僕物語   作:ソウルゲイン

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1・僕とアロハと幼女

「本日の授業はここまで。では気を付けて帰るように」

「起立! 礼!」

「「「「さようなら」」」」

 

 僕を含めクラス一同、日直の合図と共に先生に挨拶を交わす。

 学校での一日の授業が終わり、下校の時刻に、僕は寄る所があった為、さっさと帰り支度を済ませ教室を後ににしようとしていた・・・・。

 その時

 

「待ちやがれ、デク!」

 

 何とも荒々しく失礼な声が僕を呼び止めて来た。

 振り向くとそこには金髪のトゲトゲ頭につり上がった目をした幼なじみ、爆豪勝己ことかっちゃんの姿があり、何故か僕を睨み付けるように見つめてきた。

 

「てめぇ、しばらく学校に来ないと思ったらまだ図々しく雄英を受けようとしていやがるそうじゃねえか? 言ったよな? 他、受けろって!」

 

 何とも身勝手な事を言ってくる幼なじみ。

 彼は一様ヒーロー志望であり全国屈指のヒーロー学校"雄英"を受験しようとしているのだけと、同じく雄英に受験しようとしていた僕が気に入らなかったようであり、やたらと突っかかってくるのだ。

 僕がどの高校を受けようが君には関係が無いはずなのに一体何様のつもりなのだろうか? ・・・・・僕はそんな幼なじみを無視し教室を出ようとした。

 

「おいデク! 何無視してくさっていやがる!」

 

 僕が無視したことが気に触ったようであり彼は僕の肩を掴んできた。

 相変わらず暴力的で強引な人だ。

 仮にもヒーローを目指しているのならもうちょっと節度ある態度は取れないのだろうか?

 ・・・・彼にそれを抱いても仕方が無いか。

 だから僕は。

 

「放して」

「!?」

 

 彼の腕を掴み強引に放す。

 生憎だけど、今の僕の腕力はかっちゃんよりも上なのだ。

 

「ぐっ! デクてめぇ・・・」

「一つ言っておくよ」

「!?」

 

 かっちゃんは再び僕にいちゃもんを付けてこようとしたが、僕は彼の腕を掴みながら強引に割って入る。

 

「雄英に受けるか否かは僕の勝手であって君が関知するところでは無い。ナンバー1ヒーローに成りたいなら僕の事なんか気にしてないで真面目にヒーローの勉強をするべきだ。・・・・・・・それじゃ」

 

 僕は掴んだかっちゃんの腕を放して教室を後にした。

 さっさと行かなければ・・・・・・

 

 学生塾跡に・・・・・・。

 

 

 

 ~その日の夜~

 

 

 学校が終わり僕は家に帰る前にある場所に立ち寄った。その場所は廃館になった学生塾の跡。

 ボロボロの建物の中には廃棄し忘れたであろう勉強机や椅子などが散らばっていて、夜に訪れるとホラー映画に出てくる怖くて不気味な館みたいな雰囲気を醸し出す場所であった。

 僕はその学生塾跡の中の階段を上っていき、一つ教室のドアを開いた。

 そこには・・・・。

 

「やあ、緑谷くん。待ってたよ」

 

 おじさんがいた。

 しかも、唯のおじさんでは無く、金髪ボサボサ頭にあご髭を生やしていて、耳にはピアスを付け、アロハシャツに胸を開けさせ、ハーフパンツにサンダル。

 そして、どういうわけか火が付いてないタバコを何故か咥えている謎の中年男性が居た。

 

「待ちわびてたよ。本当に待ちわびたよ。君は何時だって僕を待たせてくれるね?」

「何度も待たせた記憶はありませんけど? 忍野さん」

 

 馴れ馴れしく僕に話し掛けてくるアロハのおじさん。

 この人の名は忍野メメと言って、三ヶ月ほど前に知り合った変わった人だ。

 何故このような怪しい人とお知り合いに成ったのかと言うと、色々複雑な事情があるのだけど、その説明は後にするとして、先ずは・・・・・。

 

「彼女は・・・・・・居ますか?」

 

 大事な用を済ませるとしよう

 

「彼女ならそこに居るよ。・・・・・ほら」

 

