至高の兄(骸骨)と究極の妹(小悪魔)   作:生コーヒー狸

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2話でも収まらなかったので上・中・下になります。
続きも早めに投稿予定です。

9/11 3話でも終わらなかったので全4話になってしまいました。


大墳墓への挑戦者(2)

「はーはー…はぁ…あ、危なかった。これで残りは…あと2階か…」

 

 クアイエッセは息を切らせながら床にへたりこむ。だらしなく脚を拡げ両腕も垂れさがって、顎で息をしなければならないほど疲弊していた。大きなダメージは負っていないし魔力も半分以上残っている。

 だがあまりにも体力を失ってしまった。最後の1本のポーションは万一に備えて使わずに、今は少しだけ…もう少しだけ休むか…と、そのまま床に背中をつけると、今までの戦いを思い起こしていた。

 

 彼がゲートを潜った先に在ったのは、そびえ立つ漆黒の塔だった。窓の位置から推測される階層は4階だが、1階あたりの高さがかなりある。これなら自分が召喚するギガント・バジリスクを戦わせるのにも不自由はないかと考えていると、上空から聞こえた謎の声――

 

「よく来たなクアイエッセよ!私は最上階でお前の大切な存在と共に待っている。但しあまり時間がかかる様では、私の気が変わるかもしれんから急いだ方が良いぞ!但し各フロアーには階段を守る番人が居る。それらを倒して最上階まで登って来るがいい!それがお前に与えられた試練だ。フハハハハハハ。」

 

 全く心当たりは無いが、神に等しいぷれいやー様が自らに課した試練だ。何と言っても自分は神に試練に挑むのに相応しい勇者として選ばれたのだ!それにあの可憐な少女(実は超好みのタイプだった。胸が慎ましやかなら完璧だ!)も「ごほうび」があると言っていた。もしかしたらクリアのご褒美にほっぺにチューでもしてくれるんじゃないかとお目出度い事を考えていた。

 

 人間以外を排斥している(エルフやドワーフすら奴隷階級)スレイン法国――それも実際に異形種や亜人種と戦う事が任務であるはずの漆黒聖典第五席次の彼が、明らかに人外であるシャルティア・ブラッドフォールンに好意を持っているのは何故なのか?《魅了の魔眼》の影響?否、()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()

 

 クアイエッセ・ハゼイア・クインティアには漆黒聖典第五席次という表向きの立場の他にもう一つの「顔」がある。スレイン法国最大の禁忌ともされる秘密組織の会員としての顔が…

 

 国是に忠実に従う国民からは都市伝説として一笑に付されているが、法国には数百年の歴史――六大神喪失まで遡る――を持つ組織が存在する。漆黒聖典以上にその存在が秘匿されてきたというその組織は「ダブルピース」という。

 

 彼らの目的は「人類主導による他種族との共存共栄」という法国の国是に中指を突き立てる物だ。他種族との共存共栄こそが法国のあるべき姿と信じ、自分達を「真に人類の未来を憂う者」と考えている。ダブルピースに所属する者は一般の国民以外にも軍や行政機関、さらに神殿関係者まで様々な場所に潜んでいる。

 なにせダブルピースの「会長」と呼ばれる男は、かつて法国最強の特殊部隊に所属し現在は○○の神官長の地位にあるし、唯一の女性神官長も幹部の1人なのである。さらに会長以上に長く組織に席を置く重鎮の女性顧問は、法国の最秘宝と云われる神器の遣い手という噂である。

 

 ダブルピースには様々な派閥がある。最も多いのが「エルフ派」で、そこから枝分かれした「ダークエルフ派」、他にも「獣人派」や「ドワーフ派」があり、更には「リザードマン派」や「異形種派」などという業の深い者も少数派ではあるが存在する。

 時折、互いの好みから思想闘争が起きる事もあるが、組織の団結は強く長い間、秘密を保ちながら賛同する人員を増やし続けている。ぶっちゃけて言えば特殊性癖の「HENTAI」の集まりであるが、彼らの存在があるからこそアーグランド評議国とも最低限の交流が保たれているのである。永久評議員の白金の竜王も「これが人間の可能性か…」というコメントを発し、組織についても消極的擁護という姿勢を取っている。

