ーユーキスー
トラペッタの南にある関所は普通に破られていた。その跡地にいた人から聞いたが、幸いにも死んだ人はいなかったようで。…この先にあるリーザス村が心配だ、何も起きてなければいいけど…。
…で俺達一行はリーザス村へと辿り着いた、しかし二人の子供が通せんぼをしていた。エイト君達とどうしようかと考えていたのだが、その子供達は後から来た婆様にしこたま怒られて泣き出した。その後に何かを思い出したようで走り去っていった、…何だったのだろうか? あの子供達は。
子供達が去った後に話を聞いてみれば、最近…この村で不幸があったようだ。…この村の領主であるアルバート家、そこの長男が何者かに殺されたらしい。…つい最近、似たようなことがあったと思うのだが。…まさかドルマゲスがまた? と思うのは流れとして間違っていない。
殺された長男の名前はサーベルト、村人の信頼が厚い好人物であったよう。妹がいて仲が良く、その妹は兄の死で落ち込んでいるみたいだ。妹の名前はゼシカ、…気は進まないが話を聞くことは出来ないだろうか? …屋敷は村の奥、…行ってみよう。
屋敷に行ってみたら、当然のことながら重苦しい空気。まぁ長男が亡くなったとのことだからな、頼るべき次期当主を亡くした現当主は悲しいだろうさ。勿論使用人達も同じであろう、仲が良いとされる妹は言わずもがな。
そんな時にも関わらず、現当主であるアローザさんは会ってくれた。悲しみの中にあっての毅然なる態度、…強い女性なんだな。話を聞いてみれば村で聞いたままのことを返された、違うことと言ったら妹のことだろうか? アルバート家の家訓を守るように言ったら不貞腐れ、部屋の前に子供を張り付かせて閉じ籠っているとのこと。…呆れているような悲しんでいるような、複雑な顔をしとる。
ゼシカにも聞けるかと部屋の前へと行ってみれば、先程の子供達が通せんぼ。ゼシカは誰にも会いたくないと言っていたらしく、子供達は扉に張り付いて聞く耳持たず。…慕われているようだね、妹のゼシカはさ。
どうしたものかと考えていたら、エイト君の相棒であるトーポが飛び出して何処かに行った。慌てて皆で探していれば、ひょっこりと姿を現した。何やら咥えているようだがと思えば手紙のようで、エイト君が最初に読んでから直ぐに渡された。
手紙の主はゼシカ、書き出しの始めに遺書と書かれていた。内容的には兄の仇を討つまでは戻らない、まずは東の塔へ行く…と。そして母であるアローザさんに対しての謝罪、ポルクとマルク…子供達に対しての謝罪。…これって不味いんじゃないの? …とりあえずは子供達に見せないと。
見せてみれば嘘つきと言われ、一応確認してみると言ってから驚愕。部屋にゼシカがいなかったようで、ポルクという名の少年は焦りまくっている。そして焦りながらも考えた結果、俺達に東の塔へ行ってゼシカを連れ戻してと頼んできた。東の塔の扉はポルクが開けてくれるとのこと、勿論…俺達は快諾をした。
ポルクを一行に入れて東の塔へ、そこにゼシカがいるようではあるが果たして…。彼女が無事であるよう祈ることしか出来ない、犯人がドルマゲスであるのなら楽観視は出来ないからな。…奴は知る限り一人を確実に殺している、…それ故に。
これから先、何が起きるか分からない。皆に気を抜かぬよう進言をしてから、目的地である東の塔へと向かうのであった。