ひどい顔だ。
そうとしか思えない歪んだ顔が、粗末な小屋にそぐわない妙に小綺麗な鏡に映っていた。
この鏡はかつて妻に贈った思い出の品であり、形見でもある。そんな大事な鏡に映るのがこんな顔をした自分であることが腹立たしい。
数日前、私は聖域に別人として帰還した。白銀聖闘士エリダヌスのリュサンドロスは死に、その弟子であった自分が師の今際の際にエリダヌス星座を受け継いだと、そう報告したのだ。
通常聖闘士としての資格付与や聖衣の譲渡については、師である聖闘士が教皇にお伺いを立て、許可を得てから行われる。それに私ことリュサンドロスは後輩聖闘士達の面倒は見ても特定の弟子を持つことは無かったため、当然色々聞かれたし疑われた。どちらかというと腹芸など不得意で嘘が下手な私としては苦労したが、その辺はムウ殿が一緒に真実を織り交ぜた作り話を考えてくれたので、一応は信じてもらえたようでほっとした。
しかし信じてもらえたからといって、認められたわけでは無い。私が聖衣を纏えていることからエリダヌス星座の適性があることは認められたが、呪われ力を封印された今の私では、白銀としては実力不足だとみなされたらしい。まあ、当然だろう。
そのため現在私は相応の実力を身に着けるまで、という名目で聖闘士資格を一時剥奪されている。
しかしそんなことよりもなによりも、私の気を重くしている原因がある。それは……。
『貴様のような者が父の後継などと、俺は絶対に認めん!!』
「ぐうぅぅ!!!!」
思い出した瞬間胸を押さえて蹲った。体的には何もないが、心的には致命傷である。今の私は虫の息だ。むしろ私なんて虫だ。虫の域だ。ミジンコになりたい。あれミジンコは虫だったか? いや今そんな事はどうでもいいが。
……思い出すたびにこれなので、ここ数日気分は積尸気と現世の狭間をさ迷っている。
教皇への報告を行う際に、エリダヌスの聖衣を身に着けて現れた私を見て息子をはじめとした数名が謁見の場に同席した。その時私の報告を聞くなり、息子が物凄い勢いで近づいてきたかと思えば先ほど思い出していた言葉を私に叩きつけてきたのだ。事情を話していないため私を父だとは知らないのだから仕方が無いが、彼に強く掴まれた肩が痛い。おそらく手の形に痣が残っている事だろう。
だがそんな痛みよりも、言葉の方がもっと痛かった。
今まで親愛の情が宿っていた瞳に、憎悪のようなものすら浮かべられたのが辛かった。
……やはり私は、まだ未熟だな。自分で決めたことだというのに。
これから私は来たるべきに備え、存在感を薄くして活動する。リュサンドロスというある程度実績を積んだ古参聖闘士としてではなく、未熟なその弟子として。そうすることでシオン様とサガが入れ替わったことにより生じていた私の教皇への不信感を感じさせる行動も一度リセットされ、今後動きやすくなるだろう。……頭では分かっていても、端々から態度が出てしまっていたのかサガに時々探るような視線を仮面越しに向けられていたからな。場合によってはアイオロス殿のように罪をかぶせられ抹殺される可能性もある。次期教皇候補であり人望厚かった彼が貶められたのだ。私などサガの一言で容易く疑われ、葬られる事だろう。
そのため今回、ムウ殿が半ば冗談で言った「別人として帰還してはどうか」という案を採用したのだ。
これは万全を期すため最愛の息子をも謀ることになるが、それが息子の生存へとつながる布石になるのならば私はいくら恨まれようとかまわない。かまわない、ああ構わないとも。本当はせめて息子には話したかったが、話すことで彼の心の荷がひとつ下りるだろうことも知っていたが、しかし今後の流れを変えないために時が来るまで事実を知る者の数は最小限にしようと話し合いで決まってしまったからな。特に息子も物語にとって重要な立ち位置にいるから、おいそれと話せないのも理解している。私だって納得したさ。ああ、それにしても妻が名前を付けた時にまさかとは思ったが本当にあの子があの男となるとは不覚。余計に動き出すのが遅かった自分の愚かさが呪わしく思えてくる。けして死なせなどしないが、おそらくずいぶん危険な目に遭わせることになるだろう。愛する者のために動くと決めたというのに、その愛する者をも危険にさらさねばならないとは……! 本当に私は愚か者だ。もっと賢かったらよかったのに。
……などと色々思うところがないわけではないが、そもそもの発案者が私なのだから私のわがままで計画に支障をきたす可能性は出してはならない。ならないのだ。色々と心の中で矛盾と葛藤が荒れ狂っているが、頭ではなんとか納得したのだ。
けど……! だけど、なぁ!!