 

 クアイエッセ自身は最大派閥のエルフ派、その中でも未成熟なエルフを愛でる会派の中心人物として知られている。彼は幼い外見(実年齢は50歳超え)のエルフ姉妹を奴隷として所有しているが、奴隷とは名ばかりで地下室ではあるが広く清潔な部屋に住まわせ、華美な衣服や下着類を着せて、栄養にも配慮した食事をたっぷりと与えている。当然だが無理矢理労働をさせて酷使(週に2回ほど夜間労働)する様な事も無い。

 

 さらに彼はダブルピースに所属する高位神官に極秘裏に依頼して、姉妹の切り落とされた耳(法国では奴隷の証としてエルフの耳を半分切除する処理を施す。ちなみにドワーフは髭を剃らせる)も治療させている。

 これには姉妹も大喜びで、クアイエッセも「エルフの魅力である耳を切り落とすとは!これだから真の美が理解出来ぬ愚物は度し難いのだ」と姉妹への非道な仕打ちに激怒していた。

 

 そんなクアイエッセは浮かれながらホイホイと塔の中へ入っていった。最初のフロアーで待ち構えていたのは全身をマジックアイテムで固めた屈強なスケルトン10体。いわゆるナザリック・オールドガーダーである。それぞれがオリハルコン級冒険者くらいの戦闘力を持っている。

 しかし「1人師団」と呼ばれる彼にとって、集団戦は望むところだ。「行け!ギガント・バジリスク」の掛け声とともに魔獣を召喚して突撃させ、自身も武器を取って戦いながら、魔獣に的確に指示を出して殲滅する事に成功した。

 

「ふむ、中々手ごわい相手でしたね。さすがは神の与える試練という事ですか…。とりあえず上の階へ進むとしましょう。」

 

 次のフロアーで待ち受けていた相手を見てクアイエッセは戦慄した。2階の番人として配置されていたのは「デスナイト」と「ソウルイーター」の2体だ。デスナイトは鉄壁の防御を誇り、自らの剣で殺した者をアンデッドにする能力を持つ、1体で都市を滅ぼすとされる伝説のアンデッド。ソウルイーターはその名の通り魂喰らいという即死スキルを持ち、かつてたった3体で十万人のビーストマンの都市を滅ぼしたという伝承があるアンデッドだ。

 

 多数の魔獣を召喚して波状攻撃をしかけるが、魔獣達は次々に討取られる。まともに戦えているのはギガント・バジリスクのみだが、この魔獣の最大の武器である石化の視線と毒攻撃は、このアンデッド達には効果が無い様で、肉体スペックで劣るギガント・バジリスクは劣勢だ。2体がかりでソウルイーターを押さえさせるが倒されるのも時間の問題だ。

 

 クアイエッセはデスナイトを相手にするが、純粋な戦士職ではない彼には防御に徹して、殺されない様にするのが精一杯だった。何より防御に優れたデスナイトの守りを突破できる火力が無い。何とか致命傷を避けながら持ち堪えているがこのままでは打つ手がない。それでも諦めずにクアイエッセは戦い続けた。

 

 戦いが始まって10分も持たずにギガント・バジリスクは倒されたが、ソウルイーターは戦いに加わらず、1階への階段の前でクアイエッセが逃げられない様に陣取っている。そしてデスナイトは何度も隙があったにもかかわらず、トドメを刺さずに戦いを終わらせない様にしていた。

 

「クッ…嬲り殺しにするつもりか?それに、逃がすつもりも無いという事か…これは神の試練ではなく、悪魔の罠だったというのか?」

 

 そう呟いていると、まるで掻き消えるようにデスナイトとソウルイーターが消滅していく。

 

「これは!?そういう事か……神が私の力を認めて下さったという訳だな!」

 

 非常に都合のいい解釈をしたクアイエッセだったが、流石に消耗が激しかったのか尻もちをつくとその場にへたり込んでしまった。

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

 

