「じゃあ、朝練行ってくるから。」
俺はいつも弓道部の朝練があるのでイリヤよりもはやく家を出る。
弓道部も大会とか近いから冬木の虎がいつも以上に張り切って、正直対処がめんどくさい時期でもある。
「はい、気をつけて行ってらっしゃい。あ、それからシロウ、今日帰った後イリヤさんと一緒にお話したいことがあるので、よろしくお願いしますね。」
「?珍しいな、了解、今日の担当はセラだったよな?」
「今日どころか本来全て私の仕事です!」
「はいはい…じゃあ行ってきます。」
(セラからの話ってなんだろう…まさか家事は私が全てやるので、あなたは勉強に専念してくださいとか言うんじゃないだろうな、まぁでもイリヤも話があるらしいし流石にないか…いやーでもなぁ…あのセラだもんなぁ…)
こんなことを考えつつ穂群原学園の弓道場へと向かう
「あ、おはようございます!先輩!」
「おはよう桜、俺よりも来るの早いなんて相当気合が入ってるんじゃないか?」
「それはそうですよ!大会の代表選手の1人に選ばれたわけですから、頑張らないと!一緒に頑張りましょうね!先輩!」
後輩と話をしつつ弓の準備などをしていると部員がぞろぞろと集まり朝練が始まった。
射場へ向かう、心を落ち着かせ無にする、目指すは約30メートル先の黒白の的、
的を見据え深く呼吸をする、そして流れに乗るように弦を引き的《敵》を狙う。
衛宮士郎は弓道が上手いことで有名であり、意図的に外した以外は全て的に当ててきた。そんな上手な人が今から矢を放とうとしているのだ。気にならないわけがない。彼の射型はまるで無駄がなくまるで:”彼自身が弓であるが如く”…
だが今日はいつもと明らかに違った。
彼は”本当の敵”を狙うかのように弦に力だけでなく殺気をも乗せていた。
周りの人達はあまりの空気に少しばかり恐怖さえ感じていた。
「はっ!」
勢いよく矢を放ちすぐさま残心へ、放たれた矢は乱れることなくすぐさま的のど真ん中へ、的に当たった激しい音により周りの人達はようやく我に帰ることが出来た。そのくらい凄まじいものだったのだ。
「…さ、流石です先輩、いつ見ても完璧です。」
「桜だって射型綺麗じゃないか、俺は見よう見まねでやってるだけだからさ。」
「おいおい衛宮、見よう見まねで出来たら誰も苦労しないよ。それともなんだ?『俺は見ただけで出来る。お前らとは違ってな。』とか言いたいのかこのやろ。」
「そんなこと思ったこともないぞ…第一、俺に勝ったことあるだろ美綴。」
「あれ衛宮が手加減したこと知ってるからな!今度また勝負してもらうからな!」
こうして弓道部の朝練は終わり、普段通りに授業をこなし家に帰った。
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「イリヤさん、そろそろ起きてください。遅刻しちゃいますよ。」
「…ん、あと、5分……」
「呑気なこと言ってないではやく起きてください!」
「は、はいーー!」
最近、黒化英雄と戦ったり、お兄ちゃんが魔術関係者って知ったり、リンさんとルヴィアさんの仲裁したりと色々疲れが溜まってるんだから、もう少し寝かせてくれてもいいじゃない。っと思う存分愚痴を言いたいのだがここは我慢する。
「…セラーちなみに今何時ー?」
(学校は8時半までに着けば遅刻ではない。私の体内時計はおそらく7時半、
ふっ、余裕だわ、まさに”常に優雅たれ”だわ…あれ、どっかで聞いたなコレ
まぁいいわ何にせよ学校には間に合うはず…)
「8時20分です。」
「………ほぇ?」
「なっ!!!なんですとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
なんでもっとはやく起こさないのセラああああ!」
「何度も起こしたじゃありませんか!」
セラに文句を言いつつ急いで制服に着替え、寝癖もほったらかして家を飛び出した。
「あ!イリヤさん今日お話がっ!……はぁ、まぁ帰ってからでいいですね。」
