至高の兄(骸骨)と究極の妹(小悪魔)   作:生コーヒー狸

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読みにくい箇所がありますが演出の一環ですのでご了承ください。


純白の冒険譚(4)

「あれが世界を滅ぼす魔樹――ザイトルクワエですか……なんて禍々しいんだ!?それにこの大きさは…たしかにこんな怪物が暴れたら、どれ程の被害が発生するか想像もつかない。」

 

「ニニャさん、もう少し近づいて下さい。もっと近くで確かめないと…」

 

 ザイトルクワエの状態を確認する為にやって来た2人は、想像を超える巨大さと禍々しさに驚きを禁じ得ない。

 

「この距離でこれだけ大きく見えるという事は…高さ100m以上だ!」

 

「ニニャさん、もう少し近づいて下さい。もっと近くで確かめないと…」

 

 少しでも情報を得ようとするンフィーレア。前髪の隙間から覗く眼光はザイトルクワエの頭頂部に集中している。

 

「大丈夫ですかンフィーレアさん?」

 

「ニニャさん、もう少し近づいて下さい。もっと近くで確かめないと…」

 

「えっ…さすがにこれ以上は危険ですよ?」

 

 何時の間にかザイトルクワエは目と鼻の先に迫っていた。そしてその頭頂部には毒々しい色の薬草が生えている。間違い無い……あれが今回の目的だ。あとほんの少しだけ手を伸ばせば届きそうな…

 

「本気でヤバいですよンフィーレアさん!なんかグゴゴゴゴって聞こえますよ!」

 

「あと少し…もうちょっと…」

 

 ンフィーレアはニニャの制止を振り切ってザイトルクワエの頭頂部へ縋りつく。そこには見た事も無い草がびっしりと群生していた。これこそ伝説の薬草に間違いないと確信する。

 

「やっぱり!これが伝説の薬草です!間違いありません。」

 

「そうだったんですか?でも危険ですよ。ザイトルクワエはいつ復活してもおかしくないんですから…」

 

「今は復活していないじゃないですか。じゃあ、いつ採るか?今でしょ!」

 

 こうして当初の偵察に留めるという予定を変更して、薬草採取を始める2人であった。

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

 

「もうお終いだあぁぁ~」

 

「走れ走れ!追いつかれるぞ!」

 

「無理無理無理無理!」

 

「おーい」

 

 遂に復活したザイトルクワエは、その巨体の数倍の長さの触手を振りまわして、周囲の木々を手当たり次第に引き抜いては、自分の身体に養分として取込んでいた。既に半径数百メートルの範囲が被害に遭っている。

 

「お嬢様はっ?まだメッセージは繋がらないのか?」

 

「駄目です!さっきからリダイヤルを続けているんですが、反応がありません。」

 

「お嬢様ぁぁぁーっ!助けて下さあいーーっ!」

 

「おーい、聞こえないのか?」

 

 頼みの綱のはずのメッセージは通じない。きっと今頃はどこかの牧場でジンギスカンに舌鼓を打っているに違いない。だが経営者が従業員用の保養施設を利用するのは、従業員にとってもプレッシャーになるかもしれないので控えた方が良いだろう。

 

「ンフィーレアさんが欲張るからいけないんですよ!僕は危険だって言ったのに!」

 

「そんなっ!ニニャさんだって共犯じゃないですか!どうせなら根こそぎ抜いてしまえって!?」

 

「俺は生きる!生きてナーベラルと添い遂げるっ!」

 

「いいから逃げろぉーっ!!」

 

「おいっ、さっきから呼んでるんだから返事をしろ!」

 

 彼らに声を掛けていたのは漆黒の剣(白)を眷属にしたエヌスリーだ。以前、ちょっと目を離している間にクレマンティーヌにやられてしまった(うわっ…私が雇った冒険者、弱すぎ…?)彼らを心配して、さっちんが派遣していたのだ。いつもは不可知して浮遊霊の様にしているが、彼らがギリギリまで頑張っても如何にもならない(時間切れ or 命令違反)時に突然現れては、全てを解決してしまう漆黒の剣(白)の最終決戦秘奥義である。

