それぞれが目指していく終着点   作:卯月七日

6 / 7

『美少女の出るシンフォギアの続きと思ったか?……





残念!オレだよ!!』(Cv,金○哲夫


結集するファウスト

空は晴天、所々雲が浮かび風が吹く。木々が揺らぎ小鳥の囀りもあって一種の音楽とも言えるメロディーが流れる平穏な一刻。

 

そんな森の木の枝。器用に寝そべり片足をぶら下げている赤いコブラの怪人の画はどう見ても異質な雰囲気を漂わせていた。

 

『…オイ。そろそろ起きろ。…オイ!』

 

「Zzz……んぁ?…あ~へいへい。おはようさん、っと。」

 

『大分お眠のようだなぁ、そんな調子でホントにやれるのか?』

 

「どっかの誰かさんが人の体使って夜遅くまでいろいろやってる所為でしょうが。

それに今日は新しい勇者クンの挨拶だけだし、楽勝楽勝。」

 

 

<< LIFLE MODE >>

 

 

「さぁて、んんッ──行きますかね。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタークが居る場所から少し離れた拓けた所では、三人と一体のモンスターの戦いが繰り広げられていた。

 

 

「ソッチに行ったぞケント!」

 

「分かった!」

 

鎧を身に着けた金髪の女騎士の指示で簡素的な防具と剣と持った黒髪の少年、ケントが迫り来る巨体のモンスター、オーガを前に片手に剣を、もう片方にはウサギの意匠が彫られた赤いボトルを持ち景気よくそれを振るった。

 

ボトルを振るうと赤いオーラが体に纏わり、オーガの視界から消える。突然消えたケントにオーガが周囲を見渡して探している最中、突然自分の両膝が音を立てて地面に着く。

背後には血に濡れた剣を持ったケントが立っていた。瞬発的なスピードでオーガの背後に回り込み、膝関節部を斬ったのだ。

前のめりに倒れるオーガの頭部目掛けケントが跳ぶ。剣はオーガの首に刺し、オーガはこの一撃で絶命した。

 

オーガの上で額の汗を拭うケントの元に女騎士と格闘家が駆け寄ってくる。

 

「やったなケント!」

 

「ま、ようやく使えるレベルって所ね。」

 

「えぇ~? 前と比べて結構上達したと思うんだけどなぁ…。」

 

「確かに以前と比べてかなり上達はしている。だがだからと言って慢心すれば大きな油断となってしまう、それだけは常に心掛けておく事だ。」

 

「う~ん…分かった!ならもっと鍛えなきゃな!」

 

「言ったわねぇ?よーしだったら戻ったらアタシが稽古つけてあげるわ!みっちり扱いてあげるから覚悟しときなさい!!」

 

「げ……あ、アハハ、お手柔らかに…。」

 

(ケントの成長度合いは前の勇者と比べて優秀だな。これならあと幾度かのクエストでコツを掴んでいくだろう…問題はケントがヤツに出会った時だな…。)

 

女騎士が危惧するのは以前組んでいた勇者を殺し、自身と格闘家を相手に軽く一捻りされた赤いコブラの存在。

 

後に分かった事だが殺された勇者はその地位を利用しては帝都内の飲食店で無銭飲食を働いたり、容姿が良い村娘を見ては手を出す等の勇者としてあるまじき行為を隠れて行った為に彼の死亡はそこまで重いモノでは無かった。問題は勇者が持っていた帝都から渡された”英知の小瓶”と呼ばれるアイテム。それを奪われた事が帝都にとって大きな損害となったのだ。

 

王からは奪われた”英知の小瓶”を取り返すよう密命を受け、その為に新しく異世界から呼んだケントをこうして鍛え上げているのだが。

 

(これではまだヤツに対抗できるとは思えない…。もし今ヤツが来たらその時は…。)

 

 

 

 

 

 

『ほぉ~?今度の勇者サマは熱心な努力家かぁ、感心感心♪』

 

「「ッ!!」」

 

「な、なんだ!?」

 

ケントにとって何処からか聞こえる謎の声、格闘家と女騎士にとって鮮明に聞き覚えのある声が辺りに響いた。

 

『お~い、何処見てるんだ?こっちだ、こっち。』

 

 

