目を覚ますとそこにはいつもの光景が広がっていました。時計を見ると本を読み始めてから10分ほどしか経っていませんでした。夢から覚め、ぐったりとしてるとお腹に何か重い物が乗ってると感じました。
ニャーン
お腹の上にはベイスが居ました。ベイス、あなたの仕業ね、とグレーはベイスを持ち上げ頬ずりをしました。ベイスは擽ったそうに身体をうねっています。グレーが癒されていると玄関の扉が開く音が聞こえました。
「ただいまー」
グレーのお母さんが帰って来ました。ベイスはグレーから抜け出しお母さんの方へと向かいます。
「ただいまー、ベイス」
ニャーン
お母さんはベイスを持ち上げリビングへと向かいました。手には夕飯の材料が入った袋を持っています。
「あら、グレーいたのね…ってこんなにおやつを食べて!お夕飯食べれなくなったらどうするの」
お母さんに叱られ、びくっとするグレー。ごめんなさい、と謝る。するとお母さんは「ちゃんとお夕飯食べるのよ」と言ってキッチンへと荷物を運びに行きました。その時、グレーは少し泣きそうになりながらお母さんに向かって走り、ぎゅっと抱きしめ、頭を埋めました。
「どうしたの急に?…怖い夢でも見たの?」
こくり、と首を縦に振りました。
「ママ、これからお夕飯作らないとダメだからちょっとの間、テレビでも見てて待っててくれる?」
グレーは、首を横に振り、一層強く抱きしめました。
「うーん、これじゃあお夕飯作れなくなっちゃうなー…じゃあグレーはママのお手伝いしてくれる?」
そう言うと、お母さんは落ち着かせるようにグレーをなでなでしはじめました。
しばらくなでなですると少し落ちつきを取り戻し、グレーはお母さんの手伝いをすることにしました。
時間は流れ、夕日が沈んできた頃、お父さんが帰ってきました。
「ただいまー」
お父さんが家の中に入ると、家の中からとても美味しそうな匂いがしてきました。とても甘く、まろやかな。
「いい匂いだな」
「今日はシチューよ」
今日は姉のセルイがいないのでお父さん、お母さん、猫のマロンとベイスで夕食を食べます。
「今日はグレーも手伝ってくれたのよ」
「ほう、そうか。それはとても美味しいだろうな」
「あら、いつもは美味しくないってこと?」
「言葉の綾だよ。いつも美味しいよ、ママ」
食事を終え、お母さんとグレーは一緒にテレビを見てくつろいでいました。グレーは嫌そうにしてるマロンを抱いて。その間、お父さんは食器を洗いっていました。
しばらくするとグレーはうとうとし始め、寝てしまいました。その隙にマロンはグレーから抜け出しました。
「あらあら寝ちゃったのね」
「もうこんな時間か」
時間はもう夜の10時です。グレーはいつもならこの時間帯に寝ていました。
「そういえばこの子、また悪夢を見だしたの」
「本当か?また長く続かなければいいんだけどな」
「そういえばその頃から、あまりはしゃがなくもなったわね。髪も白く変色したし」
「長く続くようだったらまた医者にでも見てもらおう。グレーを部屋まで運んでおくよ」
そうしてお父さんはグレーを抱き抱え、グレーの部屋のベッドまで運び、寝かせました。
やっぱ不定期です