 

「え、エヌスリー様っ…よくぞよくぞ…」

 

「師匠ーーっ!!」

 

「へへっ♪これで怖いモン無しだぜぇ!」

 

「来いよザイトルクワエ!触手なんて捨ててかかって来いよ!」

 

「静まれ、静まれぃ。このお方を何方と心得る!恐れ多くもナザリック地下大墳墓の偉大にして至高なる支配者アインズ・ウール・ゴウン様の究極の妹君さっちんお嬢様の直属護衛エヌスリー様であらせられるぞぉ!エヌスリー様の御前である。頭がたかーい!控えおろう!」

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

 

 ズガガガガガガガガガガッ――

 

 リザードマン達目掛けて、弾丸のようにザイトルクワエの種子がばら撒かれる。しかし先頭に立った女騎士が剣を振るうと同時に、全てが撃ち落とされる。

 

「いくらでも撃って来い!(エヌスリー様達が)全て撃ち落としてやる!」

 

 リザードマンの勇者ザリュースが吼える。その手にはリザードマンに伝わる四至宝の一つである、凍牙の苦痛が握られている。

 

「2本んんんー。がはぁはぁ…はははぁっ!」

 

 同じくリザードマンの戦士であるゼンベルの武技が炸裂し、ザイトルクワエの触手の先から、さらに枝分かれしていた触手が滅びていった。戦いぬいたゼンベルには判る。あの(触手の先から枝分かれした)触手1本でさえゼンベルと互角の強さだろう。

 

「行けやぁぁザリュースっ!」

 

「喰らえっ!氷結爆散っ!!」

 

 ザリュースは 氷結爆散を つかった!ザイトルクワエ(触手A)に 13ポイントのダメージ!ザイトルクワエ(触手B)に 10ポイントのダメージ!ザイトルクワエ(触手C)に 12ポイントのダメージ!

 

「うおおっ!くらえっ!」

 

 グの こうげき!ザイトルクワエ(触手A)に 17ポイントのダメージ!

 

「これでどうじゃ!《ライトニング/雷撃》」

 

 リュラリュースは ライトニングを となえた!ザイトルクワエ(触手A)に 15ポイントのダメージ!ザイトルクワエ(触手A) をたおした!

 

 トブの大森林各地から集った勇敢な戦士達が、世界を滅ぼす魔樹ザイトルクワエと激戦を繰り広げていた。リザードマンの他にもトロールやナーガまでいる。もちろん漆黒の剣(白)も彼らと共に戦っている。全くの異なる種族同士が協力して、中には敵対関係にあった物同士さえいるが、全員が心を一つにして戦っていた。

 

 どうしてこんな事になっているのか?それを語る為に少しだけ時間を遡る……

 

 完全復活したザイトルクワエは凄まじい強さだった。ナザリックでもかなり上位の戦闘力を誇るエヌスリーでさ梃子摺る強さだった。とにかくタフでいくらダメージを与えても怯まない。

 

「その身に刻めっ!《ニーベルン・ヴァレスティ》」

 

 エヌスリーは ニーベルン・ヴァレスティを つかった!ザイトルクワエに 1349ポイントのダメージ!

 

「手ごたえはあったが、まったく堪えていないな。どれだけタフなんだ…」

 

 彼女は防御寄りの能力に優れた戦士の為、どうしても火力が不足がちだ。100レベルに相応しい能力ではあるがレイドボス級のHPを誇るザイトルクワエ相手では分が悪い。このまま戦い続けても、負ける事はないにしても倒し切るのは困難だろう。

 

「お、俺達だってやれるぞ!」

 

「そうです!僕達だって!」

 

「ウオオオオ!いくぞザイトルクワエェェ!武技《神閃》!」

 

 ブレインは 神閃を つかった!ザイトルクワエに 29ポイントのダメージ!

 

「いけっ《バーンランス/炎焼騎士槍》」

 

 ニニャは バーンランスを つかった!ザイトルクワエに 41ポイントのダメージ!

