老練少年兵と氷川さん   作:ちりめ

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クソ遅更新くんはマジでやめて、どうぞ


起床

ビーチを制圧して、はや四日が過ぎた。俺達が最後にバンカーを奪ったのとほぼ同時に、敵の対空砲が設置されている市街に攻撃を開始し、連合軍の意地を見せたかいあって、ドイツはほぼ完全に撤退し、残党は虚しい抵抗を繰り返しながら後退の一途を辿った

 

犠牲はつくものだ。ただ、本当に実感できるのは自分がその礎になる時か、目の前で知らない誰かがそれになることか、バカが吹っ飛ばされるときかだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからよ、なんで会ったこともない神が凄いってわかるんだよってことだ!」

 

「……なら、お前は童貞がセックスが快感をもたらすことを知ってる理由がわかるか?」

 

「…わかんねぇ」

 

「だろうな、俺もわからん。それと同じだろ。というか、この話、全く筋が通ってないんだがな」

 

「屁理屈を正当化するのはお前の十八番だな」

 

「誉めるなよ、殺すぞ」

 

「どっちだよ」

 

ノルマンディー作戦と名付けられた大規模上陸進攻作戦の終了からはや四日目にして、俺達はフランスの端で、根城と侵略者の準備に、そうそうに勤しんで、もとい、急かされていた

 

「死者を嘆く暇も与えないなんて、最高だな」

 

「まだ気にしてんのか、ウォーレンのこと」

 

「ふん」

 

「話振ったのお前だろ」

 

「その通りだ」

 

指示された木箱を運搬車輌のそばに置き、その上に体を放って話し込む俺たちを、時折通るお偉方が、睨み付けて行くが、既に二ヶ所の戦術的要所の突破口として、それなりの実績がある相手を咎めるのは士気に関わるということで、ある程度は黙認されているが、やはりいい扱いはされない

 

「腰抜けどもめ、そんな安い士気で勝とうなどというのがな」

 

「おいおい、落ち着けよ、カセリーヌ野郎」

 

「黙れよ、無心論者もどき」

 

「そういうなよ、テキサスにキレイゴトは通じねぇんだから」

 

「エドワード上等兵はテキサス出身だ」

 

「…悪かったって」

 

「屁理屈な俺にどーも」

 

その時、アントンが気になる人影を見つけたのか、視線と姿勢が前に寄る

 

「?なんだ、あいつら、こっちに仲良く歩いてきてやがるぞ」

 

「お前あれが仲良しに見えんのか」

 

そうこう話すうちにその二人組が俺たちの前に止まる

 

「第一歩兵師団、次の任務を与える。ついてこい」

 

苛立ちが少し表情に出始めた俺に対して、指揮官の二人(正しくは作戦司令部のお使い野郎ども)が、呼び出しをしにご足労くださったようだ

 

四人一列で会話もなく、周りの喧騒を無視して歩く

そんな沈黙の中、一人のお使いが口を開く

 

「寝ぼけているのか、お前?」

 

「どういう了見でそんな

 

 

 

「鷹さーん!」

 

「ぶっ!」

 

ひどい夢にひどい現実、やってらんないな。頭からのタックル、いかん、スポーツなら大怪我に繋がりかねん。だが、不幸中の幸いだろう、日菜は大分軽いのだ

 

「あっ、起きたー?」

 

「おかげさまで、お嬢様」

 

「そっかー、ありがとー!」

 

俺の嫌味を華麗にスルーして、日菜がそのままの礼を述べる。そうじゃねぇよ

 

「……ついたの?」

 

「いんやー、お姉ちゃん、今リサちーと一緒にRoseliaのほうに行っちゃったの」

 

「ああ、そう」

 

「反応、悪いね?」

 

「寝起きだし」

 

「だよねー」

 

「頭回んねーわ」

 

「目の焦点あってないねー」

 

「あわせてねーんだよ、OK?」

 

「ノー!ねぇねぇねぇ、話そうよ~、ねぇってば」

 

そう言いながら、ぐいぐい来る日菜

現役JKかつアイドルだろ、お前は

 

「わかったわかった、俺の負けだ、負け」

 

「え?ほんと?やったー!じゃあさじゃあさ、好みのタイプ教えて!」

 

「ませガキだな、お前」

 

「いーじゃん、減るもんじゃないしさ!」

 

「……社交的な人かな」

 

それなりに無難な返事ではあると思う。個人的には

 

「好き」の定義にもよるが、多分この返事に当てはまる人は俺の中でもかなり多い。つまり日菜もそういう風になる。それなら、表面的な部分で言えば、香澄にたえ、沙綾に…有咲?うん、まぁな。それに、巴、つぐみ、モカ、ひまり、彩、千聖、勿論日菜、イヴ、リサ、あこと、かなり好きな人が多いことになる

 

今度は意外と幸せかもな

 

「アタシはねー、鷹さんみたいな人!」

 

「…聞いてない」

 

「えー、なんか反応しようよー!」

 

「してるだろ、聞いてないって」

 

「そーいうのじゃないってばー、アタシ、鷹さんみたいな人って言ったんだよ?」

 

「うん」

 

「ねー、それ本気?」

 

「ヤな趣味だとは思うけどね」

 

日菜は将来、結婚できるか心配だ

個人的な憂いではあるが

 

「……バカ…」

 

「あっ、紗夜戻ってきた」

 

「……ほんとに、バカ…」

 

「起きてたんで…どうしたんですか?」

 

戻ってくるなり、日菜の不機嫌振りに気付いたようで、少し不思議そうにしながら事情を聞いてくる

 

「お姉ちゃんにも言えないからいーの」

 

「…本当になにがあったんですか、というより、日菜になにかしたんですか?」

 

「なんにもしてないよ」

 

ここまで追求されるとつらい。………なにもしてないよ

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