それぞれが目指していく終着点   作:卯月七日

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狂人と蛇が目指す終わり
嘲笑うコブラ


 

これはある世界に、一つの文明を滅ぼした破壊者の魂を宿した者の物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は中世。この世には人ならぬ存在、魔族が存在すれば神秘の秘術、魔法も存在する世界。

 

 

とある辺境の地にある小さな村。

 

照りつける日差しの中、鍬を手に農作業をしている青年が一人。藁で編んだ帽子を被り一人汗水流して懸命に働く姿は熱心そのもの。

 

 

そんな青年の元に駆けよる一人の少女が。

 

 

「お兄ちゃーーん! そろそろ休憩にしようよ!!」

 

「ん? おー!もうそんな時間か!」

 

 

 

 

 

小走りで畑近くに植えられた気の木陰を目指す藁防止の黒髪短髪の青年、エル。バケットを手に妹と思われる黒髪の腰まで届く長髪の少女、エリ。

 

 

 

 

 

「ふィ~~。一仕事後の一杯は染みるねぇ~。」

 

「お兄ちゃん言ってる事お爺ちゃんみたいだよ。」

 

「そういうお前こそ何時も部屋に籠って魔法のお勉強ばかりだと、あっと言う間にシワクチャのバアさんになっちまうぞ?」

 

「へぇ~? そのお勉強のお蔭で畑の土を良くしたり、川から汲まずに水を挙げられるのは誰のお蔭かな~?」

 

「へぇーへぇー。これもそれも我が愛すべき妹の努力の賜物ですよ。ありがたやありがたや~。」

 

「もう、大袈裟すぎるよお兄ちゃん!」

 

 

手を合わせながら頭を下げお祈りするエルにエリは注意しながらも笑みを浮かべる。

 

端から見れば仲睦ましい兄妹だと誰もが思うだろう。

 

 

エルはエリが淹れてくれたお茶を一口飲み、心地よい風に当たりながらポツリと口を漏らす。

 

「にしても平和だねぇ。 ここ暫く物騒な話を聞かないってのは、いいもんだ。」

 

「そうだね。 帝都と王都のギクシャクした関係も今は落ち着いてるみたいだし。魔族からの侵略行為も帝都との和平交渉で前ほど少なくなったしね。」

 

「確かあともうちょっとで戦争勃発って位ヤバかったらしいからなぁ。何で王都と帝都って仲悪いんだろ?」

 

「う~ん、難しい事は分かんないけど価値観の違い、何じゃなかなぁ…。」

 

「ふ~ん…ま! 価値観が違くともウチの育てた野菜が売れれば、コッチは全然問題無いんだけどな!」

 

「お兄ちゃんってば、本当に緊張感の欠片も無い人だね。」

 

「それが人生楽しく生きるコツよ、コ・ツ……ん?」

 

「どうしたの?………あれは…。」

 

楽しく談笑してると、二人の下に三人の団体が向かって来た。

 

 

一人は格闘家と思わしき服装と手足に具足籠手を身に着けたを赤毛短髪の女性。もう一人の女性は騎士の鎧を纏った金髪の長髪を後ろに束ねた女性は腰に剣を差している。

 

そして最後の一人は顔が整った美青年で、煌びやかな装備と剣を身に着けた男が万人受けしそうな笑顔を振りまいて二人に話しかけた。

 

「すみません。 エリさんと言う方は、アナタでよろしいでしょうか?」

 

「え? あ、ハイ。エリは私ですけど…。」

 

「ちょーっとちょっと待ってよアンタ等。揃いに揃ってウチの妹になんの用よ?」

 

「私達は帝都から来た者だ。」

 

「ほうほう帝都から……え?帝都?」

 

「そうだ。」

 

女騎士の返答に思わず目が点となるエル。そんなエルを放って女騎士はエリの下に詰め寄り来訪の理由を告げた。

 

「キミの噂を聞いている。かつて名の馳せた魔法使いの孫で、その知恵を受け継いだ才女だと。」

 

「いやそうなんですよ!ホント自慢の妹でして!」

 

「アンタは黙ってなさいよ。」

 

「あ、ハイ。ごめんなさい…。」

 

「才女って…わ、私は爺様の本を読んで、お兄ちゃんの農作業の手伝いをしてるだけだし…。」

 

「その年で水と土、二つの系統を扱うだけで十分才能があるのだ。

単刀直入に言う。私達と一緒に帝都に来て、此処に居る三人とパーティーを組んで欲しい。」

 

「え、えぇッ!? そ、そんな、急に言われても…!」

 

「近頃の帝都の話しは御存知かな? 王が魔族との和平交渉で比較的安泰な関係を繋ぐ事には成功したものの、一部の魔族がそれを良しとしない者が少なからずいるのだ。」

 

