いりす憑依物語   作:ゴミ君

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なんでいりす症候群の作品ひとつもないんですかね(キレ気味)


バッドエンド、それとプロローグ

『次の・・・ニュース・・・』

 

 

 

 テレビの仄暗い光が、真っ暗な部屋の中で鈍く輝いている。

 

 

 

『・・・で、大学生が行方不明・・・』

 

 

 

 ニュースキャスターの平坦な声が、無音の部屋に淡々と響いている。

 

 

 

『1人が遺体で発見された事件で・・・。』

 

 

 

 私は精一杯抗った。その気持ちを、心の中に閉じ込めようとした。

 

 

 

『・・・続報・・・・・・・・』

 

 

 

 でも、ダメだった。上手くやれなかった。

 

 

 

『新たに男性の遺体・・・発見・・・』

 

 

 

 結局私は、■■■の心を抑えられなかった。

 

 

 

『歯形などから・・・■■■ ■さんと・・・・』

 

 

 

 ■■■にとって、あの二人はただの邪魔者だった。

 

 

 

『警察は・・・・・三人が事件か事故に・・』

 

 

 

 邪魔だったから。それだけで したんだ。

 

 

 

『引き続き、行方不明の・・・さんを捜索・・・』

 

 

 

 いりすにとって大事だったのは、■■■一人だけだった。

 

 

 

『・・・・・・』

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

 ああ、神様。会ったことはないけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 あなたを、恨みますよ。

 

 

 

 

 頭の中の、何かが割れた。視界を占める暗闇が薄れて、目の前が真っ白になってゆく。もう何度も繰り返したことだけど、それでもこの感覚には慣れられない。

 

 

 次こそは。それが私が、その世界で最後に思ったことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある日私は、知らない家で目を覚ました。

 

 

 外面は慌てず騒がず、実際は超錯乱しながら状況確認を試みた。一応衣服は乱れていないのでほっとした。

 

 

 枕はひとつ、ベッドもひとつで、念のため覗いたゴミ箱も空っぽ。そういう目には、遭ってないっぽい?

 

 って、寝起きだからって何考えてんだ私は。

 

 

 

 ある程度落ち着いてきて、なんとなく部屋の中を見渡してみる。机の上にノートが置いてあったり、棚に本が並べてあったり、まあ普通の部屋だ。ノートを見てみようと思ったけど、パッと見て誰かの日記のようだったから閉じておいた。人の日記を勝手に覗くのはよくないことだからね。

 

 眠気覚ましに顔を洗うために、階段を下りて洗面所へ向かった。知らない家なのにあっさり見付かったけど、そこで事件が起きた。

 

 

 

 私の顔が、変わっていたのだ。

 

 

 物凄い綺麗な白い肌、何故か小さくなっている背丈に、髪の色まで白っぽい銀色に変わってる。トドメと言うべきか、瞳の色がウサギみたいに真っ赤になっていた。なにこれめっちゃかわいい。

 

 

 

 

…じゃなくて、だ。なんだこら。私はこんなイイ容姿じゃない。上の上じゃなくて中の中だ。はっ、もしや寝てる間に拉致されて、人体改造を…!

 

 

「ッ!?けほっけほっ」

 

 

 な、何?咳が、止まらない。興奮しすぎたんだ。早く、せき止めを飲まないと…

 

 

 私は咳き込みながらも、駆け足で自分の部屋に戻り、まるで知っていたみたいにせき止めをタンスから取り出した。せき止め薬の包みを破り、白い顆粒を口の中にサラサラと流し込む。せき止めを飲んでからしばらくして、だんだんと咳が収まってきた。

 

 荒れた息を整えるために、私は大きく深呼吸して、ひとつの確信を持った。

 

 

 

 うん。憑依ってやつだ、これ。






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