自分の居る位置を態々教えて来る声に導かれ目をやると、声の主が盛り上がった丘の上で呑気に手を振っていた。

 

二人にとって忘れる筈が無い、赤いコブラの怪人・ブラッドスタークの姿を。

 

『やっと気づいたかぁ。ご機嫌麗しゅうお嬢さん方。そしてそこの勇者サマは初めましてだな!』

 

「貴様ッ、ブラッドスターク!!」

 

「よくまぁおめおめとまた姿を見せてくれたものね!!このヘビ男!!」

 

『おー!、美人二人に覚えて貰えるとは嬉しいねぇ!』

 

「忘れる訳無いでしょう!あん時の屈辱倍にして返してやるわよ!!」

 

『おー怖ッ、そんな眉釣り上げて睨んじゃあ折角の美人が台無しだぜ?』

 

格闘家の向けられる怒りの形相も何処吹く風に受け流した上、両人差し指で自身の眉を上げて格闘家の怒りに油を差す言動をしてくるスターク。

そんなスタークを見てケントはこの世界に合わないSF染みたスタークの姿を見て、もしやと思い思い切って口を開く。

 

「あんた……もしかしてオレと同じ世界から来たヤツか?」

 

『おぉ、正解ッ!よく分かったなぁ!!正解したご褒美に──。」

 

両手でケントを指差しながら足元に置いてあったライフルモードのスチームガンを足のつま先で引っ掛けて蹴り上げる。胸の辺りに上がって来たソレを掴むと、素早く銃口を三人へ向けた。

 

『少し遊んでやんよぉ!』

 

「銃!? 二人共逃げて!!」

 

連続で聞こえる発砲音に三人が同時に動く。

スタークの撃って来る銃弾を回避し続ける三人。地面に銃傷の跡が次々と出来る中、ケントは回避し続けながらラビットフルボトルを振るい、高速移動でスタークの後ろに回り込む。

 

「ハァッ!!」

 

『ッ!──おぉっと!』

 

ケントがスタークに剣を振るうが、スタークは反射的に躱し、丘の頂上から飛び降りる。

 

丘の下に着地したスタークの元にケントも飛び降りて剣を振り下ろすが、スチームガンのストック部に逆手で持ち替え、銃剣でケントの振り下ろしを受け流す。

 

『いい打ち込みだ!そら、もっと来い!』

 

「こんのッ!!」

 

スタークが手招いて来る挑発に乗るケントがボトルの力を使って剣を振るう。縦に横に下からと様々なパターンで斬りかかって行くが、スタークは逆手に持ったスチームガンでそれらを全て捌き切っていた。

 

『ほぉ! 剣の腕はまぁまぁだがボトルの扱いは特性を良く活かしてる、良いセンスだ!だが、まだまだ甘い、なぁッ!!』

 

「グァッ!!……つ、強い…ッ!」

 

「「ケント!」」

 

打ち合ってたケントの剣を弾き、蹴りを腹部に叩き込むスターク。ケントは女騎士と格闘家の所まで吹き飛ばされ蹴られた個所を抑えながらスタークを睨む。

 

『オラどうした?タダのキックでもうダウンか、えぇ?

若いんだからもうちょっとガッツ出して見ろ!ホレ!』

 

そう言いながらスタークを手を広げ無防備な状態を曝す。如何にも攻撃して来いというアピールだ。

 

「このッ、舐めるなぁ!!」

 

「ケントッ!挑発に乗るな!!」

 

ケントは制止する女騎士の言葉を振り切ってボトルを振り大きくジャンプする。

右足にボトルの成分が宿り、自身にとって最大の一撃を地上で待ち構えているスターク目掛け蹴りを放った。

 

「ハァアーッ!!」

 

『グゥッ!……フゥ。』

 

「ッ!?」

 

ケントの蹴りを避けも防御もせず受け止めたスタークは僅かに後ろに下がるも、何とも無いような素振りで蹴られた個所を手で払う。

 

『ん~、良いキックだ!でもハザードレベルが2.7か…。』

 

何処か残念そうに声を漏らすスターク。せめてあともう一押し欲しいと思った矢先、彼の頭の中に今の自分と同じ声が響く。

 

(『おいエル。予定変更だ、オレと変われ。』)

 

(えぇッ?今回はオレに任せるって言ってたじゃん!)

