:いいんじゃないかしら。それじゃ、中に入りましょう。

 

 

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