愛する息子に嫌われて悲しいって感情が消えるわけではないんだよぉ!!
わああああああ! 嫌われた!! 別人だと思われてるとはいえ、あの子に嫌われたぁぁぁぁ!!!!
「あああああ! すまない、すまないぃぃぃぃ!! 不甲斐ない父を許してくれ!! でも私だって寂しいんだ!! いつも私を慕ってくれたあの子が! 真面目で勤勉で優しくて言葉は少ないけど時々はにかむように笑う顔が本当に可愛くて本当に私の息子か? 天使か? ってくらい可愛いあの子が!! 蔑むような瞳で私を見る日が来るなんて!! 睨まれたのとか初めてだぞ! ツライ! 助けてくれアナスタシア! 寂しさとやるせなさで死にそうだ!! 私はどうすればいい!! わあああああ!!」
思わず頭を抱えて小屋の床を転がる。とんだ醜態だが、今ここには誰も居ないのだから問題ない。
どうにも朧げな記憶をかき集めるために前世の自分を意識しだして、前の性格にひっぱられたのか。それとも女になったからなのか。以前に比べて感情の抑制が出来ていない気がする。
昔から私は目つきが悪く表情筋が硬かったため鉄面皮などと言われていた。それは不本意だったが、同時に冷静で思慮深いなんて評価もされていた。だが今の私の様子を見てその評価を叩き出す者は居ないだろう。あの私は何処へ行ったのだ。股間のもうひとりの私と共に去ってしまったのか。
正直昔は生きる事すら億劫であまり感情が動かなかっただけだから、もしかすると今の私の方が本来の私なのかもしれんが……この醜態を考えるに、喜ばしい事ではない。逆に自分の駄目さが際立って羞恥心が凄い。恥かしい。息子だって頼もしい父を慕ってくれていたはずだ。もし元の姿に戻れたとしても、こんな姿を見せる事になってしまってはどちらにしろ嫌われるのでは……!? ああ! 私はどうすればよいのだ!! 見た目だけでなく中身まで変わりつつあるなどと、私はいったい何者だ!!
しかし考えたところで感情の制御はままならず、私はそのまま気がすむまで嘆き続けた。ここ数日間の日常である。
が、しかし。今日のその醜態は、思いがけない"変化"によって終わりを迎える。
「……え?」
突然、下腹部と下半身になにやらドロリとした感覚を覚えた。気のせいだと思い込もうとするも、下半身の衣服が湿り気を帯びたせいでそれは不可能だった。
私は恐る恐る、下穿きの中を確認する。
声にならない悲鳴があがった。
++++++++++++++
「おい、あんた。訓練にも出ないで何してるんだい! 遅刻だよ!!」
その日
シャイナに言い渡された任務……とも言えないそれは、一人の白銀聖闘士の修業の手伝いをする事。
何故同じ白銀聖闘士であるはずの相手の面倒を見るような真似をしなければならないのか。それはその白銀聖闘士が、正しくは白銀聖闘士になる素質は有しつつも実力不足の未熟者だからだ。それこそつい最近若くして白銀聖闘士の資格を得たシャイナよりも。
数日前エリダヌス星座の聖衣を纏って聖域に足を踏み入れたその者は、前任者であるエリダヌス星座の聖闘士の死と、その死した聖闘士……師であるリュサンドロスに聖衣を授けられエリダヌス星座を受け継いだと言った。
リュサンドロスは彼が自ら行っていた聖闘士や聖闘士候補生の指導及び補助という役割に加え、黄金に匹敵する実力者であるとすら言われていた古参聖闘士だ。白銀聖闘士の中には彼のように黄金に近い実力と呼ばれる者が他にもいるが、その者はまだ年若い。ゆえに彼の存在は貴重と言えた。
そのためその報告は、少なからず聖域に衝撃を与えたのである。
