「さてと、んじゃあルールなんだけど、
「ま、せやろなぁ。何加えるん?」
「まずは二人組の対抗戦ってのが絶対条件かな。後は
これだけは譲れない。と、当然の条件を巫女に提案したカイ。
「どうせ4人で卓を囲む事になるんやし、二人組の対抗戦っちゅうんは歓迎や。せやけど、麻雀の役を適用なんて、何が目的なん?」
「私が分かりやすい。陬雀なんてやった事無いゲームするんだし、多少はこっちに配慮して?」
「別にええけど。――それやったら、初めから麻雀で良かったんと違う?」
「だって『
膝の上で、カイの指を
「随分と舐められたもんやね。そない簡単な事に思えるん?」
「まっさかー。私勝負ごとに弱いし。なんなら、ステフちゃんより弱い自覚あるよ?」
「流石にダウトですぅ。鮮やかな嵌め手搦め手でステフ様どころか僕すら負かしてるじゃないですかぁ。そんなカイ様が弱いなんて、僕らの立つ瀬が無いじゃ無いですかぁ」
ようやく会話に参加できたプラムは、
唇を尖らせ、不満を露わにしながら。
しかし、カイは。
「だって考えてみてよ。二度と使えないような嵌め手であり、搦め手だよ? 再戦挑まれたら、勝ち目あると思う?」
「――それ、誘い受けの
「てか話逸れとるで? ルールはそれだけでええのん?」
「あ、まだまだ。対抗戦ってぐらいだから、お互いの手牌の合計役で競うってのと」
ルールの追加を締めようとした巫女に、カイは待ったをかけて。
「この勝負に使う牌。それぞれの精霊によって偏りが出る様にして欲しいんだよね」
「? どないな意味や?」
新たに追加されようとしているルールの意図が分からず、思わず聞き返す。
「んーと、みんな体内に精霊を保有してるんでしょ? その精霊の量に応じて、例えばいい手が入りやすくなるとか」
それは公然とイカサマをもルールに組み込む。と言った趣旨の提案で。
「対抗戦だし、同じ二人組同士なら手牌の情報を共有出来る事にもして欲しいなぁ」
「どうせやるだろうし、
この世界の事を。この先の事を知っているという彼女が言う事にこそ意味があったそのルールの提案は。
「ほんま、知られとるっちゅうんは、やりにくいんやなぁ」
巫女からすれば呑むしかない要求だった。
そもそも、カイに勝負を仕掛ける様に仕組まれた為に、巫女の脳内では必敗のゲームすら受けさせられる覚悟をしていた。
しかし蓋を開けてみると、陬雀というこちらに経験というアドバンテージのあるゲームを提案され、
まだまだこちらに分がある勝負にしか思えない。……だからこそ、警戒する。
「そっちの提案呑むとして、そのゲーム、どうやって作るん? 精霊を基準にするルールがある以上、電脳空間では出来へんし。……誰やあてがあるんか?」
「あ、僕がしますぅ。カイ様から散々血を貰っているのでぇ、まっかせてくださいぃ」
「却下や」
どうせそうなるだろうと思いながらも口にした懸念は、やはり巫女の思った通りで。
どうしてカイと組むプラムに、このゲームの根幹とも言えるシステムを作らせようか。
「えぇ……僕、絶対に不正の出るようなルールにしないと誓いますよぉ?」
「信じれると思うん? あんたがうちら嵌めようとした事、忘れてへんで?」
「じゃあさ。プラム君は盟約に誓ったゲームを巫女さんに吹っ掛けて。わざと負けて今回のゲームのシステムを作る際に、イカサマが出ないように縛って貰うってのは?」
火花バチバチで互いに言い合う巫女とプラムに、満面の笑みでそんな事を提案したカイ。
(その笑顔がすこぶる怖いんですよねぇ。……もうなるようになれって感じですけどぉ)
(そこまで自信を持てる材料があるっちゅうんか? ……ルールとか、洗い直した方がええか?)
そんなカイの態度に思う想いは二人それぞれ。
けれどもそれ以外に選択肢など無く、八百長でプラムを縛り、ゲームのシステムを編ませたところで。
「そう言えば巫女さん? 巫女さんの相方は誰にするの?」
「あ、せやなぁ。別に誰でもええんやけど。――いづなに頼みたいんやけどなぁ」
話している途中に何か思いついたのか。寸前の言葉を否定するように、含みを持たせた口調で締める。
「あれ? いづなちゃんってもう寝ちゃったんじゃ――あ、そういう事か」
その含みの意味に気が付いたカイは納得したように言葉を続ける。
「じゃあ明日、いづなちゃんが起きて、ご飯を食べて、万全な状態になってから勝負をするって事でいい?」
「かまへんよ。他に追加ルール無いんやったら、ここで盟約に誓っとこか」
「? 別にいいけど……なんで?」
「うちもそんなに暇やないからね。明日いづなの準備が出来次第ゲームをやりたいんや。あの子、いつ準備が済むか分からんからな」
実際はそうではなく、これ以上ルールの追加を防ぐため。そしてこのルールで固定するための巫女の一手。
「そういう事なら」
あっさりと了承したカイは右手を。巫女もまた右手を上げて。
「「
綺麗にハモり、明日、いつ始まるか分からないゲームの締結を完了させた。
「えっとぉ、日中でやるゲームってぇ……僕が
一人だけ、明日の勝負に絶望した人物も居るが。――何故だか誰からのツッコミもフォローも無かった。