もけい   作:くにむらせいじ

8 / 8
 
 
 まえがき


 おまけです。本編が真面目で暗いおはなしだったので、明るい(?)ものを書きたくなりました。本編を壊すかもしれない内容です。これは、本編を読んだあとに読むことを前提に書いており、ネタバレが含まれています。ご注意ください。







第13話 おまけ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある雑居ビルの地下。

 

 

 

 

 

 

階段を下りた先には、防音扉があった。

 

 

 

 

 

 

扉の上には『上映中』のランプがともっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ 試 写 室 ]

 

 

 

 

 映写機が止まり、部屋が明るくなった。  BGM:『かわいい2匹』

 

 

ビーバ「ううう……ぐす」

プレリ「ビーバーどの、そんなに泣くことないであります」

ビーバ「だって、ばすのが、ばすのが……」

ばすの「ここにいる」

助 手「ばすのは、ここに居てはいけないのではないですか?」 ※1

はかせ「気にしてはだめなのです。助手」

ビーバ「ばすの、撮影中に本当に倒れそうになるし、心配したッスよ……」

ばすの「おしばい」

プレリ「天才子役だったであります!」

ビーバ「声がかすれるところ、すっごくうまかったッスよ。あとは、無表情の演技がよかったッスねえ。あれのおかげで、笑顔が引き立つッスよ」※2

博&助「親ばかなのです(ハモってる)」

はかせ「子役というか、年齢不詳なのです」

ビーバ「たしかに、ばすのって何歳なんスかね?」

ばすの「ひみつ」

はかせ「なんで隠すのですか? あやしいのです」

プレリ「ばすのは、うまれたばかりであります」

助 手「木だったときの時間が入ってないのです」※3

はかせ「われわれの年齢は……フレンズ化したあとの……する前の…………」

助 手「…………」

ビーバ「わからないッスよね……」

はかせ「そ、そんなことはどうでもいいのです。映画のはなしに戻るのです」

ばすの「いまいちだった」

ビーバ「ばすの、そんなこと言っちゃだめッスよ!」

助 手「正直、いまいちなのです」

プレリ「そんなことないであります!」

はかせ「ベタなうえにかたい、たしかにこれはいまいちなのです」

助 手「しかもバッドエンドですからね」

プレリ「バッドエンドじゃないであります! ちゃんと模型はなおったであります!」※4

ビーバ「まあ、ちょっと悲しいおわりかただったッスね……」

ばすの「みんながんばった」

はかせ「がんばったのはたしかなのです」

助 手「それは、登場人物ですか? それとも、われわれのほうですか?」※5

プレリ「両方であります!」

はかせ「プレーリーはNGだしまくって大変だったのです」

プレリ「監督がなかなかOKだしてくれなかったであります!」

助 手「車輪を転がすところ、なんテイク撮ったのですか?」

ビーバ「何回目なのか、だれもわからなくなるくらい撮ってたッスね……」※6

プレリ「あれはむずかしすぎたであります!」

ばすの「セットこわした」

プレリ「う」

助 手「トンネルの事故のところですね。あのセット、大量の水を使うので、結構お金がかかったらしいですよ」※7

プレリ「めんぼくないであります……」

ビーバ「でもプレーリーさん、最後の方、かっこよかったッスよ。オレっちは、なさけない感じだったッスけど」※8

はかせ「演技はへたでも、存在感だけはあったのです」※9

プレリ「ビーバーどのは、むずかしい繊細な演技、すごかったであります!」

ビーバ「プレーリーさんだって、むずかしいシーン多かったッスよ。 惚れなおすくらい、かっこよかったッス」

プレリ「ビーバーどの……」

はかせ「あー、あー」

ビーバ「ちょ、ちょっとプレーリーさん、そういうのは、ここでは、その……」

はかせ「そういうのは家にかえってやりやがれ、なのです」

ばすの「なかよし」

助 手「はかせの演技もなかなかのものなのです」

はかせ「やめるです。あれはかなり恥ずかしかったのです」

ビーバ「オレっちは、キスが多くて、恥ずかしかったッスね……」※10

プレリ「なぜはずかしいでありますか?」

ばすの「さっきのおいしかった」※11

ビーバ「わああ! なに言ってるんスか!? ばすの!」

ばすの「もらったら、かえす」

ビーバ「ばすの、いまはだめ、やめるッス……んっ」

助 手「ほんとうにやりやがったのです」

プレリ「口うつしでサンドスターをわたすのは、もらうのも、あげるのも気持ちいいでありますよ! はかせたちも

 