何故かリュサンドロスによって弟子であるはずの"彼女"の存在はそれまで聖域に報告されていなかったが、間違いなくエリダヌス星座の聖衣は彼女を主と定めていた。が、その実力はと言えば前任と比べるのもおこがましい。何故そんな者がエリダヌスの後継者として選ばれたのか、リュサンドロスの死についての情報含め報告の際にはずいぶん長いこと質問されたと聞いた。
しかしシャイナにとってそんな事はどうでもいい。問題はその新しい白銀(といっても実力不足で一時的に資格は無いものとされている)との訓練を自分が言い渡されてしまったことだ。他の数少ない白銀聖闘士は任務で忙しく、白銀聖闘士になったとはいえ未だ年若く経験の少ないシャイナは現在は聖域にて更なる研鑽をし実力を高めるのが役目。そんな彼女が訓練相手に選ばれたのは妥当と言えば妥当だが、ならば青銅の誰かか候補生に相手をさせればいいではないか、というのが本音である。早々に白銀たる実力をつけさせるためだと理解はするが、それでも面倒だという思いは消えない。シャイナとて白銀に相応しい実力を身に着けようと必死なのだ。格下相手を育ててやるような心の余裕など無い。
が、命令は命令だ。やらねばなるまい。
そう思って本心を押し込めてその任務を受けたシャイナであったが……腹立たしい事に、今日はいつまで経ってもあの未熟者は訓練に顔を出さない。そしてついに音を上げたのかと苛立ちのままにシャイナは彼女に与えられた小屋に訪れたわけだが……。
「………………」
「しゃ、いな……?」
勢いよく扉をあけ放った先で、死人もかくやというほど真っ白に血の気の失せた顔で助けを求めるような視線を向けられ言葉を失った。何事かとよくよく観察すれば、見れば腹をかかえて蹲った体勢の彼女の下半身、短い下穿きの隙間から太ももをつたって血が流れているのが見えた。狭い小屋の中にも生々しい血の臭いが充満しており、思わずシャイナは動きを止める。
しかし自身はまだ迎えていないモノとはいえ、それが何かはすぐに理解した。表に出すまいとするも、それに苦しむ先輩女聖闘士を幾度となく見てきたからだ。「女を捨てたとはいえ、体が女であることは捨てられない。いずれ経験することだから、あんたも早いうちに知っておきな」とシャイナ自身も色々教わった。
が、見るにこの馬鹿者はまったく"それ"に対する対処法を……処理する方法すら知らないらしい。
「私、死ぬ? 死ぬのか……?」
「馬鹿なのかい!? 死なないよ! ただの生理だ! わたしより年上のくせに何やってんのさ!」
そうだ。相手はまだ十にも満たないシャイナよりも年上なのだ。そんな相手から未経験の事で助けを求められても困る。
「いや、知ってる……。知っているのだが、こんなに苦しいものだとは……それに生理用品は、何使えばいいのか、さっぱり……。だ、ダメもとできくが、な、ナプキンとか、聖域に無いよな……?」
「無いよそんな上等なもんは! ああ、もう、何も知らないのかい!」
「す、すまない」
「……しょうがないね。今回だけだよ! 下半身にまく布は探してきてやるから、汚れの処理と痛みは気合でどうにかしな!」
「助かる……」
絞り出すような声で言われてはシャイナとしてもそれ以上何も言えず、仕方がなく目当てのものを手に入れるため年上の女聖闘士や聖闘士候補生のもとへ向かった。
その後、この時のことがきっかけなのか何かとエリダヌスのリューゼに女性特有の類の相談を持ち掛けられるとは、この時のシャイナは知るべくもない。
+++++++++++
生理痛きっつい。
その一言に尽きた。
まさか呪いを受けた弊害がこんなところでも発生するとは……。シャイナが来てくれて助かった。幼い彼女に助けを求めるのは情けなかったが、うろたえることなく私を叱責し面倒を見てくれた彼女は頼もしかった。将来が楽しみだ。
