まえがき
おまけです。本編が真面目で暗いおはなしだったので、明るい(?)ものを書きたくなりました。本編を壊すかもしれない内容です。これは、本編を読んだあとに読むことを前提に書いており、ネタバレが含まれています。ご注意ください。
映写機が止まり、部屋が明るくなった。 BGM:『かわいい2匹』
ビーバ「ううう……ぐす」
プレリ「ビーバーどの、そんなに泣くことないであります」
ビーバ「だって、ばすのが、ばすのが……」
ばすの「ここにいる」
助 手「ばすのは、ここに居てはいけないのではないですか?」 ※1
はかせ「気にしてはだめなのです。助手」
ビーバ「ばすの、撮影中に本当に倒れそうになるし、心配したッスよ……」
ばすの「おしばい」
プレリ「天才子役だったであります!」
ビーバ「声がかすれるところ、すっごくうまかったッスよ。あとは、無表情の演技がよかったッスねえ。あれのおかげで、笑顔が引き立つッスよ」※2
博&助「親ばかなのです(ハモってる)」
はかせ「子役というか、年齢不詳なのです」
ビーバ「たしかに、ばすのって何歳なんスかね?」
ばすの「ひみつ」
はかせ「なんで隠すのですか? あやしいのです」
プレリ「ばすのは、うまれたばかりであります」
助 手「木だったときの時間が入ってないのです」※3
はかせ「われわれの年齢は……フレンズ化したあとの……する前の…………」
助 手「…………」
ビーバ「わからないッスよね……」
はかせ「そ、そんなことはどうでもいいのです。映画のはなしに戻るのです」
ばすの「いまいちだった」
ビーバ「ばすの、そんなこと言っちゃだめッスよ!」
助 手「正直、いまいちなのです」
プレリ「そんなことないであります!」
はかせ「ベタなうえにかたい、たしかにこれはいまいちなのです」
助 手「しかもバッドエンドですからね」
プレリ「バッドエンドじゃないであります! ちゃんと模型はなおったであります!」※4
ビーバ「まあ、ちょっと悲しいおわりかただったッスね……」
ばすの「みんながんばった」
はかせ「がんばったのはたしかなのです」
助 手「それは、登場人物ですか? それとも、われわれのほうですか?」※5
プレリ「両方であります!」
はかせ「プレーリーはNGだしまくって大変だったのです」
プレリ「監督がなかなかOKだしてくれなかったであります!」
助 手「車輪を転がすところ、なんテイク撮ったのですか?」
ビーバ「何回目なのか、だれもわからなくなるくらい撮ってたッスね……」※6
プレリ「あれはむずかしすぎたであります!」
ばすの「セットこわした」
プレリ「う」
助 手「トンネルの事故のところですね。あのセット、大量の水を使うので、結構お金がかかったらしいですよ」※7
プレリ「めんぼくないであります……」
ビーバ「でもプレーリーさん、最後の方、かっこよかったッスよ。オレっちは、なさけない感じだったッスけど」※8
はかせ「演技はへたでも、存在感だけはあったのです」※9
プレリ「ビーバーどのは、むずかしい繊細な演技、すごかったであります!」
ビーバ「プレーリーさんだって、むずかしいシーン多かったッスよ。 惚れなおすくらい、かっこよかったッス」
プレリ「ビーバーどの……」
はかせ「あー、あー」
ビーバ「ちょ、ちょっとプレーリーさん、そういうのは、ここでは、その……」
はかせ「そういうのは家にかえってやりやがれ、なのです」
ばすの「なかよし」
助 手「はかせの演技もなかなかのものなのです」
はかせ「やめるです。あれはかなり恥ずかしかったのです」
ビーバ「オレっちは、キスが多くて、恥ずかしかったッスね……」※10
プレリ「なぜはずかしいでありますか?」
ばすの「さっきのおいしかった」※11
ビーバ「わああ! なに言ってるんスか!? ばすの!」
ばすの「もらったら、かえす」
ビーバ「ばすの、いまはだめ、やめるッス……んっ」