「ハァー…このままじゃ絶対ヤバいよね~。かと言って逃げ出せる可能性は無し。アタシもお終いか…あ、このマカロン美味しい♪変な色だけど…」

 

 ナザリックに囚われの身となったクレマンティーヌは、洗い浚い情報を吐かされた後は、牢内に監禁されているものの、清潔な衣服と美味しい食事とオヤツまで与えられてまったりと過ごしていた。一時は取り乱したりしたが、美味い飯を食べて、ぐっすり眠って落ち着きを取り戻した今は、残りの人生について考えていた。

 

「1日ぶりだなクレマンティーヌ。気分はどうだ?」

 

「げええぇ…ア、アインズ・ウール・ゴウン様!は、はい…おかげさまで。エへへ…あ、このマカロンとても美味しいです!変わった色ですけど。」

 

「ん?変わった色?」

 

「お兄ちゃんは知らないかー。この世界の食事って美味しいんだけど色が凄いの!青いソースとかピンクの玉子焼とかあるんだよ!味はちゃんとしてるんだけどね~。エ・ランテルで食べたマカロンは緑だったよ。」

 

「何だそれは?まあ、世界が変わればそういう事もあるか。」

 

「この世界…まさかぷれいやー?」

 

 ここまで聞けばクレマンティーヌもアインズの正体は見当が付く。正体不明の化け物は正真正銘の化け物(ぷれいやー)だったという訳だ。元漆黒聖典としての知識から、ようやく答えに辿りついた彼女はますます畏縮する事になる。

 それに「兄」という単語からアインズに付きそう悪魔らしき少女もぷれいやーと推測される。こんな奴らが存在するなら漆黒聖典がやって来るのも理解出来る。そしていかに隊長や兄貴でもこいつらには勝てるはずがないとも考える。

 

 何せ自分は悪魔の少女の腕で眠そうにしているネコ?に一撃でズタボロにされたのだ。漆黒の剣(白)やハムスケには見えなかったが、彼女だけには僅かながらもネコの凄まじいスピードの攻撃が見えていたし、それでさえも手加減されていたのは理解出来た。

 

 つまり絶対に勝てないし逆らうなんて以ての外だ。恐らく漆黒の剣(白)の奴らも自分に殺されたのをぷれいやーの力で復活して、あの装備や能力を手に入れたはず。白くなるのは我慢できるが、マザコンハゲみたいにアンデッドへ転職は勘弁して欲しい。だが、何とか取り入る事が出来れば法国から逃げ回る必要も無くなるし、あのクソ兄貴にだって勝てる!

 そして頭の固い法国の奴らはアンデッドと悪魔という理由から、絶対に敵対する道を選ぶだろう。仮に法国に引き渡されて奇跡的に命が助かっても絶対に碌な事にはならない。

 

「何だ気付いていなかったのか?法国の出身だからプレイヤーには詳しいはずだろう。」

 

「し、知らなかったとは言えすみませんでした。そちらの妹さんの関係者にも酷い事をして…」

 

「もういいよ。丸く収まったんだし。そっちも酷い目に遭ってたしね。ぷーにゃんもやり過ぎだったんじゃない?」

 

「にゃ~ん♪(ちゃんと生きてたじゃないっすか)」

 

「そうだよね!よしよーし(さっちんはネコ語を話せないので適当に言っています)」

 

 あれだけの事をされて「にゃ~ん♪」で済ませられたクレマンティーヌは堪ったものではないが、相手は圧倒的強者である。とにかく下手に出るしかない。

 

「あのっ…前にも言いましたが、アタシもカジッちゃんみたいにアインズ・ウール・ゴウン様の配下にして欲しいんです。その、できれば白いほうで…さすがに骸骨はまだ早いかなーと思うので。」

 

「え?まだ生きてるでしょ。わざわざ死にたいとか変わってるね?」

 

「大丈夫です!一度だけ任務で死んだ事がありましたけど、蘇生魔法で復活しました。死ぬのは慣れてます。」

 

「法国には蘇生魔法があったな。それにしても死んでも復活させるとは…アフターケアと言えばいいのか、死んでも扱き使うと言えばいいのか?」

 

