8/10 行とプロフィールに少し変更。我ながらしょうもない
あの日、最後の最後までどうしようもなかったクソ野郎がいなくなって、俺は歳には似合わない血と火薬の映画にありそうな表現がぴったりな匂いの中、泥だらけのまま、屍と、そして今にも屍に成り果てんとする、短い付き合いながら気の許せる、言うなら友とすら呼べたかもしれない皆の悲鳴と怒声の中、無謀とも呼べる突撃に乗り出した。
それから時は経ち、ゆうに70年は経っているだろう。
今、俺はあるライブハウスでバイトとして働いている。
勿論、平凡な大学生だ。特に話すべきことなど絶対にないと断言できてしまうほどに。
それでも、なにか話すとなると、まぁ、所謂自分の前世を知ってるとかいうテレビでやってるやつの類いだ。
ただ、質の悪いことに、その記憶はよくある数年後に取材にまた訪れるとその子は前世を語らなくなり、綺麗さっぱり忘れている。という比較的霊的にも理にかなった結論にはいまだ辿り着けず、幼少期を過ぎて尚も消え去ってはくれず、19の俺の中にまるで最初からいたと言わんばかりに居座ってしまっているのが前世の俺、第二次大戦を生き延びた元米陸軍第1歩兵師団所属、エドワード・バーダー。
まぁ、実際には第1歩兵師団ではあるが、一次大戦には参加していない。参加したのは1944年の3月17日。当時19歳。イカれてるとは我ながら?に思ってしまう。
それでも、初陣は第1歩兵師団ではなく、第9歩兵師団として、カセリーヌ峠だった。ドイツが少しでもあそこから侵攻していたら初陣であえなく死ぬ所だった。
意外にもその後からツケはつき始めた。
「おー、相変わらず頑張ってるねー。なんにでも頑張ってできる男の人はポイント高いと思うよ!」
従業員専用扉から労ってるのか口説いているのかよくわからない声かけをしながら姿を現したのは、俺を雇ってくれた月島まりなさん。よくわからない人。率直な印象はこんなものだったが、仕事にはしっかりと取り組むタイプの人で、今では尊敬の念すら彼女には抱えている。
まりな「あっ、そうそう、そろそろRoseliaのみんながでてくるから、鍵を受け取って、次はいつ来るかの予約確認もお願い。」
さらっと次の仕事を俺に与えてくるまりなさん。使われてる感が否めないが、俺はその仕事を受ける意を示す返事を返す。
「はい。わかりました。こっちももうじき終わりますんで、すぐに変われます。」
そう言うのを狙っていたかの如く、このライブハウスを利用するガールズバンドの一つ、Roseliaの面々がわいわい話しながらでてくる。
「ありがとうございました。今日も遅くまですいません。」
「あぁ、お疲れ様。気にすることないよ。そんなことより、気を付けて帰りなよ。」
こういうと意外にも素直に5人のメンバー全員が返事を返してくれる。
「はい、ありがとうございます。」
「うん!大丈夫だよ!」
「いつも…その、ありがとうございます。」
「うん、ありがとねー。」
「わかってるわ。悪いわね、いつも。」
丁寧な口調で返事をしながら俺に練習部屋の鍵を渡してきた彼女は、Roseliaでギターを担う氷川紗夜。彼女の名、氷川にはなにかと古い縁のようなものを感じている。
「それで、今週末は練習に来れないのね、紗夜?」
紗夜が確認をとらねばならない練習不参加をするなど、珍しいこともあるものだ。
紗夜「ええ、そうです。すみません、湊さん。」
紗夜が確認に頷いた相手は、Roseliaでボーカル担当であり、プロにも認められる本格派バンドを束ねる湊友希那だ。
「なんかあんの?」
俺も気にならないと言えば嘘になるのだ。
紗夜「ええ、週末に祖母のお墓参りに。」
なるほど。もうそんな時期だったか。結局一度も大戦の仲間たちに会いに行っていないことをここで突き刺さるほど思い知らされるとは。その時、何気なく思い出した疑問を紗夜にぶつけてみる。
「なぁ、紗夜。失礼なのは重々承知な質問なんだけどさ、君のじいさんの歳と名前、教えてもらっていい?」
紗夜は少々よくわからないといった顔をしたが、すぐに答えてくれた。
紗夜「あっ、ええと、はい。歳は80で、氷川博信といいます。」
まさかのビンゴだ。この奇縁には乗っかるべきだろう。
「なぁ、紗夜。もう一つ頼まれてくれるか?」
紗夜「?なんでしょう?」
「俺をさ、その墓参りに同行させてくれないかな?」
プロフィール
名前 鷹住 劉磨 (たかすみ りゅうま)
誕生日 4月23日
血液型 AB
星座 牡牛座
身長 181cm
好きなもの ガム、うどん
嫌いなもの にんじん、ピーマン (エドワードが嫌いだったのを引き継ぐ形で嫌っているが、エドワードが嫌ったものはにんじんのみ。ピーマンは彼自身が嫌っている)
こんな感じの人。