いりす憑依物語   作:ゴミ君

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長文書くぞ(届かぬ想い)


憑依っつったってさ

 やあどうも。私の名前は入巣 京子。らしいよ。喘息のせいでせき止めが手放せない、内気な性格のぼっちだよ。ウサギが好きでネコが嫌いで、実は心の中に狂気を宿しちゃってるミニマムぐうかわ大学生だよ。とてもそうは見えないよね。

 

 

 

 待って、言いたいことはわかる。お前は自分のこともわからないのかー!とか、狂気宿してるとかイタい子かなー?とかね。まあ、聞いてほしい。

 

 私は入巣 京子じゃない。私の名前は

 

 ってあれ、私の名前なんだっけ?私はなんだっけ?

 

 

…まあいいや、私はいりす(仮)。昨日軽く飲んだだけなのに知らないおうちで目覚め、身に余る美少女になった不幸な一般女性だ。私には、何故かこの身体で、この家で生活した記憶がある。洗面所の場所がすぐわかったのはたまたまとしても、喘息を持ってることもせき止めの場所も、私は知らないハズなんだよね。

 いや、わたしはもう長くこの家に住んでるし、ちいさい頃から喘息にかかってたから、不思議なことなんて何も…

 

 

 まただよ。時々思考に割り込む誰か。ちょっと注意したらすぐに消えるけど、また不意に現れる蜃気楼みたいなこれ。

 

 

 これが何か、というか誰なのか。私は知っている。というか…

 

 

 突然、彼女は糸吊りの操り人形のように立ち上がり、ぎこちなく部屋の中をを動き回り始めた。時折何かに抵抗するような身振りをしながら、タンスの中から長いロープを取り出す。彼女はそれを首に回して椅子の上に立ち、ロープの先端を天井に取り付けてあるフックにかけようと

 

 

 

 落ち着きなさい。首なんて吊っても、私は出ていけないの。ね?落ち着こうよ。

 

 

 

 体の自由が帰ってきて、強かに体を床に打ち付ける。あーいたいいたい。もー、せっかく綺麗な肌してるのに痕とか付いたらどうするの。そういうのはカビみたいに落ちないんだから…

 

 

 

 ごほん、今の奇行は私の仕業じゃない。わたしがやったこと、わたしの体、いつ返してくれるの?だーもう!ちょっと大人しくしてて!

 

 

 私はいりす(仮)で、今喋ってた『わたし』は入巣ちゃん。どうやらこの体の元々の主っぽくて、気を抜いたらすぐに首吊りとかで私を体から追い出そうとするすっごく物騒な子だ。こわい。

 

 ってか憑依って体を乗っ取る感じじゃないの?元の人格残っちゃってるじゃん。だめじゃん。どうしてくれんだよちくしょめ。

 

 

 ごほんごほん、私が入巣ちゃんの事情を知ってた理由は単純、入巣ちゃんの記憶を見せてもらったからだ。勝手に失礼とは思ったけど、日記を覗こうとしたら体が動かなくなって、驚く間もくれずに入巣ちゃんがそれは見ちゃダメって大声で叫んだのが初接触。

 

 

 そして、内なる自分との対話––––––とか、カッコつけられたらよかったんだけど、現実は私を追い出そうと大暴れする入巣ちゃんをひたすらなだめて、やっと落ち着いたと思ったらまたせきがぶり返してきて…なんてことを長々とする羽目に。

 挙句、入巣ちゃんは暴れ疲れて寝るときたもんだ。さすがに起きたときには冷静になってくれたから話せたけどね。

 

 

 

 

 ちなみに狂気うんぬんは私の私見である。ふつう首吊って人格追い出そうとかしないでしょ。こわい。

 




いりす症候群!:パソコンでダウンロードできる。赤青黄色ほか多色の落ちてくる四角三角の「なんか」を消すパズルゲーム。同色同士をぶつけると消える。ゲームオーバーになるたびにゲーム内のストーリーが進行していくが、5回までに高得点を取らないとバッドエンドになる。とりあえずやってみて訳も分からないうちにかわいい女の子が画面に出てくるまでがテンプレ。

作者の最高得点は10万ちょい。


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