いやしかし、凄いな女性は。毎月こんな痛みと戦っているのか。大げさかもしれんが、内臓でも引っ張り出されてるのかと思ったんだが。生理痛でこれなら子供を産むときの苦しみはどれほどのものか想像も出来ん。改めて我が子を産んでくれた妻や、女聖闘士達への尊敬を抱く。……彼女たちは、私などよりよっぽど強いではないか。
貧血で目の前が真っ暗になる経験というのも初めてだな……。任務でいくら怪我で血を流そうと気絶などしたことは無かったというのに。痛み止めの薬草を這う這うの体で調合してなんとか事なきを得たが、毎回こうでは敵わん。今回は初めて経験する痛みという事もあってうろたえたが、聖闘士としてシャイナが言うように気合で我慢くらい出来るようにならねば。少なくとも呪いが解けるまでの間、付き合っていかねばならない問題だ。
「それにしても、少しぞっとするな」
思わず口をついて出た言葉は本心だ。
呪われて性別が変わった体に、生理が来た。つまりこの体は子供を産めるということだ。女性への尊敬の念が強まったとはいえ、それとこれとは別問題である。……あるわけが無いが、自分が子供を産むなどと想像しただけで血の気が下がる。
そして今回の件で、息子には元の姿に戻るまで絶対に正体を明かすまいと固く心に誓った。
絶対に、絶対にだ!! 絶対に元の姿に戻るまで言わん!! というか言えん!! それまで息子にどんなに恨まれても蔑まれてもかまわん! 父が女になってしまったなどという衝撃、あの子に与えるくらいなら!! その程度いくらでも我慢するわ!!
しかしそうとなれば、今の姿でも認めてもらえるよう修業しなければ。戦士として最低限の体と経験による小手先の器用さでジャミールにたどり着ける程度の強さは持ち合わせているが、それでは足りない。十三年後に未来をつかみ取るための実力としては、もっと足りない。このままでは駄目だ。強さを取り戻さねば。
そして目立たない程度に実績を積み、最低限でいいから認めてもらうのだ! 今の私がお前の父の後継に相応しい者であると!! ずっと嫌われるのは流石に私が辛すぎる!!
この日より決意をより固めた私は修行と共に今までの私が行ってきた聖闘士達へのフォローを自身への課題とするのだが、その結果便利扱いされ「尻ぬぐいのエリダヌス」などと呼ばれるようになることを知らない。
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父は尊敬すべき男であり、自分の目標だった。
自我が芽生え始めたばかりの幼少期は、何故父はずっと自分と母のそばに居てくれないのだと憤りを覚えたこともあった。自分たちが暮らすスペインに父が訪れるのは、月に一度がせいぜいだったからだ。
が、そのたびに母は父の使命について話してくれた。
聖域。アテナの聖闘士。守るべき地上の平和。まるでおとぎ話のような内容だったが、時々訪れる父の立派な体躯と勇ましさはまさに伝説の中に存在する英雄のようで、その話を疑った事は無い。それどころか心の中で「いずれ自分も父と共に戦うのだ」という想いが芽吹き、育っていった。
やがて時が流れ、母が流行り病で亡くなった。父はそれまで時折浮かべるほほ笑み以外に表情を変えたことがなかったが、その時の天を、地を引き裂かんばかりの慟哭は強く記憶に焼き付くほどに強烈で。いかに父が母を愛していたのか思い知ったものだ。
しかし母の死は悲しかったものの、自分の強い希望によって父に連れられ聖域へと足を踏み入れた時は誇らしかった。これで自分も父と共に戦える者になれるのだと。
そして父に心配されるほど休む間もなく研鑽を続けた結果、自分と年が近い者達と共に一つの高みを手に入れた。地位だけで言えば、父以上の。しかしそれにおごる事などあり得ない。責任ある立場を得たからこそ、今まで以上の鍛錬が求められるのだ。
