blank page   作:瀧音静

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な、なんとか納得できるもの仕上がったかと思います(滝汗)

感想評価は本当に嬉しく、現金なもので意欲に繋がりますし、楽しんで頂けているとホッとする半面、更新の度に、誤字脱字無いよね? だったり。これで楽しんで貰えるのかな? と心臓バクバクでして……。

何か不備や分からない場所などがあれば教えてください。
もちろん普通の感想も大歓迎です。


…………次のノゲラいつ出るんですかね? 作者Vtuberデビューとかしましたけど(遠い目)


勝機煽動(コンバッション)

「それで? 実際はどんなゲームにするのにゃ!?」

 

 鼻息荒く、ジブリールからの永久お姉ちゃん呼び引換券にしか見えなくなったカイに捲し立てると。

 

「ちょ、アズにゃん。近い近い近いから!!」

 

 はやる気持ちが表れてカイににじり寄っていたからか、カイに大きく距離を取られてしまった。

 

「早くゲームの内容言うにゃ! ジブちゃんは待ってくれないのにゃっ!!」

 

 今のところ金輪際待つ気は無いのだろう、と思った事は口にせず、変に気を損ねるのも悪手だと考えたカイは、言われたとおりに勝負の内容を口にする。

 それは、アズリールが僅かにすらも予想出来なかった内容で。

 そもそも無謀とも言えるような内容で。

 その気になれば必敗にすらなりえる内容だった。

 

「親は私固定の一回勝負。そして、質問は無し。いきなり何を秘めたのかを当てて?」

「ふざけるんじゃ無いにゃ! そんなの当たるわけ無いにゃ!! 無効にゃ! 無効にゃ! そんな勝負受けるはず無いにゃ! 馬鹿にするなにゃ!!」

 

 ゲームの内容を聞いた途端に当然の如く憤慨(ふんがい)するアズリールを無視し、カイのゲームの内容説明はなおも続く。

 

「当てる事が出来たら私の勝ち。逆に外したら、アズにゃんの勝ちだよ?」

「に゛ゃぁっ!!?」

 

 空気が、変わった。

 先ほどまでのゲームを楽しんでいた和やかな空気。

 それら全てが、カイの説明が終わった途端に吹き飛んだのだ。

 ゲームとして成立しないような、そんなふざけたルールを設定したが為に。

 自分の、親の勝ちを、相手に、子に譲って貰わねば勝てないという馬鹿げた――本来あり得ないルール。

 

「だから要求を先に言わせたにゃ?」

「?」

 

 身を震わせて、それでも何とか平静を保ってそう聞いたアズリールにカイが返したのは、心の底から何のこと? と不思議がる表情で。

 

「とぼけるんじゃ無いにゃ!! こんなうちの勝ち確定のゲーム仕掛けて何するきにゃ!!」

 

 アズリールを怒らせるには十分すぎる効果を持っていた。

 

「つまり、うちの要求はそのまま呑むから八百長で負けろとでも言うのにゃ!!?」

 

 そう取られても仕方が無いルールに、確かにカイは設定した。

 けれども、もちろん負ける気などさらさら無く、いつも通り、カイの勝ち方を貫くが為のルールな訳で。

 

「こんな冗談みたいな勝負するだけ無駄にゃ!!」

 

 それを冗談等と言われて、何も言わないはずがなく……。

 

「本当にさぁ、天翼種(フリューゲル)って、どうしてこうも私の勝負を悪ふざけだとか冗談だとか言っちゃうんだろうね」

 

 勝てない勝負と分かっているがゆえに、『  (くうはく)』相手にどう転ぼうが結局行きつく先は同じになるように知恵を絞った「盟約に誓った」勝負をジブリールから「悪ふざけ」などと評されて。

 勝つための道のりである筈のルールは、やる前から冗談だと一蹴された。

 

「思考が及ばない旧時代から変わる事の無い骨董品の脳みそは黙って勝負受けて負けてくれない?」

 

 触れられたくない。……いや、そもそも疑われて欲しくない勝負に対する、勝つ為の気概が。

 ものの数秒聞いた程度で否定されてたまるか、と。

 普段男の娘(プラム)を抱き締め、一方的なイチャコラをし、抱き枕として一緒に寝ているような顔とは、口調とは思えないそれぞれを覗かせながら、アズリールへと言う。

 怒鳴るでも、怒るでも無く。

 淡々と、相手にしっかりと聞こえるように。

 

「あ゛!? 人類種(イマニティ)如きが何言ってるにゃ? それとも、自分で言っておいてどんなルールなのかも理解出来て無い様なアホなのかにゃ?」

 

 負けじと煽るアズリールへと、カイは一寸も動じずに返す。

 

「その人類種(イマニティ)に負けたのはどこのどなた方でしたっけ? しりとりで他種族に負ける天翼種(フリューゲル)? 空を飛ぶ追いかけっこで完全敗北かましてそのクソザコナメクジにまで落ちた全翼代理者の最終決定権保持者? 聞いた事も無いなー」

 

 煽る範囲を限定的にした事で、アズリールの額にうっすら青筋が浮かぶ。

 紛れも無い事実なだけに、言い返す言葉に僅かに詰まった瞬間を見逃さず、カイの追い打ち。

 

「するだけ無駄? やればいいじゃん。簡単に勝てるんでしょ? 私が知ってる情報取れるじゃん。簡単じゃん?」

「お前、少し黙るにゃ」

「あ、何も言えなくなっちゃったんだ。そうだよねー図星だもんねー。言い返せないもんねー」

「死ぬか黙るにゃ。……受ければいいにゃ? 上等にゃ! 速攻負かして吠え面かかせてやるにゃ!」

 

 売り言葉に買い言葉。

 ゲームのルールを承諾し、さっさとしろ、とばかりに勢いよく手を挙げたアズリールと。

 未だに自主規制が必要なそうな顔でアズリールを睨みつけながら、ゆっくりと右手を上げるカイ。

 

「ルールはさっき言った通り、私が親で、質問無しの即回答。当てて貰えば私の勝ち。外せばアズリールの勝ち。異論は?」

「ある訳無いにゃ」

「お互いの要求は、私も色々あるしアズリールも要求足りないでしょ? もう、要求全てを飲むって事でどう?」

 

 いつの間にかカイのアズリールに対する呼び方が変わっている事に、アズリールは気が付いていない。

 

「構わないにゃ。むしろ要求を下げてくると思ってたにゃ」

「そんな意味分かんない事しない。んじゃ、いくよ?」

 

 牽制気味に放たれた挑発もするりと躱し、お互いの同意を確認したところで。

 

「「盟約に誓って(アッシェンテ)」」

 

 盟約に誓った勝負が開始された。

 

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