 

 中略。

 

 

ビーバ「お水を持ってきたッス……」

はかせ「んくっ、んくっ…………まだ口の中がにがいのです……」

助 手「ごくっ…ぉぇっ…家がっ、壊れるところは、大変だった、らしいですね……」※12

ビーバ「おうちが壊れるところは、こまかく何回も撮ったッスね。完成したらどうなるのかよくわからなくて、今日初めて見たんスけど、あんなに撮ったのに、意外と短かったッスね」※13

プレリ「木をつりあげたり、雨をふらせたり、おっきな風をおこしたり、すごかったであります。でも、屋根がとぶところは、あんなにはげしく壊れていなかったであります……」

ビーバ「あれどうやって撮ったんスかね? ふしぎっスね……」

はかせ「あれは……」

ばすの「CG」

助 手「さきに言われてしまいましたね……」

はかせ「ばすのはなんでそんなことを知ってるですか?」

プレリ「しーじーってなんでありますか?」

ビーバ「オレっちも気になるッス」

ばすの「みんなのこと」※14

 

 間。

 

助 手「……アクションはほとんど生身でやったそうですね」

はかせ「フレンズは頑丈だからって、むちゃさせすぎなのです。こんど文句言ってやるです」

ビーバ「プレーリーさん、何回も落ちてたッスね……」

プレリ「あれも監督がOKだしてくれなくて、何回もやったでありますよ」

ビーバ「はしごがうまく折れなかったんスよね。あれ、もろい木を使ったんスよ。オレっちがアドバイスしたッス」※15

ばすの「痛くなかった?」

プレリ「痛かったであります……」

ビーバ「オレっちも、木がぶつかってくるところ、痛かったッス……」※16

助 手「ばすのは、痛みがわからないのではないですか?」

ばすの「りかいした」※17

はかせ「うでが折れるところは痛そうだったのです」

ビーバ「あれはつくりもののうでっスよ。すごくよくできてったッスね」※18

プレリ「手のかたちが変わるところは、ほんとうにやったであります! ばすのが水を止めるの、かっこよかったであります!」

ばすの「つかれた」※19

はかせ「われわれは、頭をつかうだけの役でよかったのです……」

助 手「主人公はいろいろやらされるのです」※20

はかせ「泣く演技はむずかしくなかったのですか?」

プレリ「きもちが入れば、涙がでてくるであります。自分は、大泣きではありませぬが、ビーバーどのは、すごいであります!」

ビーバ「ほんとうに、こんなことになったら、って思うと、自然と、泣けてくるッスよ……」

はかせ「また泣いているですか?」

 

 

 BGMフェードアウト

 

 BGM:『凪』

 

ばすの「ほんきで泣いてくれて、うれしかった」

 

 

 

 

ビーバ「……うわー、どうしよう、オレっち……いますっごいしあわせッスよ……」

 

 

プレリ「自分まで、泣けてくるであります……」

 

 

 

 

 

 

 BGMストップ

 ガシャーンと音がした。

 

 

 BGM:『楽しい仲間達』

 

プレリ「いまの、うしろでありますな」

はかせ「あの子たちはなにやってるですか?」

ビーバ「なんかさっき、『フィルムがきれた』とか言ってたッスよ」 ※21

はかせ「……ちょっと映写室のようすを見てくるです」

助 手「あの子たちにまかせたのは、失敗だったのです」

 

 

 おわり

 

 

 

 

 

 

※1 結構ひどいことを言っています。私は深く考えて書いていません。

 

※2 ばすのは、無表情な中に、かすかな表情があります。仕草の演技も上手いのです。天才的です(私も親バカです)。

 

※3 木だった時の時間だけでなく、模型の制作期間を年齢に含めるのか? という問題もあります。

 