「だからその抑止力となるパーティーを組めって王様が命を下したの。その為に異世界の勇者召喚も行ったそうだし。」

 

「え!? 異世界への召喚魔法は、魔族の間でしか伝わらない秘術の筈じゃ…?」

 

「和平に賛成派の魔族から信頼の証に譲り受けたのさ。そして召喚された勇者が…。」

 

「そう、ボクだ。」

 

前に出て来た勇者は、エリの手を握ると顔を近づけて女性を虜にする笑みを振り撒く。

 

 「さっき聞いた通り世界はまだ平和とは程遠いんだ。その為にもキミの力が是非必要なんだ。」

 

「そ、そう言われても。私は爺様のような魔法はまだ全然使えないし…。」

 

「大丈夫! 帝都に行けば此処より十分な環境での魔法の修練が出来るし、キミの才能ならすぐにスゴイ魔法も身に付くよ!だから…。」

 

「…ごめんなさい。」

 

「え?」

 

 

 

エリは呆然としている勇者の手をそっと放し、蚊帳の外扱いされているエルの手を取った。

 

「私には、お兄ちゃんを一人にしておけないから…。ごめんなさい。魔法使いは違う人を誘って下さい。」

 

「いいのか? 帝都の下で働けば、今の生活より待遇された給金だって入るんだぞ?」

 

「そ、そうだ! 少なくとも此処で畑を耕すよりも、十分な生活が…!」

 

「私は今の生活が良いんです。お兄ちゃんと二人で野菜を育てていく、今の生活が好きなんです。」

 

「エリ…。」

 

 

 

ハッキリと勇者たちへの勧誘を断るエリに、勇者は心底あり得ないと言った顔でひたすらエリを見ていた。

 

 

「…そうか。そこまで言うのなら仕方ない。我々は此処で失礼しよう。」

 

「そうね。あんま無理強いするのは気分悪いし。ホラ行くわよ勇者。」

 

「ちょ、待ってくれ!」

 

 

未だ諦め切れない勇者とは違い、エリの申し出を素直に受け入れた女騎士と格闘家はその場を後に去った。

 

そんな勇者一行の去っていく姿を眺めながら、エルはエリに話しかける。

 

「…なぁ。別にオレに構わず、行ってもよかったんだぞ? だってお前…。」

 

「良いの。 さっきも言った通り私は今の生活が好きなの。だから後悔なんてしていない。

…ホラ!休憩終わり!私も手伝うから一緒にやろ?」

 

「…よっし!いっちょやるか!!」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃の勇者一行は帝都までの道中。

 

「にしても変わった娘ね。普通なら真っ先に飛び付いても可笑しく無い話なのに。」

 

「それだけあの兄妹には強い繋がりがあるのだろう。

聞いた話では幼い頃に両親が死んで以降、あの兄がずっと親代わりに妹を育てていたと聞いている。」

 

「まだ王都と魔族の間でギクシャクして居た頃ね。あの頃はそういった悲劇、良くあったよね。」

 

前に並んで話す格闘家と女騎士の後ろで勇者は自分の誘いを蹴ったエリの事ばかり考えてた。

 

絹の様な黒髪に薄着越しで見て取れた抜群のプロポーション。前に居る二人とは違って可愛らしい性格の持ち主であるエリをどうにかして手元に置きたいと前の二人には悟られない様に試行錯誤する勇者。

 

 

 

そして勇者は思いついた。彼女を自分の手元に置けるシナリオを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ごちそうさまでした!いやぁ~、我ながら一級品の腕前だったぜぇ。」

 

「自分で言うのソレ?

でも本当に不思議だよね。お兄ちゃん料理は上手なのに、淹れるお茶は全部マズイだなんてさ。」

 

「うッ!…ま、まぁ人には一つくらい苦手な事がある方が丁度良いんだ!うん!」

 

「お兄ちゃんの場合最早病気レベルな気がするけど…あ、洗物手伝うよ。」

 

 

夕食を終え食卓の後片付けをするエルとエリの二人。

 

エルは皿を洗いながら食器を片づけるエリに、昼間の話しを持ち掛ける。

 

 

「なぁエリ。やっぱお兄ちゃん思うだけどさ。昼間の話し、あれそこまで悪い話じゃあ無いと思うんだよなぁ。」

 

「もう言ってるじゃない。私は今の生活が好きなんだって。」

 

「でも何時までも安定した暮らしが出来る訳じゃない。オレとしてはカワイイ妹に何不自由無い人生を過ごして欲しいのよ。

 

幸いお前には魔法の才能があるし、此処で使うよりもっと…。」

 