「どこも大変なんだね。」

 

 実際はそんなに簡単な話ではない。法国といえども蘇生魔法を使えるのはごく僅か、さらに触媒として多額の黄金が必要になる。漆黒聖典という英雄級の存在だったからこそ、多くの費用をかけて復活させたのだ。

 ちなみにユグドラシルではプレイヤーが蘇生魔法を使用する場合はMP消費だけで済んでいた。この様にこの世界とユグドラシルでは一部の魔法に若干の差異がある事がパンドラズ・アクターの調査で判明している。いずれ詳しく調査しようとアインズは考えていた。

 

「クレマンティーヌよ「死んで花実が咲くものか」という言葉を知っているか?どんな状況でも生きてさえいれば良い事もある。しかし死んでしまっては良い事も起らない。国へ帰るんだな。おまえにも兄がいるだろう…」

 

「ウヒャヒャヒャwwお兄ちゃんがそれを言う?アンデッドなのに?」

 

「おっと!私とした事が、これは一本取られてしまったな♪」

 

「ウヒャヒャヒャヒャww」「フハハハハww」

 

 笑えねーよ!こっちの身にもなってみろ!とクレマンティーヌは憤慨する。そして楽しそうに笑いあう兄妹を見て思う。自分達にもこんな風に笑いあっていた頃があったと――

 

 昔は――クレマンティーヌが目の前の少女よりも幼かった頃、兄とはとても仲の良い兄妹だった。兄は優しく頼りになり、何くれとなく彼女の面倒を見て可愛がってくれた。しかし彼女が成長すると…何か切っ掛けがあったのか他に原因があったのかは分からないが、兄はだんだんと彼女に構わなくなり、やがて無視する様になっていった。

 

 それ以上にショックだったのが、兄が奴隷としてエルフの姉妹を家に連れて来た事だった。兄はエルフを地下室に監禁し夜な夜な拷問している様だった。一度だけ人目を避ける様に神官を連れて来たが、高位の回復魔法が必要なほどにやり過ぎてしまったのだろう。それ以後は自重して…加減が分かって来たのだろう。神官が必要になる事態は起きていない様だった。

 

 結局は自分も兄と同じ様な趣味(拷問や殺人)に目覚めた。自分もあいつと同じ血を引いていたのだと自虐したが、気にくわない事に兄はそれをおくびにも出さず、外面だけは取り繕っていた。社交的で友人も多く、あの時の神官も仲の良い友人らしい。才能に恵まれて両親の覚えも良かった兄に比べて、自分は「クインティアの片割れ」と揶揄された。

 

 自分も兄には及ばないまでも才能に恵まれて、漆黒聖典の第九席次を与えられたが、そこでも第五席次の兄と事あるごとに比べられた。そうしてどんどんと歪んでいき、邪教集団ズーラーノーンとも関わる様になり、遂には大事件を起こして出奔した。

 

「まあ、そういった訳で兄妹喧嘩も程々にするんだ。悪い事をした時は「ごめんなさい」と謝れば許してくれるものだ。」

 

 絶対に許して貰える訳が無い。強盗殺人に国外逃亡、職場放棄のおまけ付きだ。さらに追手を殺害したあげく国外で誘拐事件と大規模テロを起こし、その過程でも傷害、殺人を重ねている。

 

「いえ、だからですね、兄貴もですけど国だって許してくれるはずは無いですから!」

 

「む?国…警察の様なものか。まあその辺りは私が口添えしてやろうじゃないか。」

 

「え?そんな事が…」

 

 アインズにとって国というなじみの無いものよりも、兄妹の絆のほうが重要だ。それが他人の事であっても。自分が住んでいた世界では国自体が形骸化して、個人にとっては国なんて何もしてくれない名前だけの存在だ。罪を犯したというなら償わせればいいだろう。多少の力添えくらいはしてやるつもりだ。

 