目標とすべきものに、実力の近い同世代。聖闘士としての才能を開花させるのに恵まれた環境だったのだろう。更にそこに責任が加わった。
このころからだろうか。自身の実力を更に研ぎ澄ませるべく、盲目的とすら言えるほど力というものに執着しだしたのは。
ある時、父と同じくらい尊敬していた一人の男を抹殺する命令が下された。迷いが無かったわけでは無い。後悔を抱かなかったわけではない。しかしそれを上回ったのは、尊敬していたからこそ反転した感情だ。何故あなたがそのような事をしたという怒りが、心を塗りつぶした。
そして今回も。
「父さん、何故貴方はあのような惰弱な者に後を託したのだ……。本当に貴方は死んだのか……?」
父の後継だと言って名乗り出た者は、父と比べるべくもなく弱い女だった。それだけなら自身もここまで怒りを抱かなかっただろう。しかし思わず激高した自分の怒りを受けて情けなくも顔を引きつらせた姿には、衝動的ではなく心の根本的な部分から怒りがわいた。それは目の前の女に対してもそうであったし、その女に後を託し勝手に死んでしまった父に対してもだ。
女聖闘士は顔全体を覆う仮面をつけるのが通常だが、何故だかあの女は口元だけ除く半端な仮面を身に着けていた。それだけに、恐怖にひきつった口元がよく見えた。
実力差や立場の差を考えれば、当然だろうという者がほとんどだろう。自分とて他の白銀の後継だというなら、その弱さに苛立ちを覚えはしても苛烈に怒りをぶつける事などしなかった。
だが!!
父の、あれほど強かった父の聖衣を纏うのがあのような弱者であることは到底許容できない!!
おそらくこれからも顔を合わせるたびにあの女に怒りを抱くだろう。
「ずいぶんと苛立っているようだね。気持ちを理解できなくはないが、君らしくもない」
「……アフロディーテか」
声をかけられて初めて気づくという失態に思わず舌打ちしそうになるが、指摘された事を裏付けるようで直前で思いとどまり首を横に振った。そして気を落ち着けるように、一度深く呼吸をする。
「リュサンドロス殿のことは残念だったとは思うが、彼を倒すほどの相手だったんだ。聖衣が無事に戻ってきただけでもよかったんじゃないか? たとえ息子の君ですらあずかり知らない、弱い弟子が持ってきたものであってもね」
「……俺の気を逆なでして、何が言いたい?」
「別に、そんなつもりはないんだが」
肩をすくめる女のように整った顔をした男は、次いで妖艶な、しかし確固たる意志の宿った強い瞳を向けてくる。
「まあ、あえて言わせてもらうなら……しっかりしろ、カプリコーンのシュラ。私の接近にここまで気づかなかった君に、はっきり言って私の下の宮を任せてはおけない。カミュは確か今……アイザックだったか? 弟子を取ってその修業のために不在だ。つまり宝瓶宮を除き私のすぐ下の宮を守護すべきはシュラ、君だよ。少しくらい活を入れさせてもらっても構わないだろう?」
痛い所をつかれたものだと、自嘲する。
「初めからそう言えばいいものを」
「それは悪い事をしたね。……では、私は自分の宮へ戻らせてもらう」
「わざわざご苦労な事だ」
皮肉気に言うが、目の前の男は気にした風もなく涼し気な表情で去って行く。それを見ると今の自分がひどく滑稽に思えた。
「……父さん。貴方の分まで、貴方以上に俺は強くなろう。必ず」
強く、強く。
迷いや疑念を抱くような、弱い自分を強く押さえつけてでも。
Q,何か言い訳はあるか?
A,主人公のTS容姿を考えた時何故かそれが完全に女体化シュラだった(この後エクスカリバーで両断の刑に処される
過去編挟んだら思ったより早く息子が出せました