 

「お前らは逃げろぉーっ!その程度の攻撃ではコイツには掠り傷にしかならない!逆にコイツを刺激するだけだ。」

 

「たとえ掠り傷でも、与え続ければ大きな傷になるのである!《剛撃》」

 

 ダインは 剛撃を つかった!ザイトルクワエに 10ポイントのダメージ!

 

「こいつを喰らいなっ《早撃ち》」

 

 ペテルは 早撃ちを つかった!ザイトルクワエに 3ポイントのダメージ!ザイトルクワエは いきりたった!

 

 ザイトルクワエの こうげき!ペテルを ねらったが エヌスリーが かばった!エヌスリーは 193ポイントの ダメージを うけた!

 

「ぐっ…コイツらでは1撃でもくらえば即死だ。私が防御に徹すれば守りきれるが…」

 

「なるほど!エヌスリー殿が囮となって攻撃を引き受けている隙に、某達が集中攻撃をするという作戦でござるな!」

 

「おお!何て冷静で的確な作戦なんだ!」

 

「ふざけるなぁーっ!ヘイト管理するこっちの身にもなってみろぉ~っ!」

 

 こうしてザイトルクワエVS漆黒の剣(白)+1の戦いが始まった。漆黒の剣(白)にとっては、文字通りの大樹を小さな鋏で切り倒そうという絶望的で無謀な戦い。約1名にとってはとんでもない縛りプレイを強制される大変に不本意な戦いであった。そしてその戦いを見ていたドライアードの少女は……

 

「みんなが僕の為に(違います)あんなに必死に…それなのに、僕には見ているだけしか出来ないなんて…僕はなんて無力なんだ…ああ、皆があんなに頑張っているのに――」

 

 必死に戦う彼らの勇姿が、無力感と絶望感に苛まれていたピニスンの心に光を灯す。それは彼女の中に眠っていた力――タレントを覚醒させる!

 

「この溢れる力…これが僕に出来る、僕にしか出来ない事!」

 

「トブの大森林のみんな!僕は森に住むドライアードのピニスン。この森を…いや世界を滅ぼすほどの恐ろしい魔樹が復活して暴れているんだ!今は僕の友達が森の奥で必死に魔樹と戦っている!でも彼らだけじゃ勝てないんだ!(彼女だけなら時間を掛ければ勝てます)このままじゃ負けちゃうかもしれない!だから皆の力を貸してほしいんだ!」

 

 ピニスンのタレントは「自分が心から伝えたいと思った事を、森の仲間達の心に直接訴える」という能力だった。ピニスンの願いは一斉配信され、トブの大森林に住む者達の心に響き渡った。

 

~リザードマン村~

 

「兄者…このメッセージは!」

 

「ああ、きっと彼らが戦ってくれているに違いない!」

 

「俺達リザードマンだって森に生きる仲間だ!黙って見てる訳にはいかねーぜ。」

 

「だが大勢で行っても犠牲が増えるだけ…行くのは精鋭部隊だけにするべきだ。そして万が一の時に部族を纏める存在が必要だ。クルシュは残ってくれ!」

 

「…正論ですね。シャースーリュー?」

 

「うん。ザリュース、ただしい。」

 

~トブの大森林の東にある洞窟~

 

「このグ様に助けを求めるとは、なかなか分かっているじゃないか!いくぞお前ら!俺達の力を見せつけてやるんだ!」

 

「イーーーッ!!!」

 

~トブの大森林の西部~

 

「成程…森の奥から漂う不穏な気配の理由が分かった。」

 

「ど、どうしますかリュラリュース様?」

 

「行くしかないじゃろう。このメッセージは真実を伝えておる。儂の能力がそう告げている。」

 

 こうしてピニスンの一斉配信を受け取った勇者達は、トブの大森林各地から決戦の地に向かって集結していった。総勢で100体以上の軍勢である。そしてピニスンの願いはもう一つの奇跡をおこしていた。

 