「…お兄ちゃんは、私が傍にいなくてもいいの?」

 

「?、エリ…?」

 

手にした皿を置いて、エルの背中に手を回し顔を胸に埋めるエリ。その姿が何処か実の年齢より幼く見える。

 

「私にはもう、お兄ちゃんしかいないんだよ? お父さんとお母さんが殺されてから、お兄ちゃんずっと頑張って私を育ててくれた。

お兄ちゃんがよく家を空けてる時、私ずっと心配していたんだよ? お兄ちゃんも居なくなったらどうしようって。寂しさを忘れる為に爺様の残した本を読み漁った時だって私…。」

 

「エリ…。」

 

「だからお願い…一緒に居て。私を、一人にしないで…。」

 

 

顔を埋めて小刻みに震えるエリの肩を、エルは優しく掴んでニカっと笑った。

 

「お兄ちゃん。」

 

「なーに辛気臭い話してんだよ!ほらオレこういうジメジメとした話しすると、背中がむっしょうに痒くなっちまうの知ってるだろう?

あーもう痒い!すっごく痒い!! あ、手、届かない!」

 

「…プッ、フフ…! もうお兄ちゃんってば! ホラ痒いの何処?」

 

「あーもうちょい下。あ、右右…あ、そこそこ…!」

 

「ハイハイ…お兄ちゃんは私が居ないとダメなんだから…。」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「別にー?何でも無いよ!」

 

「何だよ、もったいぶらず言っちゃいなよ!ホラホラ!!」

 

「何でも無いよー!!」

 

 

 

エリの顔に笑顔が戻り、場の空気が陽気な空気にへと移り変わっていく。

 

そんな二人の耳に、ドアをノックする音が聞こえる。こんな夜更けに誰が来たのかと首を傾げる二人は、とりあえずドアを開けて確認する。

 

「はいはーい…アレ?村長。どうしたんですか?」

 

「おお済まないなこんな夜更けに。エル、今ちょっと大丈夫か?」

 

「えぇ。大丈夫ですよ。まぁ中に…。」

 

「いや、出来ればここじゃない所で話したいんだ。そんなに時間は掛けないから、な?」

 

「そうですか?う~ん…。」

 

「お兄ちゃん。後は私がやっとくから、行って来ても良いよ。」

 

「そうか? じゃあ任せた! じゃあ村長、行きましょうか。」

 

「う、うむ。」

 

「…気を付けてね。」

 

エリに見送られ、軽く手を振って夜の闇へと溶け込んだエル。その姿に一瞬不安が過ぎるエリだが、そんな遠くに行く訳では無いと不安な気持ちを振り切って、残った洗い物を片付けようとしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「村長。なんか大分村から離れてる気がするんですけど…村長?」

 

「………。」

 

村長に連れられて森の中を歩くエル。月の光で辛うじて見える位の暗闇に連れて来られ流石に疑問に感じたエルは村長へ声を掛ける。立ち止まって顔を見せた村長は、エルに対し申し訳無いといった視線を飛ばしていた。

 

「村長?」

 

「…すまないエル。私は…ッ!?ガッ…!!」

 

「村長?…村長!?」

 

突然苦しみ出して倒れる村長へ駆けよるエル。

 

揺さ振って声を駆けるも何の反応も返さない村長。次第に目が暗闇に馴れて見えて来ると、村長の背中に一本の投げナイフが刺さっている事に気付く。

 

「これって……ッ、うわッ!?」

 

抜き取って血の付いたナイフを眺めるエル。ふと月明りの反射で此方に向かって来る何かに気付き、身を倒して躱したナイフは、近くの木に刺さった。

 

頬に痺れるような痛みを感じて触ってみると、一筋の傷跡が。先程躱した際に付いたモノと思ってエルは木に刺さったナイフを見ると、村長を刺したナイフと同じナイフであった。

 

 

「なんで……ッ!?あ、あれ…!?」

 

突然の事に困惑するエルの視界がグニャっと崩れ出し、地面へと倒れてしまう。息が次第に詰まった様に苦しくなり体が沸騰するくらい熱くなる感覚、どうやら掠ったナイフの刃に毒が塗られあったと気付くのは、此方に近づいてくる足音の主が声を発した時と同時であった。

 

 

「へぇー。農夫のクセに避けれたんだ。まぁ、結局躱しても毒で死ぬんだけどね。」

 

「ッ!?ハッ、ァッ…!」

 

エルの下に近づいて来たのは、昼間エリを勧誘しに来た勇者だった。

 

苦しみもがくエルを見下ろす勇者は昼間に見た万人受けの笑顔は無く、歪な笑顔で苦しむエルの腹を踏みつけた。

 

