ーユーキスー
トラペッタに住む占い師の娘ユリマ、彼女のお願いで水晶玉を探すことになった。彼女曰く、町の南にある大きな滝の下の洞窟に水晶玉が眠っているらしい。そういうわけで、俺達一行はドルマゲス追跡の前にこの洞窟を目指すことになったのだ。
道中ユフィールが占いを熱く語り、お願い事の水晶玉の他にもう一つ入手した場合欲しいとか。…いや、水晶玉を入手したからって占いが当たるとは限らないんじゃないか? はっきり言って才能がないと思うけど。そう言えば、やってみなければ分からないと不貞腐れている。…フニフニフニクラ言ってるから駄目なんじゃん、キタマクラ~って何やねんと思う俺とアモーレ。………ユフィールの占いは謎だからなぁ~、…彫刻していた方が良いんじゃないか?
…で件の洞窟に辿り着いたわけで。ミーティア姫を危険にさらすわけにはいかないとのことで、トロデ王は入口で待つとのことだ。…弱いにしてもここらは魔物が多い、万が一も考えて護衛にアモーレを置くのが定石だな。言わずともアモーレはそのつもりのようだし、トロデ王も頼りがいのあるアモーレをニヨニヨ見とる。仲良きことは良きことかな…ってな。
そういうことでこの洞窟に挑むのは先頭をエイト君、続いてヤンガスにユフィール、殿を受け持つのが俺となった。俺が先頭になるのが一番良いのだが、エイト君に経験を積ませなきゃならん。彼はいずれ、ミーティア姫を守る兵となる身。まぁ今もそうだけどこれから先…、俺達が共にいるっていうのはない。教えられる内に教えておかなければ、…共に旅をしている間に。
松明を手に洞窟へと入っていくとそこそこ幅の広い通路、…この広さならば戦闘になっても大丈夫そうだ。そんなことを考えながらエイト君を先頭に進んでいく、…おっ? 広い空間に出たな。…見たところ、…魔物が多く潜んでいるっぽいが。…って正面突破かい! エイト君が脳筋だ、ヤンガスと同レベルだよ!
俺は極力戦闘に参加せず基本はエイト君とヤンガス、サポートにユフィールの布陣。襲い掛かってくる魔物を素手で殴っていくエイト君、…背にある剣は飾りですか? 師匠と呼ばれているだけあって色々と教えたけどさ、…いつの間に残影拳を覚えたの? 縦横無尽に肘打ちをするエイト君に目を丸くする俺。
比べてヤンガスはヤンガスのままで安心した。大木槌で叩き潰す様は圧巻と言えるだろう、激しく動くエイト君にどっしり構えるヤンガスか。…でサポートのユフィールはというと、…まぁ頑張っている。エイト君にピオリム、ヤンガスにスカラと補助魔法をしっかり唱えていた。本人は魔物と一緒に踊ったり、石で躓いて会心の一撃を繰り出したり…。え…? 遊び人? と思う程の行動が目立っている。彼女は一応魔法使い枠の筈、…スキルで遊び人と占いっぽいのがあるけど。
途中で通せんぼをしていた魔物がいたけど、その目の前で暴れたからかいなくなっていたな。目の前で仲間が粉砕されてりゃそうなるか、特にエイト君とヤンガスが恐いだろうね。…そんなことがあったりしたが順調に奥へと進み、大きな滝のある最奥部へと辿り着いた。…滝の前に大きな水晶玉があるけれど、明らかに怪しいよね? 罠なんじゃないの? と警戒するが、水晶玉に目の眩んだユフィールがそれに手を伸ばし……。
魔物に襲われましたよ、滝の主を自称するザバンって奴に。何か怒りまくっているけどどうしたんだ? と聞けば、水晶玉の持ち主に天誅と聞く耳持たずに襲い掛かってきた。…自ら名乗ってきたんだから話を聞けよ!
襲い掛かってきたザバンなのだが、…俺が手を出す前にエイト君達が倒してしまった。ザバンの攻撃はエイト君達には全くといっていいほど通用しなかった。爪での攻撃は避けられるか受け止められるのどちらか、ギラを唱えればユフィールのマジックバリアで蚊に刺された程度に。驚愕するザバンに全員で攻撃をすれば為す術なし、苦し紛れに黒い霧を出してきたがエイト君の前で掻き消える。…そして沈黙、ほぼ瞬殺でした。やるじゃないか皆!
倒されたザバンは冷静になったようで、聞く耳持たずに襲い掛かったことについて謝ってきた。十数年前に滝壺で寝ていたところ、水晶玉が落ちてきたらしく傷付いてしまったらしい。誰かにぶつけられたと憎しみが募り、この水晶玉を囮にずっと待っていたんだって。そんな時に俺達が来たもんだから勘違いをして…とザバンが語った、…奴も被害者なんだね。とりあえず和解して水晶玉を貰い、俺も持っていた特薬草を数束渡したら喜んでいた。
何はともあれ水晶玉を入手した、ユリマの所へ戻ることにしようか。