「お兄ちゃん見て見て!何か面白そうな事になってるよ。」

 

「どれどれ……ほほう!これは興味深い…」

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

 

「おお!東の巨人も来ておったか。お前もピニスンのメッセージを聞いたのじゃな。」

 

「ふん…このグ様にかかれば魔樹など簡単に切り倒してやる!」

 

「ガハハハ!すげえじゃねーか。これだけの数の戦士が集まるとはな!」

 

「そうだな。強い戦士が多ければ多いほど彼らの力になる!」※むしろ迷惑なんですが…

 

 決戦の地からすぐ近くの空き地に勇者達が集まっていた。彼らがメッセージを聞いて出発してから1時間も経っていない。いったいどのような力が働いたのであろうか?

 

「それにしても…あの白い箱は何だったんじゃ?あの白い箱の横腹が開いたと思ったら…」

 

「私達もです。何か黒い影に羽交い締めされたと思ったら…」

 

「ふん!よく分からんが、あの()とかいう奴の仕業だろう。」

 

 彼らは謎の白い箱の力によって、この場に連れてこられたのだ。彼らの背後に突然現れた白い箱、その横側の扉から伸びた黒い手が、彼らを箱の中に押し込めた。目と口を塞がれて、気が付けばこの場に放り投げられたのだった。

 

「こうしてはいられない!彼らが戦っているのはこの先だ。早く行かなければ。」

 

「そうじゃな。今は一刻を争う時じゃ。」

 

 こうして勇者達が決戦の地へと集結したのだった。

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

 

「ちっくしょおおー!何度も攻撃が当たっているのに!?」

 

「諦めてはいけません!攻撃あるのみです。」

 

「パリィ!パリィ!パリィ!パリィ!(ダメだ!防御で手一杯で攻撃する暇が無いぞ!)」

 

 既に戦闘開始から1時間以上が経過しているが、ザイトルクワエの猛攻は衰えを見せない。漆黒の剣(白)達は何度もザイトルクワエに全力の攻撃を加えていたが、膨大なHPを持つザイトルクワエにとっては決定的なダメージにはならず、一方で彼ら自身は体力と精神力を疲弊させていた。

 ちなみにザイトルクワエに与えたダメージはエヌスリーが2583ポイント(有効打2発)で、その他全員で1095ポイント(有効打40発以上)だった。

 

「リザードマン精鋭部隊参上!我らも故郷を守る為に戦います!」

 

「グ様が来たからには心配ないぞ!」

 

「この森に生きとし生けるもの全ての戦いじゃ!」

 

 遂に集結した勇者達。思わぬ援軍に漆黒の剣(白)も勇気づけられる。すぐ近くにいた彼らにもピニスンのメッセージは届いていたのだが、これほど早く援軍が、それも大量に駆けつけてくれるとは思ってもみなかったのだ。

 

「みんなっ、来てくれたんだね!ありがとう。」

 

「これなら何とかなるかもしれません!」

 

「俺達の戦いはまだまだこれからだ!」

 

「!?!?(ふざけるな!これ以上の面倒なんて見きれないぞ!いくらディフェンスには定評がある私にも限度というものが…)」

 

<<サンちゃーん、聞こえてる?何かすごい事になっちゃったね~(チューチュー)>>

 

<<おおっ!さっちん様!不甲斐無いのですがもう限界です。何とぞお力添えを>>

 

<<えっ?これから森の仲間達による友情パワーが炸裂して大逆転じゃないの?(チュー…ガボボ)>>

 

<<複数パーティーが参加するレイド戦はとても興味深い。もう少し見ていたいのだが(パリポリ)>>

 

<<アインズ様までっ!?しかし彼らの攻撃ではダメージが少なすぎるのです!それにこの人数を守りきるのはいくら何でも無理があります>>

 

<<まったく情けない。それでもアインズ様に召喚されたNPCですか?(ズズー)>>

 

<<アインズ様ノ御言葉ハ全テニ優先スル(ムシャムシャ)>>

 

<<ぐぬぬ…そこまで言われて引きさがる訳には…>>

 