 クレマンティーヌにとっても一考する価値がある話しだった。ぷれいやーの後ろ盾があれば法国だって迂闊な真似は出来ない。この後やってくる兄達はこの兄妹や従属神には勝てないだろうから、ますます法国の立場は弱くなる。さすがにお咎め無しは無理かもしれないが、生きて法国に戻る事さえ出来ればチャンスはある。周辺国家は危険なので帝国の向こうにある都市連合あたりまで逃げてしまえば、さすがにぷれいやーの目も届かないだろう。

 

「それなら私はどうすればいいのでしょうか?兄貴と仲直りと言われてもどうすればいいのかさっぱりで…」

 

「お前は性格や言動に()()()難があるみたいだからな…さっちんよ、同じ妹としてこいつにアドバイスしてあげるんだ。」

 

「ええっ、私があ~?」

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

 

 五分ほど休んだことで、戦闘に支障がない程度に体力を回復したクアイエッセは、3階へと続く階段を登りはじめた。魔力も半分以上は残っているし、いざとなればぷれいやー様が何とかしてくれるんですよね?という楽観的な考えでいるので足取りも軽い。

 

「ようやく来たわね下等生物(ロリコン)。私はナーべ。ア――ダークウォーリアー様より新たな力を授かったくのいちメイド。」

 

「それがしはハム…ではなくソーセージでござる!姫…ではなく、殿の命によりそなたと戦うでござるよ!」

 

 3階で待っていたのは怪しい身なりの女と、クアイエッセも見た事のない強大な魔獣。女の方は帝国を中心に活動する「イジャニーヤ」という暗殺集団に似た雰囲気だ。南方で稀に見られるという刀を手にしていて、顔は頭巾で覆われていて眼の部分だけしか出ていない。魔獣は白銀の体毛にかなり長い尾を生やしており、こちらも奇妙なデザインの覆面をしている。

 

 クアイエッセはギガント・バジリスクを召喚して魔獣へ嗾ける。魔獣は先程のソウルイーターよりは脅威でないと判断する。そうして自分は怪しい女の相手をする事にしたが、こちらもデスナイトに比べれば戦い易かった。

 女は身体能力も技術も脅威ではなかった。そこそこの戦士のようで使い手の珍しい刀にも警戒したが、武技を使って来る訳でもないので十分に対処出来ている。

 

「大した事ありませんね!これなら先程のデスナイトがはるかに強かった。」

 

「ナーべ殿!こちらが片付いたら助太刀に向かうのでもう少し頑張るでござるよ!」

 

「くっ…何という屈辱。こうなればっ…《フライ/飛行》――そして《チェイン・ドラゴン・ライトニング/連鎖する龍雷》」

 

 突如ナーべが上空へと飛び立ち、そのまま両手を打ち合わせると極太の雷撃がクアイエッセへと襲いかかる。

 

「えっ?何それ意味わかんない…(たすけて、ぷれいやーさま…)」

 

 クアイエッセは全身黒焦げになるが、かろうじて生きていた。運良く装備していた電気属性防御効果のある装備のおかげだ。

 

「やり過ぎでござるよナーべ殿。殿からも適当にあしらっておけと言われていたでござらぬか?」

 

「ぐぬぬ…私とした事が我を忘れて…」

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

 

「おい…お前の兄なんだが、弱すぎないか?」

 

 漆黒の全身鎧の男が、囚われの金髪の女に問いかける。

 

「ニヒヒヒ…いやあ~、皆さんが強すぎるんだと思います。クソ兄貴にもいい経験になったと思います♪ザマーミロ♪」

 

 金髪の女は非常に気分が良さそうだ。

 

「お前なあ、仮にも自分を救う為に戦っている兄に対して…仲直りしたいんじゃなかったのか?」

 

 全身鎧の男は女の態度に不満が在る様だ。

 

「ヤバッ…いやぁ~お兄ちゃんがぁ~~(棒読み)」

 

 女の悲鳴もセリフもかなり白々しい。

 

「まあ…死んでしまった訳でもないから別にいいが(さっちんがこうなったら俺は泣くぞ!)」

 




法国にも人間以外を受け入れる土壌があったという
ナザリックにとっても評価対象になる事実が判明しました。
そしてクレマンさんにも悲しい過去が。
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