 アロハのおじさんこと、忍野さんが指を差し、その方角に眼を向けると・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・」

 

 幼女がいた。

 教室の片隅で体育座りをしている幼女、金髪のロングヘアーで一枚のワンピースを身に付けていて、裸足。

 そして何故かクラシックなバイク乗りが被っていそうなヘルメットを被っている、表情こそは無表情だけど、とても可愛い女の幼女だった。

 

「お待たせ。待たせちゃったかな? ・・・・・食事の時間だよ」

「・・・・・・・・・」

 

 僕は彼女の近くまでやって来て、しゃがみながら目の前の幼女に向かって語りかける。

 すると、彼女は無言のままゆっくりと立ち上がり、僕に抱きついて来た。

 そして。

 

『カプ!』

 

 彼女は僕の首元に噛みついてきた。

 一様言ってはおくけど、これは僕が彼女に無理強いしている怪しいプレイなどでは無い・・・・断じてない!

 これは彼女に取ってどうしても必要なことであるために、仕方なしにやっていることなのだ。

 そしてしばらくその状態が続いた後・・・・・。

 

「・・・・・・・」

 

 彼女は僕の元から離れていき再び元の位置に座り込んでしまった。

 

「ふ~、・・・・それで、忍野さん。何か変わったことは起きませんでしたか?」

 

 やることを終えた僕は、立ち上がり忍野さんに何か変化などが無かったかを尋ねた。

 

「特に変わった事は無かったよ。まあ、強いて言ったら、彼女に名前を付けてあげたこと位かな?」

「名前?」

「そう名前だ。この国に住むとなった以上は何時までも"元の名前"を名乗っている訳にも行かないからね」

「それでどんな名前ですか?」

「"忍野 忍"と名付けてみせた」

「忍?」

「そう。意味は刃の元に心あり。彼女らしい良い名前だろ? 苗字は僕のをそのまま流用させてもらった」

 

 忍野 忍・・・・・何処からどう聞いても和名だな。

 まあ、元の名前があまりにも長ったらし過ぎたから返って覚えやすく呼びやすい名前ではあるか・・・・。

 

「それよりも緑谷くん。この物語の元ネタを知っている人は良いかもしれないけど、何も知らない人達の為にそろそろ説明をしてあげた方が良いんじゃないかい?」

「それは言わないでください! 僕たちはあくまで登場キャラクター何ですから!」

 

 忍野さんの本来ならあり得ないであろう注意に対して、僕は声を荒げてしまう。

 

 

 とまぁ、こんな事を言っては居るけど、話がもの凄くすっ飛んでいて訳が分からない人が多く居るであろうから説明しておこう。

 僕こと、"緑谷出久"は何処にでもいる中学生で、今の世の中では珍しい部類に入る無個性の人間だ。

 僕の目の前にいるアロハの怪しいおじさん、忍野メメさんはこんな成りをしているけど、国家資格を持ったプロのヒーローであるらしい。

 かつてヒーローマニアであった僕が知らないヒーローであったから、最初に出会ったときは凄く怪しんでしまったけど、この人は表の舞台には出ずに裏方で活動をする特殊資格を持ったヒーローであるとのこと。

 一緒に行動をしていた事で悪い人間ではないと言う事が理解出来たから、今は信用している人である。

 

 そして先程、僕に抱きつき首元に噛みついてきた金髪の幼女は・・・・・・。

 

「彼女はまだ喋らないんですか?」

「"吸血鬼"ってのは長命だから色々と複雑なんだよ。特に三ヶ月前に君と出会ったことで大きく中身が変化してしまったみたいだからね」

 

 そう、吸血鬼・・・・・吸血鬼だ。

 彼女は今から約三ヶ月前に、僕が夜の街で遭遇した金髪の美女、その人であった。

 大人の姿であった筈の彼女が何故幼女に成っているのかには深く複雑な事情がある。

 

 ――長く成りそうなのでこの説明は次の機会に・・・・・。

 




 突然の思いつきで衝動的に書いた作品なので、続ける気があまり無かった作品なのですが、意外と支持があったのでもうちょっと続けてみます。
 それでも、あと2~3話続けば良いかな? 程度の物なのであまり期待はしないで下さると助かります。
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