 彼らの戦いを見ていたアインズ達の声援がエヌスリーの闘志を燃え上がらせる。アインズとしてもここまで大規模なレイド戦は珍しい。だからカウチポテトでじっくりと観戦したいので、もう少し頑張って欲しいと思っている。

 

<<確かに1人では厳しいか…そういう事なら応援を送るが、あくまで戦法はこのままだ。お前達は防御に徹して現地の者に攻撃させるのだ。特に漆黒の剣(白)とハムスケを優先しろ。経験値稼ぎに丁度いい。(パリポリ)>>

 

<<あ、ありがとうございます、アインズ様!>>

 

<<お前と一緒に召喚した2人を派遣する。彼女達も出番が無くて手もち不沙汰らしくてな。あ、それとザイトルクワエのHPは53万だ。ほんとにレイドボスみたいだな!(パリポリ)>>

 

 自分と他の2人の境遇の違いに複雑な思いを抱くエヌスリーだったが、アインズの「ザイトルクワエのHPは53万」という言葉に驚愕する。漆黒の剣(白)達の与える平均ダメージが30未満、いくら手数が増えて負担も減るとはいっても…

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

 

「これで最後だザイトルクワエッ!《クロスブレイク》」

 

「喰らえっ《領域》からの《神閃》に加え《四光連斬》だっ!!(この武技は《枝切り》と名付けよう)」

 

 ペテルとブレインの放った武技が同時にザイトルクワエに炸裂する。そしてそれが止めになり、ズズズーンという音とともに巨体が倒れて行く。ついに魔樹を倒したのだ!

 

「ついにやったぞ!俺達の…森の仲間達の勝利だ!」

 

「うおおおおー!」

 

「ワッショイ♪ワッショイ♪ワッショイ♪ワッショイ♪」

 

 互いの健闘を称え合い、共に喜ぶ勇者達。彼らの戦いは一昼夜におよぶ激戦だった。あまりに時間がかかったので、途中から「少し手伝ってやれ、但し止めはさすなよ」「おやすみー。私もう寝るから」「終わりそうになったら教えてくれ」「えっ…まだ戦ってたの?」などの遣り取りもあったのだが、彼らの活躍(3人の涙ぐましい忍耐と努力)によってザイトルクワエは滅んだのだった。

 

「凄い…体中から力が溢れて…」

 

「ふははは!このグ様にかかればこんなものだ。()()もやるではないか。()()もなかなかだったぞ。」

 

「これは…確かに力が漲ってくる。」

 

「ふふふ…以前とは比べ物にならない位にれべるあっぷしたようでござるな。」

 

 レイドボス撃破の報酬はさすがで、全員がかなりのレベルアップを果たしていた。特に攻撃の主力となっていた漆黒の剣(白)とハムスケは10レベル近いレベルアップだ。実力的にはアダマンタイト級どころか漆黒聖典クラスといっても過言ではない。

 ちなみに東の巨人グが他人の名前を短縮しているのは、彼なりの敬意である。トロールの風習では名前は短いほど、その者が強く勇敢とされているからだ。ぺはペテル、ブはブレインの事だ。

 

 こうして伝説の薬草を入手し、さらに世界を滅ぼす破滅の魔樹さえ討伐した漆黒の剣(白)はエ・ランテル初のアダマンタイト級冒険者チームとなったのだ。

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

 

「それでは()()をナザリック地下大墳墓へ派遣するという事でよろしいのですね。」

 

「白金の竜王はぷれいやー様の出現でこちらへの警戒を弱めている。今なら奴の目も誤魔化せるはずだ。」

 

「彼女の補佐に第一席次を同行させる。他の者では足手纏いにしかならん。」

 

「しかしレベル100超えの従属神…それすら最初のボスに過ぎないとは。」

 

 遂にスレイン法国最強不敗の番外席次が出撃する事になった。出撃の決定を聞かされた彼女はとても満足そうに呟いた。

 

「ついに敗北を知る時がくるのね♪」

 




MVPは間違いなく彼女。
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