 

(『また次の機会に埋め合わせしてやるさ、それにオレならヤツのハザードレベルを効率よく上げられる。』)

 

(ちぇッ、折角ギアが入って来たのに…。)

 

渋々ながら自分の中のもう一人の人格に体の自由を明け渡す。

 

『さて、大体遊べたし、そろそろ終わりにして帰りますかね!』

 

「何ッ!?ふざけるなッ、逃がしてたまるかよッ!!」

 

「止めるんだケント!今のキミではヤツに勝てない!!

 

『ん?まだ遊び足りないってか?なら仕方ない…ッ!』

 

スタークは突如目に追えないスピードで地を這いまわりケント達を翻弄して行くと、手にしたスチームガンのバルブを回し、背後に回り込んだ女騎士の背中へ狙いを定める。

 

<< DEVIL STEAM! >>

 

『ッ──!』

 

「ガッ!?──う、ウワァアァァーーーーッ!!!」

 

「なッ!?」

 

「な、何!?どうしたのよ!?」

 

スタークの放った弾丸が女騎士に命中。すると怪しげなガスが苦しんでいる彼女の体に纏わり着くと、女騎士の姿が大きく変貌した。

 

体が全体が刺々しい銀色の甲冑の様な体となり、右手が両刃剣で左手が盾となった異形の怪人となった。

ケント達があまりの光景に言葉が出ないなか元凶のスタークは「ほぉ~。」と感心した様子で眺めていた。

 

『騎士のジョブにガスを注入すればそれに準じたスマッシュになるのか…さしずめナイトスマッシュって言った所か。』

 

「スターク!!お前彼女に何をした!!」

 

『なぁに、ちょっと元気になるガスを入れてやっただけだ。オレの変わりにコイツで遊ばさせてやろうって言うオレなりの気遣いだよ。』

 

「ッ!!ふざけるな!!直ぐに彼女を元に戻せ!!」

 

『元に戻したくば倒すしか方法は無いぞ?それと今のコイツは理性の獣当然だ。だから…。』

 

「グ…グアァアアァアッ!!!」

 

雄叫びを上げたナイトスマッシュが右手の剣を振り回しながらケント達の方へ向かって行く。ケントと格闘家はそれぞれ分断して躱していくも、ナイトスマッシュは目に入った格闘家へ向かって襲い掛かって行く。

 

『ご覧の通り仲間の区別もつかず無尽蔵に襲い掛かって行く。

確かこの近くに小さな集落があったなぁ、もしソイツがそこに行けば、悲惨な光景が出来ちまうな?』

 

「クッ!…スタークゥゥッ!!」

 

『ホレホレ、そう叫んでる間にもあの格闘家のお嬢ちゃんがやられそうだぞ?目の前の仲間を見捨てる気か?勇者サマ?』

 

「ッ!……」

 

スタークが指差す方へ目をやると、仲間故に手が出ない格闘家が体中に切り傷を作り血を流しながらナイトスマッシュの攻撃を躱し続けている。

 

スタークの言う通りこのままでは格闘家がやられてしまうのは時間の問題だ。でもだからと言って女騎士を、仲間を倒すなんて事もしたくない。

だがそうして迷っている間にも刻一刻と決断の時が迫って来る。

 

『おぉっと!足を斬られたぞ!』

 

「ッ!!」

 

 

「グッ、グゥゥゥッ!!」

 

「や、止めて!!お願いだから正気に戻ってよ!!」

 

必死に呼びかける格闘家の声に応える気配の無いナイトスマッシュは、剣を振り下ろそうとしていた。

 

 

『さぁ決断の時だ勇者サマ。どっちを助け、切り捨てるか…さぁ!どっちだ!!』

 

「ッ…う、うわああああああッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

ーザンッ!!ー

 

 

「……え?」

 

「ガッ…ァ……ァア…。」

 

「ッ───!!」

 

ナイトスマッシュの肩口から腰に掛けて大きく刻まれた跡。その背後で剣を振り下ろした後のケント。

 

ナイトスマッシュが音も無く倒れいくのをケントは悲痛な顔で伏せていた。するとナイトスマッシュの体から粒子の様なモノが出てそれがスタークの持つからのボトルへ吸い込まれるとスマッシュから女騎士の姿になった。