「ブフッ…!?」

 

「ハハッ、理解出来ないって顔してるねぇ?冥土の土産に教えてあげるよ。

ボクはね、キミの妹がどうしても欲しいんだ。男勝りな格闘家やお固い女騎士もイイんだけど、あぁ言う娘も是非手元に置いておきたいんだよねぇ。

その為にはキミがどうしても邪魔なんだ。だから、キミは此処で話してた村長と一緒に魔族に襲われて死んだって事にしておいて、魔族を恨むを持たせてこの村から出て行く口実を作るん、だ!」

 

「うッ!!」

 

踏んだ足を退けてエルを蹴り飛ばす。蹴らて蹲るエルに卑劣な視線を向ける。その行いや歪に笑う姿は、最早勇者とは到底呼べるものでは無かった。

 

「安心して?キミが死んで悲しむ彼女をボクが優しく慰めて、いずれはボクの事しか考えられない位に身も心も虜にさせるから! 兄であるキミの事を忘れる位にね?フフフ…ハハハハハハッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う~ん、イマイチのシナリオだなぁ。」

 

 

 

「ハハハハ!……は?」

 

「殺す手口に村長を使ったのも、毒付きの投げナイフとかも、ちょっと調べれば足が着きそうなお粗末過ぎるやり方。点数じゃ25点、て言った所か?」

 

「な…なぁ…!?」

 

勇者は空いた口が塞がらずワナワナと震えていた。

 

先程まで毒で苦しんでた筈のエルが、ウソみたいに平然としており、自分の描いたシナリオに低い評価を付けるなどの上から目線で物語っていた。

 

 

 

「ど、どうして!? ど、毒は確かに…!!」

 

「ん? さぁどうしてでしょーか?…あ!オレのナイスガイなお顔に傷が!」

 

 

 

顔に刻まれた傷跡に手を当てるエル。すると手の平から光が漏れだすと、くっきりと刻まれた傷跡が綺麗に無くなっていた。

 

 

 

「コレで元通り。あーぁ、踏んでくれた所為でオレの服が、これ新品だったのに…。」

 

「な、なななななんだよソレは!?まさかお前も、魔法を…!?」

 

「残念! オレは妹と違って、魔法の才はコレぽっちとして無いんだよなぁコレが。」

 

「ふ、ふん!まぁいい!!毒が効かないなら…ウオォオオオッ!!」

 

 

勇者は挿していた剣を抜いてエル目掛けて振り下ろす。

 

 

振り下ろされる剣をエルは半歩引いて躱し、後ろへ回り込む。エルを見失った勇者の背中へ、ソバットを入れらた勇者は前のめりに倒れた。

 

 

「ブゥッ!?」

 

「おっとゴメンよ。丁度蹴りやすかったんでついな。」

 

「こ、こんのおおおおおおッ!! ただの農夫如きが!!ボクに蹴りを入れやがって!!

殺す!!お前はボクの手で殺してやる!!」

 

業を煮やした勇者は懐から取り出した手の平サイズのライオンの意匠が描かれたボトルを取り出すと、蓋を回した後勢い良く振るう。

 

すると勇者の体に何やらオーラの様なモノが纏われた。

 

 

「んん? ソイツは…。」

 

「これはなぁ!! 選ばれた者にしか使えない<英知の小瓶>だ!!コレの力は凄いんだ!!お前みたいな農夫なんか一瞬で切り刻んでやる!!」

 

「ほぉー。ソイツは凄いねぇ…で・も…実はオレも持ってんだな!コレが。」

 

 

血気迫る勢いで殺気を飛ばして来る勇者を前に、以前として軽いノリのままのエルは懐のモノを取り出すと、勇者の血走った目が一層見開かれた。

 

 

 

エルの手に持つソレは、勇者が持つのと同じ、銀の縁でコブラの意匠が描かれたボトルだった。

 

 

 

「ど、どうしてお前みたいな農夫が<英知の小瓶>を持っている!? それは帝都や王都の王宮に収められている筈なのに!?」

 

「へぇー。王宮に、ねぇ……コレは良い事聞いちゃったな! お礼に、面白いモン見せてやるよ。」

 

 

そういってエルは更に、懐から取り出したソレを勇者に見せ付ける様に顔の横まで持ってくる。

 

勇者はそれを見て何度目になるか分からない衝撃を受ける。

 

剣と魔法が主流の世界で異質な武器。自分が元居た世界の武器と同じ形状である銃器を何故この世界の農夫が持っているのかと。

 

 

 

言葉の出ない勇者を前に、エルはボトルを振って蓋を回し、右手に持った銃器[トランスチームガン]の下部にある装填スロットにボトルをセットする。

 

 