※4 直る直前までしか書いていません。

 

※5 私もがんばりました。自分で言うのもどうかと思いますが……。

 

※6 プレーリーは器用だから、簡単にできるかと思ったのですが、甘かったです。程よくカーブさせなければならなかったので、余計に難しかったようです。ばすのもプレーリーも、本人が、特殊効果なしでやっています。

 

※7 プレーリーが壁に手を突っ込むところで、壊してはいけないところまで壊してしまいました。結果的には、迫力のある映像になったので、OKです。ただ、そのあと、ばすのが水を止めるところの撮影のために、セットを修復しなければなりませんでした。あのセットは、水を使うだけでなく、本物の土壁を作ったので、手が込んでいました。

 トンネル内のシーンでは、明るくなりすぎない、自然な照明が難しかったです。

 

※8 プレーリーは、序盤では失敗が多いのですが、中盤以降は格好よくなっていくように書きました。

 

※9 プレーリーは、ちゃんと指示通りに動いてくれたので、とっても助かりました。繊細な演技が必要なシーンで、何回も撮りなおしになっても、がんばってくれました。

 

※10 キスシーンは、本当にサンドスターを渡さなくていい、って言ったのに、彼女たちはやってくれました。さすがに、倒れるような量は渡していません。

 

※11 上映中はちゃんと映画を見てください。

 

※12 三人が住むログハウスを壊すわけにはいかず、撮影用にログハウスのセットをまるごと作りました。ログハウスが壊れるシーンは一発では撮れず、壊れた部分をなおして、数回撮りました。

 

※13 同じカットを、条件(カメラアングル、照明、降雨など)を変えて何回も撮ったり、編集でカットしたりしたので、撮影した量よりも、映画として完成したものは、かなり短くなりました。

 

※14 もう、けもフレのアニメを3DCGで制作することはないのかもしれませんね。2Dのアニメも、CGには変わりありませんが。

 2018/09/03 追記 3DCGで作るっぽいです。

 

※15 初めから、はしごには折れやすい木を使っていました。でも、それでもうまくいかず、ビーバーにアドバイスをもらいました。木に、あらかじめ切り込みを入れたことと、段を外れやすくしたことで、はしごの折れ方をコントロールできました。非常に助かりました。ただ、プレーリーの足や体がうまくはしごに当たらず、何回も撮りなおしました。もちろん、落下する所にはクッションを敷きました。

 

※16 普通、役者に物がぶつかるような撮影では、軽くて柔らかい(もろい)ものを使いますが、今回はリアルさを重視して、本物を使いました。ただし、木材をケーブルで吊るすなどして、衝撃を抑えています。体が頑丈とはいえ、かわいそうなことをしてしまいました。

 

※17 ばすのは、本編でも痛みを感じている場面があります。ただ、あれは精神的なものが大きいです。ばすのの知っている痛みは、ヒトのそれとは違います。

 

※18 「つくりもののうで」は、ばすのの腕を型取りして、半透明のやわらかい素材で作りました。中のキラキラを表現するのが難しく、素材の中に、光を反射する粒を混ぜて、照明でごまかしています。折れ口は、本物の木を折って作りました。

 同じ型を使って、土色が混ざった腕も作りました。

 

※19 撮影時の水量、水圧はそれほど大きくありませんでしたが、水しぶきを別の場所から飛ばしたり、照明やアングルを工夫することで、派手に見せています。それに加えて、後処理で水しぶきを増やしています。

 

※20 『もけい』は、5人全員が主役であり、脇役は、ちょっとだけ出てきた鳥のフレンズだけです。プレーリー&ビーバーが主人公です。ばすのはヒロイン的な扱いです。はかせとじょしゅは、裏主人公です。杖の子たちは、裏ヒロインです。

 

※21 フィルムを使う映写機は、今はあんまり使わないかもしれません。

 




 あとがき

 読んでいただきありがとうございます。

 もっとふざけたかったのですが、真面目なものになってしまいました。セリフが並んでいるだけなのは、楽でいいです。でも、セリフだけでは説明が難しい所も多いです。やっぱり表情や動作を書くべきですね。話数が13なのは、この話が『イレギュラー』だからです。

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