助 手「ほんとうにやりやがったのです」
プレリ「口うつしでサンドスターをわたすのは、もらうのも、あげるのも気持ちいいでありますよ! はかせたちも
中略。
ビーバ「お水を持ってきたッス……」
はかせ「んくっ、んくっ…………まだ口の中がにがいのです……」
助 手「ごくっ…ぉぇっ…家がっ、壊れるところは、大変だった、らしいですね……」※12
ビーバ「おうちが壊れるところは、こまかく何回も撮ったッスね。完成したらどうなるのかよくわからなくて、今日初めて見たんスけど、あんなに撮ったのに、意外と短かったッスね」※13
プレリ「木をつりあげたり、雨をふらせたり、おっきな風をおこしたり、すごかったであります。でも、屋根がとぶところは、あんなにはげしく壊れていなかったであります……」
ビーバ「あれどうやって撮ったんスかね? ふしぎっスね……」
はかせ「あれは……」
ばすの「CG」
助 手「さきに言われてしまいましたね……」
はかせ「ばすのはなんでそんなことを知ってるですか?」
プレリ「しーじーってなんでありますか?」
ビーバ「オレっちも気になるッス」
ばすの「みんなのこと」※14
間。
助 手「……アクションはほとんど生身でやったそうですね」
はかせ「フレンズは頑丈だからって、むちゃさせすぎなのです。こんど文句言ってやるです」
ビーバ「プレーリーさん、何回も落ちてたッスね……」
プレリ「あれも監督がOKだしてくれなくて、何回もやったでありますよ」
ビーバ「はしごがうまく折れなかったんスよね。あれ、もろい木を使ったんスよ。オレっちがアドバイスしたッス」※15
ばすの「痛くなかった?」
プレリ「痛かったであります……」
ビーバ「オレっちも、木がぶつかってくるところ、痛かったッス……」※16
助 手「ばすのは、痛みがわからないのではないですか?」
ばすの「りかいした」※17
はかせ「うでが折れるところは痛そうだったのです」
ビーバ「あれはつくりもののうでっスよ。すごくよくできてったッスね」※18
プレリ「手のかたちが変わるところは、ほんとうにやったであります! ばすのが水を止めるの、かっこよかったであります!」
ばすの「つかれた」※19
はかせ「われわれは、頭をつかうだけの役でよかったのです……」
助 手「主人公はいろいろやらされるのです」※20
はかせ「泣く演技はむずかしくなかったのですか?」
プレリ「きもちが入れば、涙がでてくるであります。自分は、大泣きではありませぬが、ビーバーどのは、すごいであります!」
ビーバ「ほんとうに、こんなことになったら、って思うと、自然と、泣けてくるッスよ……」
はかせ「また泣いているですか?」
BGMフェードアウト
BGM:『凪』
ばすの「ほんきで泣いてくれて、うれしかった」
ビーバ「……うわー、どうしよう、オレっち……いますっごいしあわせッスよ……」
プレリ「自分まで、泣けてくるであります……」
BGMストップ
ガシャーンと音がした。
BGM:『楽しい仲間達』
プレリ「いまの、うしろでありますな」
はかせ「あの子たちはなにやってるですか?」
ビーバ「なんかさっき、『フィルムがきれた』とか言ってたッスよ」 ※21
はかせ「……ちょっと映写室のようすを見てくるです」
助 手「あの子たちにまかせたのは、失敗だったのです」
おわり
※1 結構ひどいことを言っています。私は深く考えて書いていません。
※2 ばすのは、無表情な中に、かすかな表情があります。仕草の演技も上手いのです。天才的です(私も親バカです)。
※3 木だった時の時間だけでなく、模型の制作期間を年齢に含めるのか? という問題もあります。
※4 直る直前までしか書いていません。
※5 私もがんばりました。自分で言うのもどうかと思いますが……。
※6 プレーリーは器用だから、簡単にできるかと思ったのですが、甘かったです。程よくカーブさせなければならなかったので、余計に難しかったようです。ばすのもプレーリーも、本人が、特殊効果なしでやっています。