イリヤがどんだけ足がはやいとは言ってもこのままでは所詮一般人、同い年の子よりも少し足がはやいだけなのでこのままでは遅刻確定なのである。
「ルビー!緊急事態!今すぐ転身して!はやく!」
「もー、ルビーちゃんを加速装置みたいに使うのやめてくれません?まぁ、今回はやってあげますけど、元々イリヤさんが寝坊したのが悪いんですよね。あ、でもそれだったらルビーちゃん転身させる義務ないですね。面白いんでこのままでも…」
「はやくしなさあああああああい!!!」
「イエス、マイ、マスター…」
こうしてイリヤは予鈴前ギリギリで着き、遅刻せずに済みました。
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夕方、衛宮家
「ところでセラ、俺達に話ってなんなんだ。俺だけならともかく、イリヤまでって。」
俺もイリヤもセラとリズがいつもと違い真剣な顔をしている事が引っかかった。
「…単刀直入に聞きます。あなた達は夜中魔術を使いなにかしていますね。」
『えっ!…』
俺とイリヤは動揺を隠せなかった。セラとリズに知られてしまった。いや、それよりもセラの口から魔術という単語が出てきたことで、さらに動揺した。
「イリヤさんが魔術を使えるというのはまだ分かります。ですがシロウ、あなたが魔術を使えるのはどういうことですか。しかもあなたは不完全で特異な魔術を使うようですね。あなたの部屋から魔術の痕跡が見つかるので最初は驚きましたよ。」
セラが話す度にどんどん心を抉られるような感覚がして、とても気分が悪くなった。1番知られたくないことを知られてしまったどころか、一般人では知らないようなことをスラスラと話している。
「…どうして魔術のことを……」
「シロウ、元々アインツベルンは魔術師の家系、私たちはその家に仕えるように”造られた”。でもイリヤのパパとママが魔術よりも家族を優先したから今のこの日常がある。」
「…“聖杯戦争”というものが、かつて魔術師の間で起こっておりました。今でも起きているかもしれませんが…そもそも聖杯戦争とは、魔術師がそれぞれ、”セイバー”、”アーチャー”、”ランサー”、”ライダー”、”キャスター”、”アサシン”、”バーサーカー”という各クラスに分類される英霊をサーヴァントとして召喚し、あらゆる願いを叶える聖杯をかけて戦うというもので、アインツベルンは昔その戦争に参加をしたという記録が残っております。聞き覚えがありますか?」
「聖杯戦争…?私は今初めて聞いたよ。…ってお兄ちゃん?どうかしたの?」
「…最近、夢を見ることが多いんだけど、その夢の内容がまさにその聖杯戦争のことなんだ。夢とは思えないほどリアルで、俺はそこで”セイバー”のマスターだった。学校に結界が張られて生徒全員が衰弱してたり、”令呪”を奪われたり、本当大変な夢だった。」
あれ以来さらに1度の夢で切り替わる場面が多くなっていた。もうこれは既に夢と言えるレベルを超えている、それこそ”平行世界”の俺なのではないかと信じざるを得ないようだった。
「…シロウ、それはもうただの夢ではないのかもしれないですね。実際、聖杯戦争の記録を見たことがありますが、その”令呪”というものは実在します。確か、召喚したサーヴァントに強制的に命令を下せることが出来るもので、1人のマスターにつき、3画付与されるそうです。実在するものが夢として出てくるということは、それはもうただの夢ではないということを示していると思いますが…」
「それから夢の話でもう1つ聞きたいことがあるんだけど、”あの災害”の話、その聖杯戦争の夢と同時期に頻繁に見るものなんだ。あの時まだ小さかったはずだからあまり覚えてないんだ。教えてくれ、あの時一体何があったのかを。」
「それは……」
「待ってセラ、それは私が説明するわ。”母親”としての務めよ。」
とりあえず久々に書いてちょっと楽しかったです。
毎日毎日勉強で、ちょっと精神的にもキツかったですが何とか一段落。
でもまた時間が無くなるかもなので、そこはよろしくお願いしますm(_ _)m