異世界転生した俺が厄神様の厄になっていた件について 作:水無飛沫
ミンミンとセミが鳴いている。
季節は夏。
このテントにも例外なく熱気は注ぎ込み、
まるでサウナのようになっている。
けれど、この豪邸(イヤミ)の主は、他に行く宛てもなく……。
「ふぅー、それにしても暑いね」
ボロボロのテントでうだりながら、少女がつぶやく。
「夏だしねー、シカタナイネー。
いやー、アツイネー」
そう言いながら、俺は少女の方をちらっと盗み見る。
くくく、暑いのならば脱げばいい。
どうせここには俺たち以外いないのだから……。
「早く夜にならないかな……。お腹すいたよ」
暑い時間帯は、こうしてテントで休み、
暗くなると徘徊して食料を探す。
それが彼女の夏のライフスタイルであるらしい。
冬は反対の行動を取るらしいが、それはきっとまた別の話だ。
冬は冬で、彼女に纏わりついて温めてあげる妄想をしていると、
ふと彼女が首をかしげる。
「……なんだか最近君の力が徐々に大きくなってる気がするんだけど」
あー、そう言われればそんな気もする。
というか、厄(俺)を流していないのだから、どんどん集まって密になっていくのは当たり前のことなんだけど……。
まぁ、俺の力が大きくなれば、実体化だったりなんだったりと、やれることが増えるのだ。
むしろ都合がいい。
(ということはやはり、現状では雛よりも紫苑に対して厄が流れ込んでいる……?)
ふむ、これはやはり憂慮するべき事態なのだろうか……。
「暑い……脱いじゃおうかな」
その一言で、考えに耽っていた俺の思考回路がショートする。
紫苑がボロボロのトレーナーをたくしあげる。
「ちょっと紫苑さん!!
これは全年齢向けの小説なんですよ!!」
据え膳喰わぬは武士の恥。ならば、据え膳になる前に止めねばならぬ。
いや、紫苑ちゃんがどうしてもって言うなら話は変わってくるけど。
え? そうなの? やっちゃっていいの?
苦節20話目にして、ついに濡れ場? こんなに簡単に努力が報われちゃっていいの??
あ、先述の通り、この後の展開は対象年齢が絞られてくるので、続きが気になる方は同人誌を買ってください。
というわけで、
「異世界転生した俺が厄神様の厄になっていた件について」。ここで連載打ち切りです!!!!
敬愛なる読者諸君、俺は、先に行って待ってるぜ!!!!
ひゃっはーーーー!!!!
「全部口に出てる」
妄想への世界へと飛び立とうとしていた俺を、冷たい言葉が刺す。
紫苑はあわあわする俺を睨みつけて、ふんっと鼻を鳴らすと
「何を期待しているのさ。ちゃんと下にも着てるよ」
と言いながら、トレーナーの下に着ていたタンクトップの裾をヒラヒラさせる。
ガッテム!!
ごめんよ。親愛なる読者さま方。
もうしばらく付き合ってもらうことになりそうです。
とはいえ……
「いや、それはそれで正直、目のやり場に困るんだが……」
お世辞にも豊満とは言えない身体だ。
薄汚れた下着から、少女の持つ最後にして唯一の純潔を象徴する綺麗な肌が露出している。
「ガン見しすぎだよ……」
呆れ気味にそう言い放つと、
差し押さえの札を扇状に重ねて、団扇のように扇ぐ。
……なるほど、そんな使い方があったのか。
痩せすぎた身体。
いくら貧乏神とはいえ、その姿は余りにも……。
「ん?」
無邪気な少女が問うてくる。
「誰かに取り憑かないのか?」
思わず、口をついて出る疑問。
「だって……かわいそうじゃないか」
答える少女の瞳が揺れる。
――あぁ、この娘は、あの子と一緒なんだ。
そう、理解した。