※7 プレーリーが壁に手を突っ込むところで、壊してはいけないところまで壊してしまいました。結果的には、迫力のある映像になったので、OKです。ただ、そのあと、ばすのが水を止めるところの撮影のために、セットを修復しなければなりませんでした。あのセットは、水を使うだけでなく、本物の土壁を作ったので、手が込んでいました。
トンネル内のシーンでは、明るくなりすぎない、自然な照明が難しかったです。
※8 プレーリーは、序盤では失敗が多いのですが、中盤以降は格好よくなっていくように書きました。
※9 プレーリーは、ちゃんと指示通りに動いてくれたので、とっても助かりました。繊細な演技が必要なシーンで、何回も撮りなおしになっても、がんばってくれました。
※10 キスシーンは、本当にサンドスターを渡さなくていい、って言ったのに、彼女たちはやってくれました。さすがに、倒れるような量は渡していません。
※11 上映中はちゃんと映画を見てください。
※12 三人が住むログハウスを壊すわけにはいかず、撮影用にログハウスのセットをまるごと作りました。ログハウスが壊れるシーンは一発では撮れず、壊れた部分をなおして、数回撮りました。
※13 同じカットを、条件(カメラアングル、照明、降雨など)を変えて何回も撮ったり、編集でカットしたりしたので、撮影した量よりも、映画として完成したものは、かなり短くなりました。
※14 もう、けもフレのアニメを3DCGで制作することはないのかもしれませんね。2Dのアニメも、CGには変わりありませんが。
2018/09/03 追記 3DCGで作るっぽいです。
※15 初めから、はしごには折れやすい木を使っていました。でも、それでもうまくいかず、ビーバーにアドバイスをもらいました。木に、あらかじめ切り込みを入れたことと、段を外れやすくしたことで、はしごの折れ方をコントロールできました。非常に助かりました。ただ、プレーリーの足や体がうまくはしごに当たらず、何回も撮りなおしました。もちろん、落下する所にはクッションを敷きました。
※16 普通、役者に物がぶつかるような撮影では、軽くて柔らかい(もろい)ものを使いますが、今回はリアルさを重視して、本物を使いました。ただし、木材をケーブルで吊るすなどして、衝撃を抑えています。体が頑丈とはいえ、かわいそうなことをしてしまいました。
※17 ばすのは、本編でも痛みを感じている場面があります。ただ、あれは精神的なものが大きいです。ばすのの知っている痛みは、ヒトのそれとは違います。
※18 「つくりもののうで」は、ばすのの腕を型取りして、半透明のやわらかい素材で作りました。中のキラキラを表現するのが難しく、素材の中に、光を反射する粒を混ぜて、照明でごまかしています。折れ口は、本物の木を折って作りました。
同じ型を使って、土色が混ざった腕も作りました。
※19 撮影時の水量、水圧はそれほど大きくありませんでしたが、水しぶきを別の場所から飛ばしたり、照明やアングルを工夫することで、派手に見せています。それに加えて、後処理で水しぶきを増やしています。
※20 『もけい』は、5人全員が主役であり、脇役は、ちょっとだけ出てきた鳥のフレンズだけです。プレーリー&ビーバーが主人公です。ばすのはヒロイン的な扱いです。はかせとじょしゅは、裏主人公です。杖の子たちは、裏ヒロインです。
※21 フィルムを使う映写機は、今はあんまり使わないかもしれません。
あとがき
読んでいただきありがとうございます。
もっとふざけたかったのですが、真面目なものになってしまいました。セリフが並んでいるだけなのは、楽でいいです。でも、セリフだけでは説明が難しい所も多いです。やっぱり表情や動作を書くべきですね。話数が13なのは、この話が『イレギュラー』だからです。