至らぬ点があるかもしれませんが、
心広く読んでくれたら幸いです。
「なぁ?」
「ん?なんだよ? 」
「お前んとこの近くにできた、あー、なんだっけなぁ、お前知ってる?」
「いや知らねぇよ、てか俺に聞くなよ」
そんな他愛もない会話をファミレスで交わしていた男二人
「そんな事よりも早く帰れやお前ら」
その二人に怠そうな声をかけた男
「おぉー!いたいた!探したぜー、さっきー」
「そうだそうだ、探したぞー、『笹木多』」
「さっきーって呼ぶんじゃねぇよ、『後藤』、それになんで『祐也』までいんだよ」
ふざけた口調で声を掛ける男、『後藤 健二』
後藤の言葉に便乗するように声を掛けた男、『泉 祐也』
そして後藤の言葉に顔を引きつらせた男、『笹木多 俊』
3人は高校からの友人、所謂、腐れ縁である
「そりゃねぇぜ!せっかく親友であるさっきーが仕事を見つけたんだから、祝ってやるのが親友ってもんだろ?バイトだけど」
「そうそう、健二の言う通り祝うべきだろ親友なんだから、バイトだけど」
「だからって、バイト先にわざわざくんなよ、後バイトゆうな」
よく見れば俊はこのファミレスの制服であろう給仕服を着ていた
手に水の入ったコップを2つ乗せたトレイを持って
「まぁ何がともあれおめんとさん、できればコーラで」
「おめでとう、俊、俺はコーヒーかな」
「自分で持って来いや、ったくめんどくせぇ」
と言い俊は仕事に戻ろうとした
「おいそこのアンタ、ちょっと来いや」
と、怒気の孕んだ声を掛けられた
「ハイハイ、どうかしましたかー」
「どうかしましたかーじゃねぇよ!おい!舐めてんのか!あ"ぁ"!?」
声を掛けた男は俊の気怠げな態度に怒りを一層強め怒鳴り散らす
それでも俊は冷静に状況を理解した
(金髪にピアス…こりゃ典型的な不良だな、それに怒鳴り散らしてる理由は…)
「ハイハイ落ち着いてください、要するにお客様は、食べた料理に髪の毛が入っていたから怒鳴ってんすね?」
「お、おう、そうだ、なんだよ話がわかんじゃねぇか、ほらわかったんならはやく上司呼べやゴラァ!」
不良は、目の前の男の迅速な状況判断に少し驚いたが、さほど気にせず自分の要求を伝える、それに偶然にも聞こえた三人の会話から男がバイトであることが確認でき、入ってから日の浅いバイトが突然のトラブルに焦ってすぐに上司に泣きつくだろうと予想していた、だが、
「それじゃあ、この髪の毛をDNA検査にかけますねー、丁度そこに警察長の息子がいるんで、ほら後藤、さっさと行って来い」
予想の斜め上を通り越して真上を通った返答が返ってきた
「話は聞いてたが俺に行かせるのかー?面倒くせぇーよ、お前でもワケ話せばやってくれんだろ?親父お前のこと気に入ってるし」
「俺は今バイト中、それに俺が見張んなきゃお客様が逃げちまうじゃねぇか」
「それじゃあ俺が行こうか?あぁ、でも素手で持つと汚ねぇからなぁ〜」
そんな会話を交わす三人に不良は慌て始め、
「まっ、待てや!?なんでそこまでしようとするんだ!?」
「え、なんでって、そりゃお客様にお詫びをする為にこの髪の毛の持ち主の従業員に謝罪をさせなきゃいけないんで…」
何でもないように話す、俊に対してついに不良はキレて、
「やめろやゴラァ!!そこまで本気で信じやがって!頭空っぽなんじゃねぇか!!?」
「信じるワケねぇだろうが馬鹿が」
『ッ!? 』
口調を強める俊はティッシュを挟んで掴んだ髪の毛を指差して、
「だいたいこんな金髪ウチのバイト仲間や先輩方に一人もいねぇよ阿保が」
俊の一言にギョッとなりながらも、不良は負けじと罵声を放つ
「うるせぇ!!三下バイト野郎がいい気になってんじゃ、!?」
その罵声は言い切る前に前に止められる、
「だから、バイトってゆうんじゃねぇよご"ら"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"!!!」
「ゲブッ!?』
怒鳴り声と共に撃ち出された拳は不良の顔面に突き刺さった
そして不良の体は誰も使用していないテーブルや椅子を巻き込んで騒音を奏でながら吹き飛んだ
そんな光景を見て回りの客は
(((いや、キレるとこそこかよ!!??)))
と、同じことを思った
「派手にやらかしたなぁさっきー、それにバイトって言われたこと根に持ってたんだ、悪かったなぁ〜」
「別いいけどよ、イラッとくんだよ、自分の立場の低さを強調されてるみてぇでよー、でも一発殴ってスッキリしたぜぇ〜!!、それによくさっきの話合わせてくれたじゃねぇか、流石だぜ」
「バーカ、何回同じ事してる思ってんだよ、慣れたわこんなもん」
ちなみにさっきの後藤が警察長の息子という話は嘘である、
腐れ縁だからこそできるコンビネーションである、
だが、二人は大事なことを忘れていた
「スッキリしたんならいいけど、これどうすんのさ、あの不良、一応お客様でしょ?」
「「あ」」
この日、笹木多 俊はバイトを14回目のクビを味わった
「あ〜もうやだ、何回クビになりゃいいんだよ俺は…」
夕方、俊は一人で歩いていた、
「もうどうしようかなー家賃ねぇし、当たり屋でも始めようかなぁ、どうせ捕まって刑務所入ったって飯食えるからまだいいしねぇ」
そんなまんざらでもないこと言い始めたとき
「君は仕事を探してるのかい!?それじゃあ僕の所で社員として働いてくれないかい!?」
今の俊にとってその言葉は渡りに船であった
ぜひお願いします!!と言おうとし、上を見上げたとき
そこに居たのは…
真っ黒なスーツを着こなし、目元が見えない程長いボサボサの髪をそのままにした、
はっきり言って胡散臭さを体現したような男だった
そして、彼は一言告げた
「嫌です」
物語がはじまった
出来るだけ早く投稿してくつもりですので、
末永くよろしくお願いします。