元の姿に戻った事に一瞬歓喜の色が見える二人であったが、女騎士の体が発光しだし体が徐々に透けていく。

 

「何よコレ!?コレで助かるんじゃなかったの!?答えなさいよスタークッ!!」

 

『ハザードレベル1。倒せば元の姿に戻るのはご覧の通りだが、レベルが低すぎるとそんな風に消滅しちまうのさ。』

 

「そんな…それじゃあどの道助からなかったって事じゃないの!!」

 

『いやぁ、流石のオレもその女のレベルがそこまで低いとは思わなくてなぁ?

でもまぁ早めに仕留めたお蔭で余計な被害が出ずに済んだんだ。ここは勇者サマの英断に、拍手!だな!』

 

悲痛な思いの二人とは対照に拍手しながら陽気に笑うスターク。

 

ケントの手に握るボトルが、僅かに光った。

 

『ハッハッハッハ!!──ッ!?』

 

ードガァァンッ!!ー

 

咄嗟に右腕で受け止めた拳だが、スタークは勢いを殺せず大きく下がってしまう。

 

相当な威力を物語る様にスタークの右腕から出る煙を見ながら、拳を突き出したケントを見比べる。

 

『フ…フハハハハハッ!!! ハザードレベル3.5ォ!怒りでレベルが此処まで上がったか!!

やはり手っ取り早く上げるにはこの手に限る…。』

 

「ッ…スタークッ、オレはッ、お前を…ッ!!ウアァアッ!!」

 

怒りの形相で再度スタークに殴りに掛かるも、スタークはコレを難無く躱してケントと距離を取る。

 

『フゥ!まだまだ伸び代甲斐がありそうだ!その調子でもっともっと強くなれ!…ココから先に待ち構えているのは生半可なモノじゃあないぞ。』

 

「どういう事だよ!」

 

『それは後のお楽しみ♪おーっとそうだ、できれば後ボトルをもう二本ぐらい持っておけ、オレからの親切なアドバイスだ、Ciao!』

 

「ッ!待てッスターク!!」

 

「ケント!…。」

 

煙に紛れ姿を消したスタークを追い掛けようとしたケントであったが、格闘家がそれを引き止めケントを女騎士の元へ。

消滅しかけている中意識を取り戻し、ケントと格闘家がもうすぐ消える女騎士の手を握る。

 

「…そういえば、まだ私の名前を伝えていなかったな…。」

 

「「ッ…!」」

 

「私の、名前、は…──。」

 

「あ……あぁッ!!」

 

「ッ…ぐ、あああああああッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わりスタークは陽の光が届かない地下の通路を進んでいた。

 

歩いて行く方向にローブを羽織った上質な服装の人影を見ると声を掛ける。

 

『いやぁ悪い悪い、待たせちまったようだな。』

 

「…貴様から呼び出しておいて遅れるとはな、何処で何をしていた?」

 

『ちょっと遊んでいただけさ。思いのほか盛り上がって時間を忘れる位にな。』

 

「フン…。」

 

ローブを羽織った銀髪長髪の褐色肌の男。この世界では魔族の種族に分類される男、ギークはスタークに背を向けながら話し掛ける。

 

「そういえば聞いているか。王都の連中も異世界から勇者を呼び出したと言う話が出ている。」

 

『いや、初めて聞いたな。王都も勇者を呼び出したとなると、帝都へ戦争でも仕掛ける気かねぇ?』

 

「それについてはどうでもいい。問題は奴等がどうやって異世界からの召喚術を知ったかだ。

アレは元々我々一族の秘術。そうおいそれと外部に漏れる代物では無い……父上が帝都に秘術を公開した以外は。」

 

『帝都側から漏れたという事か。ずさんな守りだ事で。』

 

「だが帝都の連中もそこまでマヌケと言う訳では無い、余程の者が忍び込んで秘術を横流ししたとオレは睨んでる………例えば、貴様とかな。」

 

『オイオイ、それは流石に傷ついちまうぜ!仮にもこれから世界を常識を引っくり返すドデカい計画を一緒にやる仲間なんだぜ?