<< COBRA! >>

 

低い機械音声と共に流れる不気味な待機音。

 

相手の不安を駆り立てる音の出るソレを顔の横に持っていき、ニヒルな笑みを浮かべながら口にした。

 

 

 

 

 

「──蒸血」

 

<< MIST MATCH! >>

 

 

スチームガンを下から上に振り上げる様にトリガーを引くと、銃口から黒煙が大量の吹き出しエルの体を一瞬にして包み込む。煙の中で赤銅の光が輝き出すと、そのシルエットが次第に変わっていく。

 

<< Co,COBRA!…COBRA!── >>

 

<< FIRE! >>

 

 

黒煙が徐々に晴れていくと、血の様なワインレッドをアンダースーツに中心部に青緑に輝くコブラ意匠が刻まれたアーマー。首元に円状のパイプが巻かれ両端がアーマーのサイドに。そして、頭部中央には頭から生えた様な煙突と、アーマーと同じコブラの形をしたバイザーが身に着け、バイザーのコブラの尾が頭部左側にアンテナ状に突き立てられている。

 

黒煙が完全に晴れると、アーマーの噴出孔から似つかわしくない赤と緑の火花が鮮やかに散っていく。

 

 

 

「の、農夫が、魔族に…!?」

 

 

 

「ノンノン。そんなありきたりな名前じゃない。ンッ、ンンッ!……オレの名は。』

 

 

 

エルだった者の声が、別の声に変わっていく。

 

頭部のバイザーのコブラに睨まれるような錯覚を覚えながら、勇者は剣を構え得体の知れないモノの名を耳にした。

 

 

 

『ブラッドスタークだ……イカしてるだろう?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そうか。そういう事か!

その銃といい姿…お前、ボクと同じ異世界から来たヤツだな!!」

 

『正解! と言っても、お前とは少し違うみたいだがな。』

 

「…ハハ。都合がイイや。

お前さえ殺してしまえば、あの女も手に入って、<英知の小瓶>もその銃もボクのモノにしてやる!」

 

『ほぉ、だったら…やってみな。』

 

スタークは一回り大きくなったスチームガンの銃口を勇者へと向ける。

 

前の世界では拳銃と言う凶器を向けられた経験など無い為に、竦んで唾を呑み込む勇者。

 

だが今の自分は前の世界とは違い召喚による恩恵でステータス等は飛躍的に上がってるのに加え、この世界のパワーアップアイテムによって更に強化されている。負ける要素などどこにも無いと自負していた。

 

 

一呼吸を終え、剣を持つ手に力を入れて、力強く一歩を踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

「…行くぞ!覚悟しろこの怪物ッ”ブスッ!”…へ?」

 

背中から感じる感触に間抜けな声を上げながら振り向いてみると、自分の背に先端に棘の付いた鉄の鞭らしきものが刺さっていた。

 

鞭の元を辿っていくと、地面を這いながらスタークの背後に隠した銃を持って無い方の手から伸びており、スタークが腕を振るうと鞭はスタークの腕に戻って収まっていく。

 

 

『こんな簡単な引っ掛けに嵌っちまうなんてな。』

 

「あ…ッ!あ゛ッ、ガァアァアアァアァアアアーーーッ!?」

 

苦しみ出す勇者の体に、黒い痣の様な模様が体に広がりだす。

 

注入した毒に苦しむ勇者にゆっくりとした歩調で近寄るスターク。傍に落ちていたライオンフルボトルを拾い上げる。

 

『皮肉だねぇ、毒で殺そうとしたしたヤツが、毒で殺されちまうなんざ。』

 

「あがッ……た………て…。」

 

『あ?』

 

「たす…けて……しにたく…ない…。」

 

『…ふぅ。』

 

スタークの足を掴んで必死に命乞いをする勇者に呆れた溜息を吐きながら、スタークはしゃがんで話しかける。

 

 

 

『何でお前が此処で、苦しみながら死んでいくのが分かるか?ん?』

 

 

 

「ハッ……ハッ…!」

 

『お前は毒蛇の巣穴だと気付かずに、手を入れて、噛まれた。この意味が分かるか?』

 

 

 

「ハァッ!ハァッハァッ…!」

 

『分からないか?なら答え合わせだ。お前は手を出さなければ死ぬ事の無かったものを、欲のかき過ぎで自滅した…バカ、って事だ!』

 

 

 

「ァ…ァァアァアアアァアーーーーーッ!!!」

 

 

 

『チャオ。おマヌケな勇者さん。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フゥ、さてと…。』

 

 

 

消え去った勇者の散り際を見終えたスタークは、先程勇者から奪い取ったライオンフルボトルをマジマジと眺めていた。

 

