僕物語   作:ソウルゲイン

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久々の投稿。
特に理由はありません。妙に気が向いただけです。
続きは期待なされないように……


5.雄英に踏み入る、不審な影。

『『『わーたーしーがー普通に投影された!!』』』

 

 

 ……なんて口うるさい投影機による合格通知を耳にしてからしばらくの月日が過ぎ去った後のことだ。

 

 僕は無事に雄英高校にへと進学を決めて、入学日のその日に門の前に立っている。

 

 目の前には、かの有名な『雄英バリア』が。……チタンなのかジェラルミンなのか、錆びてしまうから鉄はありえないと思われる、ハイテクで丈夫そうな大きな門を潜り抜けて、雄英の敷地内にへ足を踏み入れようとしている僕である。

 

 こんな言い回しをしたらば、校内に侵入を謀る不審者みたいにもなってしまうが、今の情景的に言ったら、そう思われても仕方がないかもしれない。

 

 ……時刻は、まだ朝の七時前。お天道様がまだ中途半端にしか上っていないのだ。

 

 登校時刻は、まだ二時間も早い。教員でもなければこれほど早くに登校することはまずないだろうが、これにはそれ相応の理由があるものだから、理解はせずとも納得だけはしていただきたいものだ。

 

 試験日にて引き起こした、大パワーの発揮。

 

 あのネーミングセンスに恥じる攻撃をくり出した後に、火だるまになったことが記憶に新しいが、案の定、あの力の発揮は僕の愛してやまない、『鉄血にして熱血にして冷血――』、

 

 ――いや、この言い方はよそう。言っててこっぱずかしい。

 

 僕の影の中に潜む、幼女の手によって引き起こされたものであった。事実を確認したわけではない。その日の夜に影から姿を現した彼女を懇ろに抱きしめたら、彼女の心に触れたに過ぎないからだ。

 

 あの入試試験の日以来、大パワーを発揮した僕の体はそれまでとは飛躍的に力が向上した。単純な出力数字で表したらば、軽く三倍。かの有名な、『赤い彗星』に倣うかのごとくにパワーアップ。……ここは素直に『界王拳3倍』とでも言った方が適切かもしれないが、常時、三倍の力が維持できてる上に、通常の三倍のスピードで走れるようにもなれたから、前者の方がしっくりくるのだ。

 

 話がそれたが、とどのつまり、僕は忍に血を吸われたことで吸血鬼性が増してしまったのだ。さすがに試験の時のような大パワーは出せないものの、別に血を吸いたい衝動に駆られてる訳もなく、牙が生えてきたわけでもない。多少、日中の眠気が強まったくらいで、生活に支障をきたすには至らなかったが、いかんせん。

 

 ――お肌が、太陽に光に敏感になってしまったのだ。

 

 力が三倍ならば感度も三倍、肌を陽にさらせば、当然のごとく焼け目がついてしまう。発火とまではいかずとも、とにかく肌がひりひりしてムカ痛い。

 

 故に、僕は制服の下にパーカーを着込んで、頭をすっぽりと覆う。手には手袋をはめて、口には少しハイカラなウレタンのマスク。これでサングラスまでかけようものなら、不審者ともなりかねない出で立ちで、日差しの弱い早朝に登校するしかなかかったのだ。

 

 ……もし忍を横に据え置いたらば、幼女を誘拐しようとする変質者と叫ばれかねなかっただろうて。

 

 と、前置きが長くなってしまったが、これも現状を理解してもらうための必要事項だ。

 

 ――僕は、忍野忍のためのヒーローとなる。

 

 この命が続く限り、彼女のヒーローであり続ける。

 

 彼女を一生背負っていくと決意したあの日から、僕の信念に揺らぎは無く、どんな生涯が降りかかろうとも立ち止まる訳にはいかない。

 

 僕に引導を渡してくれた憧れのナンバー1ヒーローのことなんてもうどうでもいい。いまだに僕に突っかかってくる幼なじみの才能マンのことなんて既に眼中にすらない。

 

 たまに連絡を一方的によこしてくる、『アロハのおじさん』と『何でも知ってるおねえさんに』それなりのアドバイスを受けつつ、忍とのラブラブな生活(気分的な意味で)を過ごしていた僕は、堂々と戦える『ヒーロー資格』を得る、という意味合いが九割を超える理由を携えて、雄英高校へと足を踏み入れ――

 

 

「ちょっと、そこの君! そんな不審な格好でこんな朝早くに何をしているんだ!? そこは雄英の敷地内だし、例え子供でも不法侵入は許されないぞ!」

 

 

 ……案の定、僕の出で立ちは巡回中の警察官に、〝不審な影〟として認識されるのであった。

 

 この後、ムッときた僕は、力強く学生証を提示してみせてやったよ。

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