「君は...一体誰だ?」
「?見ての通りお兄ちゃんの可愛い妹のイリヤよ♪イリスフィール・フォン・アインツベルン」
「違う...確かにお前はイリヤそっくりだ、兄の俺でもよく見ないと分からないくらい、でもそれ以前にお前とイリヤは...なんだろう、根本的に違う気がする」
「へぇ...嬉しいわお兄ちゃん、もうそんな所まで分かっちゃうなんて、やっぱりお兄ちゃんは私と同じ”イレギュラー”な存在だから分かっちゃうのかな♪」
今彼女はなんと言った?イレギュラー?俺が?確かに俺は10年前よりさらに前の記憶はないし、家族はなんかどっかの貴族っぽい名前だし、他人のことを放っておけず、手伝っていたらいつの間にか(穂群原のブラウニー)とかいうあだ名が出回っていたり、メイドより家事スキル高いって言われたりしてるけど、そんなんでイレギュラー扱いされるか?
「それで、お前のことはなんて呼べばいいんだ?お前はイリヤじゃないんだろ?」
「んー?そうだな〜ややこしくなっちゃうから今はイリヤでいいよ♪」
「それこそややこしくならないか?...だったら”クロエ”ってどうだ?イリヤと区別するのにはちょうどいいだろ、略して”クロ”でいいか?」
「!!私に名前付けてくれるの!?クロエ...うん!気に入った!ありがとう!お兄ちゃん♪」
「そうか、じゃあクロ、話を戻すけど、イレギュラーってどういう事だ?」
「...今はまだ早いわ、お兄ちゃんは自分がイレギュラーってことに自らの力で気づかなきゃいけないんだから、だから私からは何も言えない...あ、でも名前付けてくれたお礼にこれだけ教えといてあげる♪」
そう言ってクロはこう告げる
「命が惜しいなら、あまりその力を使わない事ね、こうやって止めないと私の大好きなお兄ちゃんが”消えちゃう”からね♪」
わけが分からなかった、俺が消える、いやまず命が惜しいならって惜しいに決まってるだろ、つい先程まで白髪の赤い外套の男に、[護りたいものがあるのなら力を使え]と言われ、俺はその言葉を信じ使っていたというのに、今度は力を使うなと?
「お兄ちゃん?今のあなたはとても不安定、とりあえずこの戦いが終わるまではここで眺めてなさい、私がアレを倒すから、それまであなたの力を貸してねお兄ちゃん♪」
そう言ってクロは俺の頭に手を静かに置いた、その瞬間、なにか頭から抜かれる感覚があった、それからというもの体が全く動かない意識はあるが、糸の切れた人形のように、そこから動くことは出来なかった
「じゃあ、行ってくるね♪お兄ちゃん♪」
その言葉を最後に彼女は消えた、辺りは静寂に包まれた、こう思うと今いる場所はこんなにも寂しい場所なのかと再確認した、その時、再び人の気配を感じ取り、警戒しようとした
「警戒する必要はない、私だ衛宮士郎」
白髪の赤い外套の男、« 無銘の英霊 »であった
「それにしても、これは驚かされたよ、まさか彼女が双子だったとは、これは大変なことになったな衛宮士郎」
「...!.っ...」
なにがと聞き返したかっが声が出ない
「そうか、今の貴様は喋れなかったな、ではそのままその状態で聞いておけ、これはとても重要な事だ」
「貴様は彼女に出会ったことである選択をせねばならない、1つは、貴様がいつも掲げている馬鹿げた理想のような”正義の味方”になること、そしてもう1つは、これまでの全てを否定し、新たに”本当を始める”事だ」
「なに、じきに分かるさ、私の言っている意味に、まぁ今は彼女の戦いを見届けることにしよう、貴様の選択など私には全く関係ないことだからな」
無銘の英霊が話終わった瞬間にある映像が流れた、これはさっきまで戦っていたあの橋だ、つまりこれは今の状況を映し出しているということになる
「...イ.....リ...ヤ.............」
イリヤは未だに戦意を失っていた、二人を守れず、大好きなお兄ちゃんも守れない、美遊も必死に戦って、今は目を覚ましてはいるけど立ち上がる気力も無さそうだ、無事なのは私だけなのに戦う勇気が出ない、しかしそんな彼女も奥底ではあいつをなんとかしないとと思い、囁く...
「たお...さなきゃ.....《どうやって?》」
「たお...さなきゃ.....《あなたじゃ無理よ》」
「たお...さなきゃ.....《“私”に代わりなさい》」
その時、何かが、拘束具が外れたように彼女の中でなにかが溢れ出した
「倒さなきゃ...」
「...!イリヤスフィール...!」
美遊も彼女の変わりように思わず名前を呼んでしまう
「夢幻召喚(インストール)」
彼女はいつの間にか持っていたカードを地面に伏せる、その瞬間、地面に魔方陣のようなものが形成され凄まじい魔力で周りが吹き荒れている、瓦礫やら土埃やらで彼女の姿が見えなくなる、しばらくして土埃が晴れると彼女の姿は黒のボディアーマーに赤の外套、漆黒の弓を携え立っていた、そして彼女はこう言うのだ
「体は剣で出来ている《I am the bone of my sword》」
次も頑張ります(^∇^)