 

 

『うん、本物らしいな、どうやら読みは当たってたようだな…。』

 

「オイ!そこのお前!」

 

 

声を掛けられて振り向くと、そこに居たのは昼間勇者と同行していた女騎士と格闘家がスタークを前に警戒しながら構えていた。

 

 

『おぉ!これはこれは、勇者様ご一行の登場か…ま、メインの勇者はもう居ないがな。』

 

 

「何?それはどういう事だ!?」

 

 

『こういう事さ。』

 

 

スタークは勇者が持っていたライオンフルボトルを見せ付けると、それだけで察した女騎士と格闘家は敵意を剥き出しに対峙する。

 

 

 

「貴様…勇者を殺したのか!?」

 

『正解!向こうから襲い掛かって来たもんでな、サクッと返り討ちにしてやったよ。呆気無さすぎてガッカリしたがな。』

 

「ウソでしょ…アイツ腕っぷしなら騎士団長より上だったのに。」

 

「貴様一体何者だ!? 和平に反対派の魔族か!?」

 

『ハズレ!正解はブラッドスタークだ!以後お見知りおきを。

コイツは迷惑料に貰っておくぜ。』

 

「そうはさせん!それは帝都の秘宝にもあたる代物なのでな!」

 

「よし!完全に敵と見てイイわよね? なら倒す!」

 

 

『やれ仕方ない、少し遊んでやるか!』

 

 

 

向かって来る二人にスタークは徒手空拳の構えを取る。

 

格闘家の鋭い突き出す拳を受け流し、女騎士の持つ剣の一振りを腕で受け止め弾く。

 

再度向かって来る格闘家の回し蹴りを身を低くして回避、蛇の様に地を滑り込んで腹部目掛け蹴りを入れる。

 

 

 

「グッ…!」

 

「貴様!」

 

背後から剣を振り下ろす女騎士の一振りを、スタークは振り返らずバルブの着いた短剣[スチームブレード]で防ぐ。

 

「何ッ!?」

 

 

『ソラッ!』

 

振り向き様に見舞わしたブレードの一撃を辛うじて防ぐ女騎士。

 

スタークはブレードに着いたバルブを回す。

 

 

 

<< ICE STEAM! >>

 

『デァッ!』

 

 

 

スタークの振るうブレードを受け止めた女騎士。だがブレードから放たれる冷気が女剣士の持つ剣を徐々に凍結させていく。

 

 

「け、剣が…!?」

 

『シッ!』

 

 

スタークは凍結によって脆くなった剣を砕き、丸腰状態の女騎士に蹴りを喰らわせた。

 

 

 

「ガハッ!?」

 

「こんのォォオオオッ!!」

 

『不意打ちはもっと、静かにやれ!』

 

「キャアッ!!」

 

 

後ろから襲ってくる格闘家の拳を掴み、女騎士に方へ投げ飛ばすスターク。

 

地に倒れる女騎士と格闘家の姿を見て、スタークは落胆の声を漏らした。

 

 

 

『呆気無いねぇ、ちょっと遊んだだけでこのザマか…。』

 

 

<< LIFLE MODE >>

 

 

ブレードの刀身と持ち手を分離し取り出したスチームガンとブレードの刀身を銃口に合わせ銃剣形態のライフルモードへ。

 

取り出したロケットの意匠が描かれたボトルを振り、スロットへ挿し込んだ。

 

 

<< FULL BOTTLE! >>

 

 

「それは、<英知の小瓶>!?」

 

 

 

『せめてシメは派手に行くか…喰らっときな!』

 

 

 

<< STEAM ATTCK! >>

 

 

 

銃口から発射されたロケットが真っ直ぐ女騎士と格闘家狙っていく。

 

 

「避けろ!」

 

「言われなくても!」

 

 

二人は左右に分かれて回避し、ロケットは森の中へと消えていった。

 

 

「はっ! 何よ、全然大した事無かったわね!」

 

『それは、どうかな?』

 

「? どういう…何この音?」

 

「…ッ、上だ!」

 

 

上を見上げると、先程森の中へ消えていったロケットが二人の頭上から落ちて来た。

 

ロケットは地面に接触後爆発を起こし、二人はモロに爆発の衝撃を浴びた。

 

 

 

『追尾式誘導弾ってヤツだ…って、言っても分かんねえか。』

 

ライフルを肩に担いで語るスタークの前では意識を失って倒れている女騎士と格闘家。

 

スタークはどうしたものかと暫し悩んだ後、ある実験を思いついた。肩に担いだライフルのバルブを回し二人に銃口を合わせる。

 

 

 

<< DEVIL STEAM! >>

 

 

 