それにそれこそこの計画を進めるに当たってはオレの協力が不可欠の筈だ。ココはお互いの為を思って、仲良く関係を築き上げるのが良いんじゃあないか?ん?』

 

「………フン、まぁいい。いざとなればオレがその勇者を殺せば済む。それに…。」

 

『?それに?』

 

「例の勇者には女がいるらしい。いざとなればソイツを人質にでもすれば簡単にカタが着く。」

 

『女、ねぇ。別世界だってのに随分と手の早い勇者サマだ事で。』

 

「それが召喚の不手際があったらしい。その女は元々勇者と同じ世界から来た人間だ。」

 

『………へぇ。』

 

「…それにしても。」

 

ギークは今立っている場所から大きく段差のある下を見ると、そこには数多くの亜人達が忙しなく動いていた。

 

妖しげなガスが入っている容器の前で白一色の防護服とマスクを着けた長耳のエルフ。鉄製の複雑な装置の調整を行っている小柄なドワーフ。必要な道具の運搬や武器を持って警備している人型のトカゲのリザードマン。それらが黙々と分担作業している光景をギークは興味深く眺める。

 

「エルフ、ドワーフ、リザードマン。帝都と王都が小競り合う前の大戦で数を減らしそれ以降身を隠して生きる事を選んだ臆病者共を表に出して来させるとは…一体どんな手を使った?」

 

『なぁにそんな大した事はしていない。ただちょっと背中を押して”ヤル気”を出してあげただけさ。

おーーい!!皆注もぉーーくッ!!』

 

下で作業している亜人達にスタークが大声で呼びかけると、一斉に視線が上に居るスタークとギークへ向けられる。

 

『これから此処に居るギーク殿から皆にありがた~い話があるそうだ!…んじゃ、頼んだぜ。』

 

「貴様……フゥ…諸君!まずは、こうしてこの場に集って来た事に感謝の意を述べよう!

此処に居る者達は種族も、生まれも、文化もそれぞれが異なる統一性の無い集まりだ。だが一つだけ、我々には大きな共通点がある、それは…生きていると言うだけで人間に差別され!、迫害され!、理不尽な命の搾取をされた被害者であることだ!!」

 

誰もが静かにギークの話を聞く、次第に向けられる視線の色が変わりギークもソレに釣られてか最初はスタークに無理矢理のせられたものの熱が籠って語りがヒートアップする。

 

「我々がこれから行う事は人間共以外にも、信仰する神にも、自らの心情にも反した非道な悪事となる。だが忘れるな!!家族を!友を!!愛する者を奪われ絶望に浸る同朋にとって我々が希望の象徴として戦う事を!!我ら…我々ファウストが迫害無き理想の世界を造り上げるのだ!!」

 

【【【【…ウオオオオォオォーーーーッ!!!】】】】

 

【【【【ファウストッ!!ファウストッ!!ファウストッ!!】】】】

 

 

亜人達の心を見事掌握したギーク。未だ鳴りやまぬ喝采を浴びながらギークは懐からスタークと同じトランスチームガンと蝙蝠の意匠が彫られたボトルを装填した。

 

<< BAT! >>

 

「オレは生まれ変わる!魔王の息子ギークとしてでなく、革命を果たすファウストの一人として──蒸血ッ!」

 

<< MIST MATCH! >>

 

スチームガンを横に振るうと銃口から出る黒煙がギークを包み、その姿を変える。

 

黒いアンダースーツを身に纏い上半身に銀色のアーマーが装着されており、アーマーの両端とその両肩には排気口らしき煙突状のパーツが取り付けられ、アーマーの中心部には蝙蝠の装飾。アーマーから赤と緑のコードが腕部や上半身に向かって繋がっている。そして、頭部にはスタークと同じ額から煙突が生え蝙蝠の形をしたバイザーが着けられている。

 

<< BAT!…Ba,BAT!── >>

 

<< FIRE! >>

 

アーマーの排出口からでる白と黄色の火花に誰もが目を奪われるなか、バイザーを光らせながら俯いた顔をゆっくりと上げ、こう告げた。

 

『オレの名は───ナイトローグだ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フフフ……第一フェーズはクリア、だな。』

 

(これからが本番、だね♪)

 

『あぁ。楽しいゲームがいよいよ始まる…世界滅亡のゲームだぁ…!』

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。