『まだ騎士と格闘家のジョブにガスを入れた実験をして無かったな。いい機会だからココで……ブァッ!?』

 

 

 

トリガーに指を掛け後は引くだけといった所で、スタークの横から高圧の水流が放たれ、スタークは水に濡れながら吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

『ぷはッ! 水?…。』

 

「…見つけた。」

 

 

森の中から姿を現したのはエリだった。

 

 

手の平に水で出来た玉を浮かばしてる事から先程のはエリが放った事になる。エリは此方を見るスタークに憎悪の目を向けていた。

 

 

 

『お前…。』

 

 

「やっと見つけた……お父さんとお母さんの、仇ィィィッ!!」

 

エリの手の平に浮かんだ水が意思を持つようにスタークに向かって滝の様に流れていく。

 

スタークは迫る水流を前に、ジッとエリを見つめており躱そうとする動きが見られなかった。

 

 

 

『………ッ!』

 

 

水流が目前に迫ってやっと反応を見せたスタークはローリングで回避。

 

その後も向かって来る水の弾丸を、ライフルで斬り捨てる。

 

 

 

『大した挨拶だな!え? 何処かで会った事あるかお嬢ちゃん?』

 

「忘れたなんて言わせない! お前があの夜、お父さんとお母さんを!……ッ!!」

 

エリは丁度スタークが立っている位置から少し離れた所に倒れた村長の死体を見て顔色を変える。

 

村長は確か、兄のエルと一緒に出ていた筈。なら一緒に居た兄は何処へ?目の前に居る両親の仇の姿を見てエリの中で最悪のイメージが浮かび上がる。

 

 

「お前、お兄ちゃんを……お兄ちゃんを何処にやったッ!?」

 

『んん?………さぁな?』

 

「ッ……貴様ァアアアァアッ!!”ロックゴーレム”ッ!」

 

 

エリは地面に手を付くと、地面が盛り上がって形を作り、5m程の岩で出来た人型ゴーレムがスタークを見下ろしていた。

 

 

 

『ほぉ、コイツは中々…。』

 

 

「許さない! お父さんとお母さんだけじゃ無くお兄ちゃんも…!返せッ、お兄ちゃんを返せえええええッ!!」

 

『おっとぉ!』

 

ゴーレム腕から振り下ろされる一撃をステップを刻んで躱すスターク。その後もゴーレムはスタークを押し潰そうと腕を振るうも、スタークは難無く躱し続ける。

 

 

『怒りに呑まれてるからか? 動きが雑すぎるんだよ!』

 

 

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コブラボトルを装填して放った一撃は、ゴーレムを貫き元の石礫となって崩れていった。

 

「きゃッ!!」

 

崩れた礫がエリの足元に礫が落ち、エリは腰を着いてしまう。

 

 

次にエリが顔を上げると、ライフルの銃口を眼前に突きつけたスタークがそこに立っていた。

 

 

 

 

 

「くッ…!」

 

『…あぁ。思い出したよ。お前あの時のおチビちゃんか…大きくなったなぁ。』

 

「…お兄ちゃんを何処にやった。」

 

『またそれか、生憎とお前の兄など知らん。アレはオレが来る前から転がってただけだしな。』

 

 

そう言って顎で村長の死体を指すスタークは突きつけていたライフルの銃口をエリから外した。

 

 

「…情けでもかける気?」

 

『まさか、そろそろ引き上げるだけだ。こう見えてやることが一杯あるんでな、オレは…。おっと、そういえばまだ名乗っていなかったな。

オレの名は、ブラッドスターク。』

 

「ブラッド、スターク…。」

 

『今度会う時はもうちょっとオレを楽しませてくれよ? チャオ!』

 

スタークはアーマーの噴出孔から吹き出た煙に包まれると、その場から姿を消した。

 

跡も無く姿を消してったスタークを見てエリは涙を浮かべ悔しい思いで一杯だった。

 

「ブラッドスターク…アイツが、お父さんとお母さんを…アアアァァッ!

…お兄ちゃん……どこぉ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──うわッ!なんなんじゃこら!? んんッ!?お、おいエリ!!どうした!?」

 

「……お兄、ちゃん?」

 

勢い良く掴まれた肩と聞き馴れた声によって顔を上げたエリの目には、此方を心配そうに見ている兄のエルがすぐ傍にいた。

 

「お兄ちゃん…!」

 

「おいどうした? どこか怪我でもしたのか!? エリ?」

 

「良かったぁ! 良かったよぉ!! うわあああああんッ!!!」

 

幼い子供の様に泣きじゃくるエリを、エルはそっと胸に抱き寄せて背中を優しく擦ってあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───大方の読みは当たっていたか。」

 

 

 

エルは一人、畑の傍に建てられた納屋の中で椅子に座りながらライオンフルボトルを手に弄んでいた。

 

傍らにある机の上には、所持してるであろうボトルも幾つか置かれていた。

 

 

 

「やっぱオレが持っているボトル以外にもこの世界にあったみたいだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…なぁスターク?」

 

『あぁ。そのようだ。』

 

 

納屋の中にはエル一人しかいない筈なのに、エルの声とは違う声がエルと話している。

 

その声の主は、エルの口から発していた。

 

 

 

「でもまさか帝都は兎も角、王都もボトルを持っているとはねぇ。前忍び込んだ時はそういったカンジ全然見えなかったけど。」

 

『なぁに大した問題じゃない。全部あるかは兎も角、今回の勇者の死が王都や反対派の魔族に伝わればなんかしらの動きを見せる。

そうなれば後は軽く一押しするだけで、大規模な戦争が起きる。戦争とならば使える兵や武器を出す、蔵に眠ってるであろうボトルもな。』

 

「でもそう簡単に行くかねぇ? アイツ言ってたじゃん、選ばれた者にしか使えないとかどうとか。

多分だけど、異世界から来た勇者ってのには自然と扱えるだけのハザードレベルが身に付くとかそんなん?」

 

『多分それであってると思うぞ。計ってみたらアイツ2.1はあったからな。』

 

「それなら戦争が起きたとしても、ボトルを扱える勇者が居る帝都しか出して来ないじゃん。また近いうちに新しいの呼んで来るだろうし。」

 

『だったら王都側に勇者召喚の術式を流せばいいだろう。』

 

「あ、そうか。」

 

『あとは反対派の魔族を王都側に着ければ下拵えは完了だ。オレ達は状況を視つつ出て来たボトルを奪えばいい。』

 

「そして奪ったボトルで……こいつを開ける、と。」

 

エルは納屋の床板を剥がして手を入れると、隠していたソレを表に出す。

 

幾何学な模様が彫られた正方形の箱。それは一つの星を滅ぼす強大なパワーを秘めた災厄の箱、パンドラボックスだった。

 

エルは取り出したパンドラボックスを愛おしく撫でる光景を前に、スタークは不意に思った事を口にしだす。

 

 

 

『それにしてもお前と言う男はとことん変わってるな。』

 

「ん?」

 

『あの勇者を殺した事や、女二人にネビュラガスを入れようとするのは平気でやるのに、妹を前にしたら案山子の様に動かなくなりやがって、オレが出て来なかったらボロ雑巾になるまでサンドバックだったぜ、お前。』

 

「しょうがないでしょ。愛する妹があんな場に来るなんて思い寄らなかったから。

正直言ってお前が何かしようなら、あの時無理矢理変わってた。」

 

『身内にとことん甘く、それ以外は死のうがモルモットにしようがどうでもイイか。

変わってる、というよりイカれてるな。』

 

「…ハハハ、何言ってんだよスターク。オレがイカれちまったかなんざ、自分が良く分かってる。」

 

『ほぉ?』

 

「良く考えてみなよ。いきなり死んで、気が付いたらこんな世界に居て、挙句の果てに法や、政治、科学、生活習慣が前の生きてた時代とは全く違う世界に来て、モンスターが蔓延って国の戦争が一触即発間近の危険区域だぞ!?

可笑しくならない方が可笑しい。それだけでもこの世界の連中に取っちゃオレは十分狂人だ!」

 

『だからパンドラボックスを開けてこの世界を壊そうと。だが分かってるのか?その中には、お前の愛すべき妹も含まれているんだぞ?』

 

「分かってるよ……だから。唯一愛すべきアイツだけは、オレがこの手で殺してやんだよ…。

父さんと母さんを、殺したようにね…。」

 

『(…ここまで来るとイカれたより、壊れた。の方が適切だな。パンドラボックスの影響もあるが、本格的に壊れたのは、両親の死か。)』

 

「…さて、明日はやることが一杯だ!歯ぁ磨いて寝よっと。」

 

『(ま、それでもあの男に憑いてたよりコッチはコッチでイイか。何だかんだ言ってこの男は利用価値はある。)』

 

 

 

「あ、そうだ。スターク。」

 

『ん?なんだ。』

 

 

 

 

「この世界壊したら次はどうしようか? パンドラボックスって、別世界に行けるとかそういうのある?」

 

『…さぁ、どうだろうな? ソイツは開けてからのお楽しみだ。』

 

「なぁんだよ、教えてくれたっていいじゃん!」

 

『ハハハハ! ヒ・ミ・ツ♪』

 

 

 

 

 

狂人と蛇の暗躍はまだ始まったばかりだった。

 

 

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